ネットショップ担当者フォーラム

エディオンが受注管理システムやデジタルマーケなどIT企業を傘下に持つPTNを買収

4 years 10ヶ月 ago

エディオンは1月27日に開いた取締役会で、受注管理システムやデジタルマーケティングなどのIT企業を傘下に持つPTNの全株式を取得し、子会社化することを決議した。

2月3日に株式譲渡契約を締結し、2月8日付で株式を取得する予定。

PTN傘下のHampsteadは、受注管理システムやJリーグ・プロ野球球団のオフィシャルサイト制作などのシステム開発の実績があり、デジタルマーケティング事業でも多くの実績を持っているという。

また、PTN傘下には企画・印刷事業を行うプライムステーション、プログラミング教室運営を行うEdBank、英会話サッカースクールの運営を行うBRIDGEsがあり、システム開発以外の分野においても強みがある。

株式取得で店舗販売から物流、マーケティング、ECなどでシステムを進化。事業効率の向上とより良いサービスを提供できる基盤構築、マーケティング体制の強化などにつなげる。また、展開しているエディオンの教育事業発展にもつながると判断し、PTNの株式を取得することにした。

エディオンの2020年3月期EC売上高は約144億円。2021年3月期は前期比25%増の180億円を見込んでいる。

2020年4-9月期(上半期)のEC売上高は前年同期比54.6%増の98億1900万円と、緊急事態宣言による外出自粛や実店舗の休業などにで好調に推移している。

エディオンのEC売上高について
EC売上高の2020年4-9月期の月次実績(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
石居 岳
石居 岳

雇用調整助成金(特例措置)/Amazonがマケプレプライム要件を変更【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

4 years 10ヶ月 ago
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    「雇用調整助成金」(特例措置)の縮減は緊急事態宣言が全国で解除された月の翌々月からスタート。2か月間の措置として、現行措置で1人1日あたりの助成額1万5000円(上限)は1万3500円とする

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    2021/1/25
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    2021/1/26
  10. ソーシャルコマースを活用する若年層消費者「90後」と「Z世代」がけん引する中国の新消費市場とは

    ハイテク製品を使いこなし、SNSやECを活用する若年層消費者「90後」と「Z世代」は、消費意識の高さで中国の新消費市場をけん引しています

    2021/1/25

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    楽天が商号を変更、新社名は「楽天グループ株式会社(Rakuten Group, Inc.)」

    4 years 10ヶ月 ago

    楽天は4月1日付で社名を「楽天グループ」に変更する。3月30日に開く予定の株主総会での承認後、商号を変える。

    楽天は1997年2月の会社設立で、当時の商号は株式会社エム・ディー・エムだった。「楽天市場」をスタートしたのは1997年5月。従業員は6人、サーバーは1台、出店者は13店舗でのスタートだった。

    楽天は1997年2月の会社設立で、当時の商号は株式会社エム・ディー・エムだった。「楽天市場」をスタートしたのは1997年5月
    スタート時の「楽天市場」(画像は楽天のWebサイトからキャプチャ)

    社名を現在の楽天株式会社に変更したのは1999年6月。ECを中心にフィンテック、スポーツ、モバイルなど事業を拡大した。

    商号変更について、「今後さらに資本効率をあげつつ、楽天エコシステムの自律的成長を加速化させるべく、先進的なテクノロジーを通じたサービスの充実を一層図ることで、当社グループの競争力と機動力を向上していく」としている。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    2020年度の健康食品市場は0.7%増の8680億円、通信販売の受注は全般的に軟調

    4 years 10ヶ月 ago

    矢野経済研究所が発表した国内の健康食品市場調査によると、2019年度の健康食品市場規模はメーカー出荷金額ベースで前年度比0.1%増の8623億円で、2020年度は同0.7%増の8680億1000万円を見込んでいる。

    2019年度は、市場の牽引役であるテレビCMや新聞広告などオフラインを中心に展開する単品通販型の通信販売企業の受注が全般的に軟調。新型コロナウイルスの影響で、インバウンド需要が激減した影響を大きく受けた企業もある。

    健康食品市場規模推移  矢野経済研究所が発表した国内の健康食品市場調査
    健康食品市場規模推移 

    2020年度は上期を中心に、コロナ禍による顧客在宅率の増加、多くの企業が業績悪化に伴う広告出稿抑制を行ったことで広告媒体費用が低下。オフラインの通信販売による新規獲得効率の上昇、費用減少によるCPO(Cost Per Order)の改善につながった健康食品製造・販売業が多く見られた。

    品目別にみると、コロナ太りの問題が顕在化する中でダイエット関連、新型コロナウイルスの第一波収束後に運動関連の需要が急増。プロテインが大きく伸長する動きが見られた。

    全般的に健康意識への高まりが強まる中で、ビタミンなどの基礎栄養素関連や血圧や体脂肪など、自身で計測できる生活習慣病予防関連指標への対策を機能とする機能性表示食品などが好調に推移している。

    機能性表示食品の市場規模はメーカー出荷金額ベースで、2019年度が前年度比13.5%増の2542億8000万円、2020年度は同11.8%増の2843億4000万円の見込み。

    矢野経済研究所が発表した国内の健康食品市場調査 機能性表示食品の市場規模推移と食品種類別構成比(2019年度)
    機能性表示食品の市場規模推移と食品種類別構成比(2019年度)

    制度スタート当初から展開する一部の大型ブランドでは、競合激化の影響などから苦戦を強いられるケースがあるものの、健康食品製造・販売企業各社からの積極的な届出と受理件数の増加、商品展開で市場規模が拡大している。

    サプリメントに関しては、機能性表示内容を前面に押し出した広告宣伝を積極的に実施し、売上高を伸ばす主軸商品、アップセルとして既存顧客向けに展開を行う商品も多い。個々の売上高は僅少ながら、新発売または販売中の品数が多く、結果として市場規模の大幅な拡大につながっているという。機能表示(保健用途)の広がりも、市場規模の拡大に寄与している。

    生鮮食品に関しても、生産者団体やメーカーからの届出と受理件数が増えており、機能性表示食品市場規模の拡大につながっている。

    健康食品の主力ユーザー層である高齢者における健康長寿に対する関心の高まり、定年延長など高齢者の労働力活用が本格化し、健康を維持し動ける身体づくりへの対策、アンチエイジング意識の高まりは、今後も高止まりの状態が続く見込み。

    中年層における生活習慣病や加齢に伴う身体変化への対策、若年層における身体作りや健康・美容への配慮といった意識が今後も強まる見通し。

    特に機能性表示食品における機能(保健用途)の拡大により、身体状況に合わせた商品選択がより可能になり、自身の健康維持の1つの選択肢としての認知が進むことも期待されるとしている。

    調査概要

    • 調査期間:2020年8~12月
    • 調査対象:健康食品製造・販売企業(健康食品メーカーを中心に一般食品メーカー・製薬メーカーなど)、健康食品関連団体、管轄官庁など
    • 調査方法:専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、郵送・メールによるアンケート調査、文献調査併用
    • 本調査の健康食品:錠剤、カプセル、粉末、ミニドリンク形状等の健康維持・増進、美容等を目的とした食品が対象。健康食品市場規模には機能性表示食品(消費者庁に届出受理された商品のみ対象)、特定保健用食品(トクホ)のうち、当該形状のもののみを含み、これ以外は含まない。含まれる商品・サービスは、青汁、コラーゲン、マルチビタミン、グルコサミン、プロテイン、植物発酵エキス(酵素)、ビタミンC、DHA・EPA、黒酢・香醋など
    石居 岳
    石居 岳

    【2020年消費まとめ】コロナ禍で消費はどう変わった? 「EC」と「コンテンツ配信」が大きく伸びた1年

    4 years 10ヶ月 ago

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストは1月27日、JCBカードの取引データを活用した国内消費指数「JCB消費NOW」を用いて、2020年1月から12月までの消費動向の総括を発表した。

    それによると、2020年の消費動向は大きく以下1~4の動きに特徴づけられるという。

    • 3~5月:新型コロナウイルス感染症拡大(「第1波」)、それに伴う外出自粛の動きによるサービス消費の大幅な下落
    • 5~6月:「第1波」で大きく落ち込んだサービス消費の大幅な回復
    • 8~10月:「第2波」と天候不順による回復のもたつきを経たサービス消費の再回復
    • 11月以降:「第3波」によるサービス消費の再下落
    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 総合消費指数
    総合指数

    全体的な消費動向

    「旅行」は4月と5月にそれぞれ前年同月比93.1%減と90.3%減を記録。その後は回復基調にあったが、11月からの「第3波」を受けて減速した。

    「外食」も「第3波」を受けて11月から減速した。「娯楽」は「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットなどもあり、10月に前年同月比4.1%減にまで回復したが、「第3波」を受けて11月からやや減速している。

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 「旅行」宿泊」「外食」「娯楽」の指数(前年比)
    「旅行」宿泊」「外食」「娯楽」の指数(前年比)

    「百貨店」は「第1波」時の落ち込みからは回復しているものの、マイナス圏内で足踏みが続く。「スーパー」は年間を通して堅調に推移した。「コンビニエンスストア」は、9月までは前年同月比でプラスを維持していたが、10月にマイナスに転じた。

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 「百貨店」「スーパー」「コンビニエンスストア」の指数(前年比)
    「百貨店」「スーパー」「コンビニエンスストア」の指数(前年比)

    「EC」と「コンテンツ配信」は「第1波」以降、「第3波」下でも好調を維持している。特に「コンテンツ配信」は5月以上に大きく伸長し、12月に前年同月比48.6%増を記録した。

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 「EC」「コンテンツ配信」の指数(前年比)
    「EC」「コンテンツ配信」の指数(前年比)

    業種別トピック

    各種小売業態においてECが拡大した。「アパレル」「医療品・化粧品」は、対面消費の減少分を上回る伸びをEC売上で記録。「飲食料品」は対面売上の減少分をECでカバーした。

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 小売業態のECと対面販売における1~12月の変化
    小売業態のECと対面販売における1~12月の変化

    外食は「GoToイート」の効果が現れる前に「第3波」到来で減速。「GoToイート」が順次始まった10月は「居酒屋」が伸びた。11月からの減速傾向は主に「第3波」による自発的な自粛によるものと推測。11月末からの飲食店の時短要請が加わり、12月も減速傾向が続いた。

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 「喫茶店・カフェ」「居酒屋」「ファミレス」の指数(前年比)
    「喫茶店・カフェ」「居酒屋」「ファミレス」の指数(前年比)

    年齢別・男女別トピックス

    ECの伸びは年齢層が低いほど目立っている。「EC」は全年齢層で伸びており、年齢層が低いほど伸びが顕著となる傾向。ほとんどの年齢層で5月に最大の伸び率を記録している。

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 年齢別の「EC」指数(前年比)
    年齢別の「EC」指数(前年比)

    女性は宅飲み傾向が高い。外出を伴う「居酒屋」は、男性に比べて女性の消費の伸び率が低い。一方「酒屋」は、1月後半以降ほぼ一貫して女性の消費伸び率が男性を上回っており、女性の方が宅飲み傾向が高いことがうかがえる。

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 男女別の「酒屋」指数(前年比)
    男女別の「酒屋」指数(前年比)
    ジェーシービー(JCB)とナウキャストが発表した2020年の消費動向総括 男女別の「居酒屋」指数(前年比)
    男女別の「居酒屋」指数(前年比)

    有識者の分析と予測

    野村證券 金融経済研究所 経済調査部 シニアエコノミスト 水門善之氏

    今後のポイントとしては、①コロナ禍で進んだECの普及が、コロナ収束後の世界でどの程度定着を続けるか②コロナ収束後に期待される人々の消費行動の活発化(いわゆるリベンジ消費)のインパクト、に注目したい。

    東京大学経済学部長、ナウキャスト 創業者・技術顧問 渡辺努氏

    同じ商品・サービスではあるけれど、感染を回避するために、これまでとは異なるチャネルで購入する。消費の場面のいたるところでこうした代替が起きていることを「JCB消費NOW」は教えてくれる。

    だが、起きていることが代替だけであれば、消費の総額は変わらないはずだ。実際には、「JCB消費NOWの」モノとサービスの支出の和は落ちている。これが第2の特徴だ。所得が減ったので消費総額が落ちているという面ももちろんあるが、所得が減っていない人でも消費総額は減っている。これは代替商品の値段が安いからだ。

    この構図はステーキだけの話ではなく、ECなどオンライン絡みでも同じではないか。代替先の商品・サービスの質が低く、結果として安く上がり、貯蓄が増えるというのはコロナ収束まで続く。

    ◇◇◇

    「JCB 消費 NOW」は、プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用してJCBとナウキャストが算出した、現金を含む国内の消費全体を捉えた消費動向指数。

    石居 岳
    石居 岳

    口先だけはNG。企業が「ダイバーシティと平等性の促進」を具体的な行動に移す必要がある理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    4 years 10ヶ月 ago
    ブランドはダイバーシティについて、口先だけではなく行動に移す必要があります。その理由と米国企業の現状は?

    現在のダイバーシティと平等に対する企業の取り組みを見ると、口先ばかりで行動が伴っていないと言わざるを得ません。それは大変な作業でしょう。ダイバーシティに関して数年にわたり十分に予算をかけるなど、主体的な努力が必要だからです。企業が「ダイバーシティと平等性の促進」を行動に移す必要性や、現状について紹介します。

    2020年に発生した2つの象徴的な出来事

    人種平等とダイバーシティにおける議論が加速

    現在のダイバーシティと平等に対する企業の取り組みを見ると、口先ばかりで行動が伴っていないと言えます。これは、さまざまな業界やセクターにおける従業員と役員のダイバーシティと平等に関して、幅広いデータを新しく取りまとめた際に出した本稿の筆者による結論です。

    私の研究は、2020年に発生した2つの出来事をきっかけに前進しました。1つ目は、米国で女性の選挙権が100周年を迎えたこと(英国ではアメリカより2年早い、1918年に多くの女性が選挙権獲得)。2つ目はミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイド氏が警察に殺害された悲劇です。

    いずれの出来事も、社会や企業における女性の平等、そしてあらゆる人種の平等とダイバーシティについて、長年世界中で行われてきた議論を加速させました。企業はこれらの議論に積極的に参加し、抗議活動や「Black Lives Matter運動」への連帯を表明し、女性の権利を求める運動を支持するというメッセージを公言しました。

    NIKEによる抗議メッセージ動画

    あらゆるブランドがいち早くこれらの運動への支持を表明し、慎重に作られたブランド価値やブランドの目的を雄弁に表現しました。しかし、公言している価値観や目的を守っている企業がどの程度いるでしょうか? 自社内で、従業員ランキングを始めとする人種差別や不平等を解決するためのアクションにどのくらい予算を割いているでしょうか? 単なるリップサービスの企業はいないでしょうか? もっと端的に言えば、取り組みは洗脳の一環によるものないでしょうか?

