通年データから直近の傾向を探る
本レポートも2009年10月に掲載が始まり、この秋で2年が経とうとしています。インターネット業界も社会情勢も大きく変貌を遂げる中、中長期の観点もより一層重要度を増しているものと思われます。今回は、2010年6月から2011年5月までの1年間のデータ推移を観察することで、より変化の大きな部分をチェックしていきます。
それでは、まず2011年5月の統計データから見ていきましょう。
アクティブユーザーを示す基本指標
| UUあたりPV |
4.11 |
| セッションあたりPV |
2.57 |
流入元ごとの効果を示す指標
|
流入比率 |
直帰率 |
CV比率 |
流入別CVR |
| 検索エンジン |
24.87% |
61.71% |
4.17% |
0.24% |
| クチコミ |
0.93% |
67.67% |
1.01% |
1.55% |
| PR |
0.68% |
53.56% |
0.00% |
0.00% |
| リスティング |
10.13% |
54.04% |
2.84% |
0.40% |
| アフィリエイト |
0.03% |
50.54% |
0.31% |
15.12% |
| 純広告 |
7.78% |
30.27% |
0.43% |
0.37% |
| その他 |
55.58% |
73.67% |
91.24% |
2.34% |
| 全体 |
- |
70.05% |
- |
平均 |
1.43% |
全体コンバージョン率
| ランディングページからのCVR |
1.43% |
| エントリーフォームからのCVR |
45.24% |
SEM経由のコンバージョン比率
|
リスティング |
SEO |
| 単一ワードCV数比率 |
58.39% |
70.45% |
| 複合ワードCV数比率 |
41.61% |
29.55% |
SEM経由の単一/複合ワード別コンバージョン率
|
リスティング |
SEO |
| 全ワードCVR |
0.29% |
0.41% |
| 単一ワード流入を母数としたCVR |
0.39% |
0.54% |
| 複合ワード流入を母数としたCVR |
0.33% |
0.23% |
CGMからのクチコミ流入を示す指標
| CGM |
| CGMからの流入比率 |
0.97% |
| CGMからのCV比率 |
1.76% |
| CGMからのCVR |
1.17% |
SEOのロングテール対応状況を示す指標
| SEOにおけるランディングページ数 |
850.67 |
| SEOにおけるランディングページがトップの割合 |
7.80% |
エントリーフォームの流入元別コンバージョン率
| SEO |
58.71% |
| クチコミ |
39.36% |
| PR |
2.38% |
| リスティング |
64.20% |
| アフィリエイト |
28.57% |
| 純広告 |
52.66% |
| その他 |
48.86% |
主要検索エンジン別コンバージョン率
|
セッション |
CV |
CVR |
| Yahoo! |
45.48% |
39.76% |
0.37% |
| Google |
43.05% |
55.29% |
0.52% |
| Bing |
3.80% |
0.35% |
0.01% |
| その他検索エンジン |
7.68% |
4.59% |
0.49% |
| 合計値/平均値 |
100.00% |
100.00% |
0.42% |
主要リスティング別コンバージョン率
|
セッション |
CV |
CVR |
| Yahoo!リスティング広告 |
36.32% |
54.67% |
0.65% |
| Google AdWords |
63.68% |
45.33% |
0.40% |
| 二社合計値/平均値 |
100.00% |
100.00% |
0.49% |
1年間のCV比率推移
流入比率年間推移
まず流入比率推移を見ていくと、季節要因やプロモーション流入要因と思われる増減はあるものの、全般的な傾向はそれ程変わっていないものと思われます。昨夏に実施されたYahoo!におけるGoogle検索エンジン採用も、SEO全体で見ればこのことで検索による流入の数字に反映されているとはここからは読み取れません。
自然流入における直帰率年間推移
一方、検索エンジン経由の流入は直帰率推移で見るならば実に20ポイント以上も増加しており、これは他の自然流入に比べ大幅な上昇率と見なすことができます。2011年4月では検索エンジン経由で訪れたユーザーの実に65%以上がランディングページから離脱していますが、5月にやや下降しており、4月の結果が特異点なのか恒常的傾向なのか、はしばらく観察が必要ではあります。しかし、通期における全般的な増加は注目すべき傾向だと言えます。
CV比率年間推移
そして、この1年で最も目立つ変化はCV要素として圧倒的に「その他」が占め始めた、という点です。これに関しては、ブックマーク経由やライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の高いユーザーが活発に活動しているというより自然流入もプロモーションもCV数が低下していると考えた方がよさそうです。
何故ならば「その他」流入は流入比率(40-50%)、直帰率(75%前後)、CVR(2.5%前後)とも大きく変化しておらず、企業サイトにおける固定ユーザーが活性化された要素が見られないためです。検索エンジンやリスティング経由のCV数が減少した傾向は4月~5月に顕著ですが、これが今後継続するか、それとも何らかのイレギュラーな要素によるものかは、今後の経過やより深い掘り下げが必要になってきます。
◇◇◇
ともあれ、これまでのやり方ではユーザーの顕在化や誘導まではできるものの、購買にはもはや結びつかなくなくなってきている可能性は十分に考えられます。その上で、短期での売上を上げるための施策も行いつつ、より長期スパンで収益を確保していくためにやるべきことは何か、という意識でデータを見ることが重要になってくるでしょう。
調査概要
ユニメディアのマーケティングツール「UMAP」導入企業をサンプリング、企業の各種KPIを統計データ化して業界水準のCVRを数値化した