ネットショップ担当者フォーラム

オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」の登録クリエイター数が50万人突破

4 years 3ヶ月 ago

GMOペバボが運営するオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」の登録クリエイター数が2021年7月29日で50万人を突破した。

「SUZURI」は2014年4月のサービス開始以降、登録クリエイター数が伸長。特に2020年以降の伸びが顕著で、新型コロナの影響で気軽にEC事業をスタートできる「SUZURI」を選択するクリエイターのニーズ増加が背景にあるという。

SUZURI GMOペパボ 登録クリエイター数の推移
「SUZURI」登録クリエイター数の推移

「SUZURI」では6つのカテゴリー、47種類のアイテムを作成できる。2021年7月29日時点で販売しているアイテム数は970万点以上。

SUZURI GMOペパボ グッズ作成数の推移
「SUZURI」グッズ作成数の推移

カテゴリー別にグッズ作成数を見ると、ファッションカテゴリーが最も多く全体の40%以上を占める。作成数の多いアイテムは「Tシャツ」が最多で96万点以上、次いでトートバッグ、スマホケース。

SUZURI GMOペパボ カテゴリー別のグッズ作成数 作成数の多いアイテムランキング
カテゴリー別のグッズ作成数(左)と作成数の多いアイテムランキング(右)

「SUZURI」とは?

「SUZURI」はパソコンやスマートフォンからイラストや写真をアップロードするだけで簡単にオリジナルグッズの作成、販売が行えるサービス。1個から受注販売が可能で、販売価格を自分で設定できる。サービス利用料や販売手数料は無料。

SUZURI GMOペパボ サービス概要
「SUZURI」のサービス概要。イラストレーターやアーティスト、学生、企業など幅広いジャンルのユーザーが利用しているという(画像は「SUZURI」サイトからキャプチャ)

トンボ鉛筆の商品「PiT」50周年限定ショップ、狩野英孝さんの公式YouTubeチャンネル「EIKO!GO!!」のグッズショップなどのコラボも実施している。

SUZURI GMOペパボ 狩野英孝さん公式YouTubeチャンネル「EIKO!GO!!」のグッズショップ
狩野英孝さんの公式YouTubeチャンネル「EIKO!GO!!」のグッズショップ(画像は「SUZURI」サイトからキャプチャ)

また、サービスの提供だけでなく、クリエイターとの共同イベントの企画や、新型コロナウイルスの影響を受けたクリエイターの支援、デザイン系専門学校への授業協力なども行っている。

藤田遥
藤田遥

DX人材はどう育てる? アスクルが始めた人材育成の独自研修プログラム「ASKUL DX ACADEMY」とは

4 years 3ヶ月 ago

アスクルはDX(デジタルトランスフォーメーション)型組織への変革をめざし、社内のDX人材育成強化の一環として独自の研修プログラム「ASKUL DX ACADEMY(アスクルDXアカデミー」を9月1日に開校した。

「アスクルDXアカデミー」は、データやテクノロジーを使いこなせる人材を育成するカリキュラムで、理数教育に創造性教育を加えた教育理念であるSTEAMモデルをフレームワークとして採用するDX人材育成のための研修プログラム。

アスクルの独自の研修プログラム「ASKUL DX ACADEMY(アスクルDXアカデミー」
「ASKUL DX ACADEMY(アスクルDXアカデミー」の構成

DX人材の育成強化に伴い、人材採用を進める人事部門とDX戦略を進めるテクノロジー部門が連携して開校した。

全社員向けに5プログラム、データサイエンティストやエンジニアなど向けに6プログラムで構成。データドリブンやテクノロジードリブンに精通している人はもちろん、データやテクノロジーに苦手意識がある社員でも基礎から学習し成長できる内容で、体系立てて学ぶことができるという。

アスクルの独自の研修プログラム「ASKUL DX ACADEMY(アスクルDXアカデミー」
データサイエンティストやエンジニアなど向けプログラム
アスクルの独自の研修プログラム「ASKUL DX ACADEMY(アスクルDXアカデミー」
全社員向けのプログラム

社内公募および推薦で選ばれた社員が、約半年間にわたって受講する。受講者は中級レベルをめざして学習を進め、さらなるステップアップが図れるよう講師が育成カリキュラムでサポートし、アスクル人材のDX力を底上げしていく。

研修開始から3年でDX人材(中級レベル以上)の構成比をクリティカル・マスの16%以上に高めることを目標とする。自発的にDXに関するアイデアを創出できる社員が増えることで企業風土がDX型組織に変革、アスクルのビジネストランスフォーメーションが推進すると期待している。

アスクルDXアカデミー概要

  • 開校日:2021年9月1日
  • 対象者:アスクルの従業員(グループ会社は除く)
    • 全社員向け→カリキュラムにより、オープン抽選、上長と相談し指名、選考などを組み合わせて実施
    • データサイエンティストやエンジニア等向け→指名+選考
  • 受講者目標:3年以内に全社員の16%以上(約150人)
  • 制度:修了者認定制度、CPE制度(2年更新)
  • 講師:アスクルの従業員を基本とし、DXセミナーは外部講師を招聘
  • 学長:執行役員 CDXO テクノロジスティクス本部長 宮澤典友氏
  • 副学長:執行役員 CHO 人事総務本部長 秋岡洋平氏
石居 岳
石居 岳

激戦区! 健康食品・化粧品ジャンルのECサイト100の表示スピードと「コアウェブバイタル」対応調査 | 勝手にスピードテスト Powered by SpeedCurve

4 years 3ヶ月 ago
『通販新聞』が発表した「19年度健康食品通販売上高ランキング」「19年度化粧品通販売上高ランキング」それぞれに掲載されている上位50サイト、合計100サイトのUXと「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」対応を調査

健康食品・化粧品のECサイトのカテゴリーは、商品説明のための写真が多く、イメージカットなども必要なため、表示スピードが気になるカテゴリーです。また、広告などからランディングページ(LP)に誘導するマーケティング手法がよく採用されています。効率を追求する健康食品・化粧品カテゴリーのスピードとユーザーエクスペリエンス(UX)を調査しました。

健康食品・化粧品ECサイトの表示スピード・UXを調査

調査対象は『通販新聞』が発表した「19年度健康食品通販売上高ランキング」「19年度化粧品通販売上高ランキング」それぞれに掲載されている上位50サイト、合計100サイトです(詳細は調査概要を参照)。

計測対象ページは、①ECサイトのトップページ ②商品のLP(ECの導線となるLP、キャンペーンページ)が混在する傾向があるため、双方合算の平均値で比較しました。

勝手にスピードテスト SpeedCurve ドーモ Web表示スピード研究会 健康食品・化粧品カテゴリーの調査 平均値を算出
計測数値は、ECサイトへの誘導導線が多いECサイトのトップページ、LP、ECサイト内のキャンペーンページの平均値で算出しています

