ネットショップ担当者フォーラム

デジタル広告の影響力はTV・紙媒体に匹敵! 広告が消費行動に与える影響とは?

8 years 6ヶ月 ago

マーケットリサーチ事業などを手がけるGfKは5月17日、デジタルメディア広告が消費者の購買行動に与える影響力は、TVや紙媒体などマスメディアの広告と同程度に達しているとする調査結果を公表した。

世界20か国の18歳以上、合計2万人を対象に、広告や宣伝が購入の意思決定に与える影響を調査した。

その結果、テレビや紙媒体の広告の影響を受けたと回答した人は31%。デジタルメディアの広告に影響を受けたと回答した人も29%だった。

27~36歳の世代「ジェネレーションY」はテレビ・紙媒体が36%、デジタルメディアは35%と肉薄。アーリーアダプターやインフルエンサーと呼ばれる「最先端の消費者」はどちらも58%で影響度は同じだった。

購入の意志決定において広告に影響を受けたと感じる割合

購入の意志決定において広告に影響を受けたと感じる割合

複数のデバイスを使用して買い物を行う頻度に関する調査も実施。「テレビで広告を見た際に、スマートフォンやタブレットでその商品を検索したり購入したりすることが1年前と比べて多くなった」と回答した割合は21%だった。ジェネレーションYに限ると27%、最先端の消費者は40%となっている。

また、「デジタル広告から購入することが多くなった」と回答した割合は13%。ジェネレーションは16%、最先端の消費者は31%だった。

1年前よりも複数デバイスを使用して買い物をしたり、デジタル広告から購入したりすることが多くなったと回答した割合

1年前よりも複数デバイスを使用して買い物をしたり、デジタル広告から購入したりすることが多くなったと回答した割合

こうした消費者の購買行動の変化について、GfKジャパンの「Blog report」(4月16日)では、「オムニチャネルでの製品展開を考えることは必然となっています。ただし、インターネット通販では、消費者が価格をチェックして、比較することが店頭以上に容易です。だからこそ、メーカーと小売店のプロモーション戦略がより重要となっており、プロモーション活動の効果を正確に把握することが欠かせなくなっています」などと指摘している。

調査概要

  • 調査名:「GfK FutureBuy 2016調査」
  • 調査対象:世界20か国、18歳以上の消費者2万人を対象としたインターネット調査

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

オンライン決済サービス15選。手軽な決済方法で、アパレルECはもっと身近になる | ファッションEC最前線

8 years 6ヶ月 ago

スマートフォンの普及に伴い、アパレルECを利用する消費者が増えてきています。スマートフォンが身近な存在になるにつれて、オンライン決済もまたそれに見合った手軽さが求められるのは当然の流れです。近年注目を集めている決済フローを簡易にできるオンライン決済サービスは、アパレルECにとってきわめて重要な存在と言えるでしょう。

少ない手順で決済できるサービスが増加中

従来、アパレルECではクレジットカードや銀行振込、あるいは後払い決済や商品代引きが中心でした。しかし、スマートフォン経由の利用者が年々増加するに伴い、決済プロセスを改善してコンバージョンをいかにアップさせるかが重要な課題となってきています。

そうした状況において、できる限り少ないステップで決済を可能にするオンライン決済サービスを、ECサイトに導入しようとする動きが目立ってきています。それぞれのサービスの特徴をご紹介します。

表 オンライン決済サービス一覧(2017年5月版)
オンライン決済サービス一覧(2014年5月現在)
各サービスの公式サイトで公開されている情報をもとに編集部で作成(情報は5月17日現在のものです)。

PayPal

オンライン決済サービスとしてリーダー的な存在が、世界で1億8,000万以上のアクティブユーザを抱える「PayPal(ペイパル)」です。

口座を開設し、クレジットカード情報を含む個人情報を登録するだけで利用できて、初期費用も口座維持手数料も無料。支払い時にはメールアドレスとパスワードを入力するのみという手軽さです。店舗側ではカード情報のやり取りも発生しません。

購入消費が届かない、または紹介されている状態と著しく異なる場合などに適用される「買い手保護制度」や、入金手続きの早さなども支持されている理由です。ヤマダ電機の公式通販サイト「ヤマダウェブコム」などで導入されています。

SPIKE

一般ユーザ向けの「フリープラン」で、月10万円まで決済手数料が無料という画期的なシステムでシェアを伸ばしているのが「SPIKE(スパイク)」。中規模ECを対象にした「ビジネスプレミアム」でも、月額3,000円、決済手数料も1件につき2.55% + 10円(JCB、AMEX、Dinersの場合は3.4%+30円)と格安です。

stripe

スタートアップや中規模ECに最適なサービスと言えそうなのが「Stripe(ストライプ)」。2016年10月に日本国内でサービスを開始した注目のオンライン決済サービスです。

スクリプトコードをサイトに埋め込むだけで導入でき、事前審査や開設のための初期費用も不要。商品購入に際しては、ユーザ登録やPayPalのように決済用のサイトへ飛ばすことなく手続きが完了するという手軽さが特徴です。

Paidy

無料ショッピングカートASPのBASEが2015年に提供を開始した「PAY.JP(ペイドットジェイピー)」は、コスト面で強みを発揮しています。プロプランなら、月額費用10,000円で手数料が2.59%(JCB、AMEX、Discover、Dinersであれば3.3%)。その他の固定費は発生しません。

決済単価や月の決済回数によっては、月額費用が無料のベーシックプラン(VISA、Master:3.0%、JCB、AMEX、Discover、Diners: 3.6%)がリーズナブルな場合も。

PayPal

クレジットカードを持たない若い世代向けのサービスとして注目を集めているのが「Paidy(ペイディー)」。商品購入時にはメールアドレスと電話番号を入力し、支払いは翌月、コンビニや銀行振込でまとめて行うというもので。分割払いにも対応しています。fifthSHOPLIST.comなど、若い層向けに商品を展開するアパレルECが多く導入しています。

Amazonログイン&ペイメント 楽天ペイ Yahoo!ウォレット

中規模EC経営者にとっては、多数のユーザを抱える大手ECモール系の決済サービスは、手続きの簡便化という意味でのメリットが大きく、気になるところです。「Amazon Pay」「楽天ペイ」「Yahoo!ウォレット」なら、それぞれのアカウント情報を利用しての決済が可能。会員登録せずに購入できるため、ユーザの負荷は大きく減少することになります。

リクルートかんたん支払い

リクルートかんたん支払い」は、リクルートIDとパスワードで支払い手続きが完了するもので、共通ポイントPontaを利用したり、貯めたりすることが可能。アーバンリサーチナノユニバースなど、大手セレクトショップのほか、多くのアパレルECサイトが導入しています。

リクルートかんたん支払い

新しいサービスの中でもアパレルECの導入数で目立っているのが、LINEが提供する「LINE Pay」。スマートフォン向けの決済サービスで、個人間での送金に加え、EC上の決済オプションとしても手軽に利用できます。ZOZOTOWNFOREVER 21など大手アパレルECが導入しています。

リクルートかんたん支払い

スマートフォンを利用した新興サービスの例としては、2016年10月にサービスが開始された「Apple Pay」があげられます。Appleが提供するiPhone、iPadなど自社デバイス向けの電子ウォレット機能で、実店舗や交通機関で利用できるほか、オンライン決済も可能です。無料ASPカートシステムのBASEや、CtoCのハンドメイドマーケットプレイス minneが導入しています。

リクルートかんたん支払い

Googleによる「Android Pay」も2016年12月に日本版がリリースされました。現時点では、電子マネーである楽天Edyへの対応にとどまってはいますが、今後は各銀行と提携したサービスの展開も予定されています。Apple PayやLINE Payなどと同様に、クレジットカードを登録することでECでの決済が可能になる見込みです。実際、海外ではアパレルECでの利用が広がりをみせています。

aドコモ ケータイ払い auかんたん支払い aドコモ ケータイ払い

若い層向けという意味では、携帯キャリア系のサービスも有力な選択肢と言えそうです。「ソフトバンクまとめて支払い」「auかんたん決済」「ドコモのケータイ払い」は、いずれも携帯端末の料金と合わせて商品代金を支払えるため、わざわざコンビニに出向いたり、銀行振込の手続きをしたりする必要がありません。

決済プロセスの簡便化でアパレルECがより身近に

アパレルEC利用者の80%近くがスマートフォンを経由しているものの、消費者がサイト内に滞在する平均時間は2分から5分と言われるなか、ショッピングのプロセスはこれまで以上に手軽さが求められるようになってきました。

