いちばんやさしいLINE ビジネスコネクトの教本 [Web担特別公開版]

自社Web会員へのCRMに活用、CVRはメールの3倍――資生堂のLINE ビジネスコネクト事例

ID連携によって各LINE友だちの自社会員IDを特定することで、より有益なコミュニケーションを図っています

この記事は、書籍『いちばんやさしいLINE ビジネスコネクトの教本』の一部をWeb担向けに特別に公開しているものです。

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この記事では、書籍の第3章「One to One配信」レッスン14「自社Web会員へのCRMに活用――資生堂ジャパン株式会社の事例」の内容をお届けします。

資生堂では、「ワタシプラス」Webサイトの会員を対象としたCRMコミュニケーションの一環としてLINE ビジネスコネクトを活用しています。ID連携によって各LINE友だちの自社会員IDを特定することで、より有益なコミュニケーションを図っています。

運用の背景と目的

資生堂ジャパン株式会社では商品や店舗情報などさまざまなコンテンツを集めたWebサイト「ワタシプラス」を運営しており、その会員獲得を主な目的としてLINE公式アカウントの運用を開始しました。資生堂への理解が深く、商品を店舗で購入いただいているワタシプラスのスタート当初からの会員の方に加え、これまで資生堂に触れることが少なかった若年層との接点拡大も狙いでした。

LINE ビジネスコネクトの利用は2015年8月に開始しました。そもそもワタシプラスが「One to Oneでお客さまとのリレーション強化」をコンセプトとしていることもあり、LINEでもOne to Oneコミュニケーションを行いたいという要望は強かったとのことで、マルチチャネルで顧客とOne to Oneの関係を作っていくCRMシステムの一環として、LINE ビジネスコネクトの活用を決定したとのことです。

一斉配信でボリュームの獲得

一斉配信(LINE公式アカウント)の主な目的は2つあり、ひとつ目がワタシプラスWebサイトの新規会員獲得です。そのためには、配信を通して「ワタシプラス」へ誘導することが必要ですし、配信の中でも「ワタシプラス」の利便性やサイトの楽しさを感じてもらう必要があります。具体的には、おすすめ商品の紹介、サンプリング案内、クーポン提供などを配信しており、実際に会員獲得の効果も実感しているとのことです。例えばスタンプで友だちが増えたタイミングで行う“LINE友だち限定の1万名さまにサンプルプレゼント”などは効果が高いようです。

そして2つ目が、ワタシプラスのIDとLINEとのID連携をしてくれる友だちの獲得です。「一斉配信でボリュームを獲得して、LINE ビジネスコネクトでの質のアプローチにつなげていく」(コミュニケーション統括部 飯田英良氏)というように、One to Oneコミュニケーションを行うためにはLINE ビジネスコネクトでID連携した友だちを増やすことが必要です。そのため、キャンペーンのプレゼントもなるべく大きなボリュームを意識しているといいます。

▶一斉配信の主な投稿例図表14-1

ワンポイントスタンプ施策で友だちを獲得

「資生堂 ワタシプラス」では友だち数を増やすため、半年に1回程度スタンプ施策を実施しています。LINEアカウントを友だち登録してくれたユーザーだけがLINE内のスタンプショップ経由で無料ダウンロードできる仕組みの“スポンサードスタンプ”を主に活用しており、「うさぎたん」というキャラクターのスタンプは2016年5月時点で第9弾まで発行されています。

「資生堂 ワタシプラス」LINEアカウントの友だちは2,000万人を超え、その中にはLINEアカウントの友だちになって以降ワタシプラスに関心を持ち、新たに会員になってくれるユーザーも多いとのことです。

LINE ビジネスコネクト配信で質の獲得

LINE ビジネスコネクトに求めるものは、質のアプローチです。ワタシプラス会員への個別アプローチを行い、オンラインショップの初回購入促進やリテンションの向上など、ユーザーの状況に応じて活用しています。

効果測定については、「KPIはメッセージの目的ごとに変えるべき」(ダイレクトマーケティング部 吉本健二氏)という考えで検証を実施しています。一方で、それ以外の一般的な指標についても毎日確認しており、友だちの反応に応じたコンテンツの見直しなどは随時行っているそうです。

▶状況に応じたタイミングで配信図表14-2

一人ひとりの状況に応じたメッセージを配信することで、購入につながりやすくなりますね。

ワンポイント運用ツールを導入して開発を省力化

「資生堂 ワタシプラス」ではLINE ビジネスコネクトの運用に、LINE ビジネスコネクト開発パートナーであるセールスフォース・ドットコムの「Marketing Cloud」というツールを活用しています。