    業界別、平等性とダイバーシティーへの取り組み状況

    こうした事象を探る1つの方法は、さまざまな業界における平等性とダイバーシティの現在のレベルを確認することです。

    多様で包括的な人材を採用しているか? 女性や有色人種の従業員に平等な機会とキャリア支援を提供しているか? 女性や有色人種の従業員が、経営陣や役員会のメンバーになっているか? これらの質問を確認することで、差別の規模や企業が取るべき措置を明らかにすることができます。

    私が調査した企業は、フォーチュン500社(米フォーチュン誌が年1回編集・発行するリストの1つ。全米上位500社がその総収入に基づきランキングされる)と、S&P500社(ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場する米国の主要産業を代表する500社)で、一般に公開されているデータが容易に入手できる国際的な組織ばかりです。監査法人のデロイト、フォーチュン誌、4つの指導的組織から構成する「Alliance for Board Diversity」、CEOなどの経営幹部をサポートする「Crist Kolder Associates」に加え、米国と英国のさまざまな政府のデータも含めて調査しました。

    米国企業におけるマイノリティの割合は?

    下のグラフは、フォーチュン500社とS&P500社のさまざまな業種におけるマイノリティの割合を示すと同時に、米国におけるマイノリティのCEO、CFO、取締役会の議席、およびマイノリティ人材の割合を示しています(最後の項目は地域によって数字が大きく異なります)。

    マイノリティは米国の労働人口の約37%を占めていますが、CEO、CFO、取締役会の議席に占める割合は10%未満です。金融サービスなど一部の業界では、全体の平均よりもはるかに低い結果となっています。

    また金融サービスのCEOのうち、マイノリティの割合は4%以下にとどまっています。この原稿を執筆している時点で、フォーチュン500社の中に黒人のCEOは4人しかおらず、その数は近年減少しています。

    従業員、及び経営層における米国企業のダイバーシティにおけるフォーチュン500社とS&P500社の業界ごとの統計
    従業員、及び経営層における米国企業のダイバーシティにおけるフォーチュン500社とS&P500社の業界ごとの統計(出典:米国労働省、Deloitte、フォーチュン誌、Alliance for Board Diversity、Kolder Associates。画像は「The shocking reality of corporate diversity and equality is a brand crisis」より編集部が作成)

    英国のデータでも同様の結果が出ています。FTSE(ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄で構成される、時価総額加重平均型株価指数企業)の中で、マイノリティのCEOを擁しているのは約6%。37%は取締役会にマイノリティがいません。

    業種・役割別の女性の割合は?

    以下は、さまざまな業種や役割における女性の割合について、同様の分析を行ったものです。米国の労働人口の約47%が女性ですが、フォーチュン500社とS&P500社のCEOのうち女性は約6%、CFOもわずか13%です。取締役会の議席は、約23%を女性が占めています。

    繰り返しになりますが、業界によってかなりのばらつきがあります。ライフサイエンスとヘルスケアは最も割合が低く、消費財の方がはるかに高い割合です。

    米国の従業員、及び経営層における女性の代表性におけるフォーチュン500社とS&P500社の業界ごとの統計
    米国の従業員、及び経営層における女性の代表性におけるフォーチュン500社とS&P500社の業界ごとの統計(出典:米国労働省、Deloitte、フォーチュン誌、Alliance for Board Diversity、Kolder Associates。画像は「The shocking reality of corporate diversity and equality is a brand crisis」より編集部が作成

    英フィナンシャル・タイムズ証券取引所(FTSE)に上場している企業では、CEOの約5%と、最高財務責任者(CFO)の20%弱が女性です。取締役会の議席は、約3分の1を女性が占めています。

    データが語る「ブランドの危機」

    このデータに対する合理的な反応は、失望か怒りのどちらかでしょう。多様性と平等の実現が企業にとって最優先事項ではないのか、あるいは克服が困難な問題が発生しているのか。もしくはその両方が重なっていることは明らかです。

    人種差別や男女差別には、複雑で根深い原因が数多く存在していることは間違いありません。一方、平等と多様性の推進を公言しているブランドは、自分たちが何者で、どのように変化を促進していくのかを正直に評価しなければならないことも事実です。このような意志と意図がなければ、もしくは、真摯な意図があったとしても、ブランドの約束は空虚なものになってしまうかもしれません。

    これらの重要な問題について、ブランドが語ることと実際の行動の間には大きなギャップがあり、それには誰もが気づいているでしょう。それがブランドの信頼を蝕んでいるのです。

    エデルマンが長年にわたって実施している信頼度バロメーター調査のデータが、このことを裏付けています。

    ブランドへの信頼度は、過去最低レベルにまで低下しています。ブランドはこれらの問題についてより多くのことを語るのではなく、より多くの行動を起こす必要があります。これは大変な作業です。問題を解決するためには、単にチーフダイバーシティオフィサーとインターンを雇うだけではなく、数年にわたって、十分な予算確保と主体的な努力が必要です。

    そしてそれを達成するには、ブランドの明確な目的と、その目的を達成するための具体的な活動へのコミットメントが必要です。まずは社内と向き合い、組織の行動に責任を持たせることから始めましょう。

    「進歩のために行動を起こす」という意図を目に見える形で表現し、ブランドを活性化させるのです。経営陣のサポートがあって初めて、ブランドはこの仕事を全うできます。ブランドのリーダーは、組織が現在どのような状況にあるのか、問題を解決するためにどのようなステップを踏むべきかを率直に語り、最初の一歩を踏み出す必要があります。

    ◇   ◇   ◇

    ブランドは、志を同じくする他の組織と協力して強力なネットワークを形成し、システム的な社会問題に取り組み、変革のためのムーブメントを生み出すことができます。ロイヤルカスタマーとやる気のある従業員達が、自分たちの価値観を認めてくれる組織に報いてくれるでしょう。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
    Digital Commerce 360

    ZOZOのD2C事業「YOUR BRAND PROJECT」が好調な理由。カギはインフルエンサーの発信力 | 通販新聞ダイジェスト

    4 years 10ヶ月 ago
    ZOZOが個人と共同でファッションブランドを作るD2C事業「YOUR BRAND PROJECT(ユアブランドプロジェクト)」が好調です。参加するインフルエンサーの発信力やブランド構築から制作まで自社内で行ったことがカギになっています

    ZOZO(ゾゾ)は今期(2021年3月期)、センスのある個人と一緒にファッションブランドを作るD2C事業「ユアブランドプロジェクト・パワードバイ・ゾゾ」をスタートし、一定の成果を得ている。同プロジェクトではブランドの立ち上げに必要なすべての工程を「ゾゾタウン」で培った知見とネットワークを活用して全面的にバックアップする。

    PB「ゾゾ」や「ウェアリスタ」でD2C事業の土台を構築

    同社はプライベートブランド(PB)の「ゾゾ」で生産面の土台を作ったほか、販売面では「ゾゾタウン」が順調に成長を続けている。販促面でもファッションコーディネートアプリ「ウェア」で育てた公認ファッショニスタの”ウェアリスタ”を中心にインフルエンサーがプロモーションを仕掛けるなど、生産、販売、プロモーションの体制が整った。

    加えて、今期は「MORE FASHION×MORE TECH」をコンセプトにした成長戦略を打ち出しており、従来の”売ること”だけでなく、新たな価値を創造する商品を自ら生み出して世に広めていくことが必要と考え、D2C事業を始動することになったという。

    ユアブランドプロジェクトのリーダーは、「ウェア」を中心にインスタグラムやユーチューブ、ティックトックなどのSNSで活躍するインフルエンサーを活用した施策を手がける藤本真美さんで、自身もインスタグラムで1万4000人、「ウェア」で約7万7000人のフォロワーを抱える。

    通販新聞 ZOZOTOWN D2C YOUR BRAND PROJECT インフルエンサー 藤本真美さん
    「YOUR BRAND PROJECT」リーダーの藤本真美さん

    プロジェクトは藤本さんが主体となって参加者(インフルエンサー)と二人三脚で推進。自らもブランド作りに初めて挑戦し、「nimiru(ニミル)」を立ち上げることで、D2C事業のプロトタイプ作りに役立てるとともに、参加者の適切なサポートを行えるようにした。

    藤本さんのチームで参加者のマネジメントや商品企画を行いながら、生産面はPBの担当部署、販売面ではEC事業本部など各部署と連携している。

    一般公募から参加者を選定。大半がブランド開発経験なし

    「ユアブランドプロジェクト」は昨年6月15日から一般公募オーディションを開始。応募総数は約7000人で、「ウェア」利用者やファッション分野以外で活動する人、学生や主婦も多く、幅広い層から応募があった。

    参加者を絞り込む過程では、熱量を持ってエントリーシートに記入している人を重視。意欲やブランド開発に向けて具体的なビジョンを持っている人、ブランドにかける覚悟などが垣間見られる人を選んだ。

    合格者を含め、お笑い芸人の丸山礼さんや人気野球ユーチューバーのトクサン、ファッションデザイナーの日髙琴葉さん、スタイリストの濱本愛弓さんなど個性豊かな18組を選出。参加者の大半がブランド開発の経験がないという。

    また、ゾゾから声がけしたウェアリスタと、「ゾゾタウン」出店ブランドとのコラボやD2Cブランドを立ち上げており、いずれも「ゾゾタウン」限定で商品を販売している。

    「自前主義精神」でブランド開発から製作まで社内で完結

    10月下旬からD2Cブランドを順次ローンチしたが、7月中旬の合格者発表から約3カ月で各ブランドをスタートできたのは、業務を極力外注せずに内製化するというゾゾの”自前主義精神”によるところが大きく、今回のブランド開発に当たってもコンセプト作りやブランドのロゴといった服作りの手前の制作面でもデザイナーの部署などと連携することで、社内で完結できた

    生産面はPB事業やマルチサイズプラットフォーム(MSP)事業の協力を得るなど、「ゾゾが持つノウハウをすべて生かしてインフルエンサーさんも含めたワンチームで取り組んだ」(藤本さん)という。

    また、藤本さん自身もブランド「ニミル」を手がけた。これまで商品企画や販売については経験がなかったが、同プロジェクトではインフルエンサーと短期間でブランドを開発し販売する必要があったため、自身のブランドを約1カ月早く立ち上げることで、課題や成果を共有できるようにした。

    通販新聞 ZOZOTOWN D2C YOUR BRAND PROJECT インフルエンサー 藤本真美さん nimiru ニミル
    藤本さんのブランド「nimiru(ニミル)」
    (画像は「ZOZOTOWN」サイトから編集部がキャプチャし追加)

    藤本さんは「ウェア」やインスタグラムを通じた発信を続けており、D2Cブランドの告知やPR面などの成功事例をアドバイスできるほか、インフルエンサーと同じ目線で取り組めるように努めているという。

    インフルエンサーの発信力×ゾゾのノウハウ

    ZOZO(ゾゾ)は、センスのある個人と一緒にファッションブランドを作るD2C事業「ユアブランドプロジェクト・パワードバイ・ゾゾ」の出だしが好調だ。

    生産業務を自社で行うことで利益率を高められるのに加え、プロモーションでは参加するインフルエンサーが積極的に情報発信することで、大きな費用をかけることなく購入につながっている。

    「ユアブランドプロジェクト」の商品作りについては、基本的には各インフルエンサーの意見を聞いた上で、流行りのシルエットなど「ゾゾタウン」の売れ筋を踏まえた意見を顧客目線で伝えるなど、インフルエンサーの思いに加え、服好きなゾゾ社員の感覚とデータ、これまで培ってきたサプライチェーンのノウハウを投入して商品化した。

    D2Cブランドは昨年10月22日から順次始動。「ゾゾタウン」での販売から5分程度で在庫切れが相次ぎ、発売当日に全商品が完売したブランドもあった。プロジェクトの中で売り上げトップのブランドは、通常の新規ショップ開設後5日間の平均値と比べて売上高が6倍に、1品番当たりの売上高が200倍になった

    フォロワーとのコミュニケーション強化が重要

    出だし好調の背景としては、プロジェクト参加者(インフルエンサー)によるSNSでの積極的な情報拡散がある。合格者を発表した9月下旬からの約1カ月間、参加者は自身のSNSのストーリーズやライブ配信、イベントカレンダーの設定といった機能をフル活用してブランドコンセプトや商品の紹介を行った。

    通販新聞 ZOZOTOWN D2C YOUR BRAND PROJECT インフルエンサー ブランド一例
    「YOUR BRAND PROJECT」のブランド一例
    (画像は「ZOZOTOWN」サイトから編集部がキャプチャし追加)

    発売開始前に全ラインアップを発信し、質問を受け付けて丁寧に答えることで、販売開始前に商品の不明点やサイズの不安を払拭したほか、当日の販売状況をリアルタイムでシェアするなど、参加者とフォロワーとのコミュニケーション強化が奏功した

    プロジェクトリーダーの藤本真美さんによると、初速が良かったブランドの共通点は、「インフルエンサーがブランドに対して”自分事”として取り組んだこと」とする。

    動画コンテンツを駆使し、売り上げにつなげる

    今回、SNSのフォロワー数は数万人規模から、20~30万人までプロジェクト参加者の発信力に差はあったものの、インスタグラムのライブ配信など動画コンテンツを駆使し、継続的に配信することでフォロワー数が数万人の参加者でもしっかり売り上げにつながった。また、初日から完売アイテムが出たことは各インフルエンサーのモチベーションにつながったという。

