ムードボードとは? 言語化できない要素をビジュアルで表現する手法
ムードボードとは? 言語化できない要素をビジュアルで表現する手法
ペルソナやカスタマージャーニーマップ、統合価値マップは、どちらかいうとユーザーにとって言語化しうるニーズや価値を体系化、可視化したデザインツールだとすると、ムードボードは一言でいえば次のようなものです。
ユーザーがあるテーマに対して思い描いたり、言語化したりできない情緒的な世界観を可視化したもの
ムードボードは、「そうあってほしい」と願う理想の世界観もあれば、「ありのままのイメージ」を表現した世界観もあります。ムードボードは、下記のような形でアウトプットされます。
ムードボードは、ユーザー調査を行うなかで得られるさまざまな発見価値やニーズにおいて、言語情報として表現したり、構造化したりしづらい要素をビジュアルで表現するものです。
たとえば、インタビュー中に被験者本人が特定のテーマに対して抱いているイメージを、雑誌や書籍の写真やイラストなどから切り抜いて「コラージュ」として、世界観を表現してもらい、その世界観のなかでペルソナと共通する情緒的な要素をビジュアルとして表現していきます。
ムードボードを使うと、製品やサービス、Webサイトのトーン・マナーや、デザインの方向性など、ビジュアル面での指針を策定、判断するためのクライテリア(指標)として役立ちます。
言葉で議論しづらい情緒要素の指針づくりに、ぜひ役立ててみてください。
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この記事の筆者
井登 友一(Yuichi Inobori)
株式会社インフォバーン 取締役 京都支社長
デザインコンサルティング会社にて、ユーザ中心発想によるマーケティングコミュニケーション領域のコンサルティング事業に従事し、数多くのペルソナ開発案件を担当。
その後、株式会社インフォバーンに入社し、現在は企業とユーザ双方にとって幸せを生む最良のコミュニケーションを、主にデジタル領域において設計・デザインする支援業務に注力中。2011年6月1日に新規開設された京都支社の責任者を務める。
日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)認定 プロジェクトマネジメントスペシャリスト(PMS)人間中心設計推進機構(HCD-Net)認定 人間中心設計スペシャリスト
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