健康食品ECのSpeed Index1位は「野草酵素」

「健康食品通販売上高TOP50」のSpeedIndexランキング

速度順位 サイト名 ランク Speed
Index
(秒)
LCP
(秒)
TBT(ミリ秒)(※注①) CLS
1 野草酵素公式ショッピングサイト S 1.11 1.29 0 0.00
2 エバーライフ公式 通販サイト S 1.41 1.38 432 0.21
3 アサヒカルピスウェルネスショップ S 1.46 1.69 742 0.00
4 愛しとーと S 1.68 1.76 49 0.03
5 clavis S 1.83 2.13 371 0.00
6 LIONウェルネスダイレクト S 1.99 2.25 1023 0.20
7 金氏嵩麗人参 S 2.01 2.21 126 0.59
8 味の素ダイレクト S 2.21 1.38 402 0.00
9 サントリーウエルネスOnline S 2.21 2.75 1619 0.36
10 タマゴ基地オンラインショップ S 2.25 1.85 0 0.27
11 健康の杜 S 2.34 4.66 22 0.10
12 さくらの森 S 2.40 2.73 169 0.00
13 FANCL ONLINE S 2.49 2.92 336 0.03
14 サンスターオンラインショップ A 2.56 3.25 170 0.31
15 協和発酵バイオ健康食品オンラインショッピング A 2.66 1.46 846 0.16
16 健康家族公式通販サイト A 2.74 2.90 104 0.04
17 九州アスリート食品 A 2.93 3.29 98 0.00
18 えがお公式通販 A 2.97 3.15 277 0.01
19 テレビショッピングのやわた A 3.48 4.10 9 0.06
20 やずや公式ホームページ A 3.48 2.77 573 0.04
21 QVCジャパン A 3.60 3.31 673 0.18
22 TeaLife A 3.81 4.34 193 0.36
23 富山常備薬グループ A 3.96 2.44 544 0.11
24 小林製薬の通信販売 A 4.07 2.77 185 0.08
25 アサヒ緑健 A 4.20 2.21 140 0.52
26 FABIUS A 4.29 4.33 200 0.01
27 森下仁丹 本店 A 4.29 2.38 209 0.19
28 ユーグレナ公式通販 A 4.35 2.50 353 0.00
29 山田養蜂場 A 4.38 2.83 2333 0.86
30 fracora B 4.51 7.35 618 0.04
31 森永製菓オンラインショップ B 4.88 4.21 71 0.67
32 わかさ生活ランド B 4.94 4.52 336 0.00
33 ハーブ健康本舗のショッピングサイト B 4.98 2.61 324 0.44
34 マイケア B 5.08 3.52 351 0.67
35 orkis B 5.08 5.65 950 1.43
36 酵水素328選 B 5.08 4.53 2135 0.43
37 DHCオンラインショップ B 5.19 4.12 532 0.88
38 カゴメの通販 B 5.21 2.47 1281 0.31
39 富士フィルムヘルスケアサイト B 5.37 2.20 870 0.00
40 大正製薬ダイレクト B 5.49 6.07 507 0.20
41 ベルタ公式ショップ B 5.70 8.79 238 0.00
42 ニコリオオンラインショップ B 6.05 3.84 34 0.19
43 キューサイ公式ショッピングサイト B 6.09 4.85 675 1.19
44 DMJえがお生活 B 6.20 8.12 48 0.53
45 ORBIS B 6.69 2.81 3298 0.90
46 通販のはぴねすくらぶオンラインショップ B 7.53 6.63 144 1.64
47 万田発酵 Z 10.66 4.78 230 0.66
48 ていねい通販 Z 17.11 2.83 345 0.50
49 BIZENTO Z 25.21 3.61 433 0.73
ランク付けについて

「健康食品通販売上高TOP50」のSpeed Indexランクは、下記のヒストグラムに基づいて分類しています。

勝手にスピードテスト SpeedCurve ドーモ Web表示スピード研究会 健康食品通販売上TOP50のSpeedIndex
ランク レンジ
S 2.49秒以下
A 2.50秒以上~4.49秒まで
B 4.50秒以上~7.99秒まで
Z 8.00秒以上

健康食品におけるSpeed Index1位は、「野草酵素」の公式ECサイトでした。Speed Indexでは、驚異の1.11秒を達成しています。また「コアウェブバイタル」指標のLCPでも1.29秒と、ほぼ同等の数字で、ページの表示スピードが最適化されています

一方で、Webページをユーザーが実際にクリック・操作できるタイミングを図るFIDの指標はどうでしょうか?

今回の場合、代替指標となる TBT(Total Blocking Time)の数値は0ミリ秒でした。またWebページのレイアウトのズレ、表示の安定を測るCLSは0ポイントと、LPからECページまでの流れにおいて、表示遅延のストレスがほぼありません。素晴らしい顧客体験を実現していると言えるでしょう。

化粧品通販1位は「北の快適工房」

化粧品通販売上高TOP50のSpeedIndexランキング

速度順位 サイト名 ランク Speed
Index
(秒)
LCP
(秒)
TBT
(ミリ秒)
(※注①)
CLS
1 北の快適工房 S 1.69 3.04 238 0.11
2 imani S 1.91 1.50 42 0.00
3 サントリーウエルネス Online S 1.91 1.94 1767 0.36
4 ポリピュアEX公式通販 S 1.96 1.71 2356 0.00
5 アットコスメ S 2.20 2.17 409 0.08
6 メディプラス公式オンラインショップ S 2.22 2.18 133 0.19
7 FANCL ONLINE S 2.29 2.48 308 0.03
8 FKオンラインストア S 2.43 2.72 520 0.45
9 ワタシプラス by SHISEIDO S 2.48 1.77 515 0.13
10 悠香 S 2.57 1.86 85 0.30
11 サンスターオンラインショップ S 2.65 3.49 204 0.31
12 N organic S 2.91 2.05 90 0.19
13 ヴァーナル公式 S 2.96 1.93 514 0.39
14 RICE FORCE A 3.23 3.28 143 0.21
15 DECENCIA A 3.25 4.58 250 0.00
16 アスカコーポレーション A 3.31 3.81 107 0.27
17 8時よ!通販生活 A 3.60 3.63 728 0.00
18 ETVOS A 3.84 2.02 1753 0.51
19 新日本製薬オンラインショップ A 3.89 4.76 455 0.09
20 OZIO公式 A 3.90 2.04 427 0.28
21 マナラ化粧品 A 4.11 4.26 107 0.00
22 FABIUS A 4.18 4.05 338 0.00
23 ドモホルンリンクル A 4.19 4.97 199 0.13
24 ユーグレナ公式通販 A 4.43 3.78 124 0.00
25 ドクターシーラボオンラインショップ A 4.65 4.52 1298 0.58
26 メビウス製薬 ONLINE SHOP A 4.85 3.47 498 0.08
27 銀座ステファニー公式オンラインショップ A 4.95 3.29 442 0.15
28 ウェルベストの通信販売 B 5.00 5.13 584 0.45
29 fracora B 5.03 7.16 644 0.15
30 DHC オンラインショップ B 5.04 4.04 778 0.86
31 マキアレイベル公式サイト B 5.06 4.40 818 0.09
32 haru オンラインショップ B 5.24 5.81 343 0.08
33 プロアクティブ B 5.29 2.20 276 0.28
34 江原道 B 5.29 2.84 883 0.99
35 日本盛オンラインショップ B 5.37 3.00 394 0.71
36 山田養蜂場 B 5.38 3.98 2699 0.03
37 富士フィルムヘルスケアサイト B 5.46 4.48 1299 0.00
38 MIRAI B 5.78 2.98 280 1.75
39 通販のはぴねすくらぶオンラインショップ B 5.83 5.69 185 0.78
40 HABA online shop B 6.18 3.68 338 0.47
41 キューサイ公式ショッピングサイト B 6.23 4.42 580 0.65
42 ORBIS B 6.68 2.75 3255 0.88
43 Maison KOSE B 8.31 5.34 741 0.23
44 タカミ公式サイト B 8.98 7.12 1009 0.00
45 アンファースカルプD公式通販 Z 10.48 7.50 1129 0.56
46 ナチュラルガーデン本店 Z 10.56 5.57 244 0.13
47 BOTANISTオフィシャルサイト Z 12.61 5.51 2045 0.04
48 ビタブリッドジャパン Z 14.18 2.63 1783 0.23
49 CHAP UP Z 29.82 2.97 2837 0.18
ランク付けについて

