ヤフー、プライベートDMP・プレミアムDSP事業などに参入、業界5社とのタッグで新事業開始
ヤフーは11月15日、同社マーケティングソリューションカンパニーの新たな戦略として、ビッグデータとテクノロジーを駆使したマーケティングソリューション事業を開始すると発表した。
新たに開始するのは、「データソリューション」「ビジネスソリューション」「広告ソリューション」領域の事業で、各領域の企業5社との協業によって4つの新事業を開始する。これまでは広告を使って広告主の課題を解決してきたが、今後はデータ核に広告主の課題を解決していく。
発表された新事業は次の4つ。
- プライベートDMP
「Yahoo!タグマネージャー」の提供でも提携する米ブライトタグ社から「BrightTag Fuse」を追加採用し、DMPを新たに構築する。日本のインターネットユーザーのうち82%にリーチできるという、Yahoo! JAPANのビッグデータと広告主が有するデータを統合管理し、マーケティングに活用する。DMP活用に必要な高度な分析やデータ活用をサポートするコンサルティングサービスも提供する。
- プレミアムDSP
Yahoo! JAPANの各メディアに接続できる唯一のDSPを提供する。プラットフォームには、大手ブランド広告主への提供実績や大規模な開発体制をもつ、米ヤフーのプラットフォームを採用する。プライムディスプレイをはじめとした、Yahoo! JAPANの広告枠に配信でき、今後はYahoo! JAPAN以外のメディアにも配信拡大する予定。なお、オンラインでの提供は行わず、代理店を通して利用する。その他、Yahoo! JAPANを熟知したコンサルタントによるサポートも行う。
- ビデオ広告
ビデオ広告において重要なプラットフォームと広告配信先の2つを強化する。
まず、世界的なビデオ広告プラットフォームであり、広告の予約配信技術に優れた米ビデオロジー社とライセンス契約を結び、同社プラットフォームを活用したビデオ広告を提供する。1つの広告素材でPC、タブレット、スマートフォンなどのマルチスクリーンに配信可能。また、Yahoo! JAPANとGyao!のビデオコンテンツ数と対応サービス数を拡充し、現在の10倍となる6,000万人が視聴する環境を2014年度末までに整える。
さらにUstream Asia社と提携し、ビデオ広告ネットワーク、ビデオサービスの普及とビデオ広告市場拡大に向けた取り組みを行う。
- データコンサルティング
日本で不足しているデータサイエンティストによるコンサルティングサービスを提供するため、データ分析および関連サービスのブレインパッドと合弁会社の設立で基本合意、2014年1月の設立を目指す。
ヤフーではこれまで、バナーやテキストなどの広告プラットフォームや掲載面の提供を中心事業としてきたが、多様化する企業のマーケティングニーズやマルチデバイス・マルチスクリーン時代における消費者の変化などに対応するため、提供価値を再定義し、広告枠の提供にとどまらないマーケティングソリューション事業を開始。
同社ではビッグデータに重要とされる「データ活用までの速度」「データの量」「データの多様性」を重視しており、人間の最短反応速度である“0.2秒”のうちにデータ収集から活用まで実施できるプラットフォームを構築する。
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