    藤本さんも自身のブランド「nimiru(ニミル)」のアカウントを通じて販売開始の1週間前や前日にインスタライブを実施。藤本さんもプロジェクトの各参加者と同様に本業がある中でブランドを立ち上げているが、「頑張ればできるということを示したかった」とし、参加者にライブ配信を参考にしてもらったという。

    通販新聞 ZOZOTOWN D2C YOUR BRAND PROJECT インフルエンサー 藤本真美さん

    すでに、21年春夏シーズンに向けた商品企画を進めており、各D2Cブランドの展開型数は大きくは増やさず、1型当たりの販売数拡大に努める。

    男性向け、異業種のインフルエンサー参加に期待

    ただ、将来的にはD2Cブランドの展開型数や販売数を爆発的に伸ばしたい意向で、「ゾゾタウン」の取扱高拡大に貢献することを目指す。また、利益率向上への寄与や、各インフルエンサーが抱えているフォロワーを「ゾゾタウン」の新規会員として獲得することなども重視する。

    足もとでは、20年秋冬シーズンにデビューしたD2Cブランドをしっかり育成しながら、新しいインフルエンサーの発掘も進めるほか、「成功パターンの再現率を高め、継続的に取り組んでいけるかが重要になる」(藤本さん)としている。

    なお、今回のD2Cブランドはジャンル、年齢層は幅広かったものの、アパレル業界のインフルエンサーや女性向けブランドが多かったことから、今後は男性向けのブランドや、異業種で活躍するインフルエンサーの参加にも期待している

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    通販新聞

    あなたのAmazon店の運営業務を効率化する欧州発のデータ分析ツール「FACTOR-A SUITE」とは

    4 years 10ヶ月 ago
    レギュラス・ソリューションズが国内独占提供するAmazon販売事業者向けデータ分析ツール「FACTOR-A SUITE」について解説
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    レギュラス・ソリューションズが国内独占提供するAmazon販売事業者向けデータ分析ツール「FACTOR-A SUITE(ファクターエースイート)」は、Amazon内の店舗運営において業務の効率化が図れる管理ツールだ。販売データなど各数値を含めたデータ管理、商品詳細などのコンテンツ管理、各キャンペーンやスポンサー広告といった運用での業務効率化を実現する。Amazonでのストア運営に発生する無駄な作業時間を削減し、より重要なアクションを取るための時間を生み出すことが可能となる「FACTOR-A SUITE」を、レギュラス・ソリューションズの柴田博社長が紹介する。

    EUを拠点とするAmazonエージェンシーが開発

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析
    「FACTOR-A SUITE」が実現する業務効率化

    「FACTOR-A SUITE」はEUを拠点とするAmazonエージェンシーであるFACTOR-A社が開発・提供。Amazonストアのコンサルティングを行うためのデータ分析起点となるツールとして開発された。

    「FACTOR-A SUITE」はベンダー・セラーを対象に、リテールマネジメント、スポンサード広告、コンテンツ管理に必須となる各種データを統合管理。すでにグローバル企業による導入が進んでいる。

    レギュラス・ソリューションズはFACTOR-A社と業務提携。「FACTOR-A SUITE」の導入支援、コンサルティングサービスを提供するため、2020年8月に設立されたベンチャー企業だ。

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析
    「FACTOR-A SUITE」について

    セルアウト・セルインが同時に確認できるダッシュボード

    ダッシュボード画面上部に4つのボックスがある。左からセルアウト(実売数)の月次売上データ(毎月1日から現在までの月次の累計売上高が出てくる)、セルアウトの年次売上高(1月1日から累計の売上高を表示している)、セルイン(Amazonへの販売価格=卸売価格)の月次売上データ、セルインの年次売上高を表示している。

    セルインという観点はベンダー向けになり、セラーにはあまりその概念はないと思う。ただ、セルアウトだけでなくセルインの数字もダッシュボードに出てくるのは1つの特徴だ。(柴田氏)

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 ダッシュボード
    「FACTOR-A SUITE」のダッシュボード

    ASIN単位でのトラッキングが可能

    「FACTOR-A SUITE」は売上金額の管理、在庫や返品数、GlanceView(GV、商品詳細ページが表示された回数)の実数、コンバージョンレート(CVR)など、販売管理に必須となるデータを網羅。必要なときにいつでもASIN(Amazon Standard Identification Number)単位でトラッキングすることができるAmazon専用ツールだ。

    なかなか知りたくても知りにくいデータが、「FACTOR-A SUITE」上ではわかるようになっている。早期の課題発見と、効率的なレポーティング業務を実現できる。(柴田氏)

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 トラッキング ASIN
    「FACTOR-A SUITE」の主な機能

    アラート管理でタイムリーにアクション

    売り上げを監理していけば、売り上げの変動が見えてくる。ストアを運営するにあたって、数字の動きを捉えるだけでなく、それが何によってもたらされた変動なのかもいち早くアラートで把握できる。(柴田氏)

    販売ペースの低下、在庫切れ、カートロス、返品率の上昇など、すぐにでも対処すべき課題についてASIN単位で特定。アラートによるタイムリーなアクションを可能にする。

    Amazonにおいてとても重要になる「カートの喪失しているASINが何のASINなのか」「在庫が切れているASINがいくつあるのか」を自動でピックアップするので、かなり早いPDCAが実現できるようになる。(柴田氏)

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 アラート機能
    アラート機能について

    スポンサード広告管理や運用も自動化

    スポンサード広告管理も「FACTOR-A SUITE」で実現できる。重要KPIのトラッキングはもちろん、各キャンペーンを目的別にタグでカテゴライズ・管理することが可能。各キャンペーンにおける時系列データも提供する。スポンサード広告の配信・停止、CPCの増減などを自動化する広告運用自動化もできる

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 スポンサード広告
    スポンサード広告管理について

    実際のスポンサード広告管理の画面よりもはるかに見やすいUIで設計し、パフォーマンスを日々チェックすることが可能になる機能も含まれている。スポンサード広告の管理および運用を劇的に改善することができる。(柴田氏)

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 広告運用自動化
    広告運用の自動化について

    売り上げに直結する商品詳細ページ(DP)

    Amazonを語る上でとても重要な要素になるのが商品詳細ページ。DP(ディティールページ)と呼んでいるが、このDPで何が起こっているのかをモニタリングしていくことはAmazonでのパフォーマンスを伸ばす上で極めて重要な要素になる。(柴田氏)

    「FACTOR-A SUITE」は、DPに掲載されている各項目のステータスを一元管理・可視化。各商品ページのクオリティの偏りをなくし、DPの更新状況をキャッチアップすることを可能にしている。

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 商品詳細ページ DP
    商品詳細ページ(DP)の管理について

    レビュー内容を自動的にブラウザで表示

    商品の全レビューに対して、新規、確認済み、回答済み、削除済みなどのステータスを一元管理することが可能。低評価の放置を防ぐなど、レビューに対するタイムリーなアクションを可能にする

    レビューもAmazonでの売り上げに非常に大きなインパクトを与える1つの要素。レビュー管理は、投稿されるレビューの内容を自動的にブラウザで表示して管理できる。特にレビューの運用を重視している企業においては非常に役立つと思う。(柴田氏)

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 レビュー管理
    レビュー管理について

    「FACTOR-A SUITE」の契約内容や料金はどうなっている?

    「FACTOR-A SUITE」は月額料金で提供しており、初月の利用料は無料となる。

    ツールの運用リソースが十分ではないクライアント向けに、レギュラス・ソリューションズによるサポート・コンサルティングも別途契約が可能。現在、機能や使い勝手を確認するため、デモ画面の提供を行っている。

    契約形態としては基本的に1年間の契約を検討いただきたい。まず使ってみなければわからないという企業が大半だと思うので、初期費用は設けず、初月の利用料は無料で提供する。ツールの価値を見極めていただきたい。無料期間中に価値がないと判断されれば、契約を中断することもできる。1年契約の場合でも、初月の解約であれば残月に対する請求は行わず、契約解除料のみ発生する。立ち上げた後の運用に関しては、レギュラス・ソリューションズがコンサルティングで入っていくことも検討している。(柴田氏)

    導入プロセスは、レギュラス・ソリューションズとキックオフミーティングを実施し、「FACTOR-A SUITE」の説明、導入候補先の課題をヒアリング。それを受け、料金および業務内容を提案する。契約となればアカウントをセットアップしてデータをチェックするところから運用が始まる。

    レギュラス・ソリューションズ FACTOR-A SUITE Amazonエージェンシー データ分析 利用費用 契約内容
    「FACTOR-A SUITE」の利用について

    「FACTOR-A SUITE」は日本国内において、レギュラス・ソリューションズのみが契約・提供することができる。ドイツのFACTOR-A本社のサポートも、レギュラス・ソリューションズを通じて提供することが可能となっている。

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    石居 岳
    石居 岳

    【楽天SOY2020】総合グランプリは上新電機、2位はヤマダ電機、3位はMOA運営の「A-PRICE楽天市場店」

    4 years 10ヶ月 ago

    楽天は1月27日、「楽天市場」に出店する約5万店舗のなかから、購入者からの投票や売り上げなどが優れたショップを選出して表彰する「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2020(楽天SOY2020)」を開き、「Joshin web 家電とPCの大型専門店」(運営は上新電機)が総合グランプリを受賞した。

    上新電機は大手モールが行うアワードの受賞常連店舗で、「楽天SOY2016」では総合グランプリを受賞。「楽天SOY2019」で「Joshin web CD/DVD店」がジャンル賞、「Yahoo!ベストストアアワード2019 年間ベストストア」で総合第2位を獲得するなど、大手モール内で顧客の支持を集めている。

    ECに力を入れている上新電機の2020年3月期連結業績によると、EC売上は前期比4.8%増の571億3400万円。連結売上高に占めるネット販売の構成比を示すEC化率は13.8%。

    総合グランプリ受賞の発表時、歓喜の声をあげた上新電機担当者(楽天SOYの配信サイトからキャプチャ)

    総合2位は「ヤマダ電機 楽天市場店」(運営はヤマダ電機)。総合3位は、家電やデジタル製品、日用品などを扱う「A-PRICE楽天市場店」(運営はMOA)。「楽天SOY2019」では総合グランプリを初受賞していた。

    表彰されたのは148店舗(同一店舗による複数賞受賞含む)。「楽天SOY」は2021年で23回目。「楽天SOY2020」授賞式の冒頭で、三木谷浩史社長は受賞店舗に次のように述べた。

    5万店舗以上の店舗の中から今回は148店舗が受賞。その割合は0.3%で、総合賞を受賞するのは0.2%という狭き門。受賞店舗はそこから選ばれた、素晴らしいこと。コロナ禍で世の中が変わり、ネットショッピングが人々の生活を支え、皆さまの事業の役に立てている。大きな流れが一時的に終わるのではなく、ネットショッピングは一般的になり、発展していく。その中の中心が「楽天市場」であり、そして出店している店舗の皆さんがリードしていく。

    楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長(楽天SOYの配信サイトからキャプチャ)

    「楽天SOY2020」は新型コロナウイルス感染症拡大の影響のためオンデマンド配信で実施し、リモートで受賞者などが参加した。例年、プロ野球ドラフト会議などが行われるグランドプリンスホテル新高輪で行われていた。

    ジャンル大賞受賞の様子(「自然の館」のジャンル大賞受賞、楽天SOYの配信サイトからキャプチャ)

    「楽天SOY2019」「楽天SOY2018」「楽天SOY2017」「楽天SOY2016」はどうだった?

    2020年の「楽天SOY2019」では、家電やデジタル製品、日用品などを扱う「A-PRICE楽天市場店」(運営はMOA)が総合グランプリを初受賞。総合2位は山善が運営する「くらしのeショップ」、総合3位はアルペンが運営する「アルペン楽天市場店」だった。

    2019年の「楽天SOY2018」では、スポーツ用品小売チェーンのヒマラヤが運営する「ヒマラヤ楽天市場店」が総合グランプリを初受賞。総合2位は「タンスのゲン Design the Future」(運営はタンスのゲン)。総合3位は山善の「くらしのeショップ」。

    2018年の「楽天SOY2017」では、総合グランプリに女性向けアパレルや雑貨の「soulberry」(運営はグァルダ)。2位は自然食品を扱う「タマチャンショップ」(運営は九南サービス)、総合3位は「タンスのゲン Design the Future」が受賞した。

    「楽天SOY2016」のグランプリは家電などを取り扱う「Joshin web 家電とPCの大型専門店」(運営:上新電機)、2位は「エディオン楽天市場店」(運営:エディオン)、3位は「ビックカメラ楽天市場店」だった。

    「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2020」のアーカイブ動画(編集部が追加)
    「楽天SOY2020」総合賞上位10店舗
    賞名 店舗名 企業名
    総合グランプリ Joshin web 家電とPCの大型専門店 上新電機株式会社
    総合2位 ヤマダ電機 楽天市場店 株式会社ヤマダ電機
    総合3位 A-PRICE 株式会社MOA
    総合4位 アルペン楽天市場店 株式会社アルペン
    総合5位 モダンデコ モダンデコ株式会社
    総合6位 くらしのeショップ 株式会社山善
    総合7位 タマチャンショップ T有限会社九南サービス
    総合8位 サプリ専門SHOPシードコムス 株式会社エフ琉球
    総合9位 タンスのゲン Design the Future タンスのゲン株式会社
    総合10位 越前かに職人甲羅組 株式会社伝食
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    PayPayが複数の端末利用を管理する「ログイン管理」機能をスタート。不正ログイン時のログアウトが可能に

    4 years 10ヶ月 ago

    PayPayは、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を利用している端末を一覧で管理できる「ログイン管理」機能を1月26日から開始した。複数端末で同一の「PayPay」アカウントを利用する際、どの端末からログイン・利用しているかを一覧で確認できる。また、手元の端末ですべての端末からログアウトすることも可能。

    不正ログインを確認&ログアウトが可能

    万が一、悪意ある第三者がフィッシングサイトやフィッシングメールから不正取得したユーザーの登録情報やSMS認証コードを利用してPayPayアカウントにログインした場合でも、手元の端末でログアウトさせることができる。

    PayPay キャッシュレス決済 ログイン管理機能 アカウント管理 不正ログイン
    「ログイン管理」機能(画像はPayPayサイトからキャプチャ)

    新しい端末で「PayPay」にログインした場合、利用しているPayPayアプリにログイン通知が届くため、不正利用があった場合もすぐに気付くことができるという。

    「ログイン管理」機能追加の背景には、「PayPay」が20201年1月4日時点で全国280万か所以上の実店舗やオンライン加盟店で利用可能となり、スマートフォンだけでなくPCなどさまざまな端末でログイン・利用する機会が増えたことがある。

    セキュリティー対策の強化を進める

    PayPayでは、ユーザーが安心して利用できるよう、次のようなセキュリティー対策を進めているという。

    • SMS認証の強化
    • 専任スタッフだけでなく、テクノロジーを活用した常時監視など不正防止対策
    • 24時間365日「PayPay」に関する相談を受け付ける電話窓口の設置
    • 万が一アカウントや銀行講座情報およびクレジットカード情報などが第三者に盗用・不正利用された際の被害額を、原則PayPayが全額補償
    PayPay キャッシュレス決済 ログイン管理機能 アカウント管理 不正ログイン セキュリティー対策
    PayPayが行っているセキュリティー対策(画像はPayPayサイトからキャプチャ)
    藤田遥
    藤田遥

    「データ活用」の習慣化はなぜ重要なのか? 売上アップの近道は「変化を見る」「要因チェック」「行動ログのメモ」にあり | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

    4 years 10ヶ月 ago
    EC売り上げのアップ・ダウンに及ぼした影響を探る、「行動ログ」(社内アクションの記録を習慣化)とは?