「化粧品通販売上高TOP50」のSpeed Indexランクは、下記のヒストグラムに基づいて分類しています。

勝手にスピードテスト SpeedCurve ドーモ Web表示スピード研究会 化粧品通販売上TOP50のSpeedIndex
ランク レンジ
S 2.99秒以下
A 3.00秒以上~4.99秒まで
B 5.00秒以上~8.99秒まで
Z 9.00秒以上

1位の「北の快適工房」はSpeed Index 1.69秒と相対的に表示スピードは速いのですが、LCPが3.04秒となっており、Speed IndexとLCPで1.35秒の差が出ていました。メイン画像、コンテンツの表示では、改善・チューニングの余地があるように見えます

わかりやすくするために1位と2位の結果を整理しました。

勝手にスピードテスト SpeedCurve ドーモ Web表示スピード研究会 化粧品カテゴリー1位と2位の結果
化粧品カテゴリー1位と2位の結果

Speed Indexは「北の快適工房」の方が速いものの、コアウェブバイタルを含めると、2位のimaniの方が「メインコンテンツ画像を速く表示、画面のズレなくユーザが最短で操作できる」という点で、顧客体験が優れているように見えます。

調査について2つのポイント

1.独自のランキング指標を追加

指標としては、Speed Index(スピードインデックス)を用いて、Web表示スピード研究会独自でランキング化しました。ヒストグラムを元に、S/A/B/Zという目安となるランク付けを行うことで、相対的なポジション判断が取りやすくなります。

2.「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」のおさらい

Googleが発表している「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」の指標については、以下の3つの要素を元に、総合的に組み合わせてUXの良し悪しを判断するように構成されています。

  • Largest Contentful Paint (LCP)ページ表示速度を測る指標
  • First Input Delay (FID):ユーザー応答性を測定する指標
  • Cumulative Layout Shift (CLS)視覚安定性を測定する指標
勝手にスピードテスト SpeedCurve ドーモ Web表示スピード研究会 コアウェブバイタル
「コアウェブバイタル」の指標

この3つの指標に関する捉え方については「2021年EC売上TOP200サイトのCoreWebVitalsデータ完全版公開!」で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

健康食品/化粧品のサイトには改善の余地あり

今回の調査では、コアウェブバイタルのすべての指標でGreen(良好)を達成しているのは、49サイト中わずか1サイトしかありませんでした

以前、Web表示スピード研究会がEC売上トップ200サイトを調査した際は、上位50サイト中13サイトが全指標Green(良好)を達成していました。計測時期は2か月ほどずれていますが、「コアウェブバイタル」対策のコンディションには、大きな差があることがわかります。

EC売上トップ200に比べて、健康食品と化粧品通販のECサイトには改善の余地が多くありそうです。このカテゴリーでは「画像は綺麗に、リッチに見せたい」という思いが強い傾向にあり、つい長大なサイトになりがちです。

逆にいえば、「コアウェブバイタル」対策を行えば、「顧客体験を大幅に改善すること」と、大きな「売り上げ向上の可能性がある」と言えるでしょう。

※今回の記事で掲載している計測データの完全版をこちらで公開しています。

同カテゴリー内の優劣がSEOランクに影響する。自社サイトのポジションはどこ?

今回、初の試みとして、SpeedIndexに基づいたS~Zまでの表示スピードの格付けを実施しました。この格付けの目的は、同じ業種、WebサイトカテゴリーのWeb表示スピードをベンチマークし、Sランクのサイトを参考にして、Webサイトの改善方針、指針の検討に役立つように情報を整理して掲載しています。

「コアウェブバイタル」の影響は同じカテゴリーの優劣により影響が出るとされ、すでにいくつか報告が上がってきています。特に激戦区といわれるテレビショッピングやクルマ販売などでは、ランク変化が起こり始めています。

「コアウェブバイタル」は、「より優れたページエクスペリエンス、顧客体験を評価し、改善をめざす」という指標です。今まで以上に意識して計測、課題対策を進める必要があります。この対策を行うためには、常に計測モニタリングをしつつ、各指標をチェックすることが大切です。

この調査について

本記事のCoreWebVitalsの基準値は、Googleの「ウェブに関する主な指標レポート低速なサイトを修正してユーザー エクスペリエンスを改善する」に準拠しています。

  Good
(良好)
Needs
Improvement
(要改善)
Poor
(不良・低速)
LCP 2.5 秒以下 4 秒以下 4 秒を超える
TBT(※FIDの代替) 300ミリ秒以下 600ミリ秒以下 600ミリ秒を超える
CLS 0.1 以下 0.25 以下 0.25 を超える

※注① TBT(FIDの代替指標)について

本計測は、計測ツールSpeedCurveの Synthetic計測サービスを利用しております。FIDはWebサイトに訪れたユーザーリアルデータに基づく統計指標であり、仕様上精緻な計測が難しいため、FID代替え指標の TBT(Total Blocking Time)で計測、集計しています。

従来の多くの計測ではアイドルタイムと呼ばれる、購入客が少ない午後の時間に計測されることが多く、朝、昼、夜のピークタイムや、土日の計測がほとんどされていません。例えば、メルマガやLINEなどでキャンペーン情報を送った時にサイトがどんな状態になるのかを、ほとんどのEC事業者が知らないのが現状です。

今回の調査では、売れている時間帯のコンディションを把握するために、12:30、18:30、22:30の1日3回、比較的高負荷の時間で実施しました。

本記事、計測データの指標について

Speed Index」……Googleが発表したパフォーマンス指標。ブラウジング開始後、経過時間あたりのファーストビューが何秒で表示されるかを総合的に算出したもの。本計測、分析を行っているWeb表示スピード研究会では最低目標値 4秒台、推奨値4秒以下を推奨しています。

参考UR:(Web表示スピード研究会)SpeedIndexの基本合格基準、5秒から4秒の引き上げを決定!!