LINEがサービスを拡大、改良していく中で仕様のアップデートも行われるため、内容によってはシステムの改修も必要になります。そこでマルチチャネルでお客さまとOne to Oneの関係を作ることができ、メールとLINE ビジネスコネクトを統合的に管理できるツールとして「Marketing Cloud」の採用に至っています。「システムを自社開発していたら大変だったと思います」(吉本氏)。

メールと比べて高い反応率

基本的にはメールと同様のセグメント方法に基づき、同様の内容を配信していますが、「LINE ビジネスコネクトのコンバージョン率はメールの3倍くらいの高さ」(吉本氏)と効果は大きいようです。そもそもLINE ビジネスコネクトでメッセージを送れる時点で高い関与度が想定されますが、このような高関与度ユーザーに効率良くアプローチできる場は非常に貴重であるといえるでしょう。メールには反応しないがLINE ビジネスコネクトのメッセージには反応するという会員の方もいらっしゃることから、コミュニケーションチャネルの多様化という点でも効果を感じているようです。

一方で、「メールにはメールの良さがあり、LINEにはLINEの良さがあるので、役割をもう一度精査しようとしています」(吉本氏)というように、ユーザーとコミュニケーションを図るためのツールは使い分けが必要そうです。

▶メールで反応がなかったらLINEでアプローチ図表14-3

LINE ビジネスコネクトで案内したサンプルの受け取りなど、店頭への送客についてもある程度の効果は感じているそうですよ!

ID連携に基づかないOne to One配信も検討

ワタシプラスIDとの連携のためには、一斉配信のメッセージからユーザーにワタシプラスWebサイトを訪問してもらい、会員登録やログインをしてもらう必要がありますが、この道のりが少し遠いと認識しているとのことです。ID連携をしてくれた友だちは、会員データに基づいたよりきめ細かいアプローチが可能となるなど、価値の高さは間違いないのですが、そこに至るハードルの高さも無視できません。そのため、最初からワタシプラスIDとの紐付けを促すのではなく、まずはキャンペーンへの反応やアンケートへの回答をもとに情報を配信し、その有用性を感じてもらうことからOne to Oneコミュニケーションを開始する、いわば「段階的にユーザーの温度を高めていくアプローチ」(飯田氏)を検討中です。

▶段階的にユーザーの温度を高めていくアプローチ図表14-4

お客さまと最適なコミュニケーションをするために

資生堂では、顧客とブランドとのリレーションを構築していくためにも「お客さまのモーメントを知る」ことを重視しています。ブランドごとに描いたカスタマージャーニーに対して、それぞれの顧客がどのフェーズにいるのかをデータから読み取り、各顧客に合わせた情報を提供していくことでリレーションを構築していくという考え方です。その実現に寄与するツールのひとつとしてLINEをとらえており、そのためにも「LINEの位置づけを明確にしたい」(吉本氏)といいます。ほかのツールと比べて急を要するメッセージや、よりパーソナルなメッセージに適しているといったコミュニケーション面の認識に加え、「最適なタイミング、最適なコミュニケーション」を実現するために顧客のことをよりよく知る場としての活用も今後考えていきたいそうです。

LINEを通じた施策の拡張にも期待

LINEの拡張性にも期待しているとのことで、「LINEの新しいサービスをLINE ビジネスコネクトの活用にどう取り込んでいくかも考えていきたい」(飯田氏)といいます。

例えば「LINE Beacon」の活用です。企業がビーコンを活用した施策を実施しようとすると、消費者にアプリをダウンロードしてもらう必要があるなど、ハードルが高いのが現実でした。しかし、LINEの機能を活用することで、このハードルをクリアすることができます。

LINEを単純なメッセージングツールとしてだけでなく、「お客さまのモーメントを知る」ためのプラットフォームとしてとらえると、LINE公式アカウント、そしてLINE ビジネスコネクトを活用するメリットは今後ますます大きくなると感じているとのことでした。

まさにインフラとしてのLINE の可能性が検討されていますね。

  • 著者: 豊田義和/荒川夏実(株式会社トライバルメディアハウス) 著
  • 発行: 株式会社インプレス
  • ISBN: 9784844380856
  • 価格: 1,780円+税

いちばんやさしいLINE ビジネスコネクトの教本
~人気講師が教える双方向マーケティング実践

企業のLINE利用が進化する初の解説書

LINEを使ったOne to Oneマーケティングの実践方法が、先行企業の導入事例から学べる解説書。

LINEの企業向けサービス「LINE ビジネスコネクト」は、いまやメールに代わるインフラとなったLINEを使って、顧客との双方向コミュニケーションやLINE上でのサービス提供を可能にする仕組みです。

11社への取材をもとに、目的別の利用イメージや運用の全体像を解説。導入前の検討から導入後の効果測定まで、企業と顧客を結ぶために役立つノウハウが満載です。

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