ネットショップ担当者フォーラム

オムニチャネル化を加速するバーコードリーダー機能をアプリ運営プラットフォーム「Yappli」に追加

9 years ago

アプリ運営プラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」のヤプリ(旧ファストメディア)は4月11日、アプリ内でカメラを起動してバーコードやQRコードを読み取ることができる機能を「Yappli」に追加した。

「Yappli」で運営されているアプリをダウンロードしたユーザーは、バーコードやQRコードを読み取るだけで商品情報をアプリでチェックできるようになる。バーコードリーダー機能の導入には、導入企業側で商品紹介ページをJANコードで管理する必要がある。

店舗で商品を調べ、自宅で購入するといった行動ができるようになる。ヤプリによると、オムニチャネル体験が加速されるという。

アプリ運営プラットフォーム「Yappli」に新機能「バーコードリーダー機能」

バーコードリーダー機能の活用イメージ

この新機能を、全国50店舗以上を展開する大型釣具店「釣具のキャスティング」(ワールドスポーツ)が提供する「キャスティング公式アプリ」で実装。

ECサイトで注文して店舗受け取りする店舗送客、店舗の商品バーコードを読み取りオンラインストアの商品レビューを見てから購入するといったオムニチャネル化に活用する。

大型釣具店「釣具のキャスティング」(株式会社ワールドスポーツ)がヤプリのバーコードリーダー機能を実装

「キャスティング公式アプリ」での実装イメージ

「Yappli」はプログラミング知識不要で、ネイティブアプリを制作できるプラットフォーム。アプリ公開後もマニュアル不要の管理画面からドラッグ&ドロップだけで直観的にiPhone、Androidアプリを更新できる。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

「母の日」企画ニーズにあってますか? 贈り物1位は花束、母親が本当に欲しいのは……

9 years ago

「母の日」が約1か月後に迫り、ネット通販業界では「母の日」商戦が始まっている。

ネットリサーチ大手のマクロミルが4月11日に公表した「母の日」に関する意識調査によると、消費者の57.7%が自分の母親に対して「プレゼントを贈りたい」と考えている。母の日に「何もするつもりはない」と回答した消費者は25.5%。

プレゼントしたい物の1位は「花束」(40%)だった。2位は「お菓子・スイーツ」(35%)、3位は「服」(12%)、4位は「現金」(8.9%)、5位は「バッグ・財布」(8.2%)と「旅行」(同)。母の日に使う平均予算は3634円。

ネットリサーチ大手のマクロミルが4月11日に公表した「母の日」に関する意識調査 プレゼントしたい物の1位は「花束」

プレゼントしたい物の1位は「花束」

一方、母親が母の日に子どもへ求めることは「感謝の言葉を伝えてほしい」(30%)、「一緒に過ごしたい」(27%)、「家事を代わったり手伝ったりしてほしい」(14%)が上位に。“モノ”よりも“コト”を望む傾向が強い。

ネットリサーチ大手のマクロミルが4月11日に公表した「母の日」に関する意識調査母親が母の日に子どもへ求めることは 「感謝の言葉を伝えてほしい」

母親が母の日に子どもへ求めること

子供がいる女性295人のうち、「母の日に、子どもから何かされたい」と回答したのは39%。「今年の母の日に子どもが何かをしてくれたら嬉しい」と回答した人は81%。

「過去、母の日に何かしていたか」という質問では、学生時代よりも就職後や結婚後にプレゼントなどを贈る割合が高まる傾向が示された。

「学生時代に毎年母の日に何かをしていた」と回答した消費者は17~21%にとどまる一方、「就職後」は35%、「結婚後」は52%に上昇。就職や結婚といった人生の節目に「母の日」の行動を見直す消費者が多いことがうかがえる。

調査概要

  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査地域:全国
  • 調査対象:20~69歳の男女(マクロミルモニタ)
  • 割付方法:平成27年国勢調査による、性別×年代×地域の人口動態割付/合計1000サンプル
  • 調査期間:2017年4月4日(火)~ 5日(水)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

約1000社の通販サイトが使うバックヤードシステム「CROSS MALL」が人気を集めるワケ | 『ヨドバシ.com大躍進の舞台裏 ネット通販11社の成功法則+関連サービス260まとめ』ダイジェスト

9 years ago

アイルが提供しているネットショップ業務一元管理システム「CROSS MALL」は現在、約1,000社から導入されるなど人気のシステムとなっている。機能をさらに強化する開発を行い、随時実装を進めている。CROSS MALL営業マネージャーの本守崇宏氏に、同社の強みや新たな機能について聞いた。

店舗からの細かな要望を機能として実現

数多く存在するEC管理システムの中から「CROSS MALL」が選ばれる理由として、商品管理機能があります。商品データ登録がしやすく、一度商品データを作ると、各モールへ複製できるようになっています。

楽天市場であれば商品名に入っている「あす楽対応」、Yahoo!ショッピングであれば「あすつく対応」といった文字を自動的に変換することができます。

最新の機能開発を行っている点も高い評価をいただいています。このところ配送面などモール側の仕様変更が数多く行われていますが、「CROSS MALL」はそうした最新の仕様変更にもいち早く対応できる体制を作っています。

また、利用店舗から機能開発の要望を受け付けており、管理画面上から簡単に要望を投稿できるボタンを設置しています。要望に対応した件数はすでに累計で約1,000件にのぼります。

追加機能のイメージ図

特記事項などがない注文は店舗が介在しなくても物流会社に流せるように

さらに、要望の中でも多かった自動処理の機能を、今回、満を持して開発を行いました。

注文の中には特に店舗の方で何も処理をしなくてもいい注文というものがあります。たとえば、クレジットカードで決済が行われ、注文時の特記事項などがない場合がそれに当たります。

そのような注文が入ったタイミングで、自動的に「出荷待ち」のステータスに移動することが可能です。

物流業務を委託している場合は、出荷指示データを物流倉庫に送る必要がありますが、「CROSS MALL」内に物流倉庫用メニューを用意することにより、物流倉庫が「出荷待ち」の注文データをダウンロードして出荷できるようになります。

そのため、店舗が土日は休みの場合、これまでは発送ができませんでしたが、自動化機能と物流倉庫用メニューにより、物流会社が稼働をしていれば、土日も発送可能になります。

当社では昨年からバックヤードカンファレンスという、日ごろなかなか日の当たりにくい店舗のバックヤードを表彰し、情報共有・交流の場とするイベントを実施しています。

昨年も4月に「バックヤードフェス」という形で開催しました。多くの関係者などに協力いただき、多くの人にも集まっていただくことができました。

単にシステムを提供するだけでなく、こうしたリアルイベントを通じて、今後もバックヤードを支援しながらEC業界に貢献していければと考えています。

関連リンク
ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネット通販の送料は「ECサイト側の負担を希望」に6割超、「購入者が全額負担」は約2割

9 years ago

ネット通販利用者の約7割は配送料がかかることに理解を示すものの、そのうち6割以上はECサイト側の負担を希望している。ジャストシステムが4月12日に公表した「ECサイトの配送に関する意識調査」から、ネット通販利用者の送料に対するこんな意識が明らかになった。

ECサイトで購入した商品について、「配送料がかかるのは理解できる」と答えた人は66.2%だった。

送料に対する考え方(ジャストシステム調査)

「送料」に対する考え方

送料への理解がある消費者のうち、「配送料は購入者が全額負担すべき」と答えた人は23.2%にとどまった。

一方、「購入者とECサイトが折半すべき」が48.3%、「ECサイトが全額負担すべき」が15.4%。ECサイト側に送料の負担を求めるユーザーは63.7%にのぼっている。

送料の負担先に対する考え方(ジャストシステム調査)

「送料」の負担先についての考え方

 

宅配ロッカー「利用経験あり」は12.8%

ECサイトで購入した商品を受け取るための専用ロッカー(宅配ロッカー)の利用状況などに関する調査も実施。宅配ロッカーを「知っていて、利用したことがある」と回答したユーザーは12.8%。2016年4月に行った前回調査から5.3ポイント上昇している。

宅配ロッカーを「知っている」と回答した割合は前回調査比6.3ポイント増の55.1%。宅配ロッカーの設置希望場所は「コンビニ」(57.1%)が最も多く、「駅」(36.1%)、「スーパー」(33.8%)の順だった。

20代の36%が「必ず最短納期で設定」

「即日配送」「翌日配送」など短納期の配送サービスを利用したことがあるユーザーは62.3%だった。

利用経験者のうち、即日配送や翌日配送を「必ず最短納期になるよう設定する」と回答した割合は24.6%。年代別では20代が36.5%、30代は25.5%、40代は17.2%、50代は16.3%で、若い世代ほど最短納期を望む傾向が強い。

調査の実施概要

  • 調査名:ECサイトの配送に関する意識調査
  • 調査期間:2017年4月6日(木)~ 4月7日(金)
  • 調査対象:事前の調査で「月に1回以上、ECサイトで買い物をしている」と回答した20~59歳の男女900名
  • 詳細調査レポートの詳細はこちら

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

アマゾンはファッションジャンルも制するのか? オリジナルブランドの衣類が好調なワケ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

9 years ago

アマゾンが取り扱う7つのオリジナルファッションブランドの第4四半期(2016年10~12月期)の総売上高は、前四半期(2016年7~9月期)比67%増になりました。

アマゾンの武器はブランド認知を高めるための膨大なデータ活用

リサーチ会社Slice Intelligence社のレポートによると、アマゾンが展開するオリジナルファッションブランドが消費者の注目を集め始めています(編集部追記: 2016年2月にオリジナルのファッションブランド7つの取り扱いを開始しました)。売り上げが顕著に伸びたのは2016年末のことです。

Slice Intelligence社は470万人の消費者がオンラインで購入した際のメールデータを分析。その結果、アマゾンが販売を始めたオリジナルファッションブランドの2016年第4四半期における売り上げが、前四半期(2016年7~9月期)と比べて67%アップしたことがわかりました。