決済にかかる時間の短縮は、消費者にとって時間のロスをなくすことにとどまりません。雑誌のページをめくるような感覚でアパレルECを利用する消費者にとって、普段から慣れ親しんだモバイルデバイスやメッセンジャーアプリと連携した決済システムは、生活のリズムを崩すことなく、よりカジュアルなショッピング体験を促すものと言えるでしょう。

オンライン決済サービスによって、ショッピング体験そのものが本来持っているハードルが軽減され、消費者にとってアパレルECがより気軽で身近なものになるという言い方もできるでしょう。

今後のサービスのあり方次第では、コンバージョン率の改善はもちろん、セキュリティ上の不安を払拭することで、アパレルECが抱える諸問題を解決する糸口になるはずです。

FASHION EC Lab

アパレルECに特化したコンサルティング・サイト構築を手掛ける株式会社ブティックスターが運営するウェブメディア『FASHION EC Lab』。ファッションeコマースに関する最新情報・ノウハウをお届けします。

『FASHION EC Lab』の他の記事はこちらから

FASHION EC Lab

楽天市場の商品を海外配送する「楽天グローバルエクスプレス」開始、楽天

8 years 6ヶ月 ago

楽天は5月15日、楽天市場などの取扱商品を対象とした海外向けの配送サービス「Rakuten Global Express(楽天グローバルエクスプレス、RGE)」を開始した。

海外の消費者から注文を受けた際、出店者の代わりに商品の梱包と発送を行う。新たな配送サービスを通じて出店者の越境ECを後押しする。

RGEは「楽天市場」「Rakuten Global Market」「楽天ブックス」で商品を購入した海外の消費者を対象としたサービス。

「楽天市場」「Rakuten Global Market」の出店者は受注後、楽天が用意した国内の専用倉庫に商品を送付。梱包や発送業務などを楽天側が代行し、出店者は海外発送業務の手間をかけずに越境ECに取り組むことができる仕組み。

楽天市場などの取扱商品を対象とした海外向けの配送サービス「Rakuten Global Express(楽天グローバルエクスプレス、RGE)」

「Rakuten Global Express(楽天グローバルエクスプレス、RGE)」をスタート(画像は編集部がキャプチャ)

出店者側の特別な対応は不要。RGXの国内倉庫に送付すると、RGXが海外ユーザーに商品を届ける。

海外ユーザーが利用できる配送手段が増えることで、海外からの利用増が期待できる。

配送サービスのメニューは、配送日数が注文後約2週間で送料が2530円の「エコノミー配送」と、配送日数が3~4日で送料が3390円の「エクスプレス配送」の2種類。

配送先は現在12カ国(中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカ、イギリス、ドイツ)。対応言語は日本語と英語、中国語(簡体字・繁体字)。今後、配送対象地域を追加する計画。

海外ユーザーにがRGEを利用するメリットは4つ。

  1. 楽天会員IDで利用が可能
  2. 海外送料の支払いに楽天スーパーポイントを使える。また、ポイントが貯まる
  3. 保証サービス「楽天あんしんショッピングサービス」が適用されるため、追加料金なしで未着や紛失などが補償される。※適用には条件があり
  4. 2店舗以上から購入する場合、追加料金なしでまとめて配送できる

海外の消費者が楽天市場などを利用しやすくすることで、海外への販売拡大をめざす。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

公取委のアマゾンに対する調査終了、アマゾンジャパンは「最安値縛り」を廃止

8 years 6ヶ月 ago

公正取引委員会は6月1日、独占禁止法違反の疑いで実施していたアマゾンジャパンに対する調査を終了すると発表した。アマゾンジャパンが自発的に改善を申し出たため。

アマゾンジャパンが「Amazonマーケットプレイス」の出品者に対して価格設定や品ぞろえなどを強制していたなどとして、独占禁止法第19条違反の疑いで調査を行っていた。

公取委によると、アマゾンジャパンは「Amazonマーケットプレイス」の出品者に対して、商品の販売価格を他の販売サイトと比べて同等かかくもしくは安く設定することや、品ぞろえを他のECモールなどより多くすることなどを要求。

こうした販売価格や品ぞろえに関する契約は、出品者の価格決定の自由を奪うほか、ECモール運営事業者の競争環境も歪める懸念があったと公取委は指摘している。

こうした指摘を受け、アマゾンジャパンは次のような改善措置を自発的に申し出たという。

  1. 出品者に最安値の設定や品揃えの拡充などを求める条件を削除する
  2. 同様の契約を今後も定めない
  3. 上記の取り組みを出品者にすみやかに周知する
  4. 3.の措置を講じた日から3年間、実施状況を毎年公取委に書面で報告する

公取委はアマゾンジャパンが1~3の措置を講じたことを確認し、独占禁止法違反の疑いは解消したと判断した。

公取委はIT・デジタル関連分野における独占禁止法違反被疑行為に関する情報を得た場合、「ITタスクフォース」において調査を行っている。IT・デジタル関連分野における独占禁止法違反の被疑行為に関する情報を受け付けるため、専用の情報提供窓口も設置している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

通販・ECの送料支払いに「抵抗感がある」は8割

8 years 6ヶ月 ago

企業のサプライチェーン基盤の構築支援などを手がけているマンハッタン・アソシエイツがこのほど実施した実店舗・オンラインショップングに関する消費者意識調査によると、通販やECを利用する消費者の約8割が「送料の支払いに抵抗を感じる」と回答した。

オンラインショップや通販で商品を注文する際、配送料を支払うことに抵抗を感じるか質問したところ、「いつも感じる」と答えた割合は40%、「商品によっては感じる」は39%となり、抵抗を感じると答えた割合は合計79%だった。

「いつも感じない」は6%、「同日あるいは次の日に商品を受け取れるなど、条件次第で感じない」は5%だった。

オンラインショップや通販で商品を注文する際、配送料を支払うことに抵抗を感じるか質問

配送料への支払いについての抵抗感に関する質問

マンハッタン・アソシエイツはこの結果について、「物流会社のドライバー不足や再配達などが問題化する中、配送料を利益の中でどう負担していくかが、今後の小売業にとって大きな課題の1つとなっていくことが予想される」と説明している。

「あなたがオンラインショップやカタログ、携帯電話のアプリ、コールセンターなどで商品を注文する場合、『配送』に関して良いと思うものをすべて選んでください」と質問の質問に対しては、何らかの方法で「無料配送」を希望する回答が上位を占めた。

  • 店舗以外の住所への無料配送(3営業日以上かかる可能性あり): 27%(回答全体に占める割合)
  • 注文翌日店舗への無料配送:21%(同)
  • 注文翌日店舗以外の住所への無料配送:23%(同)
  • オンラインで注文し無料で同日店舗受け取り:11%(同) 

「小売業のサービスとして、その企業のブランドの好感度向上につながると思うものをすべてお選びください」との質問

消費者が配送に関して望むこと

ブランド好感度の向上につながるサービスは?

小売業のサービスとして、どのようなサービスがブランドの好感度向上につながるかを聞いたところ、「いつも一貫した質の高さ」(24%)、「注文後の配送の早さ」(16%)、「親切で頼りになるスタッフ」(15%)などが上位にあがった。

「小売業のサービスとして、その企業のブランドの好感度向上につながると思うものをすべてお選びください」との質問

小売業のブランディングにつながると消費者が考えるサービス

同一ブランドで複数の販売チャネルが存在する場合、チャネル間で同等のサービス品質を期待すると回答したのは55%。

同一ブランドで買い物をする際、店舗やWebサイト、コールセンターなどチャネルによってサービスの質に差を感じたことはあるかという質問では、複数のチャネルで買い物をしたことがある消費者の41%が、サービスレベルに差があると感じていた。

実店舗で欲しい商品の在庫がなかった場合に店舗側に求めるサービスでは、「帰ってからオンラインショップで注文する」「店員がすぐに近隣店舗の在庫状況を調べてほしい」「店員がすぐに発注し、自宅への配送、または店舗での取り置きの手続きをしてほしい」という要望が多かった。

調査概要

  • 実施期間:2017年3月1日〜2日
  • 実施方法:インターネットによるアンケート
  • 調査対象:2000人以上の18歳以上の一般消費者
  • 設問数 :10問

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ECサイトの売上アップをバックヤード視点で実現するアプローチとは | いつも.のECコンサルタントが明かす、売り上げアップにつながるEC最新情報