誤差や数値の違いについて

今回の計測は、12:30、18:30、22:30の1日3回という、ECサイトにおいて比較的高負荷とされている時間帯に行いました。従来の計測結果と乖離があるとすれば、この時間滞とアイドルタイムの違いが一番の違いとなります。

調査概要

調査期間:2021年3月1日(月)12:30〜2021年3月15日(月)12:30までの14日間

調査対象:調査対象のサイトは下記を参考としています。

  • 『通販新聞』(2020年11月12日)「19年度健康食品通販売上高ランキング」
  • 『通販新聞』(2021年1月21日)「19年度化粧品通販売上高ランキング」

調査範囲:1サイトにつき①ECトップページ ②ECランディングページ(LP、キャンペーンページ)の2つのURL(計測したのは①50URL ②50URLの計100URL)。当該サイトURLは、検索エンジンによる検索結果から移動できるURLを用いました。①ECトップページ ②ECランディングページ、それぞれの中央値(median)を平均したものをサイトの代表値としています。

<健康食品通販売上TOP50>

健康食品通販売上TOP50サイトの内、外部から正常計測が確認出来た49サイトを本計測、分析の対象としています

  • LPもしくは、キャンペーンページのEC導線ページを計測対象としています
  • 株式会社ビーボは、2020年12月1日よりから分社化した「株式会社ベルタ」が運営となっている
  • FABIUS(ファビウス)は、ECサイトに該当するページがないため、①は企業ページ内の商品ページを対象として計測
  • 八幡物産のECサイトはスマートフォン対応なし
  • 「世田谷自然食品」はサイト仕様で外部からの定点計測不可のため、対象外

<化粧品通販売上TOP50>

化粧品通販売上TOP50サイトの内、外部から正常計測が確認出来た49サイトを本計測、分析の対象としています

  • LPもしくは、キャンペーンページのEC導線ページを計測対象としています
  • FABIUS(ファビウス)は、ECサイトに該当するページがないため、①は企業ページ内の商品ページを対象として計測
  • ロクシタンは計測できず、プレミアムアンチエイジングは計測中に対象商品ページの提供が終了しているため計測対象外

計測時間:12:30、18:30、22:30の1日3回

測定プロファイル:Apple iPhone X(4G LTE)

1回当たりの計測数:3 checks

計測回数:健康食品通販売上TOP50、化粧品通販売上TOP50のそれぞれ100URL × 1日3回 × 3checks × 1デバイス × 14日間 = 12,600回計測

エミュレート回線品質(4G):ダウンロード 11.7Mbps/アップロード 11.7Mbps/レイテンシー 70ms

サイト調査実施:監修/占部雅一(ドーモ) レポート/種村和豊(Web表示スピード研究会)調査解析/村岡温子、畑山慎治

種村 和豊
種村 和豊

「なりすまし注文」「取り込み詐欺」「転売目的の注文」などECサイトを襲う不正注文の手口や対応方法を解説! | 今日から試せるネットショップ運営ノウハウ powered by カラーミーショップ

4 years 3ヶ月 ago
売り上げに大きな影響を与える不正注文は、ECサイト運営者にとって避けて通れない問題の1つです。狙われやすい商材や手口、事例、対応策について解説します

近年、ネットショップの開設、売上規模やユーザー数が増加するとともに注目されているのが「不正注文」です。売り上げに大きな被害を与える不正注文は、ネットショップ運営者にとって避けては通れない問題の1つでしょう。

よむよむカラーミー ツクルくん ツクルくん

ネットショップの不正注文ってよく聞くけど、具体的に何が起きるの? どうすれば対策できるんだろう。

よむよむカラーミー カラミちゃん カラミちゃん

そこでこの記事では、不正注文の事例や手口、対策方法について解説していきます!

ネットショップを困らせる不正注文とは? 被害額や狙われやすいジャンルも合わせて解説!

ネットショップにおける不正注文とは、第三者が他者の個人情報を使用して商品やサービスを購入することです。また、転売目的の大量注文やいたずら目的での注文、料金を支払わずに商品を手に入れるケースも不正注文と呼ばれる場合があります。

そんな不正注文はクレジットカードや代引きなど、さまざまな決済手段で起こります。なかでもクレジットカード決済は、紛失や情報の流出による不正注文が多発しています。ネットショップ事業者は、自分が被害者と加害者、両方の立場になる可能性があることを認識し、注意深く対策することが求められます。

2020年(1月~9月)のクレジットカードでの不正利用の被害額は178.5億円に

日本クレジット協会の調査によると、2020年(1月~9月)のクレジットカードでの不正利用の被害額は178.5億円に上るとされ、2019年の同期間比の205億円と比較すると13%減少していますが、依然として見過ごせない数値となっています。被害額がもっとも多いのは番号盗用被害です。ECサイト事業者は情報が流出しないための対策をすることが必要です。

期間 合計 偽造カード被害額 番号盗用被害額 その他不正利用被害額
2019年1月~ 9月 205億円 13.3億円 167億円 24.7億円
2020年1月~ 9月 178.5億円 6.7億円 156.5億円 15.3億円
引用:一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の集計結果について

不正注文は大手のECサイトだけでなく、個人運営のネットショップでも発生しています。ネットショップ・ECサイト運営者にとって不正注文は身近な存在になりつつあります。事業者は対策を講じることが大切です。

不正注文されやすい商材やジャンルとは?

不正利用は、入手後すぐに売却できる人気商品が狙われやすいです。特に不正注文されやすいのは、以下のようなジャンルや商材になります。

  • ブランド品
  • 家電製品
  • AV機器
  • PC・周辺機器
  • チケット
  • ゲーム機器

このような換金性の高い商品を狙った不正注文の被害が多く見受けられます。

さらに最近は、ネットオークションでニーズがある健康食品やコスメといった低価格な商品にも被害が多発しています。

同じ購入者が高額商品を複数回購入する場合や大量注文があった場合は、身分証明書などの提出をお願いしましょう。

ネットショップで起こる不正注文の主な種類やケースは?

ネットショップで多発している不正注文の種類やケースとして挙げられるのは、以下の3つになります。

  • クレジットカードの不正利用による「なりすまし注文
  • 後払い決済を利用した「取り込み詐欺
  • 代金引換を使った「転売目的の注文」や「いたずら注文

クレジットカードの不正利用による「なりすまし注文」

もっとも多い不正注文として知られるのが、クレジットカート決済を利用したなりすましによる注文です。

悪意をもった第三者がクレジットカードの保有者を装い、ネットショップ・ECサイトで注文した商品を受け取り、何も知らないクレジットカードの保有者に請求がいくことで発覚するケースです。

第三者による不正な注文であると確定してチャージバックが発生すると、クレジットカードの請求は無効になります。ネットショップ側は商品代金が支払われないまま商品を失う形になるので、売り上げへの被害がとても大きい不正注文になります。

不正注文に必要な第三者の個人情報・クレジットカード情報は、以下のような手口で入手されます。

個人・クレジットカード情報の入手の手口 内容
スキミング スキャナーでの磁気データを読み取り、偽造カードに情報をコピーする
フィッシングサイト 正規ポータルサイトを装った偽のサイトへ誘導してカード情報を入力させて取得する
ネットショッピング詐欺 架空のECサイトで架空の商品を販売する。注文者には商品が届かずカード情報を盗まれる
ECサイトでの情報漏洩 脆弱性のある入り口から侵入して、個人情報などカード情報を盗み出す