    ECビジネスでデータ活用を習慣化する最初のステップは、「上流の大きなデータ項目(=売り上げ)から見ることが大切」です(詳細はこちらを参照。売り上げをチェックすることで何が見えてくるのか? データ活用の原則、次のアクションについて掘り下げていきます。

    同じデータを確認し続けるから見える「変化」

    日々、ECの運営業務を行い、マーケティング活動や改善活動を進める目的は、すべて売り上げのため。「売り上げ」というデータ項目を、まずは徹底的に確認することが重要です。次のステップは、売上データから「次の売り上げ」を得るためにそのデータを「活用」していきます。

    ここで大切なのは「昨日の売り上げ」を確認した上で、「なぜその売り上げになったのか?」という仮説を立てること。「昨日の売り上げ」のただ1点を見て、内訳がわかっても良かったのか悪かったのかまでは把握できません。そこで、もう1つ覚えてもらいたいのが、データは「変化をみる」ということです。

    「昨日の売り上げを確認する」が意味するところは、「前日の売り上げを確認する」。つまり、日々の売り上げを継続的に確認し続けることにあります。

    昨日、今日、明日、明後日、明々後日……と毎日同じデータ項目を確認し続けると、日々データが変化していることに気づきます。これは継続的に確認し続けるからこそわかることです。この「データの変化」に対して、「昨日はなぜその売り上げになったのか?」仮説を立て、掘り下げていくのです。

    売り上げという「結果」に伴う「原因」を把握

    ECにおける「売り上げ」は、ECチームメンバーの成果の集合体です。「売り上げ=結果」なのです。因果関係という言葉があるように、「結果」があればそこに至る「原因」があります。

    ECサイトの売り上げが自然に上がる・下がるということはなく、売り上げという「結果」には、(自分たちでコントロールできるか否かはさておき)何かしらの「原因」が関係しています。

    昨日の売り上げを継続的に確認し、その「データの変化」に気づくことで、「これは何か原因があるのではないか?」と感じることが大切です。このデータを確認することからの「気づき」と「感じる」ことが仮説の立案につながってきます。

    「売り上げ=結果」に影響を及ぼす「原因」には、2種類あります。それを私が代表を務めるECMJでは「内的要因」と「外的要因」と呼んでいます。データの変化、原因と結果からもう一歩踏み込んで、内的要因と外的要因について学んでいきましょう。

    売り上げに影響を及ぼす「内的・外的要因」

    「内的要因」とは、皆さんのECチームが実践したアクションのことを指します。ECの運営業務であれば、新商品の発売や商品ページ画像の撮り直し、リスティング広告配信量の変更など、日々のマーケティング施策として行っていることが「内的要因」になります。つまり、「売り上げ」という成果のために自らお客さまに提案している行動が「内的要因」です。

    「外的要因」は、ECチームが実践したマーケティング施策ではなく、市場環境の変化や競合のアクションによって起こったことを指します。EC事業でよくあるケースでは、台風や地震など天災による需要の増加、テレビやSNSなどメディアからのアクセス増、競合企業の価格操作などがあげられます。いずれも自分たちではコントロールできない「外的要因」です。

    1. 上流の大きなデータ項目から徹底して見る
    2. データを継続して確認し変化に気づく
    3. データ(たとえば売り上げ)に影響を及ぼした原因(内的要因と外的要因)を考え仮説に落とす

    これがデータ活用の作法です。

    データ活用は実は非常にシンプルな考え方に基づいています。多くのEC事業において、ある1点が欠けているためこのデータ活用の作法を運用できなくなってしまっています。その欠けている1ピースこそ、「行動ログ」のメモです。

    「行動ログ」で「内的要因」の源泉を探る

    「行動ログ」とは、ECチームが実践したアクションのことです。つまり、結果に影響を及ぼした「内的要因」の源泉になる可能性があるものです。多くのEC事業者がこの「行動ログ」を日々きちんと残していないのが現状です。そのため、継続的なデータの確認によりその変化に気づいても、内的要因と外的要因を整理することができません。数字が上がった・下がったはわかっても、後から「これってなんだっけ?」で止まってしまうのです。

    なぜそうなったか(=売り上げが上がったか)がわかれば、どうすればそうなるのか(=売り上げが上がる)がわかる」が、ECMJの提唱するコンサルティングです。

    自分たちが実践したアクション、つまり内的要因が売り上げに影響を及ぼしたならば、よりその内的要因を強化します。外的要因が売り上げに影響を及ぼしたならば、その外的要因ともいえる時流に、いかに対応・対策するかをECチームで考えます。

    次の行動の源泉になるのは、データ活用です。そしてこのデータ活用の作法をECチームが身につけると事業が成長するだけではなく、自然に「人が育つ」のです。

    編集部からお知らせ

    石田麻琴氏が登壇する無料ウェビナーを、2021年2月5日(金)16時~開催します。タイトルは、「EC売上アップに直結!データを正しく「見る」「使う」ポイントが学べるネット通販のデータ活用ウェビナー。申込み方法など、詳細は以下よりご確認ください。

    詳細は画像をクリックしてください(申込ページにジャンプします)
    石田 麻琴
    石田 麻琴

    Amazonがマケプレプライム要件を変更、新たに追加した「全国対応」「土日出荷」「スピード配送の目標達成」とは?

    4 years 10ヶ月 ago

    Amazonが「マケプレプライム」に、「標準サイズ商品の配送を全国対応」「土日出荷対応」「配送時間指標の達成」を新たな要件として追加する。

    配送経路を問わず、配送時間をAmazonプライム会員の期待に対応できるように向上させるのが目的。7月15日から適用する。

    標準サイズ商品の配送を全国対応

    「マケプレプライム」に登録している出品者は、プライム対応の配送パターン(沖縄、北海道、離島を除くすべての地域のすべての都道府県)で、すべての標準サイズの商品についてプライム配送を全国対応にする必要がある。どの商品が標準サイズまたは大型サイズになるかについては2021年5月1日以降、「マケプレプライム」の管理ページで確認できるようにする。

    土日の出荷出荷対応

    「マケプレプライム」に登録している出品者に、土曜日と日曜日の配送への対応を求める。週を通して一貫した配送サービスを購入者に提供するのが狙い。2021年7月15日以降、土曜日と日曜日の集荷が必須となる。

    なお、週末は営業していないため対応できないといった例外認めないという。「マケプレプライム対象」の配送サービスはすべて週末の集荷と配送に対応している。

    • ヤマト運輸:宅急便、宅急便コンパクト、ネコポス、宅急便タイムサービス
    • 日本郵便:ゆうパック、レターパックプラス、レターパックライト

    配送時間指標の達成

    翌日または翌々日配達の配送時間指標の目標値を達成する必要がある。この指標は、商品購入の有無にかかわらず、「マケプレプライム」対象商品がお薦め商品だった期間に、購入者が翌日または翌々日の配達予定日を表示したページの閲覧割合から測定する。

    配送時間指標の目標値は、「マケプレプライム」の注文がどの出荷者によって出荷されたにかかわらず、購入者に同レベルの顧客満足を提供することを保証するという。

    「マケプレプライム」の配送時間指標
    「マケプレプライム」の配送時間指標

    Amazonでは出品者の発送元住所、配送先、出品者の指定配送業者のパフォーマンスを考慮し、購入者に表示する正確な配送予定日を決定している。この情報に基づき、保証した配送日が商品詳細ページを購入者に表示する。配送時間指標に影響するその他の要因には、遅い注文締め時間、週末の配送、週末の集荷などがある。

    配送時間指標を設定した標準サイズ、大型サイズについて、いずれかの商品の配送時間要件を満たしていない場合、Amazonプライムの参加資格を一時停止する場合がある。

    大型商品の場合、全国への翌日お急ぎ便を提供する必要はない。一般的に、購入者への配送予定日が1日以内になっている場合、1日以内の配送時間の目標は商品詳細ページの閲覧数の割合に基づいて測定する。これは、配送パターンで定義した翌日お急ぎ便の配送地域、注文の出荷設定で定義した注文締め時間、週末対応、配送設定によって決まるとしている。

    Amazonのマケプレプライム変更、配送時間指標の目標値達成、商品詳細ページの閲覧からお急ぎ便の配送予定日を算出する方法
    商品詳細ページの閲覧から「お急ぎ便」の配送予定日を算出する方法
    ◇◇◇

    「マケプレプライム」は、出品するEC事業者などが自社発送する商品をAmazonプライム対象商品として販売することができるプログラム。

    「マケプレプライム」について
    「マケプレプライム」について(Amazonが公表している資料から編集部がキャプチャ)

    日本における「マケプレプライム」の注文において、購入者が期待する1日以内の配送を実現できた割合は26%以下。Amazonでは注文の出荷方法にかかわらず、「マケプレプライム」のサービスを受けられるようにこれらの変更を実施する。

    石居 岳
    石居 岳

    受注・在庫・発送などの管理を超効率化する方法は? クラウド型のバックオフィス管理ツールの導入効果と仕組みを解説

    4 years 10ヶ月 ago
    日本オラクルが提供するクラウドEPR「NetSuite(ネットスイート)」は、ECをバックオフィスから支援するシステム。ECビジネスの在庫管理や出荷といった課題解決を実現する「NetSuite」について解説
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    新型コロナウイルス感染症拡大で、ECや宅配サービスへの需要が高まっている。この傾向はアフターコロナの消費環境でも継続すると予想されており、新たにEC事業への参入を検討する企業は後を絶たない。ECビジネスへの新規参入、EC事業のブラッシュアップで欠かせないのがバックオフィスの効率化だ。日本オラクルが提供するクラウドEPR(統合基幹業務システム)「NetSuite」は、最短45日間、月額20万円台で導入できるバックオフィスシステム。各種データの一元管理、データ連携の自動化などでECビジネスの業務はどのように変わるのか――。

    新型コロナの感染拡大でEC化が一気に進む

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、小売店舗や飲食店の売り上げは減少し、ECビジネスや宅配サービスに対するニーズが増加。巣ごもり需要に対応するため、EC事業への参入やECサイトの立ち上げなどEC化が一気に進んでいる。

    小売業者はECモールへの出店、自社ECサイトの立ち上げなどで商品を販売しており、これらのチャネルで売り上げを伸ばすために、さまざまな工夫を施している。

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 小売業者がEC売り上げを伸ばすために手がけている販路や業務
    小売業者がEC売り上げを伸ばすために手がけている販路や業務

    ECサイトでは商品を個性的に良く見せるためのデザイン、自社ブランドを認知させるための宣伝やメルマガ、SNSなどさまざま手段を使って集客・コンバージョンにつなげようとしている。ECサイトのようなフロントシステムにはさまざまな施策を行っているが、在庫管理や出荷、仕入れなどのバックオフィス側への投資は、どうしても後回しになることが多い。(NetSuite事業統括ソリューション・コンサルティング本部・部長 窪倉勝彦氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 受注関連におけるバックオフィスとECとの関連性
    受注関連におけるバックオフィスとECとの関連性

    EC事業を強化、拡大している小売業者は多い。規模が拡大すればするほど課題となるのがバックオフィス業務だ。小売業者では、注文を受けたときに商品を効率良く発送できるような在庫管理や出荷管理、販売機会を逃さないための計画に基づく仕入れ、ECサイトの売り上げや人件費など目標に対する実績の数値管理などが課題となるケースが増えてくる。

    たとえば受注管理業務。受注処理で時間がかかる対応としてあげられるのが個別の出荷管理。別々に発送すべきなのか、のしを付ける必要があるのか、配送日や配送時間の指定があるかなど――。個別に対応していると業務効率が悪化する効率化するにはバックオフィス業務をシステム化する必要がある。(窪倉氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 窪倉勝彦氏
    NetSuite事業統括ソリューション・コンサルティング本部・部長 窪倉勝彦氏
    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 小売業者が抱える在庫管理・連携の課題
    小売業者が抱える在管理・連携の課題

    バックオフィス業務を効率化する「NetSuite」

    EC事業におけるこうした課題を解決するのがクラウドERP「NetSuite」である。

    ECモールや自社ECなど各チャネルからの受注を一括で管理し、必要な業務をすべてERPで行うため、業務プロセスの最適化や情報管理の一元化を実現できる。「各モールやECサイト、店舗の情報をデータ連携することで、データを『NetSuite』で一元管理して業務の効率化を図ることもできる」(窪倉氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteの仕組み
    「NetSuite」の仕組み

    「NetSuite」はユーザーがログインしたとき、権限に応じてダッシュボードを表示。ダッシュボードはログインユーザーの業務に応じたデータを、リアルタイムでグラフ、メーター、数値などで表示する。150種類を超えるレポートを標準で用意。すべてのレポートを利用し、データを「NetSuite」からではなく、定期的にメールで情報を送る機能も搭載している。