8 years 6ヶ月 ago
ECサイトの売上アップをバックヤード視点で実現するアプローチとは

今回は、フロント業務におけるEC売上アップの方程式とは別に、物流を含めたバックヤードからアプローチできるもう1つの売上アップの方程式をご紹介しましょう。

EC売上アップの方程式とは「アクセス×転換率×客単価」を指します。フロント側の考えではアクセスを伸ばすためにSEOや広告で集客を行い、転換率アップのためにページの作り込みを行い、客単価をアップさせるためについで買いを訴求するなど、お客様の目に直接触れる部分での売上アップの方法がよく知られています。

今回ご紹介するのは、そんな売上アップの方程式を、物流を含めたバックヤードの観点から、さらに売上アップをめざす方法です。

バックヤードにおいても売上アップの方程式は「アクセス×転換率×客単価」なのですが、そのアプローチの方法が異なりますので、1つずつご紹介しましょう。

アクセス

バックヤードからページへのアクセスを増やすためにできることとして、配送スピードの向上があげられます。各モールの注文から翌日までに商品が届くようなサービスはより多くのアクセスを集めることにつながります。

例えばイベントなどが翌日に迫った時にどうしてもプレゼントしたいものがあったとして、翌日の何時までに届くことがわかればその利便性から利用者が増加します。

転換率

フロント側では、ページを縦に長くして情報量を増やしたり、競合他社にあって自社にない情報を付加するなど購入の決め手となる情報を増やす方法などがあります。

バックヤードの観点から見ると、土日発送、ギフトラッピングや熨斗(のし)対応など、お客さまの目的に応えることで転換率を上げることができます。

無料お試し(返品無料)なども実施できれば、リアル店舗の強みと言われる「見てから試してから買える」といったことにも対抗できるようになります。

客単価

客単価アップには、カートモールの項目選択肢を利用して関連性の高い商品の購入をおすすめするクロスセル(買い上げ点数増加)の方法がよく取られます。抱き合わせ価格を設定することも一般的です。

また、お客さまの購買履歴に応じたチラシやノベルティの同梱などによるアップセル(買い上げ単価増加)も有効な方法といえます。これは同一商品を何度も購入してもらうリピート通販でよく見受けられます。

◇◇◇

このようなサービスをページに表示するのは簡単ですが、実現するためにはバックヤードにコストをかけることになります。

アクセス数のために配送スピードを上げる、転換率のためにサービスを強化する、客単価を上げる――いずれも業務内容は増えることになり、人的リソースの追加や担当者のスキルアップが必要となります。加えて、土日祝日の発送まで行うとなると担当1人での運営は実質不可能と言えます。

注文の処理や作業はある程度自動化できます。例えば「3回以上お買上頂いている方にはノベルティのAを同梱する」「サイトの項目選択肢の内容に応じて商品を自動で追加する」など、eコマースの場合は受注データのいずれかに必要な情報が必ず含まれているために、ほとんどのマーケティングは自動化できます。

ただし、その場合はシステムウェア、ハードウェアに投資をする必要があります。

1つの解決策としてバックヤードのアウトソーシングがあります。いわゆる発送代行、フルフィルメントサービスなどがそうです。自社で投資が出来ない場合もアウトソーシング先の既存システムを使用することで、大企業と同等のアセットを持つことも可能となります。

バックヤードは仕方なくコスト化してしまう業務だと思われがちですが、使い方によって売上アップも担う業務だということを知ってもらいたいと思います。

ただし、その取り組みにより「ミスが増える」「出荷が遅れる」など基本部分がないがしろにされてしまっては本末転倒。お客さまのためにもなりません。プロへのアウトソーシングも含め、今一度お客さまのために何をすべきかお考えてほしいと思います。

このようなバックヤードから売上アップの方程式を実現していくためには、ECの風上から風下まで全てのノウハウを一気通貫で有している必要があります。

その効果は絶大です。自社でできることをやり尽くして、さらに次のステージに挑戦したいとお考えであれば、ぜひ一度バックヤードからできる売上アップの方程式実現をご検討下さい。

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
物流を含めたバックヤードから考えるEC売上アップの方程式(2017/05/30)

株式会社いつも.

「インスタを見て買う」は9.5%/ZOZOTOWNが当日配送停止・他【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

8 years 6ヶ月 ago

1位のInstagram(インスタグラム)に関する調査では、アンケートに回答した1万955人のうち、Instagramを利用しているのは11.1%。そのうち、「企業や店舗などの公式アカウントをフォローする」が11.7%、「投稿された商品・サービスを購入・利用する」は9.5%という結果でした。

  1. インスタグラム利用者の約1割が「投稿された商品を購入」

    tweet20はてなブックマークに追加

    Instagram(インスタグラム)を利用している割合は11.1%

    2017/5/31
  2. 「ZOZOTOWN」の当日配送を停止、スタートトゥデイが公表

    tweet21はてなブックマークに追加

    関東・関西・中部、中国・四国のエリアで展開している即日配送の対象となる注文時間の縮小も公表

    2017/5/29
  3. ブックオフが「Yahoo!ショッピング」に出店、多店舗展開を推進

    tweet10はてなブックマークに追加

    今期EC売上高は横ばいの約66億円を計画

    2017/5/30
  4. 千趣会、日本水産グループの化粧品会社を買収

    ニッスイファルマ・コスメティックスの全株式を買い取る

    2017/5/29
  5. 【中国EC】ジャパンバッシングによる食品の輸入・販売規制はどうなった?

    日本の食品が中国で販売されなくなって2か月。現地から最新情報をお伝えします(vol.26)

    2017/5/29
  6. ポンパレモール、メルカリ、丸井が注力していること【今週のネッ担アクセスランキング】

    他のユーザーはどんな記事を読んでいるのか?先週1週間で最も人気の高かった記事をチェック!

    2017/5/26
  7. ブログを毎日更新するのやめたらアクセスが5倍になった!? 3つの視点で考えるSEO【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2017年5月22日〜28日のニュース

    2017/5/30
  8. バロックジャパンのEC強化策――マーケットプレイス化やプラットフォーム化戦略とは?

    自社通販サイトのマーケットプレイス化やプラットフォーム化、ブランド別通販サイトの新設などに乗り出す予定

    2017/5/30
  9. 資生堂、「草花木果」の化粧品通販子会社キナリをスクロールに売却へ

    キナリの2016年12月期売上高は22億6900万円、純利益が4300万円。スクロールは化粧品領域の事業を強化

    2017/6/1
  10. セブン&アイの「オムニ7」、配達時間指定の時間枠一部変更を公表

    ヤマト運輸が宅急便の時間指定サービスを変更することに伴う措置

    2017/5/26

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

uchiya-m

2017お中元のトレンド。楽天のおすすめは「お試し」「自分買い」「マッチョ」

8 years 6ヶ月 ago

楽天は6月1日、2017年のお中元特集ページを開設し、お中元のトレンドについてやマナーについて学ぶイベント「お中元の学校」を開催した。

イベントでは楽天市場のトレンドハンター・清水 淳氏が最近のお中元事情を解説。清水氏によると、全国的なお中元市場自体は縮小傾向だが、楽天のお中元の商品流通額は5年で約2.3倍。楽天の成長以上に伸びていると語った。主な購入者は30代から40代の女性が全体の約4割

楽天市場のトレンドハンター・清水 淳氏
楽天市場のトレンドハンター・清水 淳氏

清水氏は今年の注目キーワードとして下記の3つをあげた。

① プチギフト・お試し

昨今は上司や親戚に贈る「お堅いお中元」から、日々感謝している相手に気軽に贈る「カジュアルなお中元」へと変化し、商品名に「プチギフト」と入った商品の販売個数は2015年から前年比40%で成長しており、プチギフト市場が伸びている。

具体的にはじゃがポックルやインスタ映えするきれいなゼリーなど、平均単価600円ほどの商品が人気。バレンタインデーや母の日でも同様にプチギフトが流行っている。

② 自分買い

調査によると、お中元商品の自宅発送は2014年から2016年で約2.6倍に伸張。第三者への贈り物が75%、自分買いが25%もある。アイスデザートや洋菓子など、コンビニやスーパーでは買えないちょっと良いものを、自分へのご褒美として購入する傾向がある。

③ 趣味趣向

贈る相手の好みに合わせた相手が驚くようなギフトが人気。例えば、ゴルフ好きの方にゴルフ場ケーキやゴルフバッグのタグ、豪華に贈りたい相手へは6万円の松阪牛、8万円のメロン、15万円の高級酒なども人気。