場合によっては、カード番号や有効期限だけではなく、不正利用防止のために設定されているセキュリティコードまで盗まれてしまうため対策が必要不可欠です。

個人情報やクレジットカード情報の流出の原因は、上記のように被害者側だけでなくネットショップ側にある場合も。ネットショップ事業者は、このようなケースが発生しないようにセキュリティをしっかり強化するなど細心の注意を払ってショップ運営をしましょう。

後払い決済を利用した「取り込み詐欺」

ネットショップ・ECサイトで導入する店舗が増えている「後払い決済」を利用したケースです。悪意ある注文者が商品を受け取った後、支払いを行わないまま行方をくらますケースです。

売り上げを回収できず商品だけとられてしまうため、売り上げに大きな影響を及ぼします。ネットショップに大きな被害をもたらすため、ショップ運営者を悩ませる不正注文の1つとして注目されています。

この不正注文は転売目的が多いため、転売しやすいジャンルのネットショップが狙われやすいです。

代金引換えを使った「転売目的の注文」や「いたずら注文」

代金引換決済を選択し、商品を受け取らないケースです。

  • いたずら目的で大量に同じ商品や高価な商品を注文し、発送されても受け取らない
  • 転売目的で注文し、商品が届く前にネットオークションやフリマサイトなどで出品、購入されたら商品を受けとり、購入されなかったら受取拒否をする

場合によっては受け取ることもあるため、悪意の判断がしづらく不正注文と断定できないのが特徴です。商品を騙し取られることはないですが、往復分の送料や対応する人件費など余計な費用が発生するため、ネットショップ運営者にとって悩ましいケースと言えます。

不正注文の事例や手口とは?

不正注文対策をするネットショップが増えるにつれて、不正注文の手口も巧妙化しています。 悪意ある注文者はどのような手口で不正注文を行うのか、事例を交えて解説します。

ウィークリーマンションやアパートの空室・レンタルオフィスで商品を受け取る

都市部で増えているのが、ウィークリーマンションやレンタルオフィス、ホテルなど、自宅ではない住所を使って商品を受け取る手口です。なかにはアパートの空室を使った事例や、部屋番号の指定をせず、配達員からの連絡を待って不法侵入した建物で受け取るというケースも確認されています。

宛先をウィークリーマンションやレンタルオフィスにされると、受注時に不正注文であるかを判別するのは困難です。マンション・アパートの住所に部屋番号の記載がない場合は、受注を保留して注文者に確認してから商品を発送するようにしましょう。

海外への転送サービスを悪用する

商品の送り先を海外転送サービスの指定住所にして、住所から不正注文と割り出せないようにする手口です。海外からの注文で配送先が倉庫の住所になっているため、事業者側が不正注文と気づかないケースが多いです。

海外からの注文の場合は、発送前に住所をGoogle検索したりGoogle mapで確認することで不正注文を事前に防ぐことができるでしょう。

荷受代行のアルバイトが受け取る

アルバイトを単発で雇い、アルバイト名義で商品を購入。受け取り次第、指定住所に商品を送らせる手口も横行しています。SNSなどで高収入なアルバイトとして求人を募り、仕事が終わったら報酬を払わないケースもあるようです。

さらに、アルバイト求人時に提出された個人情報を繰り返し悪用するケースもあるので、同じ注文が同じ注文者からあったときは複数の方法で本人確認をしましょう。

購入情報を変えて複数回に分けて注文する

日本の住所表記はさまざまな書き方ができます。住所や氏名の一部を平仮名やカタカナに変えても問題なく配送されることが多いです。これを悪用して、表記を少し変えることでブラックリスト化した情報の網をくぐり抜けて注文されることもあります

類似の住所や氏名を検索できるリストを作成して防ぐ必要があります。商品発送の前に住所や氏名を確認するフローを作るなどして対策を講じましょう。

ネットショップ・ECサイトの繁忙期を狙って注文する

不正注文への細かなチェックを行うのが大変な繁忙期を狙う手口もあります。

この手口は「売れ筋商品の導入時期」「季節の変わり目」「土日・祝日」「深夜」などが狙われやすく、社内チェックが行き届かず目視審査が漏れることを狙っています

事業者のセキュリティ強化が難しい状況をついて注文してきます。閑散期に二重チェックを行う時間を確保して、繁忙期でも警戒できる体制を整えましょう。

高額商品・転売しやすい商品を注文している

オークションやフリマサイトの発展により、転売が簡単に行えるようになりました。高額商品や即日完売の商品など、換金性の高い商品が転売を目的とした不正注文の対象になりやすいです。

高額商品や大量注文は電話連絡で本人確認のための身分証明書の提出をお願いしましょう。クレジットカード決済の場合、カード名義人に電話して本人利用確認をすることで防げる可能性が高いです。

ネットショップができる不正注文の対策とは?

ネットショップ・ECサイトのカード加盟店に対して、リスクや被害発生状況に応じたセキュリティ強化策の導入を求める改正割賦販売法が2018年6月1日に施行されました。

そのなかで、クレジットカードに加盟しているネットショップ・ECサイトは、「多面的・重層的な不正使用対策」を導入することが義務化されていることをご存じでしょうか。

クレジット取引セキュリティ対策協議会が2020年3月に発行した「クレジットカード・セキュリティガイドライン」によると、多面的・重層的な不正使用対策は「本人認証」「券面認証」「属性・行動分析」「配送先情報」の4つを指します。

家電・デジタルコンテンツ・電子マネーなど高額商品を取り扱う加盟店では、「本人認証」「券面認証」「属性・行動分析」「配送先情報」のうち1つ以上を行う必要があります

チャージバックが多発している加盟店では、「本人認証」「券面認証」「属性・行動分析」「配送先情報」のうち2つ以上を導入するように法律で明確化して加盟店へ義務付けたのが、改正割賦販売法です。

違反企業への罰則規定はないので、まだ知らない事業者も多い法律ですが、4つの基本的な対策を行ってセキュリティの強化をしていない場合、カード会社から「リスクの高い加盟店」と判断されてカード決済の手数料率をアップされることもあります

ここからは、多面的・重層的な不正使用対策として推奨されている、「本人認証」「券面認証」「属性・行動分析」「配送先情報」について詳しく解説していきます。

不正注文対策①:本人認証

なりすまし不正利用防止の本人認証には、3-Dセキュアと認証アシストが推奨されています。 クレジットカード会員に特定のパスワードや属性情報を入力させることで、利用者本人が取引を行っていることを確認する本人確認方法です。

3-Dセキュアとは

3-Dセキュアは利用者がカード会員本人であることを確認する仕組みで、カード会員以外の利用を防ぐことができます。カード会員のみが知るパスワードを利用した「パスワード認証」や過去の不正利用実績やデバイス情報を活用した「リスクベース認証」などがあり、国際ブランドが推奨する本人確認手法となっています。

ECサイトで3-Dセキュアを行う場合、本人確認が要求される全取引に対してパスワード確認を実施します。その分、カート落ちのリスクは高まりますが、パスワード入力を省略した結果、なりすましによる不正利用被害が発生しているのが現状です。