Slice Intelligence社がブログに記載した記事によると、アマゾンは2016年、少なくとも7つのファッションブランドの販売をスタート。中でも「Lark&Ro」の売り上げが最も高くなっているそうです。

アマゾンはファッションジャンルも制するのか? オリジナルブランドの衣類が好調なワケ ワンピースで成功しているアマゾンのオリジナルファッションブランド(オリジナルブランドの商品別売上構成比:アマゾンとメイシーズの比較)
アマゾンのPBファッションで最も売れ行きが良い「Lark&Ro」(画像は編集部がキャプチャ)

アマゾンは、消費者の興味・関心、お金を使う商品に関する膨大なデータを保有しています。そのデータを使い、ブランド認知を高めるためのさまざまな施策を打つことができるのです。

-ブログ記事から引用

しかし、アマゾンが他の小売業者が展開するオリジナルブランドの売り上げに追いつくには、まだ時間がかかりそうです。

ノードストロームのオリジナルブランド「Halogen」は、2016年の1年間で「Lark&Ro」の11倍の売り上げを記録。メイシーズが扱うオリジナルブランドの多くは「Lark&Ro」よりも高い売り上げです。メイシーズの「Alfani」ラインの売り上げは、アマゾンが扱う「Lark&Ro」の9倍の規模になっています。

アマゾンが販売するオリジナルファッションブランドの売り上げの中で、大きな割合を占めているのがワンピースです。Slice Intelligence社の分析によると、他の小売業者の販売商品が多岐にわたるのに対し、アマゾンの場合はワンピースだけでオリジナルブランドの売り上げの43%を占めます。

たとえば、オリジナルブランドのトップスやTシャツの売上構成比率はメイシーズが27%で、アマゾンは17%。パンツの売上構成比率はメイシーズが18%で、アマゾンは5%にとどまっています。一方、メイシーズが販売するオリジナルブランドのワンピース売上は、たった6%しかありません。

ワンピースで成功しているアマゾン


(オリジナルブランドの商品別売上構成比:アマゾンとメイシーズの比較)
アマゾンはファッションジャンルも制するのか? オリジナルブランドの衣類が好調なワケ ワンピースで成功しているアマゾンのオリジナルファッションブランド(オリジナルブランドの商品別売上構成比:アマゾンとメイシーズの比較)
アマゾンが販売するオリジナルブランドの商品別売上構成比率
ターコイズブルー:トップス・Tシャツ
黒:パンツ
カーキ:ジャケット・コート
青:セーター
オレンジ:ワンピース
紫:その他
出典:Slice Intelligence社
アマゾンはファッションジャンルも制するのか? オリジナルブランドの衣類が好調なワケ ワンピースで成功しているアマゾンのオリジナルファッションブランド(オリジナルブランドの商品別売上構成比:アマゾンとメイシーズの比較)
メイシーズが販売するオリジナルブランドの商品別売上構成比率
ターコイズブルー:トップス・Tシャツ
黒:パンツ
カーキ:ジャケット・コート
青:セーター
オレンジ:ワンピース
紫:その他
出典:Slice Intelligence社

Slice Intelligence社の首席アナリスト、ケン・カッサー氏はブログで次のようにコメントしています。

消費者はオフラインでも見て、親近感を持ったブランドであれば、オリジナルファッションブランドをオンラインで購入することに全く抵抗がないようです。そのため、消費者がアマゾンのファッションブランドに親近感を持つにはまだ時間がかかるでしょう。

しかし、オリジナルブランドも有名なナショナルブランドも、アマゾンの動きは注視する必要があります。アマゾンは、消費者の興味・関心、お金を使う商品に関しての膨大なデータを保有しています。そのデータを使い、ブランドの認知を高めるための施策を打つことができるのです。

-ブログ記事から引用

今回、Slice Intelligence社が調査したアマゾンのオリジナルファッションブランドは「Franklin & Freeman」「Franklin Tailored」「James & Erin」「Lark & Ro, Scout + Ro, North Eleven」「Society New York」「Goodthreads」「Amazon Essentials」の計7ブランドです。

インターネットリテイラー社発行の「全米EC事業 トップ500社 2016年版」で、アマゾンは1位、メイシーズは6位、ノードストロームは18位にランクインしています。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

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ECのこれから先はどうなる? ヤフー小澤氏らが語るECとデジタルマーケティングの未来

9 years ago

今後のEC市場はどうなっていくのか? ECにとって重要になることは何なのか? 「EC業界の展望やデジタルマーケティングの潮流」をテーマに、ヤフージャパン執行役員の小澤隆生氏、バリューコマース執行役員の加來幹久氏が語った“これからのeコマース”とは。

アフィリエイト・サービス・プロバイダーのバリューコマースが開いた「バリューコマースサミット」(3月10日開催)。小澤氏、加來氏がパネルディスカッションでこれからのECにとって重要なことなどを語った。

モデレーター:翔泳社「MarkeZine」編集長 押久保剛氏、パネラー:ヤフー 執行役員 小澤隆生氏、バリューコマース 執行役員 加來幹久氏
パネルディスカッションの登壇者

モデレーター
翔泳社「MarkeZine」編集長 押久保剛氏

パネラー
ヤフー 執行役員 小澤隆生氏
バリューコマース 執行役員 加來幹久氏

現在のEC業界は「試合序盤の殴り合い」のフェーズ

「MarkeZine」編集長 押久保剛氏(以下押久保) 最近のEC業界は事業者の競争がすごく激しくなっている印象です。現在のEC業界について小澤さんはどのように感じていますか。

小澤隆生氏(以下小澤 EC市場は少なくとも今後10年は間違いなく拡大していくでしょうね。市場規模が兆円単位で成長する市場は日本経済において他にはありませんから、皆さんがEC業界で働くことを選んだのは正しい判断だと思いますし、ヤフーも遅ればせながらECをしっかりやってこうとしている状況です。

押久保さんから指摘があった通りEC業界は競争が激しい。今はボクシングの試合で例えるなら、序盤の殴り合いをやっているところだと思います。採算度外視でポイントを付けるとか、配送時間を短縮するとか、事業者側も採算度外視であることを認識した上でやっている。序盤の殴り合いですからね(笑)。

ヤフー 執行役員 小澤隆生氏
ヤフー 執行役員 小澤隆生氏

押久保 EC業界について感じているのは、消費者はネットとリアルの境目を意識しなくなっているのではないかということ。たとえば、Amazonの「Amazon Go(アマゾンゴー)」など、ネットで小売りを行っていた企業がリアルの場にも出てきている。この辺りはどのように捉えていますか。

EC市場は2022年度に26兆円へと拡大する
野村総合研究所(NRI)によるとEC市場は2022年度に26兆円へと拡大する
(画像は編集部がNRIからキャプチャ)

小澤 インターネット事業からリアルに進出して、ものすごく成功したEC企業は世界的にもまだ無いわけですから、それが正解かどうかはわからないですね。EC専業の企業がリアルの店を作ってしまったらコストが合いません。恐らく物流拠点としてのデポとECを組み合わせて行うのが正しいやり方なのかな、と個人的には思います。

(ネットとリアルを融合した事業で)世界的に最も普及しているのは、アリババが中国の農村部で数万店舗を運営している「農村EC」(農村に設けている商品の受け取り拠点)だと思いますが、これはあくまでもインターネットが普及していない農村部での購買代行サービス。インターネットのインフラが整っている日本や欧米で成立するかというと、それはわからない。

押久保 加來さんはECの現状について、どうお考えですか。

バリューコマース執行役員 加來幹久氏 (以下加來 時代とともにECの定義がどんどん拡大していると感じています。1995年頃は通販サイトを開設することをECと呼んでいましたが、今は「商品を届けて電子決済する行為」全般をECと呼ぶようになった。ECの定義が拡大したことで、企業にとってチャンスが生まれているし、私たちが気付いていない可能性も無限に広がっていると思います。一方で、可能性が広がった分、企業が取り組まなくてはいけない課題も増えていますよね。

バリューコマース 執行役員 加來幹久氏
バリューコマース 執行役員 加來幹久氏

競争激化の時代はCRMの重要性が増す

押久保 企業が取り組まなくてはいけない課題では、小澤さんも加來さんもCRMやマーケティングオートメーションといった分野に注目しているそうですね。

小澤 ECの売り上げは「サイトを訪れた人数」「コンバージョン率」「購入単価」の掛け算で決まります。集客をものすごく頑張って、サイトを訪れる人数を増やしても、コンバージョンレートが悪ければ売り上げは大きく伸びません。コンバージョン率が低くて顧客がこぼれ落ちている状態のことを「バケツに穴が空いている」と私は表現しています。

少なくとも、Yahoo!ショッピングで言えばかつてはコンバージョンが非常に低く、バケツに穴が空いた状態でした。私が責任者になった約3年半前から、Yahoo!ショッピングはコンバージョンレートやリピート率の改善を徹底的に行ってきました。

押久保 そういった課題感もYahoo!ショッピングの出店者に「R∞(アール・エイト)」(編集部注:バリューコマースが2016年にリリースしたマーケティング・オートメーション・ツール)を提供するきっかけになっているのでしょうか。

小澤 バケツの穴を塞ぐ方法はいくつもあります。その方法の1つがマーケティングオートメーションツールです。Yahoo!ショッピングの規模になるとマーケティングシステムを導入するのは大変。優れたツールを自分たちで開発するのは時間も手間もかかりますから「アール・エイト」を使いました。

押久保 「アール・エイト」を導入して結果は出ているんでしょうか。

小澤 数字としてはかなりいいですね。たとえば、ベストなタイミングでお得なクーポンを発行すれば購入につながりますし。「アール・エイト」は顧客1人ひとりの属性や購買頻度、顧客ランクなどに応じて「いい感じのクーポンの出し方」ができるので、効果は大きいですよ。

*バリューコマースのマーケティング・オートメーション・ツール「R∞(アール・エイト)」を「Yahoo!ショッピング」の出店者にオプションサービスとして提供したのは2016年のこと(Yahoo!ショッピングでは、「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」として提供)。