また、データ分析からわかった意外な人気商品は防災セット、レッドブルの詰め合わせ、アニバーサリー金箔、蚊帳など。

贈る前に試せる「お試しお中元」セットを販売

定番の売れ筋商品は、うなぎ、ゼリー、アイス、ジュース(ウェルチ)、果実(桃)、ビール(クラフトビール)などだが、楽天が扱うお中元関連商品は約140万点以上あるため、毎年「何を贈れば良いのか分からない」「見つけられないから教えてほしい」という声がユーザーから寄せられる。

そんなニーズに応えるために発売するのが「お試しお中元」。相手に贈る前にお試し用のセットでどんな商品か確かめることができる商品。トレンドキーワードから作った3セットで販売する。

間違いないお中元

間違いないお中元

定番商品であるそうめんや梅干し、ジュースと、トレンド要素のある和の調味料やゼリーなどをセットにした商品。

自分買いお中元

自分買いお中元

カラフルな商品やレインボーカラーが人気なため、5色の手延べそうめんや色が変わる青いお茶、ヒット商品の甘酒とグラノーラバーをセットにした。インスタ映えする商品なため、プチギフトにもおすすめ。

マッチョが選んだお中元

マッチョが選んだお中元

筋肉関連商品が人気たなめ、プロテイン、鶏のささみをパックにした商品。腹筋ローラー、タンクトップをセットにした。

当日行われた試食会の様子

知っていますか? お中元のマナー

イベントでは社団法人日本フードアナリスト協会認定講師の里井真由美氏がお中元のポイントについて解説した。

里井真由美氏
「お中元はルールではなくマナー。マナーというのはルールと違ってペナルティを受けることはないが、できると評価が上がるもの」と語る里井真由美氏

お中元を贈る時期は?

お中元で大切なことは時期を外さないこと。関西では7月初旬から7月15日の2週間、関東では7月初旬からお盆までの1か月くらいがお中元の時期とされている。このため、7月中旬までに送り先に届くように手配すると良い。

金額・品物は?

贈る商品の金額は、仕事関係なら1万円程度、両親など家族は5千円程度、友人、知人は3千円程度で、相手の負担にならない金額のものを送る。会社に贈るなら小分けできるものにするなど、受け取る人の状況や好みに配慮することも大切。

送らない方がいいものは、

  • ハンカチ……「別れ」や「涙」を連想させる
  • 腰から下のもの(靴下や下着など)……目上の人には失礼にあたるため贈らない
  • 刃物や、4(死)や9(苦しみ)という数字にまつわるも……縁起が悪い

前と後のちょっとした気配り

最近では宅配で送ることが一般的だが、確実に受け取ってもらうためにも、いきなり送るのではなく、はがきや手紙、メールなどで事前に一報入れておくのが理想的

お中元をもらった場合のマナーとしては、友人、知人同士の場合は同等額のものを贈るが、本来はお世話になった人へのお礼として贈るもののため、返礼品を送る必要はない。お礼の言葉を伝えるのは早いほうが良い。

また、お中元とは今後も継続的な人に贈るもの。ちょっとお世話になった相手に贈るとしたら「お礼」として贈る。贈った商品は控えておき、送り先の住所や役職の変更も常に記録しておくと良い。

uchiya-m

越境ECを始める企業への融資が増加、日本政策金融公庫の海外事業支援制度

8 years 6ヶ月 ago

海外事業を行う中小企業の資金調達を日本政策金融公庫が支援する「スタンドバイ・クレジット制度」において、越境ECに取り組む企業への融資が増えている。

2016年度における小規模事業者向け融資では、新たに海外展開に乗り出した企業(海外展開開始後5年以内)が約75%を占めた。事業内容は越境ECが多く、米国や中国に向けて名産物などを小ロットで輸出する企業が増えているという。

融資を受けた小規模事業者の約7割は、アジア進出のために資金を利用した。この傾向について日本政策金融公庫は、「成長著しいASEANなどアジアの国々への海外展開を選択肢に考える小規模事業者が増えてきていることが伺える」と分析している。

小規模事業者向けの融資額は、前年度比102%増の103億円に倍増。融資先は同19%増の1310社に増えた。

中小企業者向け融資は、輸出などを手掛ける国内法人が運転資金として利用するケースが増えたことや、外貨(米ドル)貸付の資金ニーズが高まったことなどから、融資額は同28%増の272億円、融資先は同14%増の501社へと増えている。

「スタンドバイ・クレジット制度」は、海外展開する中小企業や小規模事業者が現地通貨建ての借り入れなどを行う際、債務の保証と同等の目的のために日本政策金融公庫が信用状を発行する制度。中小企業や小規模事業者の円滑な資金調達を支援する目的で2012年から実施している。

海外事業を行う中小企業の資金調達を日本政策金融公庫が支援する「スタンドバイ・クレジット制度」

スタンドバイ・クレジット制度の仕組み

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

2016年度の宅配便は40億個を超える可能性。トラック宅配便取扱個数は39.5億個

8 years 6ヶ月 ago

宅配便の2016年度取扱個数が40億個を超えそうだ。

国土交通省が実施したトラック輸送に関する実態調査によると、2016年度のトラック輸送による宅配便の取扱個数は前年度比7.3%増の39億5689万個。

例年、取扱個数が4000万個前後で推移している航空等利用運送を合算した宅配便取扱個数は40億個を超える可能性がある。

トラック輸送による宅配便の月間取扱個数の増加率(前年同月比)は約3~12%で推移。すべての月で前年同月を上回り、特に2016年10月以降は10%前後の高い増加率が続いた。

月別の取扱量は年末に向けて増加する傾向が見られ、12月は約4億6000万個と最も多い。最も少ない8月は約3億個。

2016年度の宅配便取扱個数(トラック輸送分)
2016年度のトラック輸送分宅配便取扱個数(国交省の発表資料をもとに編集部が作成)

国交省は50台以上のトラックを持つ事業者の中から指定事業者を対象に、輸送量や稼働日数などを毎月調査している。

航空便を含むと40億個突破の可能性も

国交省が2016年7月に公表した2015年度の宅配便取扱個数(トラック輸送と航空便などの合計値)は、前年度比3.6%の増37億4493万個。

ネット通販の利用拡大などに伴い、年度ごとの取扱個数は増加基調にある。過去10年で約8億個も増加しており、配送業界における人出不足の一因になっている。

航空便などを利用した取扱量は毎年4000万個前後で推移している。2016年度はトラック輸送だけで39億5000万個を超えているため、航空便などを含めると合計40億個に達した可能性もある。

トラック輸送と航空等利用運送を合算した宅配便取扱個数の推移

国交省資料をもとに編集部が作成

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

小売り店の倒産や閉鎖でEC利用が増える? 小売業者の“商機”が店舗受取にある理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

8 years 6ヶ月 ago

小売事業者はAmazon(アマゾン)に対してどのように競争力を高めればいいのでしょうか。その1つとして、オンラインで購入した商品を店舗で受け取ることができるサービスの提供があげられます。

実店舗の破たん・閉鎖でEC利用が増えている実態

インターネットリテイラー社と消費者調査などを手がけるビズレートインサイツ社が2017年に行った独自調査(2815人のネット通販利用者対象)では実店舗の閉鎖が増える一方、多くの消費者でネット通販の利用が増えている実態が明らかになりました。

全米EC事業 トップ500社 2017年版で408位だったrue21、Sports Authority、The Limited、Gander Mountain(全米EC事業 トップ500社 2017年版224位)が倒産。Sears Holdings(19位)、Macy’s(6位)、J.C.Penny(33位)による店舗閉鎖など、米国では小売業界で大きな変化が起きています。

こうした変化は、オンライン事業者やオムニチャネル戦略を採用している小売事業者にとって有利に働いていることが、2017年3月に行った調査でわかったのです。

調査では、半数以上の消費者が店舗閉鎖に伴ってオンラインで買い物をするようになったと回答。「オンラインでの買い物が多少増えた」と答えた人は30.2%、「かなり増えた」は20.2%にのぼりました。

遠くの店舗まで足を運ぶか、別の実店舗で購入すると答えた人は、13%にとどまっています。

調査対象の96%がオンライン購入・店舗受取サービスを2016年に体験しており、48.3%が「良いサービス」と回答、47.7%が「素晴らしいサービス」と答えています。オンラインで買い物をする多くの消費者が商品の受け取りで店舗を希望しており、店舗受取サービスを好む傾向が顕著になっています。

