ROIを最適化するプロセス志向のWebアクセス解析の活用術とは

東京国際フォーラムにおいて8月1日、第3回「WebマーケティングROI Day」が開催された。WebマーケティングROI Dayは、企業のWebマーケティングにおけるROI(費用対効果)を向上を追求するカンファレンス。アクセス解析、ネットPR、サーチなど、ROIを改善するための施策として、それぞれの分野における専門家が講演を行った。

その中でも注目したいのが、『Web解析Hacks』の著者であるエリック・ピーターソン氏による基調講演、「『Web解析の神話を暴く』~プロセス志向でもっと利益をあげるWeb解析~」だ。

ROIを最適化するプロセス志向のWebアクセス解析の活用術とは

毎回海外から特別ゲストを招いて行うWebマーケティングROI Dayの基調講演。今回のゲストは、Web解析に関する研究機関 JupiterResearchのシニアテクノロジーアナリストを務めた、アクセス解析のパイオニアであるエリック・ピーターソン氏だ。同士は、今年の5月に自身が主宰するWebコンサルティング会社Web Analytics Demystified Inc.を設立している。

Web Analytics Demystified, Inc.
プレジデント兼主席コンサルタント エリック・ピーターソン氏

講演でエリック・ピーターソン氏は、Web解析を行う際には、単に分析を行うだけでなく、規定されたプロセスに従って運用することが必要だとした。「現在、世界の企業の中でも、Web解析への投資管理を規定されたプロセスを用いて行っている企業は8%ほどである。米国の企業では、規定されたビジネスプロセスをWeb解析に活用している企業のうち、50%がWeb解析に対する投資以上の収益を得ている」と語り、プロセスを用いてWeb解析を行うことの重要性を説いた。

また、「ウェブ解析は非常に困難で難しいものである。Web解析の課題は、適切なとき、適切な人に適切な情報を与えるということ。そうすることで、適切な人物が適切な判断を下すことができ、こうすることでWebサイトも適切な成果を上げることができる。技術だけではだめで、優れた人材がアクセス解析をする必要がある」とし、技術、人材、そしてプロセスを含めた3つの要素が、Web解析で成功するために大切であるとした。優れたWeb解析ツールを活用するだけではだめで、それらを分析し、その分析結果をもとに仮説・検証を立ててWebサイトを改善できる適切な人材が必要であり、これを正しいプロセスをもって行うことが重要というわけだ。

そして、上手くプロセスを活用できていない企業に向けて、Web解析のプロセスを始める上で重要なポイントとして、まず自社がビジネスプロセス型であるか考え、次に以下の5つの要素ができているかを説いた。

  1. サイトを訪れる訪問者がどういった人物かを把握しているか
  2. 仕掛けたマーケティングの成否の理由を把握しているか
  3. データを使ってWebサイトを改善しているか
  4. Webサイトが訪問者に対して価値あるものを提供しているか、自社に価値があるのか
  5. 顧客の意見に耳を傾けてWebサイトの改善を図っているか

中でも、「顧客の意見に耳を傾けてWebサイトの継続的な改善を図っているか」という点、すなわち、ユーザーの意見を聞くことができているかが最も重要なことと語った。

プロセス志向の分析・解析が存在するのは、多くの企業がWeb解析をするときに共通の間違いしているからだと指摘するエリック・ピーターソン氏。当然のことながら、最も基本となるのはビジネスの目標を定めることだ。
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