現在、Yahoo!ショッピングの約5000店舗が「アール・エイト」を利用。利用店舗の経由流通額はYahoo!ショッピング全体の約18%を占め、その中でのCVR(コンバージョンレート)は25%以上という。

有料会員の「ロイヤルティの高さは尋常じゃない」

押久保 マーケティングオートメーションとかデジタルマーケティングに力を入れる企業がすごく増えていると感じています。その点に関してはどうお考えですか。

加來 かつては「デジタル」と「リアル」という2つのチャネルを分けてマーケティングを行うことも多かったと思いますが、最近はデジタルを中心にマーケティングを考えていかなくてはいけない、という考えが広がってきています。

そして、デジタルを活用すると顧客の名寄せができるため、顧客の接触媒体や過去の購買行動などを分析し、「人」を軸にマーケティングを行えるようになってきた。ここが大きな変化だと思います。

小澤 現在のEC業界におけるデジタルマーケティングの大きな流れの1つは、データを活用してロイヤルカスタマーをいかに育成するかどのように会員化を促進していくかということ。「Yahoo!プレミアム」(ヤフーの月額会員サービス)の実績で申し上げると、有料会員は明らかにマーケティング効率が良い

リピート率や購買単価、LTVを見ても、有料会員の数字は非会員と比べて圧倒的に高いんです。他社の有料会員制度を見ても同様で、やはり会員のロイヤルティの高さは尋常じゃない。この傾向はここ2~3年で顕著になってきたように感じています。

加來 ECサイトの売り上げ分析などを長らく行ってきた経験から見ると、「二八の法則」と言われる通り、顧客の2~3割が売り上げの7~8割を構成しているECサイトはとても多い。デジタルを活用することで顧客の属性や行動を追えるようになって、優良顧客にアプローチしやすくなったというのは最近の大きなトレンドだと思います。

「良い道具を見つけて、効果が出る使い方を伝えていく」のがマネジメントの仕事

押久保 CRMやデジタルマーケティングの課題の1つとして、ツールや手段がそろっていても、それを実行する人材や組織が育っていないということをよく聞きます。その点はいかがですか。

加來 いわゆる「組織の壁」の問題ですね。マーケティングオートメーションのツールを使いこなせない原因を突き詰めていくと、社内でKPIを共有できていないことがあげられます。社内で目標が一致していないと、なかなかうまくいきません。あとは、デジタルマーケティングの実務経験者が社内にいないことも課題でしょうね。

押久保 小澤さんはヤフーで組織変革を行なってきた立場ですが。

小澤 ECのCRMはリアル店舗と比べればずっと楽ですよ。ロイヤルカスタマーに対する接客というのは、リアルの店舗であれば「お得意さんだけ特別に値引きする」とか、「久しぶりに来てくれたから、おまけをつける」とかそういうこと。

ECなら、お得意さんが来たかどうかはデータで自動的に判断できます。顧客ランクに合わせて割引するとか、久しぶりに来店した人にクーポンを発行するとか、インターネットなら全て自動化できる。ですから、便利なツールさえあれば管理は2~3人でできます。だからツールを導入しない手はないですよ。

Yahoo!ショッピングで言えば、それぞれの店舗がツールを探すのは大変でしょうから、あらかじめプリセットした成功のシナリオを作って、ツールを利用できるようにしました。そうしたら、ツールを導入した店舗は成果が出た。

マーケティングオートメーションのマネジメントの手法は、良い道具を現場に提供することだと思うんですね。良い道具を見つけて、それをどうやって使ったら効果が出るかを伝えていく。それがマネジメントする人の仕事です。

加來 マーケティングオートメーションのツールは、ネットショップ側が勝手に使ってくださいねというスタンスではなかなか成果が出ません。ですから、成功事例を示して、使い方までパッケージ化して提供するのが重要でしょうね。

CRMやマーケティングを学ぶなら旅行サイトを研究すべし

押久保 最後に、今後のECやデジタルマーケティング領域の見通しや、ご自身としてやっていきたいことなどを一言ずつお願いします。

加來 今後はLTVを重視したマーケティングが一層重視されると思っています。顧客1人ひとりについて、ロイヤルカスタマーになりそうな人なのかどうかを見極めるなど、優良顧客と向き合うマーケティングを展開することがテーマになっていくのではないでしょうか。

小澤 ECは、サイトに来たお客さんに商品を買っていただかなくてはいけない。当たり前ですが、これがすごく重要。どんなに一生懸命お客さんを集めてもコンバージョンしなければ話にならないわけです。コンバージョンやリピートの重要性は、皆さんも理解されていると思いますが、そのために必要な施策をしっかり実行できている企業は少ない。

仮に、100人を集客して、コンバージョンの件数が2人から3人に増えたら、売り上げは1.5倍です。一方でコストはほとんど変わりませんこの価値をもう一度見直した方がいいと思います。

アフィリエイトはトラフィックを稼ぐすばらしい仕組み。そして「アール・エイト」のようなコンバージョンレートやリピート率に効くツールもバランスよく使いこなす。いい道具を選べば、売り上げは伸びる。Yahoo!ショッピングが成長しているのも、アフィリエイトに支えてもらい、マーケティングオートメーションツールなどを使いこなしたりしているからだと認識しています。

CRMやマーケティングを学ぶなら、旅行系サイトを分析して下さい。なぜ旅行系サイトのCRMが進んでいるかというと、サイト同士で顧客の奪い合いがものすごく熾烈になっているからです。旅行は物流が絡まないため、消費者からすればどのサイトで買っても一緒なので、必然的に競争は激しくなる。旅行系のサイトをよく分析してみると、CRMでどんなことをしているのか勉強になると思います。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

EC企業と大手小売のタッグが本格始動、大都とカインズが共同販売などで業務提携

9 years ago

DIY用品のECを手がける大都とホームセンターチェーン「カインズホーム」のカインズによるEC企業と大手小売りの協業が本格始動する。

大都とカインズは2016年9月、DIYによるライフスタイルの提案を強化し、DIYを文化として根付かせることを目的に業務提携を発表。今後、共同での商品仕入れ、販売、売場連動などに取り組むとしていた。

業務提携の内容は主に3点。

  • 共同仕入れ
    全国に200店舗以上を構えるカインズの販売網、大都が扱うDIY商材の専門性を両社間で共有し、メーカー製造商品の共同仕入れの調整を進める。両社の品揃えを拡充し、ユーザーの買い物の利便性を高めることをめざす。大都は大量仕入れによる価格競争力のUPに期待する
  • 共同販売
    現在、両社がそれぞれ開発しているオリジナル商品を、それぞれの販売網で展開している。顧客層の広がりに貢献しており、今後もアイテム数を増加していく。たとえば大都ではカインズが開発したバッテリー「e-cycle(イーサイクル)」シリーズをECサイトで販売。カインズは大都が開発した家庭用デザイン溶接機「sparky(スパーキー)」を店舗を中心に販売している
    大都ではカインズが開発したバッテリー「e-cycle(イーサイクル)」
    大都のECサイトでカインズ開発の「e-cycle」の実店舗販売を告知
  • 売り場のコラボレーション
    2017年4月以降、カインズの新規出店店舗で、DIY商材の売り場や工房などの空間を、大都がプロデュースする。DIY初心者から上級者にも対応するトータルサポートを提案。大都が得意とする体験などのコミュニティノウハウをカインズで展開する

大都の主力事業はECだが、日本初というDIYのアパレルブランド「DIY FACTORY IDY(アイディ)」の開発など、EC企業からモノ作りも手がけるSPA(製造小売)型企業への転換を進めている。

課題となっていたのが1社単独での販売網、生産ロットの限界。大都はカインズとの連携でこうした課題を解決。カインズは大都が得意とするDIY商材の拡充、コミュニティノウハウを店舗にも活用していく。

今回の業務提携を進めていた大都の山内拓也取締役は次のようにコメントしている。

業務提携の本格展開は拓ちゃんにとって、とっても嬉しいこと。

ECとホームセンターという枠を超え、今回の小売事業者同士によるタッグが実現したのは、「何を為すか」を決め、それを「誰と為すか」を決めたから。

法人も人も同じで、多くの人と出会いがあったからこそ実現できた。ありがとうの感謝、ドキドキ・ワクワクをお客さまに提供することをめざしていく。

大都の山内拓也取締役は、カインズとの業務提携を説明

アライアンスを担当する山内拓也取締役

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

オンワードのEC売上は25%増の150億円、オムニチャネル強化も店頭売上は11%減

9 years ago

オンワードホールディングスの2017年2月期におけるEC売上高は、前期比25.9%増の150億2100万円だった。国内売上高は同22.8%増の139億4000万円で、海外売上高は同86.4%増の10億8100万円。

2016年4月に公表した3か年計画でオムニチャネル化の推進とEC事業の強化を発表したオンワードHDでは、EC事業が好調に推移している一方、国内の店頭売上高は同11.4%減の1879億4700万円に落ち込んでいる。

国内EC事業は「店頭とECの積極的な在庫共有」「オンライン限定商品の拡充」「ブランドサイトのリニューアル」「メルマガ配信の強化」などに取り組んだ。

その結果、国内のオンワードメンバーズ会員は160万人を突破。ブランド別では主力の「オンワード樫山」のEC売上高が同28%増の110億円へと大幅に増加している。

グルメサイト「オンワードマルシェ」を新たに開設し、食料品や嗜好品の販売に乗り出すなど、アパレル以外のECも推進した。

海外事業は欧州や中国の大手ECモール事業に注力。欧州では「ジョセフ」のEC売上高が約1.3倍に増加。中国では「天猫(Tmall)」で「23区」や「ローズブリット」の販売を開始し、売り上げを伸ばしている。

オンワードホールディングスの2017年2月期におけるEC売上高は、前期比25.9%増の150億2100万円

2017年2月期のEC売上実績(資料は編集部が決算資料からキャプチャ)

2018年2月期のEC売上は210億円を計画

2018年2月期におけるEC事業の売上高計画は、国内外の合計で前期比40%増の210億円。国内EC売上高は前期比38.7%増の193億4000万円を計画している。