ビズレートインサイツ社のスコット・マーコン氏によると、オンラインで購入した商品を店舗で受け取るサービスは合理的と指摘します。

送料の節約のほか、早く品物を受け取ることができます。また、店舗に足を運んだものの欲しい商品が在庫切れになっている心配はありませんアマゾンに対抗するには、“早くて便利”なこの店舗受取サービスが有利になります。

小売り店の倒産や閉鎖でEC利用が増える? 小売業者の“商機”が店舗受取にある理由
2016年にオンライン注文・店舗受取りサービスを利用した消費者(年齢別)
出典:インターネットリテイラー社とビズレートインサイツ社の調査(ネット通販利用者2815人に調査)*性別に回答した2451名のデータに基づく回答
小売り店の倒産や閉鎖でEC利用が増える? 小売業者の“商機”が店舗受取にある理由
2016年にオンライン注文・店舗受取りサービスを利用した消費者(性別)
出典:インターネットリテイラー社とビズレートインサイツ社の調査(ネット通販利用者2815人に調査)*性別に回答した2451名のデータに基づく回答

オンライン注文・店舗受取りサービスを2016年に利用した消費者の年齢層は40歳から44歳が最も多く(この年齢層の73.8%がサービスを利用)、次に35歳から39歳(71.9%)が続きました。

最も利用が少なかったのは65歳以上で44.2%。性別回答者の中では、男性が女性よりも少し多く60.6%、女性は56.5%でした。

店舗で商品を購入する場合、多くの消費者は商品情報をインターネットで確認しています。調査対象者の76%は、店舗で商品を購入する前にインターネットで調べると回答。毎回調べると答えたのは32%、頻繁に調べると回答したのは44%でした。

65歳以上では、毎回もしくは頻繁にインターネットで調べると答えたのは69.3%。他の年齢層では74%以上でした。

また、今回の調査では、3分の2(68.9%)がPC、タブレット、スマートフォンを利用して自宅でネット通販を利用すると回答。一方、会社で利用すると答えたのは8%でした。通勤途中や外出時にスマートフォンでネット通販を利用するのは3%で、自宅・会社・外出時などいつでも利用すると答えたのは19.3%にのぼりました。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

味の素、中国向け越境ECに参入。インアゴーラと販売・マーケティングで協業で

8 years 6ヶ月 ago

味の素が中国向けEC市場に参入する。

中国の消費者が求める「健康」「時短」といったニーズに応えるラインナップを用意。まずはマヨネーズの「ピュアセレクト」など約10種類を販売。今後は商品数を増やし、中国において日本の食文化の浸透をめざすとしている。

中国向け越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)プラットフォーム」を運営するInagora(インアゴーラ)と協業。中国ユーザー向けショッピングアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」に出店、6月1日から販売を始めた。

ほんだし、鍋キューブ、ピュアセレクトなど約10種類を販売。今後、商品数を増やしていく。

インアゴーラが、味の素の越境ECにおける販売やマーケティングを全面的に代行する形式で事業を展開する。

中国ユーザー向けに商品の翻訳、物流、決済、マーケティング、顧客対応、多チャンネル展開といった工程をインアゴーラが代行。味の素はインアゴーラが用意した日本国内倉庫に商品を配送するだけで、中国向けに越境ECを展開できるようになるスキームを採用した。

「ワンドウ」は、2017年3月現在で約2万7500商品を取り扱う中国向けショッピングアプリ。中国ユーザーに日本商品や企業ブランドの魅力を伝え、日本のライフスタイルを提案する多角的なコンテンツ、アプリ内のSNS機能を通じて販売できるのが特徴という。

味の素、中国向け越境ECに参入。インアゴーラと販売・マーケティングで協業で

「豌豆(ワンドウ)プラットフォーム」のスキーム

味の素は2017年3月期決算資料にて、中国越境ECビジネスへのテストを6月中に始めるとしていた。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

資生堂、「草花木果」の化粧品通販子会社キナリをスクロールに売却へ

8 years 6ヶ月 ago

資生堂は5月31日、化粧品ブランド「草花木果」の通販で知られる子会社キナリを7月3日付でスクロールに売却すると発表した。売却額は非公開。

キナリは2001年4月に設立された、資生堂100%出資の化粧品販売会社。30歳代から40歳代女性が中心顧客で、自然派化粧品ブランド「草花木果」のネット通販を主力チャネルとして事業を展開している。

2016年12月期の売上高は22億6900万円、営業利益が6700万円、経常利益が5100万円、当期純利益が4300万円。

資生堂、「草花木果」の化粧品通販子会社キナリをスクロールに売却へ

キナリが運営するECサイト「草花木果」(画像は編集部がキャプチャ)

スクロールは2017年1月、化粧品や化粧品雑貨の製造・販売会社ナチュラピュリファイ研究所(化粧品ブランド「24h Cosme」などを展開)を子会社化。2010年には通販サイト「コスメランド」を運営するイノベートを買収してる。

また、2017年2月末までにアパレルECサイト「スクロールショップ」とシニア向けアパレルECサイト「ブリアージュ」を閉鎖。一方、化粧品や健康食品事業の強化を図っており、事業の選択と集中を進めている。

キナリの買収はこの一環で、スクロールはキナリの買収で、化粧品領域の事業拡大を図る。

売却に関する契約は5月31日に締結。株式譲渡実行日は7月3日を予定している。

資生堂とスクロール、それぞれのコメントは次の通り。

資生堂

同社(スクロール)は「草花木果」を今後の同事業の成長に貢献できるブランドと評価しており、「草花木果」のブランドコンセプトと、スクロール社が有する会員組織や販路、インフラなどの強みが相乗効果を発揮し、将来にわたる持続的な成長やブランド価値向上につながると判断し、今回の合意に至った

スクロール

当社健粧品事業においてブランド力の高い商材を導入することによる事業強化をめざすため、株式取得(子会社化)するに至りました。

「草花木果」のブランドコンセプトをそのままに、当社グループが持つ販売網および販売促進ノウハウ、ならびに通販インフラを活用することで、株式会社キナリ(草花木果)の成長拡大が図られるとともに、グループ全体としてシナジー効果が得られるものと考えている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

カルビー、フルグラを中国「天猫国際」で発売

8 years 6ヶ月 ago

カルビーは5月25日、オーツ麦やドライフルーツなどをミックスしたシリアル「フルグラ」を中国の越境ECサイト「Tmall Global(天猫国際)」で販売すると発表した。販売開始時期は8月の予定。

「フルグラ」を海外で本格的に販売するのは今回が初。中国事業を皮切りに、「フルグラ」の海外売上高1000億円をめざす。

カルビーは中国における「Calbeeブランド」の認知向上を目的として、2015年10月に事業運営子会社「Calbee E-commerce Limited.」を設立。2016年1月から「天猫国際」のカルビー直営店において「じゃがポックル」や「じゃがビー」などを販売している。

「フルグラ」の海外販売に関し、アリババが運営するマーケティング支援制度「Japan MD center」を利用する。アリババが保有する中国国内の消費者に関するデータや知見を活用し、中国在住の顧客の嗜好に合わせたセールスプロモーションや商品開発を行う。

カルビー、フルグラを中国「天猫国際」で発売

カルビーが出店している「天猫国際」の店舗(画像は編集部がキャプチャ)

カルビーは「フルグラ」を中国へ輸出するため、2017年8月から北海道工場(千歳市)での生産を開始する。2018年8月には京都府内に工場を竣工し、大量生産を行う計画。

中国政府は福島第一原発事故以降、1都9県(福島県、群馬県、栃木県、茨城県、宮城県、新潟県、長野県、埼玉県、東京都、千葉県)で生産された食品の輸入を禁止している。「フルグラ」は現在、栃木工場で生産しているため、中国への輸出は認められていない。

中国で販売する「フルグラ」のパッケージには北海道で生産していることを示す「北海道製造ロゴ」を記し、商品への安心感を高めるという。

「フルグラ」はインバウンドや個人輸入などによって中国国内で人気が高まっていた。今後は越境EC事業で取り扱う商品全般において、アリババと共同して中国市場の開拓をめざす。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

カゴ落ちユーザーにアプリのプッシュ機能で購入促進、神戸レタスで引き上げ効果も

8 years 6ヶ月 ago

アプリ運営プラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」を開発・提供するヤプリ(旧ファストメディア)は5月31日、カゴ落ち(カート放棄)したユーザーにアプリの「プッシュ通知」で再訪問を促す「カゴ落ちプッシュ機能」β版をリリースした。

