CSAJの中小企業SaaS利用意向調査結果、使いやすさが最重要、メリットはコストの安さ
ソフト製品に関わる企業で組織する社団法人のコンピュータソフトウェア協会(CSAJ)は、ソフトの中でユーザーが必要とする機能だけをサービスとして利用できるようにしたソフト配布形態、SaaS(Software as a Service=サービス型ソフト)の中小企業での利用意向に関する調査結果を3月31日発表した。SaaSを選ぶ際に重視する要素のトップは「使いやすさ」で、次いで「利用料金」「機能」と続いていた。調査は、従業員300人以下の企業の経営者、従業員、自営業者でSaaSについてある程度以上の知識がある層1187人を抽出して今年1月、ウェブで実施した。
SaaSを選ぶうえで重要だと考えることは、「非常に重要」と「重要」の回答を合わせてトップが「使いやすさ」の95.1%、「利用料金」の93.8%が2番目に多く、「機能」92.8%、「データバックアップの仕組み」(90.8%)、「安定的なサービスを保証する契約」(90.0%)、「既存システムからの移行が容易」(89.7%)の順だった。メリットは「初期コストが安い」(57.4%)、「運用コストが削減できる」(48.1%)が1、2位で、コストの安さがSaaSの最大の魅力になっていた。続いて「導入までの期間が短い」(47.5%)、「ネット接続PCとブラウザがあれば利用できる」(46.8%)。導入期間の短さや利用の容易性は、コストには及ばなかった。
デメリットで最も多かったのは「情報漏えいが心配」の65.1%。以下「ネットワーク障害があると使えなくなる」(62.1%)、「サービスの継続性に不安がある」(33.9%)。SaaSの認知度別にメリット、デメリットの回答を見ると、より深く理解している方がメリットを感じていた。デメリットの情報セキュリティ面では、データセンターへの不正アクセスやSaaSベンダーの社員による情報漏えいとともに、ネットワークのトラブルやベンダー側のシステム不具合によるサービス中断を恐れていた。
また、業務別のSaaSへの乗り換え意向では、「是非乗り換えたい」か「乗り換えを検討したい」と回答した割合は各業務とも2割前後。「営業支援・顧客管理」「電子メール・グループウェア」「社内ブログ・SNS」がやや高く、「人事給与」「生産管理」「物流管理」がやや低かった。2~3年後にSaaSを「利用している」か「利用するかもしれない」と回答したのは50%前後。乗り換え意向と同様、「電子メール・グループウェア」「社内ブログ」が高かった。
コンピュータソフトウェア協会
http://www.csaj.jp/
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