「アイランド」のECサイトをリニューアルし、店頭とECの在庫一元化も実施する。また、グループ会員の統合を進めて顧客基盤を強化し、期末までにオンワードメンバーズ会員を210万人まで引き上げる。

海外事業のEC売上高は同53.6%増の16億6000万円を計画。国内ブランドのECサイトの多言語化や他通貨対応などを進める。

一方、国内の店頭売上高は1778億3700万円と前期比5.4%減を予想。店頭売上の減少幅をECが補っていく構図になっている。

オンワード、ネット通販の強化&リアル店舗の大規模整理へ

オンワードHDの中期3か年計画(画像は編集部が資料からキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

スマホ時代のECサイトをどうサポートする? バリューコマースが注力する3つのポイント

9 years ago

スマートフォン(スマホ)の浸透によって、EC企業の集客施策、リピート戦略が変わりつつある。こうした変化にEC企業はどう対応すればいいのか? バリューコマースはECサイトの販促をどのように支援していくのか? アフィリエイトなどの広告事業やCRM事業を手がけるバリューコマースの経営陣らが語った2017年の戦略から、そのヒントを探ってみる。

バリューコマースが2017年に注力する3つのポイント

eコマースにおける集客からリテンションまでトータルソリューションの提供をめざします。

バリューコマースが開催したイベント「バリューコマースサミット2017」。この壇上で、香川仁代表取締役社長はこう宣言し、2017年に注力する3点を解説した。

  • CRM事業を「第2の柱」へ
  • アドネットワーク事業、収益改善
  • アフィリエイト事業、さらなる強化
スマホ時代のECサイトをどうサポートする? バリューコマースが注力する3つのポイント 香川仁代表取締役社長
香川仁 代表取締役社長

集客サービスでは、主力事業のアフィリエイトサービスに加え、アドネットワークによるEC事業者の集客支援を強化。CRM事業は、マーケティング・オートメーション・ツールの提供により、接客などを通じたリテンションマーケティングを推進していくという。

CRM事業では、2015年に子会社化したデジミホのマーケティング・オートメーション・ツール「R∞(アール・エイト)」がカギを握る。

バリューコマースが「Yahoo!ショッピング」の出店者に「R∞(アール・エイト)」をオプションサービスとして提供を始めたのは2016年(Yahoo!ショッピングでは、「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」として提供している)。

「アール・エイト」の成功事例が増えてきたことから、成功ノウハウを含めてパッケージ化し、Yahoo!ショッピングの他の店舗や、Yahoo!ショッピング以外のサイトにも「アール・エイト」を提案していく計画。

アドネットワーク事業で展開しているADPRESSO(アドプレッソ)は、iPhone・Android対応のスマートフォン向けアドネットワークサービス。香川社長は収益改善が進んでいるとし、EC事業者の集客支援策としてアドネットワークにも力を入れていく方針を示した。

そして、主力のアフィリエイト事業では、アフィリエイト市場におけるスマホ化の流れ、モバイル端末経由の売り上げが増加していることを踏まえ、イベントに参加したEC事業者へさらなるアフィリエイト事業の強化を誓った。

接客・リテンション面(CRM)

バリューコマースが「Yahoo!ショッピング」出店者に提供しているマーケティング・オートメーション・ツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」は現在、Yahoo!ショッピングの約5000店舗が利用している。

利用店舗の流通における経由流通の割合は約18%を占め、ツール経由のCVR(コンバージョンレート)は25%以上という。

たとえば、ある出店サイトでは既存顧客の購入回数が大幅に改善。「ストアーズ・アールエイト」導入後に、既存顧客1人あたりの購入回数は導入前後比で270%になったという。

登壇した執行役員の長谷川拓最高戦略責任者は、「2016年9月に提供を始めたばかりだが、購入頻度は相当高いのではないか」と説明する。

また、Yahoo!ショッピングで「アール・エイト」を活用する店舗の成功事例が増えてきたことから、成功ノウハウを含めてパッケージ化し、Yahoo!ショッピングの他の店舗や、Yahoo!ショッピング以外のサイトにも「アール・エイト」を提案していくことを、長谷川氏は明らかにした。

長谷川氏は、「アフィリエイト事業で質の高い集客を実現するとともに、『アール・エイト』を提供することでECサイトのLTVを伸ばすことも支援したい」と抱負を語った。

スマホ時代のECサイトをどうサポートする? バリューコマースが注力する3つのポイント 登壇した執行役員の長谷川拓 最高戦略責任者
執行役員の長谷川拓 最高戦略責任者

集客面(アドネット、アフィリエイト)

アフィリエイト、ADPRESSO(アドプレッソ)といった集客サービスを踏まえ、長谷川執行役員はEC企業向けのマーケティング成果の最大化を支援すると説明した。

メディアには成果報酬拡大を、広告主には流通拡大を成果として還元できる仕組みを作るとして、アフィリエイト、ADPRESSO(アドプレッソ)による新規購入、CVRの向上施策を支援すると説明。「アール・エイト」を通じて顧客育成とLTV向上を行い、「メディアへの報酬向上」によって「メディアでの露出面拡大」につなげるといったサイクルを作っていくとした。

集客の要となるアフィリエイトについては、アフィリエイト本部・伊藤孝司本部長が次のように説明する。

スマートフォンといったモバイル経由の売り上げが増加している。アフィリエイトでもモバイルのマーケティングが今後、より重要になる。

スマホ時代のECサイトをどうサポートする? バリューコマースが注力する3つのポイント アフィリエイト本部・伊藤孝司本部長
アフィリエイト本部・伊藤孝司 本部長

バリューコマースによると、モバイルアフィリエイト市場は次のように右肩上がりで拡大しているという(出典元:矢野総合研究所)。

  • 2013年 → 510億円
  • 2014年 → 657億円
  • 2015年 → 887億円
  • 2016年 → 1183億円

2016年は前年比33.4%増となり、アフィリエイト市場全体の構成比の59%を占めているという。

バリューコマースのアフィリエイトサービスの成果報酬額は、2016年にスマートフォン経由の割合が初めて50%を突破。成果報酬額は86億円となり、全体の51.2%を占めている。また、スマートフォン経由での注文件数は2016年に29.8%となり、前年比5ポイント増加した。

親会社であるヤフーとの連動では、Yahoo!ショッピングとバリューコマースが連携。Yahoo!ショッピングのアプリと連携することで、異なる端末のブラウザまたぎ、いわゆるクロスブラウザ・クロスデバイスによるユーザーのトラッキング精度を向上させた。その結果、CVRが2倍に増えた例もあるという。

こうした状況を踏まえ伊藤氏は、「手間なくeCPM最大化」を支援して、今後新機能をリリースしていくと語った。

ネットショップ担当者フォーラム編集部

良いアフィリエイターと良い関係を作るコツ | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座

9 years ago

これまでこの連載でアフィリエイター向けキャンペーンや、ニュースメールによる情報提供、リアルイベントなどについてご紹介してきました。さまざまな企画や施策を行うのは、「アフィリエイターに成果を上げてもらうため」。その基盤となるのが個々のアフィリエイターとの良好な関係です。どんなアフィリエイターと、どう関係性を構築していけば良いのでしょうか?

「良い」アフィリエイターとは?

アフィリエイトサイトの中には、大手法人のポイントバックサイトのように多くの会員を抱えていて、集客に貢献してくれるサイトもありますが、大多数のサイトは個人が運営しています。

個人のアフィリエイトサイトは、1つひとつは多くのPVを集めているわけではなく、レポートで見るとクリック数、インプレッション数ともに、大手の法人サイトに比べると見劣りすることが多いです。

ですが、注目してもらいたいのは成約数です。送客された見込み客が実際に商品を購入したりメールマガジンに登録したりといった、「見込み客が自分たちのユーザーになったかどうか」に注目すると評価が変わります。

例えば、ポイントバックサイトに広告を出すと数多くの集客が見込めます。ただし、そこで集客できるユーザーは自社の商品やサービスに対して積極的に興味を持っているわけではなく、「クリックをすればポイントがもらえるから」といった理由の人がほとんどです。何人かは顧客になってくれる可能性もありますが、集客後の施策が必要になります。

クリック数やアクセス数は多くなくても、濃いファンを抱えているサイトや、細かな専門性に特化したアフィリエイトサイトからは、質の高い見込み客の送客がある場合があります

一概にPV数やクリック数が多ければ優秀なアフィリエイターとは言えません。「成果獲得件数」という視点を持つことで、自社にとっての「良いアフィリエイター」がわかるのです。

濃いファンを抱えているサイトや、細かな専門性に特化したサイトは、質の高い見込み客を送客してくれる場合がある。

アフィリエイターとの接し方は接客と同じ

アフィリエイターとの接し方は、対面販売での接客と同じと考えるとわかりやすいかもしれません。

大手法人のポイントバックサイトとは、ベースとなる報酬での交渉など、「ビジネスとして取引をする」「交渉はASPに任せる」といったビジネスライクな付き合い方も可能ですが、個人で活動している大多数のアフィリエイターは「商品が好き」「もともと商品を使っている」「広告主の担当者に好感を持っている」といった、趣味趣向や情の部分で動いています

もちろん、個人アフィリエイターの中にも仕事としてアフィリエイト活動をされている方もいますが、多くのアフィリエイターは、来店する見込み客に近い感覚で広告主の商品を選別しています。ですので、より「人」対「人」の関係を意識した交流をしていく必要があるのです。

掲載したい広告を選択するのはアフィリエイターで、広告主は選ばれる立場です。過剰な掲載依頼や「活動してもらって当たり前」といった態度は禁物です。

定期的なニュースメールでは、商品やサービスの良さや売り方を伝えるだけではなく、窓口となる担当者の人柄を出すことをおすすめしています。

広告主の人柄に惹かれるからメールを毎回読んでもらえる、キャンペーンなどの企画に参加してもらえる……といったことが、アフィリエイトでは多々あるのです。

もちろん、個人アフィリエイターの中にも「より成果の上がりやすい商品を選択する」「活動に見合う成果報酬を得られるかどうかで選別する」といった、法人媒体と近い視点で活動している人もいます。

より稼ぎたいと希望するアフィリエイターに対しては、情報提供にプラスして、同業他社に見劣りしない成果報酬を設定したり、個別に報酬アップキャンペーンを提案したりといった、活動に見合う成果報酬を用意する必要があります。

アフィリエイターと接する心構えは接客と同じ

「あなたのサイトを見ています」と伝える

個人アフィリエイターの多くは、仕事や家事の合間にWebサイトやブログを更新しています。商品を選択し、記事の構成を考え、必要があれば商品写真を撮影し、紹介記事を仕上げて公開……という、広告主側の更新作業と同様のことを日々行っているのです。

筆者が出会ったアフィリエイターは、皆一様に自分のサイトを愛し、誇りを持って運営しています。彼らから見れば、自分のサイトは愛すべき作品であり、我が子のように丁寧に育てているのです。

広告主の立場だと、「今月の売上は○円」「クリック数は○件」というように、管理画面のレポートで見える数字だけを判断基準にしてしまいがちですが、アフィリエイトサイトをひとつずつ見ていくと、丁寧に紹介してくれていたり、今までにない視点があったり、何より愛を持って商品を紹介してくれていることが多々あります

その時感じた感想を、そのままアフィリエイターに伝えてみてはいかがでしょうか? 例えば、

あなたのブログを拝見しました。今までにない視点でご紹介をいただき、ありがとうございます。私自身もとても参考になりました。またぜひご紹介をよろしくお願いします!