米国Baymard Institute社によると、ECサイトの「カゴ落ち率」は、世界平均で約70%近く。機能を通じ、利用ECサイトのカゴ落ちによる機会損失の幅を縮小する。

アプリ経由の売上割合が大きいというファッションECの神戸レタスでは、アプリ経由売上の3倍に相当する機会損失が、カゴ落ちによって発生しているという。

「Yappli」の「カゴ落ちプッシュ機能」β版を先行導入した神戸レタスは、アプリ経由売上の6%に相当する売り上げの引き上げに成功したとしている。

アプリ運営プラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」を開発・提供するヤプリ(旧ファストメディア)は5月31日、カゴ落ち(カート放棄)したユーザーにアプリの「プッシュ通知」で再訪問を促す「カゴ落ちプッシュ機能」β版をリリース

「カゴ落ちプッシュ機能」β版の仕組み

「Yappli」はプログラミング知識不要で、ネイティブアプリを制作できるプラットフォーム。アプリ公開後もマニュアル不要の管理画面からドラッグ&ドロップだけで直観的にiPhone、Androidアプリを更新できる。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

アフィリエイターを増やして掲載の輪を広げる「リクルーティング」のポイント | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座

8 years 6ヶ月 ago

アフィリエイターへのアピールや情報提供のコツをお伝えしてきましたが、新たなアフィリエイターとの関係性は、展示会や体験会といったリアルの場でなくても作れます。今回は「個別リクルーティング」についてご紹介します。

リクルーティングが効果的なケースとは?

アフィリエイター向けキャンペーンは、自社のプログラムがアフィリエイト広告を運用していることに気付いてもらい、紹介を促すために行います。

  • アフィリエイターへの露出を増やすには? 「報酬アップキャンペーン」と「バナー貼るだけキャンペーン」がおすすめ!
    https://netshop.impress.co.jp/node/3698

ただ、こちらは「成果の上げやすいキャンペーンを実施しているので、よかったら弊社と提携してください!」と呼びかけ、手をあげてくれるアフィリエイターを待つ方法です。また、アフィリエイトサイトに訪れるユーザー層と自社商品がマッチしていなければ、バナーやテキスト広告を掲載してもらっても、すぐに販売に結びつ付くわけではありません。

できることなら自社製品と相性が良さそうな、親和性の高いサイトを運営しているアフィリエイターに掲載してもらいたいものです。そのためにはリクルーティングが効果的です。

アフィリエイターのリクルーティングとは?

リクルーティングとは、掲載見込みが高く自社製品と親和性の高いアフィリエイトサイトを運営しているアフィリエイターに、「弊社の商品をご紹介していただけませんか?」と依頼することです。

ASPにより運用ルールが異なりますが、リクルーティングの方法は主に3つあります。

  1. ASPの管理画面内の機能を使ってリクルーティングする
  2. ASP担当者から掲載依頼をしてもらう
  3. 広告主が直接、個別にアフィリエイターにリクルーティングをする

今回は、1.と2.についてお伝えします。

1.ASP管理画面内の機能を使ってリクルーティングする

広告主管理画面から未提携のアフィリエイターにメールで自社のプログラムを紹介し、「よろしければ弊社の商品をぜひご紹介ください」とご案内する方法です。

一部のASPでは広告主側からの直接連絡を制限していますが、リンクシェア・ジャパンやA8.netなどでは、未提携のアフィリエイターに対してメールを送る機能が実装されています。

無料での利用、有料での対応など、ASPによりさまざまなルールがあるので、これから新規でASPと契約する場合は、できる限り自由度が高いリクルーティング機能を持ったASPを選択することをお勧めします。

「リクルーティング機能が充実しているか」「無料でどこまで対応してもらえるか」「自由度が高く、リクルーティングを行えるか」といったことも、アフィリエイト運用で重要な条件です。

2.ASP担当者から掲載依頼をしてもらう

大手法人アフィリエイトサイトや、自社と近しいカテゴリーを紹介している個人アフィリエイターに対し、「この広告主を紹介してください」とASP担当者に掲載依頼をしてもらう方法です。一部のASPで積極的に行っている施策です。

①法人サイトの場合

ポイントサイトを中心とした大手法人アフィリエイトサイトについては、基本的にASP担当者からの取り次ぎが中心となります。担当者に「弊社と近い商材の広告主を掲載している、大手法人アフィリエイトサイト(ポイントサイト)を紹介してほしい」と依頼をしてみましょう。

ただし以前もお伝えしましたが、大手法人アフィリエイトサイトは媒体ごとに掲載基準があり、商品の知名度やブランドなどで掲載を断られてしまう場合もあります

また、成果報酬以外にも初期費用や月額固定費が発生したり、個別の報酬アップキャンペーンの実施などが掲載条件になったりする場合があります。

法人アフィリエイトサイトとの提携を積極的に行っていないASPもあるため、広告主側が掲載をしてみたいと思っても、ASPによっては掲載依頼そのものができない場合もあります。まずは利用しているASPが、大手法人アフィリエイトサイトへの掲載依頼が可能なのか確認をしてみましょう。

②個人サイトの場合

カテゴリーや得意分野が自社商品と合いそうな個人アフィリエイターへ、ASPから掲載依頼をしてもらう方法です。こちらも法人サイトと同様、個別の特別報酬や固定費の提供など「掲載することで得られるメリット」を、「特別感のある具体的な提案」とあわせて依頼することが多いようです。未提携の場合はまずは提携のお願い、提携済みの場合は掲載の依頼、すでに掲載済みの場合は露出を強化してもらえるよう、アフィリエイターに対して提案します。

もちろん、商品や知名度によっては特別な条件がなくても掲載を進めることは可能ですが、できればお土産として提案は用意したいものです。

また成果報酬以外にも、スキンケア商品やお取り寄せグルメなどでは、商品を提供して体験レビューを書いてもらうといった取り組みも可能です。実際にアフィリエイターに商品の使用感を体験してもらうことで、より詳細な商品紹介記事の掲載につなげます。

もちろんやり過ぎは禁物。アフィリエイターに対して同業他社より有利に掲載してもらいたいがために、不当に良く見せるように依頼することはできません

ASP任せにせず、自分でもサイトを確認しよう

ASPにアフィリエイターとの取り次ぎを依頼する場合は、広告主から特に掲載をしてほしいサイト名やカテゴリーを具体的にあげて依頼する方法と、ASP担当者にリクルーティング用のリスト作成をしてもらって掲載依頼する方法があります。

後者の場合もすべてお任せにするのではなく、掲載依頼をするアフィリエイトサイトを確認し、どのような紹介をしているのか、実際に自分でサイトを見て確認することをお勧めします

ASPのリストは大まかなカテゴリーや過去の実績、取扱商品……といった条件で大元のリストから抽出していることが多く、1つひとつ細かく確認して提案してくれるとは限りません。

おすすめと言われて提携したものの、フタを開けてみたら「まったく自社の商品とマッチしていなかった」「商標リスティングを禁止しているのに、リスティング経由の集客しかないサイトに特別報酬の提案をされていた」といったミスマッチが起こる可能性もゼロではありません。自分で確認することで、ミスマッチを防ぐことができます

また、「掲載1件につき●●円」「今回のリクルーティング費として●●円」といった形で、アフィリエイターに支払う成果報酬や固定費以外に、ASPに対して別途費用が発生する場合があります。リクルーティングを依頼する前に、事前に確認をしておきましょう。

待っているだけでは進まない

ASPに掲載依頼をするリクルーティングは、一見とても効率が良いように見えますが、掲載依頼をしたアフィリエイターから「こんな商品は売れないよ」「ニーズがないよ」と率直な意見をもらうこともあります。その場合は、いくら広告主からコミュニケーションをとろうとしても掲載まで進むことはありません。

アフィリエイターは売れない商品を紹介するよりも、売れている、または売りやすい商品を紹介するのが得意です。

「テレビで紹介されて話題になった」「新聞や雑誌に掲載された」「アフィリエイト以外の広告も活用してキャンペーンをしている」「商品をリニューアルした」「セール、福袋の販売を開始した」といった、アフィリエイターにとって紹介しやすい状態で提案したり、売りやすい企画をしたりといったことが大切です。

そして何より、窓口となるASP担当者に対して、広告主側から働きかけをすることが重要です。

ASPの営業担当者は複数のクライアントを抱えていることが多いので、「問い合わせがあった場合にしか対応してもらえない」「積極的に動いてもらえない」「優先順位を上げてもらえない」といったこともあります。