カード会員のパスワードが漏洩していた場合は、効果が発揮されない可能性が高いのがデメリットです。

認証アシストとは

認証アシストはカードのオーソリゼーション電文を用いて、カード会員情報がカード会社に登録されている情報と合っているかを確認する方法です。カード会員のパスワードが漏洩していても懸念がないのが特徴です。

認証アシストを導入する場合は、カード会社との直接契約が必要です。国内のカード会社のみが対象で、利用者すべてのカードを確認できない点がデメリットです。

そのため、3-Dセキュアや認証アシストは他のセキュリティと合わせて利用する必要があります

不正注文対策②:券面認証(セキュリティコード)

カード券面のセキュリティコードを認証することで、利用者が本人かを確認する方法です。セキュリティコードによる認証は、カード番号、カード会社、利用者の確認ができる場合に使用できます。既存のオーソリゼーション電文の活用で導入できる点で評価されています。

クレジットカード番号とともにセキュリティコードが窃取されて券面認証を突破される被害が一部確認されていますが、盗難がなければ一定の不正利用防止効果があります。

不正注文対策③:属性・行動分析(不正検知システム)

属性・行動分析(不正検知システム)は非対面取引でのカード利用時に、利用者の入力情報・デバイス情報・IPアドレス・過去の取引情報・取引頻度など加盟店が収集できる情報に基づいて取引のリスク評価(スコアリングなど)を行い、不正な取引であるかを加盟店側で判定する方法です。

利用者のデバイス情報は通常のカード会社が取得できない情報のため、不正検知精度の向上が期待できます。不正取引の手口や傾向は常に変化するので、属性・行動分析(不正検知システム)は、不正利用傾向の分析に基づいて構築された不正判定の条件設定を更新・変更する機能を有することが必要です。

不正注文対策④:配送先情報

不正注文の配送先情報を蓄積することで、商品の配送を事前に止めて被害を防止することができます。情報の蓄積には時間がかかるので、外部の実績あるサービスの利用が有効でしょう。

大手加盟店が独自のデータベースを運用しているほか、カード会社複数社が共同で運用しているサービスやシステムベンダーが提供するサービスがあります。

配送先情報による不正利用対策は、送付先が不自然であるなどからの判断も必要なため、事業者側でのノウハウ蓄積や体制構築も重要です。

不正注文の際に発生するチャージバックとは? 知っておきたい仕組みと流れ

チャージバックとは、ビザ(Visa)、マスターカード(MasterCard)、JCBといった国際ブランド会社によって定められたルールに基づいて、クレジットカード会員を不正・瑕疵のある取引や内容から守るための仕組みです。

クレジットカード会員が不正利用や取引内容に不満があるなどの理由から利用代金の支払いに同意せず、クレジットカード会社が加盟店(ネットショップ側)に対して支払いの取り消しまたは返金を要求することをチャージバックといいます。

チャージバックが行われることで、ECサイト事業者には審議のための取引内容を精査する時間や人件費といったコストが発生します。決済時に「本人認証(3Dセキュア)の利用」をしていない場合、基本的にECサイト事業者が被害額を負担することになり、チャージバック後に不正な注文者から代金や商品を取り戻すことはまず不可能となります。

商材によっては1度に受けるチャージバック額が大きく、経営に影響が及ぶ可能性もあるため、「チャージバック保険」に加入するクレジットカード加盟店もあります。

チャージバック保険とは、チャージバックの発生時に保険会社がその金額を保障する仕組みです。毎月、保険会社に保険料を支払うことで、チャージバック発生時の突発的な費用発生に備えることができます。こちらはあくまでも被害に遭ってからの保証になるので、商材によっては加入が難しいこともあります。

不正注文そのものを抑止するわけではないので、不正な注文者に狙い続けられてしまうことも多いのが現実です。

チャージバックってどんな時に発生するの?

チャージバックはクレジットカードの不正使用により年々増えていますが、実はそれだけではありません。一般的に以下のような場合にもチャージバックは発生します。

  • 第三者の不正利用のため、クレジットカードの保有者がカード利用を認めない場合
  • 保有者がカードで支払っているにも関わらず、購入した商品が未発送、またはサービスが行われない場合
  • 商品不良や破損、または、低品質な商品・サービスを利用として、カード保有者が利用を認めない場合

クレジットカードの不正利用件数が増えたため、チャージバックはそのイメージが強いですが、クレジットカード保有者を不正・瑕疵のある取引や内容から守るための仕組みですので、別の理由でもチャージバックは発生します。

チャージバックの流れ

チャージバックが起こるとどんな流れで対応が行われるのか、実際の流れを紹介します。

  1. クレジットカードの保有者が、不正利用やそれ以外の理由で、カード会社にチャージバック(取引の拒否)の連絡をする。
  2. クレジットカード会社が内容を調査・確認し、チャージバックの判断をする。
  3. 加盟店(ネットショップ側)に理由を含めたチャージバックの通知が届く。
  4. クレジットカード会社によって取り消しが行われる。すでに決済が完了し、加盟店(ネットショップ側)に売り上げが入金されていた場合は、カード会社に返金しなければならない。

チャージバック保険に入っていても、チャージバック発生後に保険料の増額があったり、契約更新の拒否なども起こりえます。

チャージバックが確定した後の商品は返品されるのか

すでに商品を発送した場合、商品は返ってこずネットショップ側の負担になります。ネットショップ側には、チャージバックが確定し売り上げが取り消し・返金になり、さらに商品も失うリスクがあるのです。

また、紹介した流れの後はECサイト事業者が諸々の対応をする必要があります。発送先への返品要求や警察への相談など、余計な時間や手間をとられることもあります。

チャージバックの期間・期限

チャージバックにも期間・期限があります。期間内にクレジットカード会社はチャージバックを行う権利をもっています。

国際ブランド決済会社の定めによると、チャージバックの期間は基本的に取引日から120日程度を期限としています。(チャージバックの内容・理由によっては期限の短縮・延長する場合があります)

したがって、チャージバックを行うには、カード保有者は期間内に申し出る必要があり、事業者は期間が過ぎるまで安心はできません。

チャージバックに異議申し立てもできる

商品の未発送やサービス・商品の不良、低品質を理由にチャージバックの通知が来た際、ネットショップ側はクレジットカード会社、または代理会社に異議申し立てをすることが可能です。 その際は注文情報や発送証明など、取引の正当性を証明する資料をカード会社に提出し、再調査を行ってもらいます。

最終的に判断するのはクレジットカード会社なので、異議申し立てが認められずチャージバックになる可能性もあります。クレジットカードの不正利用によるチャージバックは、申し立ての確認なくカード会社側で判断し確定することもあります。

まとめ

今回はネットショップにとって非常に重要な問題である不正注文を紹介しました。不正注文について事前に予測はできませんが、対策することはできます。

ECサイト事業者は不正注文を防ぐために、以下の対策を行いましょう。

  • 本人認証(3Dセキュア・認証アシスト)で利用者本人が取引を行っているか確認
  • 券面認証(セキュリティコード)での本人確認
  • 属性・行動分析(不正検知システム)での不正な取引判断
  • 配送先情報サービスの利用や自社でのデータ蓄積