と。アフィリエイターの中には、広告主と意思疎通がとれないまま活動している人も多く、一方的な提携解除や報酬ダウンなどを体験し、広告主に対して不信感を持っていることも少なくありません。

一般的なASPでは、アフィリエイターが広告主に問い合わせる窓口がなく、アフィリエイターから広告主に連絡をとりたいと思っても、ASPが間に入って広告主からは返信をもらえない場合もあります(これは、アフィリエイターが個人で活動していることを広告主が意識していなかったり、アフィリエイターから問い合わせが入るものだと知らずに、安易にASPに対応を任せていたりすることが原因かもしれません)。

そんな中、「あなたの活動をちゃんと見ていますよ」と連絡があれば、アフィリエイターから好感度は高まり、より積極的に紹介しようという気持ちも生まれるでしょう。

アフィリエイターに「あなたの活動をちゃんと見ていますよ」と伝えよう

まずは上位20サイトをじっくり見てみよう

もちろんリソースには限りがあるので、そんな工数は掛けていられない……という場合もあるでしょう。実際、同一のニュースメールよる情報提供と一律の報酬で対応し、基本的には個々のアフィリエイターとのやり取りを発生させずにASPに依頼をする……といった運用をされている広告主も多くいます。

ですが、できることならまずはアフィリエイター別レポートの上位20サイトまでを実際に見てみて、どのように紹介されているのか確認する習慣を付けてほしいのです。

中には「この紹介の仕方はちょっと……」といったサイトを発見することもあるかもしれませんが、次第に自社を積極的に紹介してくれるアフィリエイターが見えてきます

せっかくアフィリエイト広告を運用しているのですから、「人」対「人」の交流を大切に、接客と同様にアフィリエイターとの関係性を築いていってほしいと思います。

鈴木 珠世

鈴木 珠世

コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさに目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

鈴木 珠世

顧客満足度で「ヨドバシ.com」が3位、顧客を失望させないECサイトは「ファンケル」

9 years ago

顧客満足度で「ヨドバシ.com」が3位、消費者を失望させないブランドの1位は「FANCL online」――。

公益財団法人日本生産性本部はこのほど、国内の32業種・421社を対象に顧客満足度を調査した「2016年度 JCSI(日本版顧客満足度指数)」を公表。通販・EC関連では、「顧客満足」の指標で「ヨドバシ.com」が3位、「オルビス」が9位、「Joshin web」が13位に入った。

公益財団法人日本生産性本部はこのほど、国内の32業種・421社を対象に顧客満足度を調査した「2016年度 JCSI(日本版顧客満足度指数)」を公表。通販・EC関連では、「顧客満足」の指標で「ヨドバシ.com」が3位

顧客満足上位10企業

「失望指標(企業やブランドに対して失望した経験)」が低い企業・ブランドの項目では、「FANCL online」が1位、「オルビス」が2位、「ドクターシーラボ」が4位、「サントリーウエルネスOnline」が5位に入るなど、上位10社のうち6社を通販会社が占めている。

「失望指標(企業やブランドに対して失望した経験)」が低い企業・ブランドの項目では、「FANCL online」が1位、「オルビス」が2位、「ドクターシーラボ」が4位、「サントリーウエルネスOnline」が5位

失望指標ランキングTOP10(指標が高いほど失望経験が多く悪い評価になる)

「JCSI」は統計的な収集方法による総計12万人の利用者からの回答を基に調査する日本最大級の顧客満足度調査。「顧客期待」「知覚品質」「知覚価値」「顧客満足」「推奨意向」「ロイヤルティ」の6項目で顧客満足度の構造とポジショニングをチェックした。

JCSIの6つの指標

  • 顧客期待:利用者が事前に持っている企業・ブランドに対する印象や期待
  • 知覚品質:サービスを利用した際に感じる品質への評価
  • 知覚価値:受けたサービスの品質と価格を対比して感じる納得感
  • 顧客満足:サービスを利用して感じた満足の度合い
  • 推奨意向:利用したサービスの内容を、肯定的に人に伝える意向の強さ
  • ロイヤルティ:サービスの継続利用や、頻繁な再利用の意向

「ヨドバシ.com」は3年連続、顧客満足No.1

通販やEC企業に限定したランキングでは、「顧客満足」の指標において「ヨドバシ.com」が4年連続で1位を獲得した。「ヨドバシ.com」は「知覚品質」「知覚価値」「推奨意向」「ロイヤルティ」の4項目でもトップ。

通販やEC企業に限定したランキングでは、「顧客満足」の指標において「ヨドバシ.com」が4年連続で1位を獲得

2016年度通信販売の6指標順位

「顧客期待」の項目は「通販生活」が1位だった。

「オルビス」は顧客満足、知覚品質、推奨意向で2位。「Joshin web」は知覚価値とロイヤルティで2位だった。

「JCSI」は日本企業の成長と国際競争力の強化に役立つことを目的とし、日本生産性本部が2009年度から発表している。

通販業態の調査は2016年5~6月に実施。2万1562人から回答を得た。

「通信販売」の指数化の対象となった企業・ブランドは以下の通り。

  • Amazon.co.jp/QVCジャパン/ジャパネットたかた/Joshinweb/ショップジャパン(オークローンマーケティング)/ショップチャンネル/セシール/ZOZOTOWN/通販生活(カタログハウス)/ディノス/ニッセン/ビックカメラ.com/フェリシモ/ベルーナ/ベルメゾン(千趣会)/Yahoo!ショッピング/ヨドバシ.com/楽天市場/オルビス/サントリーウエルネスOnline/DHConlineshop/ドクターシーラボ/FANCLonline/やずや/山田養蜂場/ユニクロオンラインストア

JCSIの調査方法

  • 調査期間:2016年4月~12月
  • 調査対象:421企業・ブランド
  • 総回答者数:12万9372人
  • 調査方法:インターネット・モニターを用いた調査(2段階にて回答者を抽出)
  • 質問数:約110問
  • 指数化の方法:6つの指標は設問回答から計算し、100点満点で指数化。各指標はそれぞれ7または10点満点の複数設問で構成した

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

宅配ロッカー+ネット回線で再配達を削減へ――フルタイムシステムとNTT西日本が協業

9 years ago

宅配ロッカー大手のフルタイムシステムとNTT西日本グループは4月10日、宅配ボックスとマンション向けインターネット回線をセットで提供するサービスを開始した。

宅配ボックスとインターネット回線に対するマンションオーナーのニーズが増えていることに対応。施工と運用、メンテナンスを一括して提供し、設備導入にかかるマンションオーナーの負担を軽減する。

フルタイムシステムとエヌ・ティ・ティ・メディアサプライ(NTTメディアサプライ)、NTTフィールドテクノの3社による共同事業。NTTメディアサプライがマンション向けインターネットサービス「DoCANVAS」と、フルタイムシステムの宅配ボックスをセットで販売する。施工と保守対応はNTTフィールドテクノが行う。

フルタイムシステムは24時間体制でロッカーの遠隔監視・管理を行う「ネットワーク管理フルタイムロッカー」や、着荷時にメールで通知する「通信機能付宅配ボックス」を販売している。「DoCANVAS」とセットで提供することで、ロッカーとインターネット回線を個別に契約する手間を省く。

販売地域は全国。料金は契約内容によって変動する。通信機能がない宅配ボックスも取り扱う。

フルタイムシステムとNTT西日本グループ、宅配ボックスなどマンション向けワンストップサービスで協業

3社の協業イメージ

配送業界とマンション業界の課題を解消

近年、配送会社の人手不足が深刻化する中、再配達削減につながる宅配ロッカーの重要性が高まっている。また、賃貸マンション業界においては、マンションの空室対策としてインターネット標準設備や宅配ボックスの導入ニーズが上昇しているという。

こうした現状から、宅配ボックスとインターネット回線の施工、保守、運用までワンストップで提供するサービスの需要が高いと判断。

3社は今回の協業を契機に、互いの強みを生かしたサービスの提供に取り組み、マンションを中心として一層の利用拡大を図る。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ページ離脱の防止&コンバージョンアップに役立つ成果報酬型の売上UP支援ツールとは? | 『ヨドバシ.com大躍進の舞台裏 ネット通販11社の成功法則+関連サービス260まとめ』ダイジェスト

9 years ago

サイト訪問者がページから離脱しようとした瞬間、キャンペーン情報などをポップアップで表示し、サイト内に引き止めるツール[3S](スリーエス)。ECサイトなどのコンバージョン率の改善が期待できることから、幅広い業種で利用が広がっている。