積極的に紹介してもらうためには、ASPに対して待ちの姿勢ではなく、アフィリエイターにとって紹介しやすく売りやすい状態で、具体的なサイト名を出して交渉をしてみましょう

◇◇◇

それでもなかなか掲載が進まないという場合は、3つ目の方法をとります。次回は、広告主側で行う個別リクルーティングの方法をお伝えします。

鈴木 珠世

鈴木 珠世

コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさに目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

鈴木 珠世

デジタル化は買い物行動と小売業のビジネスをどのように変えるのか?【米国最新事例】 | 最新の米国EC事例から読み解く日本のECの未来

8 years 6ヶ月 ago

米国のEC企業ではいま、「いかにして上質な顧客体験を提供するか」が課題となっているようです。米国で開かれた小売業向けカンファレンス「Shoptalk」に参加し、AppleやAmazonなどIT企業、大手EC企業などのセッションを聞いてこのように強く感じました。

ECテクノロジーやマーケティングは日本の先を行くと言われる米国のネット通販市場。米国のEC企業は“顧客との強いエンゲージメント”を生み出すために、デジタル化を推進しているという印象を強く感じました。

メーカーの枠を超えたペプシコの顧客体験の提供

“デジタル化”というキーワードから、EC企業は「テクノロジーや大量のデータを駆使して、売り上げを伸ばす・業務を効率的に回していく」といったイメージを抱くのではないでしょうか。

もちろんこうした側面はあります。ただ、ECという観点で言えば、販売事業者の思いをコンテンツ(商品ページや商品紹介動画、お悩み解決Q&Aなど)として作成、デジタルの力でターゲットとなる消費者に届け、顧客との接点を強化し、エンゲージメントを高める――といったエモーショナルな一面もあると気づきました。

このコンテンツが持つ力に注目したのが食品・飲料メーカーのペプシコです。デジタル化を推進する目的は「デジタルやリアルを問わず、誰かに伝えたくなるような経験を提供する」ことです。

ペプシコがデジタルを駆使するのは、SNSといったネットの世界で多くの消費者へ情報を届け、「気付いてもらい」「語られる」存在になること。そのための手段として、デジタルを駆使してコンテンツ(商品、体験など)を通じた顧客体験の提供に取り組んでいます。

自社のブランドに触れたり感じたりできる「体験型目的地」と称する存在となるための施策、利用者に世界観への「共感」を得てもらうための取り組みを紹介しました。

具体的には、ペプシコの商品を利用したドリンクを雰囲気の良いバーで提供したり、音楽に関する催しをしたり、プロダクションとしてショートフィルムを発表したり……。メーカーという枠を超える活動を通じ、さまざま年代にリーチできるようなコンテンツを提供しています。

ペプシコのデジタル活用を紹介するShoptalkでの講演スライド
自社製品を使ったドリンクを提供したり、音楽イベントを主催するといったペプシコの取り組みを紹介するスライド(筆者撮影)

ペプシコのセッションでは強烈なメッセージが聴講者に投げかけられました。短いメッセージですがとても大きなインパクトを残しました。それが次のような内容です。

Publish or Perish.(発表するか、滅びるか)

元々はアカデミックな言葉ですが、企業活動として「語られる存在になる」ためにコンテンツを作り続けて発信していくペプシコの姿勢を表しています。「自分たちは、サービスを通して何を語り」、そして、その結果「自社の活動がどのように語られているのか」。EC関連企業で活動する者として、“語る”“語られる”という意味を今一度考えてみるいい機会になりました。

ペプシコのデジタル活用を紹介するshoptalkの講演では、「Publish or Perish.(発表するか、滅びるか)」という強烈なメッセージが投げかけられた
自分たちのビジネスの意義や価値を多面的に、そして継続的に消費者に伝えなければ、自社の存在は危ないという意味があるとのこと。ペプシコの登壇者は会場に強烈なメッセージを投げかけました(筆者撮影)

デジタルの利活用で「実店舗での特別な体験の提供」が進む

デジタル化の波は、米国の実店舗業界にも変化の波をもたらしています。“実店舗での特別な体験”を提供する仕組み作りの武器として、デジタルが利活用されている印象を持ちました。

住宅リフォーム・生活家電チェーンのLowe's(ロウズ)のセッションでは、店内に設置したロボットが接客や在庫情報の管理をするといった取り組みが紹介されました。

消費者が探したい商品をロボットに音声入力形式で伝えると、ロボットが目的地まで案内します。また、在庫管理もリアルタイムで行うことができるそうで、実店舗でのロボット活用は、顧客や従業員の双方にとってメリットがあると説明されていました。ちなみに、このロボットは、2017年中にサンフランシスコのベイエリアで本格展開される見込みです。

Lowe'sが手がけるロボットによる店頭接客の紹介動画
Lowe's(ロウズ)のセッションでは、店内に設置したロボットが接客や在庫情報の管理をするといった取り組みが紹介された
接客を行うLowe'sのロボット(出典はLowe'sのリリース
Lowe's(ロウズ)のセッションでは、店内に設置したロボットが接客や在庫情報の管理をするといった取り組みが紹介された
接客を行うLowe'sのロボット(出典はLowe'sのリリース

化粧品販売のSephoraは、実店舗で展開しているARサービス「Virtual Artist」を紹介。タブレットサイズのディスプレイに利用者の顔を映し出し、好きなメイクアップ製品を選択すると瞬時にメイク後のイメージを表示してくれるARサービスです。

Webサイトでも「Virtual Artist」を利用することができる(画面下にはネット通販への誘導を設けている)

僕も試してみたのですが、口も目もメイクがずれることなくメイクアップされた顔がスマホに表示されました。写真は皆様の夢に出てきそうなひどいものなので、ここでは割愛を。参考までに次の動画をご覧ください。女性の意見を伺うと、商品を試した後洗い流す、といった手間もなく、気になった商品を一度にたくさん、気軽に試せて良いとのこと。

「Virtual Artist」の紹介動画

「Virtual Artist」はWebサイト、スマートフォンのアプリでも利用することができますが、大きな効果を発揮するのはやっぱり実店舗。「より良い顧客体験を提供できるサービス」と感じました。

利用者は「Virtual Artist」でたくさんの商品の中から自身に似合うメイクをデジタル活用により効率的に見つけたら、後は実物を試したり、ビューティーアドバイザーにメイクアップしてもらったり、アドバイスを受けたり……つまり、利用者の選択肢を増やすことができるのです。

選択肢が増えるとどんな効果があるのか? それは、利用者が望む最適な形、つまり納得した上で商品を購入できるようになるのです。実店舗が持つ顧客接点の価値=顧客体験を最大化できるデジタル活用の取り組み、だと思いました。

また、Sephoraではスマートフォンのアプリを会員証代わりに使用し、顧客の購入履歴を実店舗と自社EC両方から蓄積しています。顧客はアプリからECで再度購入したり、「Virtual Artist」で新しいアイテムを試したり、実店舗で行っているメイクアップレッスンのクラスをアプリから予約したり――スマートフォンをハブに”Connected Commerce(コネクティッドコマース)”を実現し、エンゲージメントを高めています。

”Connected Commerce(コネクティッドコマース)”は、テクノロジーやデータを資産として捉え、それをフルに活用しながらECや実店舗など、顧客接点の全てが一体となって顧客起点の経営の実現に向かうことを意味しています。

デジタル化によって1つひとつの顧客接点の価値を最大化し、エンゲージメントを高めていく――僕は、こんな企業活動が将来にわたって進んでいくのであろうと、「Shoptalk」で披露された事例から想像することができました。2018年はどのような新しい取り組みが発表されるのでしょうか? また来年も皆さんに米国ECの最新トレンドをご紹介できるようにしたいと思っています。

野間 和知

株式会社フューチャーショップ 事業戦略部

野間 和知(のま・かずとも)

株式会社フューチャーショップ 事業戦略部

大阪府出身。早稲田大学人間科学部卒業後、通信会社に勤務。その後、クラウドブーム直前のデータセンタ事業者でサービス企画や政府に対する提案資料作成などを担当。

1年間台湾で過ごした後、2012年7月に株式会社フューチャーショップへ入社。マーケティングや広報、データ活用を担当。「いいコマースとは何か?」を考えるブログ「ヒトテクラボ」の運営も行っている。