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 ダッシュボードのイメージと一部の機能
    ダッシュボードのイメージと一部の機能

    ECモールや自社ECサイト、実店舗との各種データを連携するための仕組みも備えている。CSVファイルによるデータのやり取りに加え、APIによるデータ連携を行うことも可能

    また、ワークフロー機能を標準で搭載。「NetSuite」内でのデータ処理に応じたプロセスを簡単に追加することができるようになっており、「システム連携を自動化することで作業コストの削減とルールに従った処理で、作業ミスを排除することができるようになる」(窪倉氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteの主なデータ連携機能など
    「NetSuite」の主なデータ連携機能など

    メガネのECや実店舗販売を手がけるオーマイグラスは、オムニチャネル基盤として「NetSuite」を利用して各種データを一元管理している。「完成したメガネを、店舗または自宅で受け取ることができる独自の受取プロセスに対応したフロントシステム、バックオフィスを連携することで、国内最大級のECサイトに成長した」(窪倉氏)

    オーマイグラスでは、実店舗での眼鏡の試着をECサイトから申し込むことができる独自のビジネスプロセスがある。一般的には店舗在庫から試着し、購入するが、オーマイグラスは消費者が選んだフレームを、試着したい実店舗へわざわざ配送するという仕組みがあり、在庫の連動が複雑になる。

    通常はECサイトと実店舗の在庫は個別に管理する必要があるが、「NetSuite」ではすべての在庫、販売状況、顧客情報などを一元管理。オーマイグラスのような独自のビジネスプロセスにも対応できるようにしている

    フロントシステムはECサイト、店舗のPOSシステムなどさまざまなシステムがあり、販売チャネルごとにビジネスが異なる。もちろん在庫も個別に管理する必要がある。販売や顧客情報を一元管理することで迅速な経営判断ができようになるのがクラウド型のERPである「NetSuite」だ。(窪倉氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteの主な機能
    「NetSuite」の主な機能

    ビジネスの基礎を作る「NetSuite」のソリューション

    「NetSuite」が提供するソリューションに、基本設定、自動化のワークフロー、国内法令対応ソリューション、管理会計、予算管理のプラットフォームなどを追加したのが「Oracle NetSuite SuiteSuccess(オラクル ネットスイート スイートサクセス)」だ。「NetSuite」がERPを使って20年、その間の知見を集めた導入ソリューションだという。

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 Oracle NetSuite SuiteSuccessの機能
    「Oracle NetSuite SuiteSuccess」の機能
    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 Oracle NetSuite SuiteSuccessが示す成長のステップ
    「Oracle NetSuite SuiteSuccess」が示す成長のステップ

    「NetSuite」にかかわらず、ERPを使うときは川下の業務からだんだん拡張されることが多い。まず会計をしっかりし、お客さまの情報をつかむ。在庫も自動で管理しようとか、まず業務の基本となるところをきっちり作ることで、次のステップに移行できる。その基本が「SuiteSuccess」となる。成功のための礎というソリューションだ。(NetSuite事業統括マーケティングEvangerist・海老原善健氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 海老原善健氏
    NetSuite事業統括マーケティングEvangerist・海老原善健氏

    導入期間を短く、月額費用も安く

    「SuiteSuccess」はプリセット仕様の活用で、導入期間は最短45日、月額費用は20万円台(初期費用込み)。既存データをすべて移行することが可能だ。こうした仕様により、導入が間に合わないなどのプロジェクトリスクの軽減を図ることができる

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 SuiteSuccessの特徴
    「SuiteSuccess」の特徴

    さまざまなニーズに対応する「NetSuite」のソリューション

    「NetSuite」ではさまざまな事業者のニーズに対応する体制を整えている。たとえば、海外に出店したい企業向けの通貨や税制への対応、予実管理、カスタマイズ対応、日本独自の税制対応など、さまざまなニーズに対応するソリューションを提供している

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteが提供するソリューション
    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteが提供するソリューション
    「NetSuite」が提供するソリューション

    バックオフィス業務のワークフローも「NetSuite」で管理することが可能。受注処理、出荷指示、出荷、請求、入金確認といったワークフローの管理を「NetSuite」のダッシュボードで一元管理できるようになるのだ。

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuite出業務連携も実現する
    「NetSuite」で業務連携も実現する

    定型レポートも自動化するので、生成処理に時間がかからない。レポートのカスタマイズも可能で、好きなスタイルにカスタマイズできる。「画面も違うスタイルに変更できる。これも会社の仕様に合わせて変更することが可能だ。入力する項目を増やしたり減らしたり、不要なものは削除したり、順番を変えることもできる」(海老原氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteは定型レポートを自動化する
    「NetSuite」は定型レポートを自動化する
    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteは自社の使用に合わせてレポートをカスタマイズできる
    「NetSuite」は自社の仕様にあわせてレポートをカスタマイズできる

    昨今、バックオフィス業務などのDX(デジタルトランスフォーメーション)が声高に叫ばれているが、海老原氏は「DXで変わることによって良いことがないといけない。そのために何がしたいのか? 手段をしっかり考えてほしい」と説明。そして、小売業者に向けて次のように訴えた。

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteが考える利用の業務環境
    「NetSuite」が考える理想の業務環境

    システムを導入して情報を集約、予算管理や情報分析などをプラットフォームで行い、自社の新しい製品やサービスを生み出していく。こうしたお客さまの顧客満足度をあげていく分野に、小売業者は力を注ぐべきだ。私たちはバックオフィスの効率化視点で皆さまのお手伝いをしていきたい。(海老原氏)

    日本オラクル オラクル oracle NetSuite 業務効率化 NetSuiteが提案する、あるべき姿への道筋作りのイメージ
    「NetSuite」が提案する、あるべき姿への道筋作りのイメージ
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    石居 岳
    石居 岳

    「モチベーション」と「フリクションレス」という2つの矢印から考える、“心を動かすブランディング” | 電通デジタル 特選コラム

    4 years 10ヶ月 ago
    優れたCXの構築には何が必要なのか。長く愛されるブランドを育てるために、マーケターがやるべきこととは?

    世界最大級のマーケティング&コミュニケーションイベント「Advertising Week2020:Asia」が、2020年10月14・15日、オンラインで開催された。当日は、マーケティング、メディア、テクノロジー、ブランドなど幅広いテーマのもと、各分野のリーダーが世界中から集まり、さまざまなセッションが行われた。

    セッションの1つ「いま再び考える、心の動かし方」では、電通グループでCX(Customer Experience:顧客体験)やDX(デジタルトランスフォーメーション)設計を担う、電通デジタルと電通アイソバーの代表が登壇。加速する時代の中にあっても、置き去りにしたくないクリエイティビティーや生活者視点について語った。

    ブランドは「モチベーション」と「フリクションレス」で作られる

    セッションの冒頭では電通アイソバーの田中信哉氏が、同社が提唱する優れたCXの構築モデルを紹介。「優れたCXは非常にシンプルで、この2つの矢印で説明できます。モチベーションとフリクションレス。この2つが必ず存在し、両方がしっかりと機能しているかが重要となるはずです」と述べた。

    1. Motivation(モチベーション):生活者の心を動かし、「買ってもらう」「好きになってもらう」といったゴールに導く矢印。広告、プロモーション、ブランディング領域が得意とする。

    2. Frictionless(フリクションレス):障壁を取り払い、生活者がゴールにたどり着きやすくするための矢印。デジタルマーケティング、プラットフォーム領域が得意とする。

    優れたCXは、いつも2つの矢印で、できている

    電通デジタルの川上宗一氏は、このCX構築モデルに賛同。2つの矢印を念頭に置き、生活者目線に立ってCXを設計する重要性を説いた。

    CX設計とは、シンプルに言うと、自分が生活者の立場になったとき、どういうサービスや商品を使いたくなるかを考えることです。「このサービスは面白そう」と思わないと注目しませんし、「面白そう」と思ってもすごく使いづらいものでは利用しませんよね。ですからこの2つの矢印でCXを設計していくという考え方はとても分かりやすい。

    もう1つ、このCX構築モデルのいいところは、モチベーションとフリクションレスの2つの要素が、点ではなく線になっているところです。以前は、CMを納品したら終わり、マーケティングも生活者に買ってもらったら終わりというケースが多々ありました。しかし、今はスマートフォンなどで、さまざまなメディアや企業などと常につながることができる時代です。

    生活者は、「毎日面白いことを味わいたい」と考えている。ですから、Always on(常時稼働)で、生活者の心を動かし続けながら、もっと快適にしていくことが大事です。2つの矢印には、日々生活者のことを考え、「どうしたら楽しんでもらえるか」「どうしたら快適に使ってもらえるか」を追求していくという意味が含まれていると感じます。(川上氏)

    両氏はさらに、この2つの矢印がブランドに寄与していることが大事だと語る。田中氏は、「長く愛されるブランドは、モチベーションとフリクションレスの体験が、生活者の中に無意識に溶け込んでいます」と述べた。

    フリクションレスが、ブランドに対してどのくらい貢献できるかという点について、川上氏は、「フリクションレスだけでは、『欲しい』『使ってみたい』といった最初の動機にはなりません。動機づけとしては、商品やサービスが魅力的である必要があります。ただ、『使い続ける』という力学を線で捉えたときには、利用するときのちょっとしたつまずきをなくすよう、生活者目線で商品やサービスを改善していくことがブランドづくりにおいて重要になるでしょう」と説いた。

    一方、モチベーションの部分がブランドに貢献するためには、やはりクリエイティビティーが大事であり、フリクションレスの部分では特にそのクリエイティビティーが表現物ではなく、「手法や着眼点」に発揮されることが理想だと田中氏は語った。

    長く愛されるブランドを育てること。それは「心の中に旬をつくること」

    続いて両氏は、長く愛されるブランドを育てるために何が必要か、自身が過去に携わった事例を交えながら議論した。

    川上氏は、エンターテインメント領域をはじめ、大手クライアントのブランディングに長く携わっていた。同氏が例に挙げたのは、レコード会社による、音楽アーティストのブランディングについてだ。

    レコード会社は、アーティストが仕事として音楽を長く続けていくために、常にターゲットを意識して、さまざまな戦略を考えています。バラードを出したら、次の新曲はアップテンポにするなど曲調を吟味したり、ターゲットの嗜好を踏まえてMVやCDジャケット、ライブ演出を考えたり、常に時系列でマネジメントやプロデュースを行っています。

    新曲を出したら、次の曲が出るまで、どのように盛り上げていくか、ワンクールを細かく刻んで考え、毎月「旬をつくること」を意識していました。(川上氏)

    田中氏が手掛けていたのは、国内高級車ブランドや化粧品ブランド。どちらも、ブランドの鮮度が落ちないことを重要視したという。

    化粧品はシーズナル商品が多いですし、高級車も数年ごとにモデルチェンジを行うので、ブランドの鮮度が落ちやすいんです。そのため、私が大切にしていたのは“鮮度を保ち続ける”こと

    例えば高級車なら、古くからの表現にあるような「ドレスを着た女性をエスコートしてクルマに乗る」といったイメージのままでは、ブランドは一気に老朽化してしまいます。そうならないために、購入している層よりも若い世界観を意識し、アート性や遊び心を織り交ぜるなど、常に新しい刺激を与えていくことにこだわり続けていました。(田中氏)

    両氏が意識していたのは、商品やサービスが「生活者の心の中で旬であり続ける」こと。川上氏は、「今の時代の生活者とダイレクトにリンクしていくことが一番大事で、感動したい、今使ってみたいというところにブランドを置けるかです。音楽も、すごく良い曲だけど、今は感動しないというものは売れない」と言う。

    田中氏は、「高級車は高価な買い物ですからCMを見て、『すぐ買おう』というふうにはなりません。しかし、自分が買ったクルマのCMが陳腐なものだと対価を払った後のありがたみも薄くなってしまう。オーナーになる前も、オーナーになった後も、ブランドの世界観を感じて、そのクルマを所有していることの満足感を高いレベルで維持できるようなブランディングを心がけていました」と述べた。

    部署間の障壁をなくし、2つの矢印を実現するために

    さらに田中氏は、「今、心動かす」という点において、「デジタルマーケティング」というワードはよく耳にするものの、「デジタルブランディング」という言葉はあまり聞かないと疑問を呈した。

    これに対して川上氏は、「デジタルマーケティングの世界では、ファネルの上位にある認知領域を『ブランディング領域』と呼ぶことがあります。しかし、ブランディングは認知領域だけでなく、それ以降も必要なもの。商品やサービスが生活者にとって愛すべき存在になり、快適に使えるものとして10年、20年……とあり続けることが、ブランディングのゴールです。

    そのためにはあらゆる手法を使って構いません。本質的にはブランドとは、あらゆる顧客接点で『好き・気持ちいい・使い続けたい』と思わせることの積み上げで成り立ちます」と、独自の見解を示した。同時に川上氏は、「多くの企業においてブランディングを行う上での問題がある」と指摘する。

    企業のブランディングを行う上で問題だと感じているのは、部署間の方向性が擦り合わないことです。同じ商品なのに、広告、クリエイティブ、CRMを担うマーケティングの部署など、各部署が異なる側面からブランドを育てようとしている事例が多々あります。

    この問題を解決するため、電通デジタルは社員をクライアント企業に常駐させていただき、部署間をつなぎ、皆が同じ方向を向いてブランディングを考えられるサポートをしています。(川上氏)

    田中氏もこの問題点に対し、「部署間の境界線をなくさなければ、いいCXやいいブランディングはできない」と言及する。

    冒頭に説明した、モチベーションとフリクションレスの矢印を実現する際も、同じ課題に行き着きます。モチベーションの矢印は宣伝部、フリクションレスの所はデジタルマーケティング部やシステム系の部署が担っていることが多いでしょう。さらに各部署で、KPIや組織のカルチャーが異なっているという問題もあります。

    部署間の障壁をなくし、方向性を共有しながら2つの矢印をつくっていけるかが、成否を分けると思います。その意味で基本に立ち返り、ブランドは"企業の振る舞い全体によって形づくられる"ことを再認識しなくてはいけません。(田中氏)