PCのみ・単体シリーズのみの試験運用で、1か月180万円の売上増。クーポン等割引施策なしで

パソコンやスマートフォンのWebサイトに[3S]を導入すると、訪問者がページを閉じようとしたり、他のサイトへ移動しようとした瞬間、キャンペーン情報やレコメンド商品などをポップアップで表示する。フォーマットは動画なども利用できる。

ユーザーの離脱を防ぎ、本来は取りこぼしていた顧客を購入や会員登録につなげることができるようになるのが特徴だ。

[3S]の効果について、ムーヴの向井康祐社長は「ページ離脱者100人にポップアップを表示すると、平均で、40人がサイトにとどまり、3~4人はコンバージョン(購入や会員登録)に至る」と説明する。

ECの事例では、美容機器販売大手の株式会社MTGが、今年8月に直販サイトの一部商品で[3S]を利用したところ、PCのみ・単体シリーズ商品のみの試験運用(クーポン・割引キャンペーンなどは一切行なっていない)だったにもかかわらず、1か月間で延べ約1000人の離脱防止に成功。離脱を防いだユーザーの購入金額は合計180万円にのぼったという。

[3S]が提供する離脱防止の仕組みのイメージ

初期・月額固定費・基本クリエイティブ制作費ゼロ。iOSにも対応

[3S]の料金体系は完全成果報酬型。初期導入費や月額固定費、基本のクリエイティブ制作費(何種類でも制作可)まで無料。離脱を防いだユーザーの合計購入金額の一部を手数料として徴収するだけ。

手数料率は導入企業ごとの社内の目標値に合わせて設定するという。完全なる成果報酬型のため、導入企業はリスクゼロでコンバージョン率の改善を図ることができる。

それだけでない。[3S]は顧客に対する運用サポートにも力を入れている。顧客ごとに担当者が付き、成功事例にもとづいて効果的にポップアップを表示する方法などをEC事業者と一緒にプランニング。

導入後も、レポート・リプランニングというようにしっかりと運用サポートを行う。場合によっては、腕利きのクリエイティブディレクターまでアサインするという。

競合製品との差別化は、こうした選任コンサルティングによるプランニングのほか、iOSの離脱行動にも本格対応していること。デバイスごとに最適化した施策を提供しており、「特にiOS向けに特化したサービスという点はめずらしいのではないか」と向井社長は強調する。

今後は外部サービスと連携強化

[3S]のさらなる機能強化・離脱率改善・コンバージョン率強化を図るため、新機能の追加や外部サービスとの連携を押し進める方針。必要に応じてエントリーフォーム最適化(EFO)のシステムまでを無料で提供。

また、レコメンドエンジンやECパッケージシステム、ASPカート、DMP、解析ツールなど、さまざまな提携を拡充していきたいという。

「販売していただける代理店・運用会社様はもちろん、そうした[3S]と連携していただけるシステムベンダーからの問い合せも大歓迎」と話し、インタビューを締めくくった。

関連リンク
ネットショップ担当者フォーラム編集部

スタートトゥデイ、5000億円の取扱高めざし「ZOZOTOWN」の全面刷新に着手

9 years ago

スタートトゥデイがファッションECモール「ZOZOTOWN」を抜本的にリニューアルする。取扱高の急拡大が続く中、さらなる成長を実現するため、事業規模にあわせてシステムをゼロから作り直す。

リニューアルに向けてエンジニアやデザイナーなど合計40人の募集を開始。開発体制を強化し、中長期目標である取扱高5000億円の実現をめざす。

リニューアルの目的は、現状のモノリシック(システム全体が結合された状態)な構造から、マイクロサービス(小さなサービスを組み合わせて機能を開発するアプローチ)化を進めること。

2004年のサイト開設から12年以上が経過し、開発効率が悪くなってきていることから、事業規模や時代に合ったシステムに作り変えるという。

スタートトゥデイ、5000億円の取扱高めざし「ZOZOTOWN」の全面刷新に着手(スタートトゥデイ工務店のサイト)

子会社のスタートトゥデイで求人を行っている(画像は編集部がキャプチャ)

スタートトゥデイはWebの開発からサーバの運用まで内製で行っている。2015年12月にスタートトゥデイグループのエンジニアやデザイナー、Webアナリストなど制作に携わる部署と職種を集約した新会社「スタートトゥデイ工務店」を設立している。

スタートトゥデイ工務店の大蔵峰樹代表取締役は、「ZOZOTOWN」をリニューアルする理由を次のように説明している。

今から倍以上の流通額をめざすわけだが、システムが密なシステムになっているために、考慮しなくてはいけなかったり、調査しなくてはいけない範囲が大きくなっていて、開発効率が少し悪くなってきている。密結合のものを疎結合、今で言うところのマイクロサービスの要素を取り入れて開発の効率を上げていこうと考えている。

YouTubeで募集の説明も行っている(編集部が追加)

スタートトゥデイの2016年4~12月期(第3四半期累計)におけるグループ取扱高は前年同期比32.3%増の1480億9000万円。2017年3月期は同22.3%増の1950億円を計画している。

スタートトゥデイは中長期計画で取扱高5000億円をめざしている

20××年3月期に取扱高5000億円をめざす(画像は決算資料から編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

実店舗は最初で最後のリアルでの接点。実店舗に起こるパラダイムシフトとは?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

9 years ago

リアルだろうがネットだろうが、ユーザーが便利なところで買ってもらえればいい。そう思うことでオムニチャネルが理解できます。個別の売り上げを見ていては何も生まれませんので、自社が持っているチャネルを再構築してみましょう。

これからのリアル店舗の役割

リアル店舗に起こるパラダイムシフト | 株式会社プリンシプル
https://www.principle-c.com/column/marketing_general/paradigm_shift_1.html

まとめると、

  • リアル店舗の売上減少は販売チャネルの変化に過ぎない
  • リアル店舗は商品を「買う」場所から商品を「体感する」場所に
  • リアルとデジタルの世界を包括的に見られる人材とチームを作る動きが始まっている

つまり、「ショーウインドウディスプレイを見て商品を認識させ、店内に誘導すること」と、「WEB上のリスティングやリターゲティング広告を見て自社サイトに誘導すること」は、チャネルは違えど、どちらもビジュアル・マーチャンダイジングとしては同じである、という理屈だ。WEBページのUIとリアル店舗のストアデザイン、ショーウインドウとバナー広告、雑誌広告とPPC広告は同じ、ということである。

このたとえはとても分かりやすいですよね。リアルとネットを区別して施策を考えるよりも、同じことを違う場所でやっているだけと考えたほうがスムーズです。

同じことをやっていると思えば、兼務できる人が増えて効率も効果も上がります。今起きている流れに乗るために頭の中にもパラダイムシフトを。

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越境ECもAmazonにお任せ?

アマゾンの「グローバルストア」計画とは? 越境ECの言語・物流・価格の壁がなくなる日 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4124

まとめると、

  • Amazonは消費者も全世界の商品を簡単に購入できる「グローバルストア」の開店を目指す
  • 購入データを見ながら各国で展開しているアマゾンサイトの言語翻訳を統合
  • 世界中の拠点の言語翻訳を統合することは、国境や言語、為替レートによる価格競争力の差がなくなることを意味する

消費者にとって、(アマゾンが)世界中の拠点の言語翻訳を統合することは、国境や言語、為替レートによる価格競争力の差がなくなることを意味します。売り主側にとっては、国境や言語、為替レートによる競争力の差がなくなり、オープンな商環境で競争することができます。つまり、競争環境が大きく変わることでしょう。

実現のためには技術的な課題がありますが、それは解決できそうです。もはや競争相手は世界中にいるということになりますので、目先の売上や競合を見るだけではなく、視野を広げないといけません。積極的に海外サイトを見る努力も。

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配送品質とコスト。判断をするタイミングです。

送料値上げに通販・EC企業はどう対処する? 経営&業務への影響は? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4174

まとめると、

  • ヤマト運輸の配送品質を考慮すると値上げは受け入れざるを得ない
  • その一方で別の配送会社を探すなどの取り組みも行う企業も多い
  • 宅配ロッカーなど、再配達を減らすために受取方法の工夫も進んでいる

宅配ロッカーにしても、コンビニ受け取りにしても、より広範なサービス展開が必要となっている。値上げは致し方ないとの理解を示す通販企業は多いが、それだけに受け取りサービスの充実もヤマト運輸は求められている。

ヤマトもネットショップもユーザーも努力しないといけないというところまできた配送問題。一発受取でポイント付与などのサービスも出てきていますので、広がってきたら乗り遅れないようにご注意を。

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EC全般

スマホのプッシュ通知、思わず開くタイミング判明。ホッと一息を推定するロジック ヤフーと慶大ら研究 | Engadget 日本版
http://japanese.engadget.com/2017/04/05/yahoo/

そりゃ止まった時しか見れないですよね。「論文では、即時性のあるプッシュ通知よりも、ブレイクポイントでの通知の方がクリックが速く、ユーザーがより注意するとしています」とのこと。

ビックカメラ、4月7日より2店舗でビットコイン決済を試験採用 | ECzine
http://eczine.jp/news/detail/4451

ついに導入されたビットコイン決済。この動きは他にも広がりそうな感じです。

「ネットショップの配送遅延対応」2つのコツ。店長がクタクタにならない工夫とは? | コマースデザイン
http://www.commerce-design.net/blog-staff/170331-haisoutien/

積極的な情報開示がユーザーを安心させます。電車の遅延情報などを参考に。

お客さん来てはるのに、売上ぜんっぜん伸びへんねん!【オカンでもわかるアクセス解析の基礎】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4158

Google アナリティクスの基本的な見方が書かれています。しかし、オカンの個性が強すぎてw

「薄利多売」弁護士の弊害 アディーレ事件の裏側(今野晴貴) | Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20170405-00069563/

薄利多売は止まったらおしまい。過去に何度もありましたよね。

今週の名言

どんな職業であれ、その道のプロがプロであるほど、その道に長くいればいるほど、「こうあるはずだ」「こうあるべき」という決め付けや常識に何かしらとらわれているのでは?