野間 和知

インスタグラム利用者の約1割が「投稿された商品を購入」

8 years 6ヶ月 ago

インターネット調査のマイボイスコムがこのほど実施した「Instagramの利用に関するアンケート調査」によると、インスタグラム利用者の約1割がタイムライン上で見た商品やサービスを購入・利用していることがわかった。

アンケートに回答した1万955人のうち、Instagram(インスタグラム)を利用している割合は11.1%。

利用者が直近1年間に行ったことは「いいね! をする」が61.4%、「ハッシュタグでの検索」が33.2%、「投稿された商品・サービスについて調べる」が22.2%。

消費につながる行動としては、「企業や店舗などの公式アカウントをフォローする」が11.7%、「投稿された商品・サービスを購入・利用する」は9.5%だった。

インスタグラムに関する行動について。マイボイスコムの調査結果

インスタグラムに関する行動について(画像の一部を編集部が加工)

インスタグラムの利用目的と利用する理由

インスタグラムの利用目的を複数回答で質問したところ、「有名人・著名人などの投稿を閲覧する」「友人・知人や家族などの投稿を閲覧し、近況を知る」は40~50%、「興味がある分野の情報収集」「友人・知人や家族などとのコミュニケーション」は20%台。

インスタグラムを利用する理由は、「有名人が利用している」「友人・知人や家族が利用している」がそれぞれ利用者の30%強。「写真がメインなので、コメントをあまり書かなくてよい」「友人・知人など仲間同士で交流できる」が約20%を占めた。

女性の若年層は「他の人の髪型やファッション、料理などを参考にしやすい」と回答した比率が高い。

インスタグラムの利用意向者は全体の12.5%。女性は若年層ほど利用意向が高く、20代で40%弱、30代で20%強、40代以上では約10%だった。

インスタグラムの認知・利用状況について、マイボイスコムの調査結果

インスタグラムの認知・利用状況について

インスタグラムの認知・利用状況

インスタグラムの経験者は全体の15.5%。現在の利用状況は「アカウントを所有しており、閲覧・フォローだけでなく、写真・動画を投稿している」が4.7%、「アカウントを所有しており、閲覧・フォローが中心」が6.4%、「アカウントを所有しているが利用していない」は3.2%、「過去に登録していたがやめた」は1.2%。

インスタグラム利用者のうち、1日1回以上アクセスする人は49.3%。女性の20~30代では「1日2回以上」が4~5割を占め、他の層より利用頻度が高い。

インスタグラムへのアクセス頻度について、マイボイスの調査結果

インスタグラムへのアクセス頻度について

調査概要

  • 調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
  • 調査方法:インターネット調査(ネットリサーチ)
  • 調査時期201751日~55
  • 回答者数1万955
  • 設問数79
  • 属性情報32項目
  • 調査機関マイボイスコム株式会社

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

バロックジャパンのEC強化策――マーケットプレイス化やプラットフォーム化戦略とは? | 通販新聞ダイジェスト

8 years 6ヶ月 ago

「マウジー」や「スライ」などレディース衣料を中心に展開するバロックジャパンリミテッドは、今期(2018年1月期)を初年度とする4カ年経営計画でEC事業に本腰を入れる。今後4年間は近年のEC事業の伸びを上回る年率20%程度の成長を掲げ、17年1月期のEC売上高74億4500万円に対し、21年1月期はほぼ倍となる160億円規模を計画する。

4カ年ではEC事業の核となるエンジン刷新をベースに成長戦略を描いており、自社通販サイトのマーケットプレイス化やプラットフォーム化ブランド別通販サイトやアウトレットサイトの新設EC専用ブランドの強化などに乗り出す。

加えて、ECと実店舗の連携を強化。すでに在庫の一元化を完了したほか、顧客情報の統合も今期中に実施する。在庫の一元化については物理的なロケーションもひとつにし、在庫の移動と引き当てに手間とコストがかからなくなったことで、ECも潤沢に在庫を補充できるようになった。

マーケットプレイス化については、今夏以降をメドに自社通販サイト「シェルターウェブストア」で他社商材の販売を始める。単純に取り扱い商品を増やすのではなく、既存会員と相性が良く、お薦めしたい商品を販売することで、自社ECのブランディングを崩さないようにする。コスメなどを候補に始動し、順次、商材を増やす。

同社の通販部はスタジオを持つため、ビジュアルにもこだわって他社アイテムを提案する。最近では、運営するウェブマガジン「シェルマグ」でハウツー動画を制作しており、動画コンテンツのPVが高いことから、「シェルターウェブストア」で扱う他社商材についてもウェブマガジンと連携するケースが出てきそうだ。

一方、プラットフォーム化については、新ECエンジンを使って外部企業の通販サイトを開設し、「シェルターウェブストア」と同じIDで買い物ができるようにしたり、撮影機能や自社のインフルエンサーを提供することなども検討。これまでに蓄積したノウハウをECの次の成長ステージにも活用する。

バロックジャパンのEC強化策――マーケットプレイス化やプラットフォーム化戦略とは? 他社商材の販売を始める予定の「シェルターウェブストア」
他社商材の販売を始める予定の「シェルターウェブストア」

また、「シェルターウェブストア」は自社ブランドを幅広く扱うモール型だが、システム刷新と並行してブランド単位のEC展開も始める。実店舗とECの併用客はブランドについているファンが多いため、各ブランドの世界観を前面に出す売り場で購入してもらうことで満足度を高める。新規客には「シェルターウェブストア」に来店してもらい、複数ブランドの買い回りや他社商材も購入できるようにする。

年内に「マウジー」や「スライ」「ロデオクラウンズ」など主力ブランドそれぞれの通販サイトを開設。海外志向の強いブランドは、ブランド別ECで越境対応も行う

また、プロパー(定価)品を扱う「シェルターウェブストア」とは別に各ブランドのアウトレット品を集めた専用ECも始め、お得に服を購入したいニーズにも応える。

Web専用のブランド強化

EC専用ブランドの取り組みも強化する。3月には同社が企画した商品を伊藤忠商事が生産し、スタートトゥデイの「ゾゾタウン」で販売するEC専用ブランド「アズールエンカント」を始動し、バロックジャパンにとってはリスクを抑えながらテストマーケティングにもつなげている。

同社では社内の人材発掘を目的に、15年に開催した「スター発掘コンテスト」のグランプリ受賞者が「リムアーク」というファッションブランドをEC専用で立ち上げ、規模感は小さいもののマーケティングで数量を読んで完売させる事業モデルが成功し、今期から店頭販売を始める。

同社によると、「EC専用ブランドであれば5億円程度の売り上げでも費用回収できるため、若いデザイナーを登用してタイムリーに新しいブランドを展開できる」(山﨑浩史専務)とし、販売手法も予約が一定数に達した場合のみ生産するといったリスクの少ない事業モデルも可能という。

また、同社顧客の平均年齢は20代後半で、10代はほとんどいないが、手ごろな価格で提供するEC専用ブランドを開発できれば若年層との接点が増えることから、デザイナーの育成面だけでなく、次世代顧客を囲い込む手法としてもEC専用ブランドに期待しているようだ。

通販新聞

ブックオフが「Yahoo!ショッピング」に出店、多店舗展開を推進

8 years 6ヶ月 ago

ブックオフグループでネット通販を手掛けるブックオフオンラインはこのほど、中古品の通販・買取サイト「ブックオフオンライン」を「Yahoo!ショッピング」に出店した。

すでに出店している「ヤフオク!」や「楽天市場」などに加え、「Yahoo!ショッピング」に出店することで多店舗展開を推進する。

ブックオフオンラインの2017年3月期における売上高は、前期比16.6%増の65億2200万円。営業利益は同47.0%増の4億1300万円だった。

ブックオフオンライン事業の売上高と仕入高推移

ブックオフオンライン事業の売上高と仕入高推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

前の期に実施した物流センターの増床やBOOKOFF店舗との在庫連携により、ECサイトの取扱商品数や在庫点数が増加。2016年11月からは、ブックレビューコミュニティサイト「ブクログ」のレビューをECサイトに掲載するなど、継続的なサイト改善も収益向上に寄与した。

サイト訪問数は堅調に推移しており、会員数は期末時点で342万人。

ブックオフオンライン事業の実施施策の効果とサイト訪問数、会員数の推移

ブックオフオンライン事業のサイト訪問数、会員数の推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2018年3月期の売上高計画は前期比1.0%増の約65億8700万円に設定した。店舗との在庫連携が減少することなどに伴いECの取扱高は横ばいとなる見通し。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章
確認済み
42 分 47 秒 ago
ネットショップ担当者フォーラム フィード を購読

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る