    これから見据えるべきは、「脱・均質化」と「偶発性の創出」

    セッションの終盤は「心を動かすために、これから大切にすべき視点」として、デジタル化が引き起こすさまざまな問題について考えた。川上氏は「デジタルマーケティングが進化して、心を動かすための施策を立てやすくなったが、それによって『最適化のパラドックス』が起きている」と指摘する。

    デジタル領域が得意なのは、1つの正解に向けて無駄を省いていくことです。しかし、あらゆる企業が1つの最適解を目指すようになると、均質化が進み、生活者から見るとどれも同じものに見えてしまう。このように、最適解を出しているのにモノやサービスが均質化して売れなくなる現象を、われわれは「最適化のパラドックス」と呼んでいます。(川上氏)

    一方、田中氏は最適化による「偶発性の喪失」について言及した。「人間は、偶発的な出会いによって人生が豊かになります。しかし、デジタルマーケティングによる最適化が進むと、パーソナライズされた情報にしか出会えなくなってしまう。言い換えれば、最適化が生活者の偶発的な出会いの場を奪ってしまっているのではないか」と、懸念を示した。

    最適化を追求することは、企業活動を効率的に進めるために必要不可欠だ。しかし、生活者の心をより動かすためには、マーケターは1人の生活者に立ち戻り、送り手の都合ではなく、純粋に何が楽しくて心地いいのかを考える必要がある。生活者の心の中に旬をつくり続けるためには、「脱・均質化」と「偶発性の創出」が、今後重要なテーマになることを示唆し、セッションを締めくくった。

    ※本稿は『ウェブ電通報』の転載記事です
    ※所属・役職はオリジナル記事公開当時のものです

    この記事のオリジナル版はこちら

    電通デジタル
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    「雇用調整助成金」(特例措置)などの縮減は緊急事態宣言解除後の翌々月から。助成額上限は1万3500円、助成率は9/10に

    4 years 10ヶ月 ago

    厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、政府がその費用の一部を助成する「雇用調整助成金」(特例措置)などの現行措置に関する縮減案を公表した。

    雇用情勢が大きく悪化しなことを前提に、緊急事態宣言が全国で解除された月の翌々月から縮減。2か月間の措置として、「雇用調整助成金」(特例措置)の現行措置で1人1日あたりの助成額1万5000円(上限)は、1万3500円まで上限を減らす。

    事業者が解雇などを行わず雇用を維持した場合の中小企業の助成率については、現行の10/10から9/10に縮小する。

    雇用調整助成金の特例措置の拡大
    現行の雇用調整助成金(特例措置)。全国で緊急事態宣言が解除された月の翌月末まで延長する予定(厚労省公表のパンフレットからキャプチャ)

    新型コロナウイルス感染症の影響で勤務先から休業させられたものの、勤め先から休業手当を受け取れないといった労働者が直接、生活資金を申請できるようにする労働者向けの給付制度である「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」の助成額も減らす。

    中小企業の選択によって雇用調整助成金を活用しない企業から休業手当を受け取れないといった労働者が直接現金を申請できる「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」は、中小企業の被保険者(労働者)に対し休業前賃金の80%(1日上限1.1万円)を、国が休業実績に応じて支給している。

    これを、急事態宣言が全国で解除された月の翌々月から2か月間の措置として、1人1日あたりの助成額の上限を9900円まで減額する。

    新型コロナウイルス感染症の影響で勤務先から休業させられたものの、勤め先から休業手当を受け取れないといった労働者が直接、生活資金を申請できるようにする労働者個人向けの給付制度「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」
    現行の「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」。全国で緊急事態宣言が解除された月の翌月末まで延長する予定(厚労省公表の資料からキャプチャ)

    一方、感染が拡大している地域、特に業況が厳しい企業には「雇用調整助成金」の特例を措置する。

    措置案の助成率は最大10/10で、1人1日あたりの上限額は1万5000円。売り上げなどの生産指標については、最近3か月の月平均値が前年または前々年の同期と比べ30%以上減少していることを要件として想定している。

    ◇◇◇

    政府は「雇用調整助成金」(特例措置)を2021年2月まで延長。緊急事態宣言の発出など新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ、現行措置は全国で緊急事態宣言が解除された月の翌月末まで延長すると1月22日に発表している。

    ただ、2020年末に「雇用調整助成金」(特例措置)を縮減する方針を示し、2021年6月までに「リーマンショック時並み」にするとしていた。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    QRコード決済サービス、総合満足度と利用頻度トップは「楽天ペイ」

    4 years 10ヶ月 ago

    MMDLaboが運営するMMD研究所が発表した「2021年1月 スマートフォン決済(QRコード)の満足度調査」によると、調査対象の6サービス(PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、LINE Pay、メルペイ)中、最も利用頻度の高いサービスは「楽天ペイ」だった。調査対象は18歳~69歳の上記QRコード決済サービス利用者(男女600人)。期間は2021年1月1日~1月4日。

    利用頻度最多は「楽天ペイ」、利用者の約6割が1週間に1回以上利用

    QRコード決済6サービスの各利用者に、そのサービスの利用頻度を聞いたところ、「1週間に1回以上利用する」という回答は「楽天ペイ」が69.0%で最多。次いで「PayPay」が67.0%、「au PAY」が66.0%、「LINE Pay」が57.0%、「d払い」が53.0%、「メルペイ」が51.0%だった。

    MMD研究所 MMDLabo 調査データ QRコード決済 利用頻度 楽天ペイ PayPay d払い au PAY LINE Pay メルペイ
    メインで利用しているQRコード決済サービスの利用頻度(各n=100)(出典:MMD研究所)

    総合満足度トップは「楽天ペイ」

    各サービス利用者に、メインで利用しているサービスの満足度を「お得部門」「アプリデザイン部門」「利便性部門」「信頼部門」においてそれぞれ聞いた結果、総合満足度トップは「楽天ペイ」だった。各部門のトップ、質問項目は次の通り。

    • 「お得部門」(キャンペーンの頻度、ポイント還元率、還元されるポイントのわかりやすさ):楽天ペイ
    • 「アプリデザイン部門」(操作のわかりやすさ、利用した金額(残高)のわかりやすさ、見た目の良さ):メルペイ
    • 「利便性部門」(使える場所(店舗・EC)の多さ、店員の理解度、チャージ方法の豊富さ):PayPay
    • 「信頼部門」(セキュリティ、企業の信頼性、使える場所のわかりやすさ):楽天ペイ
    MMD研究所 MMDLabo 調査データ QRコード決済 利用頻度 サービス別 楽天ペイ PayPay d払い au PAY LINE Pay メルペイ
    利用中のQRコード決済サービスの部門別満足度(各n=100)(出典:MMD研究所)

    人に勧めたいサービス1位は「楽天ペイ」

    各サービス利用者にメインで利用しているサービスを家族・友人に勧めたいか10点満点で点数をつけてもらい、NPS(ネット・プロモーター・スコア、顧客推奨度)を出した。結果、9点から10点を付けた推奨者は14.7%、7点から8点をつけた中立者は40.0%、0点から6点をつけた批判者は45.3%で、推奨社から批判者を引いたNPSは-30.7だった。サービス別のNPSは「楽天ペイ」が-13.0で最も高かった。

    MMD研究所 MMDLabo 調査データ QRコード決済 NPS 顧客推奨度 楽天ペイ PayPay d払い au PAY LINE Pay メルペイ
    メインで利用しているQRコード決済サービスのNPS(ネット・プロモーター・スコア/顧客推奨度)
    (出典:MMD研究所)

    知ったきっかけ上位は「公式サイト」「関連アプリ上での案内」「テレビCM」

    調査対象者に現在メインで利用しているサービスを知ったきっかけを聞いたところ、最も多かったのは「公式サイト」(16.0%)で、「関連アプリ上での案内」(14.8%)、「テレビCM」(14.3%)と続いた。

    MMD研究所 MMDLabo 調査データ QRコード決済 サービスを知ったきっかけ 楽天ペイ PayPay d払い au PAY LINE Pay メルペイ
    メインで利用しているQRコード決済サービスを知ったきっかけ(n=600)(出典:MMD研究所)

    各サービスごとに上位5位までの項目を抜き出すと、「PayPay」は「テレビCM」、「d払い」「楽天ペイ」「LINE Pay」は「公式サイト」、「au PAY」は「企業からの配信メール」と「関連アプリ上での案内」、「メルペイ」は「関連アプリ上での案内」だった。

    MMD研究所 MMDLabo 調査データ QRコード決済 サービスを知ったきっかけ サービス別 楽天ペイ PayPay d払い au PAY LINE Pay メルペイ
    サービスを知ったきっかけ(上位5位)(各n=100)(出典:MMD研究所)

    「ポイントが貯まる」「キャンペーンに興味を持った」が使い始めたきっかけ上位に

    現在メインで利用しているサービスを使い始めた理由を聞いたところ、「ポイントが貯まるから」(35.2%)が最多。次いで「キャンペーンを知って興味を持ったから」(29.3%)、「普段使っているサービスとポイントが連動しているから」(23.8%)だった。

    MMD研究所 MMDLabo 調査データ QRコード決済 使い始めた理由 楽天ペイ PayPay d払い au PAY LINE Pay メルペイ
    メインで利用しているQRコード決済サービスを使い始めたきっかけ(n=600/複数回答可)
    (出典:MMD研究所)

    サービス別に上位5位までの項目を抜き出すと、「PayPay」「メルペイ」は「キャンペーンを知って興味を持ったから」、「d払い」「楽天ペイ」「au PAY」「LINE Pay」は「ポイントがたくさん貯まる」だった。

    MMD研究所 MMDLabo 調査データ QRコード決済 サービスを使い始めた理由 サービス別 楽天ペイ PayPay d払い au PAY LINE Pay メルペイ
    サービスを使い始めた理由(上位5位)(各n=100/複数回答可)(出典:MMD研究所)
    調査実施概要
    • 調査タイトル「2021年1月 スマートフォン決済(QRコード)の満足度調査」
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査期間:2021年1月1日~1月4日
    • 調査対象:18歳~69歳の下記QRコード決済サービスをメイン利用している男女
    • 有効回答:600人(PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、LINE Pay、メルペイ各100人)
    • 設問数:9問
    藤田遥
    藤田遥

    コロナ禍の長期化で起きた消費行動の変化6つのポイント&ニューノーマルで勝ち残る6つの成功の鍵

    4 years 10ヶ月 ago

    グローバルコンサルティング会社のローランド・ベルガーは、「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」と題した資料を公表した。

    COVID-19発生以降、世界11か国において消費者の行動がどのように変化しているかを分析。これらの変化が消費財および小売企業のビジネスの在り方にどのような影響を与えるのかを考察している。

    消費行動の変化6つのポイント

    「社会的価値」が消費の鍵

    COVID-19は消費者が自らの消費行動を見つめ直す契機となったと指摘。モノの購入では34%の消費者が、「サステイナブルな消費かどうか」を考えるようになったという。

    消費者は、機能的価値や情緒的価値だけではなく、サステイナビリティや社会・ローカルへの貢献といった社会的価値を企業に期待している。

    ローランド・ベルガー公表資料「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」 COVID-19前後での消費行動や購入するブランド・製品に対する評価の変化
    COVID-19前後での消費行動や購入するブランド・製品に対する評価の変化(ローランド・ベルガーが公表した資料からキャプチャ)

    スマートフォンで何でも売れる時代へ

    COVID-19により消費の主戦場はリアルからデジタルへと完全に移行。デバイス別のシェアにおけるスマートフォンの伸長が著しく、2020年半ばには全体の54%にまで伸びた。ラグジュアリーや家具のような高価格帯の製品カテゴリーが、スマートフォン経由で購買されるようになったとしている。

    ローランド・ベルガー公表資料「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」 オンラインショッピングの半分以上がスマートフォンに
    デバイス別のオンライン注文のシェアの変化(ローランド・ベルガーが公表した資料からキャプチャ)

    ソーシャルメディアが顧客接点の肝に

    人との接触機会の減少で、ソーシャルメディアの利用時間が世界的に伸びている。55%の消費者がすでにソーシャルメディアを使って商品を購入した経験があり、COVID-19以降は17%のユーザーが利用を増やしている。

    この傾向は特に若いユーザーに顕著。Z世代のほぼ4分の3がパンデミックの中でソーシャルメディアを介して買い物を実施。オンライン購買におけるソーシャルメディアの存在感は高まっている。

    ローランド・ベルガー公表資料「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」 ソーシャルメディアの台頭について
    ソーシャルメディアの台頭について(ローランド・ベルガーが公表した資料からキャプチャ)

    コストパフォーマンスの重要性の高まり

    COVID-19で節約志向が高まったことに加え、サステイナブルな消費を重視する流れから、世界的に価格と品質を両立させるコストパフォーマンスへの期待が高まっている。

    調査によると、価格が第一の基準となったのはブラジルのみ。ほとんどの国でコストパフォーマンスが1位となった。日本はコストパフォーマンス、価格、品質の3つをそれぞれ重視する割合が近く、社会の階層化の様相が垣間見えるとしている。

    ローランド・ベルガー公表資料「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」 世界的な倹約志向とサステイナブルな消費の流れはコストパフォーマンスの重要性を高めている
    世界的な倹約志向とサステイナブルな消費の流れはコストパフォーマンスの重要性を高めている(ローランド・ベルガーが公表した資料からキャプチャ)

    消費の中心は生活必需品にシフト

    買い物客は消費財カテゴリーの中でも、支出を生活必需品に移している。具体的には、アパレル(スポーツを除く)、ジュエリー、腕時計といった嗜好品の消費が減少する一方、食料品・ヘルスケア・衛生関連用品の消費が大きく高まっている。

    ローランド・ベルガー公表資料「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」 食品やパーソナルケアなどの生活必需品に支出を移行している
    食品やパーソナルケアなどの生活必需品に支出を移行している(ローランド・ベルガーが公表した資料からキャプチャ)
    ローランド・ベルガー公表資料「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」 ネット通販の消費はビューティーやアクティブへとシフトしている
    ネット通販の消費はビューティーやアクティブへとシフトしている(ローランド・ベルガーが公表した資料からキャプチャ)