子どもがゲンナリする質問の法則!? | 電通報
http://dentsu-ho.com/articles/5045

これは耳が痛いですね。記事タイトルをつける時にいかにもネットの記事っぽいタイトルをつけてしまう時ってありますから。あ、今週も……。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

ロコンドが創業来初の黒字転換。純利益3億円、モール内販売の取扱高急増などが貢献

9 years ago

東証マザーズに株式を上場した靴の通販サイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンドは、創業来初めて最終黒字に転じた。

4月10日に発表した2017年2月期業績で、当期純損益は2億9800万円の黒字に転換(前年同期は2億900万円の赤字)。収益拡大のフェーズに入った。

売上高は28億9300万円で前期比29.9%増。営業損益は1億9300万円(前期は2億800万円の営業損失)、経常損益は1億9500万円(同2億700万円の経常損失)。

自社での直販、受託型の商品販売、物流支援やサイト制作などのプラットフォーム事業を合わせた商品取扱高(返品後)は80億2200万円(前期比22.3%)に拡大。返品前ベースの出荷件数は前期比15.3%増の74万9272件と大幅に伸びた。

サービス別で見ると、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」など他社モールで展開する「LOCOMALL」の伸びが大きい。2017年2月期の商品取扱高(返品後)は13億6600万円で前期比328.9%増。直販の「LOCONDO.jp」の商品取扱高(返品後)は44億2800万円で前期比5.1%増。

ファッション分野の競争が激しくなっているモール内でも、ロコンドは顧客を獲得している状況が推測できる。

商品取扱高(返品後)は44億2800万円で前期比5.1%増だった直販の「LOCONDO.jp」のビジネスモデル

「LOCONDO.jp」について(画像はロコンドの発表資料から編集部がキャプチャ)

販管費の主な項目については、荷造運搬費が4億9900万円、広告宣伝費は2億9400万円。特に広告宣伝費については2016年2月期の3億8700万円から約1億円を削減しながらも取扱高を大きく伸ばし、初の黒字転換に貢献した。

今期(2018年2月期)はさらに規模が拡大する見通し。売上高は38億5400万円(前期比33.2%増)、営業利益は3億500万円(同57.6%増)、経常利益は2億9800万円(同52.5%)、純利益は3億8500万円(同29.0%)を見込む。

ロコンドの2020年度に向けた成長計画(営業利益)

追加投資の「New growth」によってさらなる営業利益の底上を図る(画像はロコンドの発表資料から編集部がキャプチャ)

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

アマゾンがBtoBのネット通販に本格参入? 今秋にも日本版アマゾン・ビジネスを展開か | 通販新聞ダイジェスト

9 years ago

アマゾンジャパンは今秋にも、企業のオフィスや工場、病院などで使用される各種の消耗品や商材などを販売する法人向けの専用通販サイトを新設する模様。複数の関係筋が本紙に明らかにした。

米国やドイツのアマゾンではすでに法人向け専用のBtoB通販サイト「アマゾン・ビジネス」を展開中で、新サイトは“日本版アマゾン・ビジネス”と見られる。アマゾンジャパンでは法人向け新サイトについて「やるともやらないとも現時点では何も話せない」(同社)としており、詳細は不明だが、複数の関係筋によれば、新サイトの立ち上げ時期は早ければ8~9月ころになるようだ。

米アマゾンなどが展開する「アマゾン・ビジネス」ではアマゾンによる直販商品のほか、外部事業者も出店できるようにし、様々な法人向けの間接資材などの商品を取り揃えている。また、顧客事業者が使いやすいよう発注担当者の注文を責任者などが確認できる機能などを付加した法人向け専用購買システムを提供するなどの試みや掛け売りなども実施しているよう。

「日本版アマゾン・ビジネス」がどのような形になるのか詳細は不明だが、米社などと同様の形になる公算は高そうだ。

アマゾンがBtoBのネット通販に本格参入? 今秋にも日本版アマゾン・ビジネスがスタート
海外のBtoB通販サイト「アマゾン・ビジネス」(画像は編集部がキャプチャし、追加しました)

米アマゾンでは法人向け間接資材の販売を強化しており、アマゾン内に開設した「産業・研究開発用品ストア」を強化する形で2012年には50万点以上の関連商品を販売する「アマゾンサプライ」を開始し、法人通販に本腰を入れ始め、2015年4月にはさらに規模を拡大させ、「アマゾン・ビジネス」として再スタート、法人向け通販をさらに強化している。

米本社のこうした動きに呼応する形でアマゾンジャパンでも法人向け通販を強化してきており、2015年6月に産業用資材や研究開発用品などの間接資材の取扱商品数を大幅に拡充し専用ページ「産業・研究開発用品ストア」を同社サイト内に新設。

また、昨年2月にはオフィス用品など企業用の商材を集めた専用ページ「BtoB(法人向け・業務用)商材ページ」を同社通販サイト内に新設し、これまで別々に分類していた法人向け、業務用、SOHO向けの商品を集約。オフィス用品、産業・研究開発用品、DIY・工具、パソコンおよび周辺機器、キッチン家電、厨房機器や照明などの総合家電、通信機器など取り扱う法人向け・業務用の商品を集めたページを立ち上げ、法人向け通販を強化してきた。

日本でもいずれかのタイミングで「アマゾン・ビジネス」をスタートすると見られていたが、ようやく9月をメドに展開に踏み切る模様だ。

日本ではアスクルやカウネット、大塚商会、MonotaROなどが法人向け間接資材の通販で先行し、し烈な争いを繰り広げているが、アマゾンの本格参戦ではさらなる競争の激化が予想される。アマゾンはもちろん、国内勢がどのような対応策をみせるか、法人向け通販市場の動きが注目されそうだ。

通販新聞

auユーザー3800万人超にアプローチできるECモール「Wowma!」2017年度の戦略まとめ

9 years ago

KDDIが「au」のユーザー基盤などを活用した“本気”のネット通販を始める。2兆円規模の「au経済圏」をめざすKDDIがコマースの中核に据えるのがECモール「Wowma!(ワウマ)」。「au」ユーザーにアプローチできる販路として注目が集まる「Wowma!(ワウマ)」の2017戦略をまとめてみた。

2兆円めざす「au経済圏」の一躍担うECモール

ECなどのオンラインコンテンツから、オフラインのコンビニなどにおける実店舗決済、金融などauの顧客基盤上における「au経済圏」を2019年3月期には2兆円超まで拡大する(2016年3月期は7300億円)。(「新たな成長軸の確立に向けて」を要約)

KDDIは「au経済圏」を拡大するため、従来の通信サービスに加え、3800万人超の「au」契約者のライフステージに応じたさまざまなサービスを、「auライフデザイン」として総合的に提供する取り組みを始めている。

たとえば、auショップを活用した実店舗でのコマース事業「au WALLET Market」オンラインでの「au WALLET Market powered by LUXA」において食品・日用品の販売を行うなど、生活に関わる商品・サービスを提供。

また、2016年4月からの電力小売全面自由化に伴い、各地域の電力会社から電力供給を受けてサービス提供をする「auでんき」、出資企業先が提供する生命保険、損害保険、住宅ローンをauブランドの金融商品として代理販売する「auのほけん」「auのローン」なども扱う。

こうした「au経済圏」の中核を担うECサービスとして期待されているのが「Wowma!」。ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営していた「DeNA ショッピング」、DeNAと共同で運営していたECモール「au ショッピングモール」を2016年12月に引き受け、1月30日にブランド統合したのが「Wowma!」である。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 KDDIの物販戦略
KDDIが仕掛けるコマース事業(資料は編集部がKDDIの決算資料からキャプチャ)

たとえば、2016年末時点で2000万枚(プリペイドカード+クレジットカードの有効発行枚数)を超えたauのポイントシステム「au WALLET」。「au WALLET」のクレジットカード決済で買い物をするとポイントを増量するといった施策を展開、買い物面では「au」ユーザー限定のメリットを、出店者には「au」ユーザーの顧客基盤の提供といった施策を展開していく。

「決済額のさらなる拡大とポイントのエコシステム構築」をめざすKDDIグループにとって、多種多様な商品を取りそろえることができるECモールビジネスは、会員のLTV(顧客生涯価値)向上などで重要な役割を担う。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 KDDIのauライフデザイン構想
KDDIのau経済圏の最大化構想(画像は編集部がKDDIのサイトからキャプチャ)

こうしたことも含め、KDDIコマースフォワードの八津川博史社長は「お客さまが訪問するきっかけから消費まで楽しいお買い物体験を店舗と一緒に構築していく」と説明。

ECモールの成長を示す重要なKPI(重要業績評価指標)である流通額について、まずは3年後となる2019年度(2020年4月期)に1500億円まで引き上げるとした。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 流通額は2019年度(2020年4月期)に1500億円まで引き上げるとした

なお、「au」ユーザー向けの「Wowma! for au」と、それ以外のユーザーを対象にしている「Wowma!」は2017年9月までにサイト統合する予定。出店者にとっては、共通販促の実行、店舗運営の負荷軽減につながる。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 2017年9月までにサイトを統合する予定
「Wowma!」がめざすポジショニング

KDDIグループが総力をあげる3つの施策

「Wowma!」を運営するKDDIコマースフォワードは2017年度、「集客」「サービス」「料金プラン」の3施策に注力する。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 「Wowma!」が2017年度にしかける3つの「やってみよう」

「au」ユーザーの流入を活用する集客施策

「au」が抱えるユーザー数は3800万人以上。この「au」ユーザーを「Wowma!」の顧客に育成する施策に着手した。

  • データプレゼント
    「au」ユーザー向けの「Wowma! for au」で買い物すると、購入金額に応じて最大2.5ギガのデータをプレゼントする取り組みを2017年2月に開始
  • au STAR(スター)
    「au」の長期利用者をター省にした無料の会員制プログラム。600万人を超える会員に向けて、クーポン、ギフト券プレゼントなどを通じて「Wowma!」へ流入させる
  • au スマートパス
    セキュリティアプリ・人気ゲームなどのコンテンツの使い放題、限定クーポン提供といった会員サービス。たとえば、土曜日限定のポイント最大18倍を付与するセールや、毎月2日と22日を対象にした「スマートパス」会員限定セールなどを実施。会員数は1500万人
  • au WALLET
    新規発行でクーポンプレゼント、クレジット決済でポイント倍増などのユーザー特典を用意している。2016年末時点で2000万枚超(プリペイドカード+クレジットカードの有効発行枚数)
KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 au集客のさらなる強化 ・データプレゼント ・au スマートパス ・au スマートパス ・au WALLET

