マインドとスキルを合わせ持つ「デジタルリーダー」、約半数が1年以内の転職を検討【NTTデータ経研調べ】
NTTデータ経営研究所は、「デジタルリーダーの志向性調査」の結果を発表した。全国20歳~49歳の男女(正社員・公務員・自営/自由業/フリーランスなど)769人が回答している。
一般的なDXに関連する技術・サービス・手法の判定項目を設定し、いずれか1つでも「実務が問題なくこなせるレベル」と回答した対象者を『デジタルエンジニア』と定義。あわせてデジタルエンジニアを率いてDXを推進する人材(DXプロジェクトでの役割・立場がプロジェクトリーダー以上で得意分野を2つ以上保有する人)を『デジタルリーダー』と定義した。
デジタルリーダーが強いのは「SNS活用」「従来型サービスのオンライン化」「ビックデータ分析」
この調査では4,881人を対象に事前調査を実施。デジタルリーダーは全体の2.4%、デジタルエンジニアは全体の6.1%しか存在しないことが判明している。
そこから性年代による割り付けをあらためて行い、本調査769人を選定した(デジタルリーダー95人、デジタルエンジニア232人、非デジタル人材442人)。その結果、デジタルリーダーは、男性が76.5%・女性が23.5%で男性比率が高い。非デジタル人材53.6%、デジタルエンジニア69.8%より大幅に多い。また、属性ごとの既婚率を比較すると、デジタルリーダー68.8%は、デジタルエンジニア46.8%、非デジタル人材43.4%に対し高い数値を示す。
デジタルリーダーの「スキル別実務レベル」を見ると、とくに「SNSなどソーシャルテクノロジーの利活用」「従来型サービスのオンライン化・モバイル化(Xtech)」「ビックデータ分析」に強く、「エキスパートとして認識されている」「実務を問題なくこなせる」の合計が55%を超えている。
転職に対する流動性、仕事に対する志向性が明確なデジタルリーダー
続いて769人を対象に「転職」について聞くと、85.3%のデジタルリーダーが転職を経験しており、デジタルエンジニアの62.9%、非デジタル人材の55.0%を大きく上回っている。また今後の転職意向についてもデジタルリーダーは、全体の83.2%が「転職の意向がある」と高い。期間を1年以内に限っても46.3%が「転職の意向がある」と回答している。これはデジタルエンジニアの20.7%の倍以上を示している。
そこで転職理由についても聞くと、デジタルリーダーは、「より高い報酬を得る」「スキルアップの学びができる環境で働く」「能力が高く刺激し合える人材と働く」がトップ3だったが、デジタルエンジニアは「より高い報酬を得る」「スキルアップの学びができる環境で働く」に続き「より興味のある分野への挑戦」があがっている。
さらに「働く上で重視する点」を聞くと、「人材」「組織」「評価・キャリア開発」「仕事内容」「職場環境」といったテーマにおいて、デジタルリーダーとデジタルエンジニアで異なる傾向が見られたという。
デジタルリーダーが「能力が高く刺激し合える同僚(人材)」「能力が高い人材と高め合う(働き方)」「互いに協力的で尊重し合える社風(組織)」など、“同僚やチームワーク”に主眼を置いている一方、デジタルエンジニアは「自分と価値観の合う社員が多い(人材)」「風通しが良い(組織)」など“個の環境”が良好なことを望む傾向が見られた。
調査概要
- 【調査対象】全国20歳~49歳の男女のうち、 正社員(経営者/役員含む)・公務員・団体職員・自営/自由業/フリーランス、もしくは、上記条件にあてはまり、かつ、デジタル人材の条件にあてはまっている人
- 【調査方法】NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に実施。
- 【調査期間】2020年9月2日~9月17日
- 【有効回答数】事前調査(スクリーニング)4,881人(デジタルリーダー:2.4%、デジタルエンジニア:6.1%、その他は非デジタル人材)、本調査769人
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