この記事はカラーミーショップの公式Webメディア『よむよむカラーミー by GMOペパボ』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

よむよむカラーミー
よむよむカラーミー

Googleが始めた越境EC支援の「マーケットファインダー」とは?準備状況の数値化&ビジネスチャンスのある国をランキング表示

4 years 3ヶ月 ago

Googleは9月7日、企業ECサイトの海外進出に向けた準備状況の数値化と、ビジネス機会があるとされる国をランキングで示す「マーケットファインダー」日本版サービスの提供を始めた。

日本国内から海外へ向けて越境ECを活用しビジネス展開していく中小企業をサポートするのが目的。

「マーケットファインダー」は2つの機能を備えている。

海外販売の準備状況のスコアを算出する機能

Googleが用意した質問に答えると、越境ECにどの程度準備できている状況なのかを点数で把握できる。

Googleが提供する、企業ECサイトの海外進出に向けた準備状況の数値化と、ビジネス機会があるとされる国をランキングで示す「マーケットファインダー」日本版サービス 海外販売の準備状況のスコアを算出する機能
海外販売の準備状況のスコアを算出

新しく進出するべき海外市場の発見をサポートする機能

企業ECサイトのURLを入力すると、商品やサービスが新たにどの国でビジネスをしていく機会があるのか、既に越境ECを実施している企業でもその他の国に対してビジネスを広げられる機会があるのか、潜在市場のランキング上位を表示する。

Googleが提供する、企業ECサイトの海外進出に向けた準備状況の数値化と、ビジネス機会があるとされる国をランキングで示す「マーケットファインダー」日本版サービス 新しく進出するべき海外市場の発見をサポートする機能
新しく進出するべき海外市場の発見をサポート
◇◇◇

また、企業が海外進出に必要なオペレーション、マーケティング、新型コロナウイルス感染症対策など役立つガイドも準備。決済手段や各国の法令・ルールなど、ビジネスを始めるにあたってチェックする必要があるポイントをまとめている。実際に日本国外でマーケティング活動を実践するための心構えや視点も確認できる。

Googleは、「マーケットファインダー」について次のように説明している。

Googleトレンドなどさまざまなカテゴリーのなかで、Google検索上で検索数が急上昇した語句や国と地域、検索されているキーワードを把握できるリテール版トレンドクエリとあわせて、「マーケットファインダー」を活用すると、時間と費用をかけずに現地の人々のニーズがどのようななっているかを簡単に確認することが可能になる。

Googleは、デジタル広告に加えて、海外進出する企業に向けて、ビジネスの手助けとして活用できるさまざまなツールを公開。またマーケットファインダーの情報については、ThinkwithGoogleでも公開していく。

瀧川 正実
瀧川 正実

しまむらがベビー・子供用品ブランド「バースデイ」のECサイトをオープン

4 years 3ヶ月 ago

しまむらは9月8日、ベビー・子供用品ブランド「バースデイ」のECサイトをオープンする。

「しまむらオンラインストア」を2020年に立ち上げたしまむらは、2022年2月期中にアベイル、バースデイ、シャンブルといった事業でもECビジネスを拡大する方針を掲げていた。

商品受け取り方法は「しまむらオンラインストア」と同様、「店舗受取り」「自宅配送」の2種類。「店舗受取り」の場合、事前決済に限って全国約300店舗の「バースデイ」店舗で商品を受け取ることができる。また、しまむらグループ約1840店舗(ファッションセンターしまむら・アベイル・シャンブル)でも受け取り可能。

「店舗受取り」は送料無料で、「自宅配送」の場合、配送料は通常サイズで税込550円。

2021年2月期では、「しまむらオンラインストア」の商品受取方法は店舗受け取りが約9割、自宅配送が約1割。「当初の想定よりも高く、オンラインストアと実店舗との相互送客に大きな効果を発揮している」(しまむら)

しまむらの2021年2月期のEC売上高は約17億円。2024年2月期でEC化率2%を目標に掲げており、国内売上高目標5950億円から換算するとEC売上高目標は120億円。2022年2月期は50億円を目標に掲げる。

「しまむらオンラインストア」のECの今後の取り組みについて
ECの今後の取り組みについて(2021年2月期の決算説明会資料からキャプチャ)
瀧川 正実
瀧川 正実

コロナ禍で通販事業の売上3.45倍の435億円に拡大したファーマフーズが急成長のワケ

4 years 3ヶ月 ago

健康食品や化粧品の通販事業を展開するファーマフーズの2021年7月期連結業績は、売上高が前期比204.5%増の467億5200万円、当期純利益は同455.9%増の38億4100万円で、3ケタ増の大幅な増収増益だった。営業利益は同666.6%増の56億7300万円、経常利益は同631.0%増となる57億6700万円。

通信販売事業の売上高は同245.7%増の435億2400万円、セグメント利益は同872.3%増の55億7500万円。広告宣伝費は同237.0%増の248億5800万円だったが、利益回収は大きく進捗した。

ファーマフーズ 通信販売事業の四半期経営成績の推移
通信販売事業の四半期経営成績の推移(IR資料から編集部がキャプチャ)

テレビとインターネットを中心に想定よりも高い率で新規顧客を獲得し、年間の広告宣伝費を増額。通販事業の主力製品「ニューモ 育毛剤」は、テレビやWeb広告に加え、新聞広告など紙媒体においても顧客獲得に注力した。2021年7月末現在の定期顧客件数は77万3844件。リピート購入により「利益回収の早期化」「利益水準の上昇」が続いている。

既存顧客のリピート購入も増加した結果、当期における売上高は267億6300万円となった。サプリメントの販売では、「ニューモ サプリメント」の売上高が38億600万円となり、育毛剤との同時購入により、顧客単価の向上に寄与している。

膝関節サプリメント「タマゴサミン」の売上高は30億6100万円で利益に寄与した。

化粧品の販売では、「ヘアボーテ エクラ ボタニカルエアカラーフォーム」の販売に注力した。1人あたりの新規顧客を獲得する広告宣伝費のCPOを重視した新規顧客獲得を行い、今期末の定期顧客件数は9万8210件(前期末時点は2万6326件)となった。

通信販売事業は今期(2022年7月期)、機能性表示食品や化粧品などの機能性の高い価値ある商品の拡充等を進め、顧客ニーズに対応していく。顧客に高い価値を伝えるため、他にはない研究開発力および機能性などの訴求を行い、魅力的な広告クリエイティブの開発に取り組んでいく。販売体制においては、コールセンター、ECサイト、受注管理および広告管理システムの効率化を実現し、顧客ニーズに迅速に対応する体制を構築していく。

セグメント別の業績は、機能性食品素材を食品メーカーなどに販売している機能性素材事業の売上高は、同10.7%増の28億5200万円、セグメント利益は同3.7%減の7億7000万円。バイオメディカル事業の売上高は同101.4%増となる3億7500万円、セグメント利益は同8100万円(前期は4500万円の損失)だった。

石居 岳
石居 岳

“継続”がキーワードの牧場D2C事例。転機は「食べられる名刺」【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