こうした施策はすでに1月のブランド統合以降からスタート。八津川社長は次のように語った。

「au」というキャリアを持つKDDIグループだからこそできる集客策、競合のモールにはない独自のサービスを思い切ってプレゼントする。大きなインパクトはこれからと考えているが、現状は新たなユーザーの増加はもちろん、若いユーザー層の利用増につながっている。(八津川社長)

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略
八津川社長は「競合にはないサービスを提供する」と意気込む

「au」顧客基盤の活用だけにはとどまらない。KDDIのグループ企業が提供するサービスを通じて、「au」以外でのユーザー接点を増やす計画も掲げる。

2017年1月にグループ入りしたビッグローブ(ポータルサイトの「BIGLOBE」提供)、テレビ通販最大手のジュピターショップチャンネル、セレクト・アウトレット型ECサイト「LUXA(ルクサ)」を運営するルクサなど、月間7700万超のユニークユーザー(UU)の基盤を活用する計画。八津川社長はこう言う。

KDDIグループが保有するアセットは大きく、さまざまな領域に広がっている。新しい消費者にアプローチしていくには、KDDIグループのアセットを活用してリーチしていくことがポイントになる。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 KDDIグループとのシナジー

キャンペーン強化も重要な集客施策の1つ。「毎日、お客さまにとって“Wow!な存在になることがゴール。毎週の買い回り企画毎月の大型施策毎日のイベント、などを実施して、“毎日何かが行われているECモール”というポジションを作っていく。(八津川社長)

「au」の会員基盤、グループ企業の資産活用以外の目玉集客施策がテレビCMを活用したプロモーション計画。“テレビ離れ”が言われて久しいものの、その影響力は大きい。ヤフーは「eコマース」以降、定期的なマスマーケティングを行い、流通額を拡大させた。

2018年3月期中にテレビCMを活用した大量集客を、デジタルを使いながら実施。「認知を上げるだけでなく、細やかなアプローチを実現し、購入までの効果を最大化させる」(八津川社長)。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 3月に行われた事業戦略説明会
3月に行われた事業戦略説明会

サービスの拡充

リピートセールスにおいて、アプリという販売チャネルは切っても切れないものである。今完全リニューアルを進めており、2017年9月までにサービスを開始する。モールというプラットフォームだからこそできる購買体験を提供する。(八津川社長)

アプリのフルリニューアルをこのように説明した八津川社長。ファッションコーディネートアプリ「iQON(アイコン)」を提供する、KDDIグループのVASILY(ヴァシリー)が開発パートナーとなり、開発を進めているという。

VASILYとは別サービスの開発も行い、ファッションスナップ写真でモデルが着用しているアイテムから、「Wowma!」内に出品されている類似アイテムを提案する新機能「Wowma! コーディネートSNAP」をスタートした。

画像解析・人工知能(AI)によって商品コーディネートを自動提案する仕組みで、色や素材などの解析情報をAIが機械学習し、親和性の高い商品を提案するという機能を搭載した。まずはファッション分野で提供し、インテリア分野などにも応用していく計画。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 「Wowma!」内に出品されている類似アイテムを提案する新機能「Wowma! コーディネートSNAP」
類似アイテムを提案する新機能「Wowma! コーディネートSNAP」

「au」ユーザー1人ひとりに適した商品を提案するため、検索エンジンのてこ入れも着手する。

グループ会社のSupershipが保有するオーディエンスデータ、「au ID」などをDMP(データマネジメントプラットフォーム)に収集。商品レコメンド、検索エンジンの運用に活用する。

「au ID」の深いところまでをDMPに格納して、最適な情報や商品をお届けする。広告メニューも決まった枠の販売ではなく、動的に広告メニューを出し分けできるようにする。(八津川社長)

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 商品レコメンド、検索エンジンを強化

またこれまでの主要24カテゴリを33カテゴリへ細分化。各カテゴリに適した検索タグを用意し、より専門性の高い売り場をめざすとした。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 主要24カテゴリを33カテゴリへ細分化

出店費用は月額4800円に

「Wowma!」の大目玉施策は新出店プランへの全面移行。現在、月額1万6500円と5万円の出店プランを、2017年7月に4800円に値下げ成約手数料も決済手数料込みで4.5%~に変更した。

すげての出店店舗で4.5%~となるが、流通規模とカテゴリに応じて手数料率は変動するという。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 「Wowma!」の大目玉施策は新出店プランへの全面移行

この新プランへの移行と同時に、出店キャンペーンを始める。入会金と月額会費を1年間ゼロ円とするキャンペーンでで、申込期間は2018年3月31日までが対象。

なお、新出店プランの開始までに現行のアドバンストプランに申し込む出店店舗については、2017年6月29日までの入会金・月会費をゼロ円とする「アドバンスト0円キャンペーン」を実施している。

KDDIがコマース領域に本格参入した理由。本気のECモール「Wowma!」2017年戦略 「Wowma!」が仕掛ける2017年度施策のタイムスケジュール
「Wowma!」が仕掛ける2017年度施策のタイムスケジュール

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

ファンケルも再配達削減に向け独自配送サービス「置き場所指定お届け」を強化

9 years ago

ファンケルは5月から、「玄関前」や「自転車のカゴ」など顧客が指定した場所に商品を届ける「置き場所指定お届け」の利用促進に向けた取り組みを強化する。

ECサイトにサービスの案内ページを掲載するほか、電話で注文を受けた際にオペレーターが顧客に告知。利用者を増やすことで再配達削減や配送効率の向上を図る。

将来的には「置き場所指定お届け」を使った配送を全体の50%まで高めることをめざす。

「置き場所指定お届け」は1997年から実施している独自の配送サービス。「玄関前」「自転車のカゴ」「ガスメーターボックス」など9種類の中から、商品を受け取る場所を顧客が指定する。場所を一度登録すると、次回の注文以降は同じ場所に商品が届く。

商品の配送が完了すると、配達員が完了通知書を顧客の自宅ポストに投函する仕組み。受領印は不要。万一、商品が紛失した場合は改めて商品を送付する。

2015年4月〜2016年3月における「置き場所指定お届け」を利用した配送は全体の30%だった。

ファンケルは5月から、「玄関前」や「自転車のカゴ」など顧客が指定した場所に商品を届ける「置き場所指定お届け」の利用促進に向けた取り組みを強化す

一軒家で「置き場所指定お届け」を利用できる場所の例

ファンケルは5月から、「玄関前」や「自転車のカゴ」など顧客が指定した場所に商品を届ける「置き場所指定お届け」の利用促進に向けた取り組みを強化

マンションで「置き場所指定お届け」を利用できる場所の例

サービスの認知度を上げるため、5月1日にサービスの案内ページを「ファンケルオンライン」上に開設。電話やネットでの受注時に「置き場所指定お届け」を告知するほか、SNSも活用して認知向上を図る。

「置き場所指定お届け」の利用者の声

「いつも置き場所登録を玄関前で利用しています。留守でも簡単に受け取れてとてもいいシステムだと思っているので、ぜひこれからもなくさないで続けてください」

「呼鈴が鳴るとドキドキ、バタバタしてしまうので、ドアの前に置いておいてくれる置き場所のサービスが、とてもありがたいです。便利なので、このサービスはこのまま続けてください」

「他社で注文した際、留守だったら不在票が入ったり、連絡したりと面倒。ファンケルさんで頼んだら指定の場所に届けてくれるので、気がとても楽。助かっています」

「置き場所指定お届けはね、本当におたくのホームランだと思いますよ。留守の時で玄関前 にちゃんと置いていってくれるから本当に助かっています」

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

セブン&アイのEC売上は10%増の976億円。オムニ戦略はLTV重視に転換

9 years ago

セブン&アイ・ホールディングスの2017年2月期におけるEC売上高は、前期比10.8%増の976億6000万円だった。ネットスーパーやセブンネットショッピング、食品宅配などが売り上げを伸ばした。

EC売上高はグループを横断したECサイト「omni7(オムニセブン)」に参加しているブランドの販売金額の合計。

ブランド別の売上高はイトーヨーカドーの「ネットスーパー事業(配達型)」が同3.0%増の447億3500万円、食品宅配の「セブンミール」は同15.5%増の266億7800万円、「セブンネットショッピング」は同62.9%増の141億400万円だった。主要ブランドでは唯一「赤ちゃん本舗」が同14.7%減の56億1700万円と売り上げを落とした。

2016年11月に完全子会社化したニッセンホールディングス傘下の「ニッセン」の売上高はEC売上高に含まれていない。

セブン&アイ・ホールディングスの2017年2月期におけるEC売上高は、前期比10.8%増の976億6000万円

オムニ戦略は「顧客生涯価値」を重視

セブン&アイは2016年10月、ECを中心に不特定多数の顧客にアプローチする従来のオムニチャネル戦略を転換した。「顧客ごとにグループ各社の利用状況を繋げ、全チャネルを通じてサービスの質を追求していくこと」を目標に掲げ、国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人に上る顧客の「顧客生涯価値(Life Time Value)」の向上をめざしている。

2017年2月期は「omni7(オムニ7)」における商品力の強化を図ったほか、各社共通のポイントプログラムやパーソナル販売などを可能とするスマートフォン用アプリの開発にも着手した。リリースは2018年春を予定している。

今後、リアルとITを融合させ、全ての購買データを補足するCRM戦略の仕組みを構築していく。

2018年春にリリースを予定しているCRM戦略の肝となるアプリ

開発を進めているアプリのイメージ(画像は中期経営計画から編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章
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