    カゴ落ちを防ぐクーポンやお得感の醸成が重要

    消費者は慎重に支出を計画している反面、可能であれば買うものや買い方・習慣を変えたくないと考えている。そのため、回答者の5分の1がインセンティブとなるプロモーションを求めているという。

    小売業者は消費者の優先順位を理解し、新たなカスタマージャーニーを作成することが重要になると指摘。ECサイトのカゴ落ちを防ぐためのプロモーションや施策は非常に重要となるとしている。

    ローランド・ベルガー公表資料「ニューノーマルで消費はどう変わるか 新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす世界的な消費行動の変化」 世界的に値引傾向が高まっている
    世界的に値引傾向が高まっている(ローランド・ベルガーが公表した資料からキャプチャ)

    ニューノーマルで勝ち残るための成功の鍵

    資料では、ニューノーマル時代で勝ち残るための成功の鍵も説明している。

    フォーカス

    企業の目的・存在意義にフォーカスし、文化、ブランド、バリューチェーンなどの持続可能性を統合。説得力のあるブランドストーリーを伝えることを意識する。

    優先順位の明確化

    サステイナブルな成長に向けた明確な優先順位を設定。サステイナビリティやコストなどの観点からサプライチェーンを再編成し、販売と生産の柔軟性・連動性を高めるとしている。

    徹底的な消費者分析

    消費者をより深く理解するために消費者分析への投資を提案。トレンドを早期に発見し、進化し続ける消費者中心の製品・サービスを提供することで、信頼を得ることができるとしている。

    D2Cシフト

    トラディショナルメディアとマーケティングに費やす予算をモバイルとソーシャルに移行。ブランドの認知度を維持し、消費者との直接的なつながりの強化を提案している。

    柔軟なEC基盤の構築

    業務の柔軟な拡張を含む、規模に対応して設定したEC基盤の構築が必要。たとえば、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store、店頭受け取り)、越境ECを自社のEC基盤にどのように取り込んでいくかなどをあげている。

    OMOトランスフォーメーション

    リアル店舗をデジタルの世界に変換、包括的に統合し、ソーシャル交流のための安全な空間を設定。ユニークで意味のあるブランド体験とショッピングプラットフォームを創造するとしている。

    石居 岳
    石居 岳

    メール返信に時間かかってませんか? 60分以内返信で顧客の心をワシ掴み!

    4 years 10ヶ月 ago
    レビューの数と評価の高さはアクセス数や転換率に直結し、売り上げ拡大にも寄与する。顧客の表情や声が分からないメールで、顧客満足度の高い対応を徹底するためのポイントとは? 6000社以上の支援実績から確立した要点を、ラクスの矢崎澪氏が実例を交えて解説する
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    メール共有・管理システム「メールディーラー」の累計導入社数が6000社以上の実績があるラクス。アクセス数や転換率の向上に直結する高品質な顧客対応を実現している通販・EC事業者の事例を踏まえ、顧客からの高評価につながるメール対応のポイントについて、FO事業本部MD事業部の矢崎澪氏が解説する。(写真◎Lab)

    新規顧客の獲得に高評価レビューが効果的

    新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言が発令された2020年4月以降、巣ごもり需要によるEC・通販の消費決済額が伸長しており、通販各社では既存顧客やリピーター以外の新規顧客の流入が増えている。今までは広告やセール企画を打ち出してもECサイトに流入してこなかった消費者も、ECに流入しやすくなっている状況ということだ。

    その中で、どのようにしてより多くの新規顧客を獲得していくべきか、「新規顧客がお店・商品を選ぶポイント」の調査データから読み解くと、大きく3つのポイントがあげられる。

    新規顧客がお店・商品を選ぶ3つのポイント

    1. 価格」価格・手数料の安さやコストパフォーマンス
    2. 商品」品ぞろえの充実度
    3. レビュー・口コミ」ほかの顧客からの評価

    しかし、すべての条件をそろえるにしても「価格」の安さばかり追求すると利益の減少やそれに伴う広告費の削減といった事態に陥る懸念があり、「商品」もアイテム数を増やすほど商品管理の課題が浮上してくる。

    一方で、「『レビュー・口コミ』は、評価を上げるために長期的な取り組みが必要となるものの、低いコストで高い効果を得ることができる」と、矢崎澪氏は主張する。

    ラクス メールディーラー 顧客対応  FOクラウド事業本部MD事業部の矢崎澪氏
    ラクス FOクラウド事業本部MD事業部の矢崎澪氏

    85%が初めて利用するネットショップのレビューを確認

    ある調査では、初めて利用するネットショップで商品・サービスを購入するときに、85%の消費者がレビューを「確認する」「確認することの方が多い」と回答している。

    ラクス メールディーラー 顧客対応 レビュー確認 商品購入時 口コミの参考有無
    レビューなど口コミの参考有無について(n=520)(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

    低評価レビューの店舗では約80%が購入を取りやめる

    さらに、レビュー評価が悪かった場合は80%近くの消費者が「購入を取りやめる」「購入を取りやめることが多い」と回答している。

    ラクス メールディーラー 顧客対応 レビュー確認 商品購入時  購入を取りやめる 口コミなどがよくなかった場合の購入について
    口コミなどがよくなかった場合の購入について(n=508)(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

    特にモールではレビューの多い順で絞り込める機能があるため、レビューの数自体がモール内のSEO施策としても効果を発揮する。

    ラクス メールディーラー 顧客対応  FOクラウド事業本部MD事業部の矢崎澪氏
    「高評価のレビューが増えるとアクセス数と転換率の向上に直結し、中長期的に見れば売り上げアップにもつながる重要な取り組みだ」と語る矢崎氏

    「顧客対応」では、何が評価されているか?

    過去の楽天市場のレビュー項目は、「品ぞろえ」「情報量」「決済方法」「スタッフの応対」「梱包」「配送」――の6つで構成されており、特にレビュー評価が4.8以上を超えるショップは「スタッフの応対」に関するレビューが多数を占めているという。

    “良い接客”がレビューを創出する

    接客の良さに対する口コミ発信の有無に関する調査では、「家族や友人・知人に直接話した」(53.8%)、「SNSやお店の口コミページなどに投稿した」(27.2%)という結果が出ていることから、“良い接客”がレビューを書いてもらいやすい状況を作り出していると言える。スタッフの応対や接客は、ブランディングやマーケティングの上で重要なポジションに位置しているということだ。

    ラクス メールディーラー 顧客対応 接客に関する調査 接客の善し悪しに対する口コミ発信の有無
    「接客に関する調査」接客の善し悪しに対する口コミ発信の有無(出典:クロス・マーケティング)

    高評価レビューにつながる顧客対応、4つのポイント

    では、顧客対応では、何が評価されているのか。レビュー総合評価4.8以上を超えるショップを参考に、レビューで高評価を得るための4つのポイントを挙げる。

    1. 対応のスピード
    2. 対応の品質(丁寧さ)
    3. 豊富な品ぞろえ
    4. 丁寧な梱包

    これらのポイントから、「モノ」だけでなく顧客対応や接客といった「コト」でレビュー評価を高められることがわかる。

    メール対応の「質」と「スピード」を両立するには?

    ECにおける顧客対応の中でも、今回はメールの顧客対応に特化してテクニックを紹介する。

    品質とスピードの評価ポイント

    顧客対応のメールでは、以下のような項目が「対応品質」として顧客から見られているという。

    • 適切な言葉遣いができているか
    • 応対に必要な知識を備えているか
    • 対応は正確か
    • 顧客との認識のすり合わせができているか など

    「対応スピード」はどの程度の時間を指すのかというと、消費者の60%超が「60分以内」であれば対応が早いと感じていることから、60分以内の対応が顧客の期待に応えられる対応スピードであると思われる

    よくあるトラブルから見た、失点を防ぎ得点を上げる方法

    顧客対応は人と人とのやり取りのためトラブルにつながりやすい業務だが、中でもよくあるトラブルについて下記に挙げる。

    ラクス メールディーラー 顧客対応 よくある顧客対応のトラブル事例
    よくある顧客対応のトラブル事例

    このようにクレームが発生したり、低評価のレビューが付いたりすると、そこへの対応に時間を要してしまい、ほかのメールの対応が遅れてしまうという悪循環に陥りかねない。こうした課題を解決するために、まずは「失点を減らす=顧客に悪い印象を与えない対応」の施策を実施し、さらに、高評価レビューにつなげるための「得点を上げる=顧客満足度を高める対応」を行っていかなければならない。

    顧客に悪い印象を与えない対応

    1. 対応漏れをなくす
      ⇒問い合わせメールの対応状況を管理し、メンバー全員で共有できるようにする。
    2. 対応速度を上げる
      ⇒「問い合わせに○○分以内に対応する」というルールを決め、ルールが守られているか適宜チェックする。先述の通り、理想の対応時間は60分以内だが、業務量の多い企業でも24時間以内などというように、状況に合わせたベストなルール設定が必要だ。
      利用しているメッセージ管理ツールなどに「自動返信機能」があれば、活用することを推奨している。人の手で迅速に回答ができない営業時間外や休業日に問い合わせがあった場合、音沙汰なしに待たせるストレスがクレームにつながりかねないため、自動で一次返信できる機能の活用は有効だという

    顧客満足度を高める対応

    1. 対応品質を高めるために顧客対応を標準化する
      ⇒よくある問い合わせは、テンプレートを作成して返信対応を標準化する。テンプレートは担当者全員で共有しておけば、ノウハウの偏りが防ぎやすくなるほか、対応スピードの向上にも効果を発揮する。
      また、社内マニュアルや蓄積したノウハウも、スプレッドシートやエクセルなどで随時更新しながら共有することで、属人化することなく顧客対応の品質が全体的に高められる。
    2. 特別感を演出する
      ⇒テンプレートだけの文面にせず、個別のメッセージを添えて顧客に特別感を与えることが好ましい

    実践で使えるメール作成のポイント

    顧客対応におけるメール作成のポイントについて、①差出人名、②件名、③本文、④フッター(署名)の、メールを構成する4つの要素に分けて紹介する。

    顧客対応におけるメール作成のポイント

    ① 差出人名

    誰から送信されたメールなのかが一目で分かるように、企業名、ブランド名、ショップの屋号など、顧客にとって最もわかりやすい名称にしておくべき。

    ② 件名

    どこから来たメールなのかが受信ボックスでも一目瞭然になるようにしておかなければいけない。返信の際に「Re:」の付いた件名でそのまま送信するより、「お問い合わせの件につきまして」などと記載すると、よりわかりやすく丁寧な印象となる。件名をそのままにしておくと、やり取りが続いた場合に「Re:」だけで件名が埋まってしまうケースも散見される。また、人が一瞬にして認識できる文字数は約13文字と言われているため、なるべく冒頭から13文字以内に伝えたい内容を記載することが重要だ。

    ③ 本文

    問い合わせをするということは、ショップに対して何らかの興味を示してくれている表れなので、まず、感謝の気持ちを一言入れるようにする。また、「サポート担当の○○です」というようにショップ側の担当者名を記載すると顧客との距離が縮まりやすくなる。メールは表情や声がうかがえないため、こうした細かな気遣いが顧客満足度に差を生むという。

    ④ フッター(署名)

    署名は自己PRの場と考え、企業(ショップ)名、住所、連絡先などの基本的な情報を漏れなく記載しなければいけない。当たり前だからこそ不備があれば顧客の目に付きやすいため注意が必要だ。また、顧客が電話で伝えたいと思ったときに電話番号がなければ検索する手間をかけてしまい、顧客満足度の低下や販売機会の損失につながりかねない。

    こうした一言や一手間でお客さまが喜び、口コミも投稿してくれる。SEOや広告よりコストパフォーマンスもよく、すぐに実践に移せる施策だ。(矢崎氏)

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    朝比美帆
    朝比美帆

    これでライバル企業が丸裸!? EC向け競合調査のすべて【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    4 years 10ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年1月18日〜24日のニュース
    ネッ担まとめ

    デジタル化が進んで競合が増えたネットショップも多いはず。そんな時は冷静に競合分析をしてみると自社の差別化ポイント見えてきますよ。

    競合をよく見れば差別化ポイントがわかる

    競合分析とは? メリットや調査方法、よくある失敗などEC向けの競合調査を紹介 | shopify
    https://www.shopify.jp/blog/competitive-analysis

    競合相手についてより具体的な側面をチェックしたい場合には、以下の内容を分析に取り入れることをお勧めします。
競合他社のウェブサイト機能(例:検索ツール、商品画像、デザイン、レイアウト等)
顧客体験(例:カード落ち戦略、カスタマーサポート、モバイル UX等)
SNS戦略 (例:使用中のSNSチャンネル、投稿頻度、エンゲージメント等)
コンテンツマーケティング戦略(例:ブログのトピック、コンテンツの種類等)
マーケティング戦略(例:プロモーションの種類、割引の実施頻度等)
Eメールマーケティング戦略(例:ニュースレター、プロモーションコード等)
顧客レビュー(例:商品についての口コミ、繰り返される苦情等)
    https://www.shopify.jp/blog/competitive-analysisから編集部でキャプチャ

    まとめると、

    • 競合調査を行うメリットは「しっかりした情報に基づいた意思決定ができる」「業界のトレンドを特定できる」「価格戦略の見極めができる」など
    • 「SimilarWeb」や「Mailcharts」などを使うと便利。あわせて競合のブログを読む、SNSをフォローする、実際に買うなどしてみる。7社~10社のデータをスプレッドシートにまとめる
    • 競合も動きが変わるので継続的な調査が必要だが、調査に時間をかけ過ぎたり、何となく分析したりするとうまくいかないので注意

    競合相手のデータをチェックする時は、ある一定時期に固執するのではなく、時間の経過とともに彼らがどのように成長してきたか、ということに注力してください。競合他社の戦略がどのように進化してきたかという情報は、ビジネスの初期段階(あるいは現時点)のみの情報よりも大いに参考になるはずです。

    競合調査についてとても詳しく書かれた記事です。競合調査と言うと検索順位や価格ばかり気になりますが、マーケティング戦略全般を見ておかないといけないですよね。上図にある項目は必須ともいえる項目なので継続的にチェックしておきましょう。競合を見すぎると差を感じでしまい動けなくなる時もありますので、ほどほどにして自社の立ち位置を考えるとうまくいくはずです。

