リコーが「Gemma 3」ベースの日本語LLMを開発、PCサーバでオンプレミス導入が可能

エフサステクノロジーズの「Private AI Platform on PRIMERGY」に搭載して提供開始

小島昇(Web担編集部)

12月9日 7:01

リコーは、自社で開発・提供する日本語大規模言語モデル(LLM)シリーズの次世代モデルで、Googleが提供するオープンモデル「Gemma 3 27B」をベースにオンプレミス(自社所有)環境での導入に最適な高性能LLMを開発したと12月8日に発表した。ユーザー体験重視の初期応答性と執筆能力を兼ね備えてビジネス用途に適している。コンパクトな270億パラメータで高性能を実現し、PCサーバで構築できるプライベートLLM導入を可能にした。

リコーが「Gemma 3 27B」をベースに、オンプレミス環境への導入に最適な高性能LLMを開発

複数の学習済みのLLMモデルを組み合わせて性能の高いモデルを作るリコー独自のモデルマージ技術を活用し、ベースのGemma 3 27Bから大幅な性能向上を実現した。同規模パラメータ数のLLMとの評価の結果、米OpenAIのオープンウェイトモデル「gpt-oss-20b」など最先端の高性能モデルと同等の性能を確認している。LLMは高い電力消費による環境負荷が課題だが、このモデルはコンパクトなので省エネルギーと環境負荷低減に寄与する。

新LLMは要望に応じて個別提供が可能。またサーバやストレージの開発・販売のエフサステクノロジーズのオンプレミス環境向け対話型生成AI基盤「Private AI Platform on PRIMERGY(Very Smallモデル)」に、LLMを圧縮した量子化モデルと生成AI開発プラットフォーム「Dify」をプリインストールした構成でリコージャパンが12月下旬から提供する。導入企業は業種・業務に合わせた生成AIアプリケーションをノーコードで作成できる。

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