    成功するには失敗を前向きにとらえること

    OL時代の副業からネットショップオーナーへ ゼロからECアパレルを成功に導いた、その秘訣とは | BASE U
    https://baseu.jp/18777

    まとめると、

    • OL時代に使わなくなった私物を販売していたが、売るものがなくなり仕入れ販売を始めた。仕入れ先はネット検索で開拓し、仕入れるたびに完売が続いた
    • 初めてオリジナル商品を発注したときは不良品だったためすべて手直しした。それ以降はサンプルを必ず作るようにしている
    • 成功したコツは「やってみたい!」と思ったときに即行動したこと。失敗も次の糧と捉え、成功できそうな別の方法を考えた

    一度うまくいかないことがあってもすぐにあきらめずに、「改善するためにはどうしたらいいんだろう?」と考えて、毎日すこしずつでもいいから前に進もうとする気持ちが大事です。

    そうすれば、成功する道筋がかならず見えてきます。

    また、「売れる」という感覚だけで商品を仕入れて売るのではなく、「自分の興味が持てる商品」を楽しんで販売する気持ちも大切だと思いますよ。

    ネットショップを始めるきっかけはいろいろありますが、ずっとうまくいき続けることは少ないです。失敗しながら前に進み続けることで軌道に乗ります。途中から「売上」が気になってきても自分が楽しんで販売することも重要です。売りに行ってしまうとその気持ちがユーザーに伝わってしまいますからね。困った時こそ原点を忘れずに。

    関連記事

    ファーストリテイリングのEC強化が進行中

    ユニクロの2021年9-11月期EC売上は48%増の367億円、ジーユー事業のECは約4割増 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8355

    ユニクロがスマホ決済「UNIQLO Pay」をアプリに搭載、ECサイト「ユニクロオンラインストア」でも展開予定 | ネットショップ担当者フォーラム

    https://netshop.impress.co.jp/node/8376
    ユニクロとジーユーがライブコマースをスタート、ECサイトとアプリで展開 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8373

    まとめると、

    • ファーストリテイリングの第1四半期連結業績によると、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前年同期比48.3%増の367億円、EC売上高の割合は14.5%
    • 1月19日から、ユニクロ店舗での買い物に利用できる「UNIQLO Pay(ユニクロペイ)」を開始した。銀行口座かクレジットカードを登録して利用する
    • ライブコマースも開始。ユニクロは「UNIQLO LIVE STATION」、ジーユーが「GU LIVE STATION」。メンズファッションバイヤーのMB氏などが登場

    ファーストリテイリングはECが順調に伸びていますね。その流れはさらに強化されるようです。「UNIQLO Pay」の購買データも商品開発や販促に活かすでしょうし、ライブコマースなどの新しい施策もどんどん試してくると思われます。競合調査の記事にあるような項目をチェックしておくとヒントがたくさん得られそうです。ライブコマースを見た限りでは、まだまだ改善が必要な感じでしたが……。

    EC全般

    ヤフオク!、「ネコポス」送料を実質0円に 3月31日まで | ITmedia NEWS
    https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2101/20/news121.html

    「例年よりもコロナ禍で在宅時間が長くなる中、新年度に向けた自宅の断捨離をサポートする」とのこと。

    緊急事態宣言の再発令の影響を受けお困りの方へ。hey、ネットショップ「STORES」で最大2ヶ月スタンダードプランを無償提供と開設サポートを開始。 | ヘイのプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000031375.html

    STORESは出店をサポート。

    Shopifyで飲食店のテイクアウト・デリバリーサイトを作る手順を完全公開 | いがた | note
    https://note.com/phiitakes/n/n19a32a34f10d

    完成イメージは見られませんが、手順は参考になります。店舗のオペレーションもあるのでじっくり取り組みましょう。

    簡単導入「自社アフィリエイト」アプリのご紹介【Affitch】 アプリ | shopify
    https://www.shopify.jp/blog/partner-app-tabipalette

    基本的には無料プランで問題ないというのが素晴らしい。

    2020年の振り返りと2021年の抱負 斜め上から目線 | うちる社長ブログ
    http://relux.hiho.jp/blog/houfu2020-2021/

    職場の整備、労務の整備、人員の整備の3つ。売れてくるとここから崩れやすいですからね。

    アマゾンジャパン、出品者発送の要件追加 7月から土日発送など求める | 日本ネット経済新聞
    https://netkeizai.com/articles/detail/2817

    7月15日以降に新要件が適用されるとのこと。半年間で対応できるかがポイントです。

    今週の名言

    たくさん失敗をして、たくさん新しい方法を探して、最後は必ず上手くやってきました。“大丈夫かな?”という道で一生懸命に目の前のことに全力で取り組んで学んだことがすごく多いんです

    「迷った時は険しい道を選べ」世界最高峰NHLを目指す大学生・三浦優希が続けるアウトプットと描く未来 | Number Web
    https://number.bunshun.jp/articles/-/846643

    成功する人の共通点は失敗を失敗にしないこと。

    森野 誠之
    森野 誠之

    ソーシャルコマースを活用する若年層消費者「90後」と「Z世代」がけん引する中国の新消費市場とは | 中国の最新買い物事情~トランスコスモスチャイナからの現地レポート~

    4 years 10ヶ月 ago
    ハイテク製品を使いこなし、SNSやECを活用する若年層消費者「90後」と「Z世代」は、消費意識の高さで中国の新消費市場をけん引しています

    「90後(1990年代生まれの中国人若年層)」と「Z世代(1995年~2009年の間に生まれた11才~25歳くらいの世代)」はさまざまな最新デバイスやIT機器を使いこなし、海外通販、タクシー配車アプリ、モバイル決済などを活用したライフスタイルを主導しています。彼らは独自の消費傾向で、中国の新消費市場を牽引しつつあります。

    高品質な消費生活を追求する「90後」と「Z世代」

    70後、80後世代は、買い物の際には実用性のある商品を重視し、有名な国際ブランドに対して愛着心や信頼感を抱いています。一方、90後とZ世代の若い消費者は物が豊かな時代に育ったため親世代と消費の価値観が異なります

    90後、特にZ世代は消費行動がより主観的で、個人のニーズと好みが非常に明確です。79%のZ世代がブランドではなく質を優先して商品を購入しており、商品とサービスの品質を考えた消費をしています

    「90後」と「Z世代」は新興ブランドの有力な消費層

    中国の新興ブランドにとって、90後とZ世代は有力な消費層です。2017年に創立されたコスメブランド「完美日記(Perfect Daily)」は設立から3年ほどの若手ブランドですが、2,684億元(1元=15.45円換算で約4兆1467億円)を達成した2019年のW11(ダブルイレブン)では、欧米ブランドを抑えて化粧品部門で首位を獲得しました。実際、消費の主力となったのは高い購買力を持つ90後とZ世代でした。

    ここ数年、「完美日記(Perfect Daily)」はSNSでマーケティングを行っています。コミュニティ機能を持つECアプリ「小紅書(RED)」では168万人のフォロワーを有し、その主な年齢層は18~28歳の若者です。また、「完美日記」を運営するのは、80%以上が90年以降に生まれた「90後」の社員です。

    国内ブランドに限らず、国際ブランドも次々と90後・Z世代に向けたマーケティングを開始しています。コスメブランド「OLAY」は若年層へのマーケティングにより、90後とZ世代の若い顧客が47%を占めるようになりました。

    高い消費意欲を持つ若年層消費者の規模が拡大

    90後とZ世代は高い消費意欲を持っています。「Tmall」は5.5億人の消費者を8つのグループに分類しました。Z世代と三四線都市(※省都ではないが、各省レベルで主要な役割を持つ都市。北京・上海・広州・深センの4都市が一線都市。杭州、南京などは各省や自治区の省都、それに準じる都市を意味する一・五線都市)に居住している若年層消費者(90後を中心とした18歳から30歳くらいまでの消費者)の「Tmall」における増加率が10~20%に達し、特にZ世代消費者の増加率は約20%に達しました。

    トランスコスモスチャイナ 90後 Z世代 Tmall全業界における消費者構成比率&増加率
    「Tnall」全業界における消費者の構成比率・増加率(画像はtranscosmos China 作成)

    また、Z世代と三四線都市に居住している若年層に関し、2017年は「タオバオモール」以外のコンテンツチャネルの利用頻度は7%でしたが、2019年は17%に伸長しました。若年層の消費者規模は急速に拡大し続けており、潜在的な消費力が大きいと考えられます。

    アクセンチュアが発表した「グローバル95後消費者調査 中国洞察」によると、64%の90後は「ECサイトで商品コメントを掲載した経験がある」と回答しています。この結果から、EC企業にとって、口コミの活用が非常に重要であることがわかります。

    また、90後とZ世代は強い購買力によって「ファン経済」を支える消費層となっています。アイドルをイメージキャラクターに起用したブランドの商品を購入することは、若い世代の特徴的な購買行動です。また、給料が入ったらクレジットサービス「花唄(ファベイ)」に入金して、すぐに返済するような行為もよく見られます。90後の60%がクレジットで商品を購入していると言われています。

    「90後」と「Z世代」はECとSNSが融合したソーシャルコマースを好む

    70後と80後では、「WeChat(ウィーチャット)」や「weibo(ウェイボー)」、「QQ」のSNSプラットフォームが広く愛用されますが、90後とZ世代は「TikTok」や「快手(クアイショウ)」などのショートムービーアプリ・SNSでネットショッピングをする傾向があります。特にZ世代は、さまざまなチャネルを通じて「買物」を「SNS」につなげることが一般的で、家族、同僚、友達と商品情報を共有して、衝動買いをする可能性が高いです。

    90後とZ世代は第三者に商品を紹介してもらうことで、購買意欲を沸かせる「草(ジョンツァオ)」という行動を頻繁に行っており、他の消費者へ商品を宣伝する能力も高いのです。ブランドは若い消費者の特性に基づいた1to1マーケティングを実施する必要があるでしょう。

    トランスコスモスチャイナ 90後 Z世代
    三四線都市に住む若年層とZ世代についての統計データ(画像はtranscosmos China 作成)

    統計データによると、三四線都市に住んでいる青年とZ世代の半数以上は、モール内SNSの「微淘(ウェイタオ)」や「タオバオモール」内のコンテンツチャネルの1つ「有好貨(ヨウハオホア)」を使用した経験があるといいます。また、70%超が「小紅書(RED)」「TikTok」「快手」で商品情報を検索したことがあり、85%以上がインフルエンサーや芸能人が愛用する商品に関心を持っています。若い消費者たちはKOLの背景や由来を気にせず、役立つ情報であれば、そのアドバイスを受けておすすめの商品をピックアップしているのです。

    「90後」と「Z世代」が「ものぐさ経済」の発展を後押し

    90後とZ世代消費者は、「横になったまま生活し、どこでも快適な状態を維持したい」と考えているため、中国の「ものぐさ経済」の発展を後押ししています。「ものぐさ経済」は「手間を省く」という考えから始まっており、インターネットの急成長によって、若年層が簡単・快適な生活を送れるようになったことで「ものぐさ経済」が生まれました。

    特にここ数年で、モバイルインターネットの発展、コミュニティや飲食、旅行などのO2O、ネットショッピング、デリバリー、リアルタイム配達などのサービスが次々と誕生し、「ナマケモノ」(中国語で懶人、ランレン)と呼ばれる人たちは、家から出なくても個人の生活ニーズが満たされるようになっています

    「ナマケモノ」の90後・Aさんの1日を紹介します。Aさんは朝遅く起きたので、タクシー配車アプリ「 DiDi(ディディ)」を使ってタクシーを呼び、出社しました。出社後、朝食を食べていなかった彼女はデリバリーサービスアプリ「Eleme」を使って、朝食を注文しました。1日の仕事が終わり、Aさんは家に帰る前に「盒馬(フーマー)」アプリを使って野菜、果物、卵などを注文。そうすると、家に着くと同時に新鮮な果物や野菜が家に届きました。

    2018年にタオバオが発表した「ナマケモノ消費データ」によると、中国人は2018年にナマケモノ経済行動で160億元(1元=15.7円で換算すると約2512億円)を費やし、前年比70%増となりました。95後の消費は、82%増で急成長しています。

    ◇◇◇

    90後とZ世代は中国消費市場の中心となってきています。ブランドや企業は90後・Z世代の消費ニーズを把握し、マーケティング戦略を立てることが非常に重要です。若い世代の心をつかめるかどうかは、各企業の取り組み次第でしょう。

    海外向けECビジネスを実施・検討中企業は必見! 30か国のECデータをまとめた『海外ECハンドブック2020』

    インプレスでは海外EC市場への進出を検討、進出済み企業などに向けて、世界30の国・地域のECデータを1冊の書籍にまとめた『海外ECハンドブック2020』(著者はトランスコスモス)を発刊。「世界のEC市場規模予測」「地域別EC市場データ」「越境EC市場規模およびEC利用者の推移」「EC市場データランキング」などを詳しくまとめています。

    『海外ECハンドブック』は、グローバルECにおいて豊富な経験を持つトランスコスモスが、世界30の国と地域におけるECの現状と将来展望について、最新データを集約・整理した一冊
    『海外ECハンドブック』は、グローバルECにおいて豊富な経験を持つトランスコスモスが、世界30の国と地域におけるECの現状と将来展望について、最新データを集約・整理した一冊

    [主要30の国・地域のEC市場概況]

    • 世界のEC市場規模予測
    • 地域別EC市場データ
    • 30の国・地域のEC市場ポテンシャル
    • 越境EC市場規模およびEC利用者の推移
    • 越境ECの地域別利用状況
    • アジア10都市EC利用動向調査
    • EC市場データランキング(TOP10)
    • 各国のEC市場環境比較表2019年
      などを掲載。アジア太平洋、北米、中南米、欧州、中東・アフリカなど、主要30の国・地域について、各国のEC市場環境比較表などを掲載しています。
      https://www.amazon.co.jp/dp/4295010766/
    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)
    姚俊杰(Galen Yao)
    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China), 姚俊杰(Galen Yao)
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