4 years 3ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年8月30日〜9月5日のニュース
ネッ担まとめ

「コロナを契機にネットショップを立ち上げたけど行き詰まってきた」という方も多いかもしれません。売れないとすぐにやめてしまう人も多いですが、そう簡単に軌道に乗るものではありません。商品開発も販促も継続が重要です。

おいしい豚肉に情熱をかける男の歩み

Eコマースで大事なのは「売れること」より「リピートされること」。第一次産業従事者が極上豚肉を直接家庭に届けるまでの軌跡。山西牧場2代目 倉持信宏さん | コマースプラス
https://commerceplus.jp/nobuhiro-kuramochi/

まとめると、

  • 茨城県坂東市で養豚業を営む山西牧場は、既存の流通では自分たちが最も大事にしている味を知ってもらうことが難しいと考え、消費者に直接届ける方法としてEコマースに行き着いた
  • Wixでの自作ショップは「びっくりするほど売れなかった」が、BASEや食べチョクなどを利用することで徐々に売れていった
  • 自農場の豚肉を使ったレトルトカレーを「食べられる名刺」として配ってから認知度が上がり、売上も上がっていった

ものづくりをしている人ってよく「食べたらわかる」って言うんですけど、そもそも食べてもらうフェーズにこぎつけるまでが大変じゃないですか?そこで、当時新商品として作った自農場の豚肉を使ったレトルトカレーを鞄につめて、東京に向かいました。まず食べてもらえる機会と人を増やそうと思って。

売れるまでの苦労は比較的サラッと書かれていますが「びっくりするほど売れなかった」時は相当つらかったと思います。軌道に乗っているネットショップでも立ち上げ期はとても苦労されていますし、最初の注文を今でも覚えているという人も多いです。

売れない中でもふるさと納税や食べチョクなどに出品して認知度を上げていく作業をされていました。転機になったのは「食べる名刺」ことレトルトカレーでした。コロナ前で人に会える時にはこれを配っていたとのことで、かなりインパクトがありますよね。「商品自体には戦えるパワーがあることには確信がありました」ということなので、とにかく食べてもらることを考えたようです。この他にポイントだなと思ったのは下記の点です。

  • 2020年にはクラウドファンディングで資金を集めShopifyでリニューアル。決済手段が豊富だったことと、イケてるショップがShopifyだったことが決め手
  • 商品開発では、それぞれ意味や目的を持って作ること、継続して生産していくことの2つを大事にしている。最終的には素材の良さにたどり着いてほしいという軸はブラさない
  • 商品の開発段階からその制作過程を公開する試みは反響が大きかった。「できました」より「作っているよ」という発信が楽しみにしてもらえる

期待と信頼を前借りしているからこそ、実際に商品を届けたあとでそれに応えることができたか?という部分に、本質的な価値が見えると思うんです。期待を超えることができなければ、きっとお客さんは「ふーん、こんなものか。次に行こう」と思ってリピートには至らないでしょう。

でも、お客さんの期待以上の体験や時間を届けることができれば、その衝撃は「もう一回食べたい、体験したい」という思いからリピートにつながると思います。

ショップ運営の根底に「継続」があるようですね。商品開発もずっと継続して生産していくことを中心に考えられていますし、ショップの運営もリピーターが増えることも考えています。買う側とすれば気に入った商品がすぐになくなってしまうのは残念ですし、無くなってしまえばリピートができませんからね。

ネットショップの場合は値引きやポイントやお試しなどで1回だけ買ってもらうのはそんなに難しくありません。そこからリピートにつなげるには広告やメルマガも必要ですが、やっぱり商品力こそが最重要だと思います。食べてもらえばわかるというのなら、食べてもらったらリピートしてもらわないといけないですよね。

第一次産業でネットショップを考えている人には読んでもらいたい記事です。

2020年流通総額はAmazonが1位で下位も急伸

【2020年EC流通総額ランキング】国内18・海外27のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/70241

まとめると、

  • 2020年(1月~12月)の国内EC流通総額ランキングは1位がAmazon、2位が楽天、3位がYahoo!ショッピング
  • 楽天はトラベルなどの宿泊流通、GORAによるゴルフ流通、ビジネス、楽天24、楽天デリバリー、ラクマ、楽天西友ネットスーパーなどの値を含んだ額
  • Yahoo!ショッピングはPayPayモール、LOHACO、チャームの取扱高を含むが、アスクルBtoBやZOZOUSEDなどの取扱額は含まれない
国内の18のモール、カートサービス、フリマアプリなどの2020年1月~12月の流通総額
国内の18のモール、カートサービス、フリマアプリなどの2020年1月~12月の流通総額
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/70241から編集部でキャプチャ

最上位は2020年、初めてAmazonが奪取した。これまでも楽天は首位を守ってきたものの、その公表値はトラベルや楽天ペイ、ラクマなどを含んだ値となっており、純粋な楽天市場だけの値だけで見ると、数年前からAmazonの方が流通総額が大きいことは業界内では公然たる事実となっていたため、それほど大きな衝撃ではないだろう。

また、Yahoo!ショッピングが初の1兆円を突破し、3番目のモールとして消費者にも一定の認知を獲得することに成功したと言えるだろう。また、メルカリは早ければ今年2021年に、遅くても2022年には1兆円の壁をクリアする勢いだ。

引用文にあるようにAmazonの1位、楽天の2位はそんなに驚きではないですね。3位以下のモール・カートが伸びているのがポイントです。メルカリは1兆円が見えてきていますし、BASEは前年比121.8%増となっており、この2社以外も軒並み20%以上の成長です。

ちなみにShopifyは世界全体で12兆円ほどの流通額で日本は323%増としか発表されていないので、流通額はわかりません。2021年も伸びているはずなので、どれくらいの規模になっているかが気になりますね。

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EC全般

行動ログデータから分析!ECモール「Amazon」と「楽天市場」はどのように使い分けられている? | マナミナ
https://manamina.valuesccg.com/articles/1466

Amazonユーザーが会社勤務、楽天ユーザーが主婦(主夫)というのは納得です。Amazonはパソコン関連や本が閲覧されており、楽天は食品や日用品雑貨が閲覧されています。

ShopifyのクズSEOアプリに注意、 Lighthouseのスコアを良く見せるだけの詐欺も【SEO情報まとめ】 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2021/09/03/41531

プラグインで機能を追加する仕組みはこういった怪しいものに気をつけないといけないですよね。

「新規参入の可能性」を頭に入れてEコマース事業を展開する | ECM
https://www.ecmj.co.jp/no1957/

縮小のリスクはありますが、「いまさら新規参入したいと思われないカテゴリ」に参入できれば安定しますよね。

Amazon最大のECイベント「Amazon ECサミット2021」を10月開催 DXや越境ECをテーマにセッション提供 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/4481

かなりの数のセミナーがありますので気になるものがあればご参加を。

Amazon、強気のアカウント大量閉鎖で中国越境ECに激震 リストラ・休業も | 36Kr Japan
https://36kr.jp/148962/

「業者による不正レビューのため」で「アカウントを閉鎖された事業者は5万店舗」にもなるとのこと。

置き配の需要増加!メリット・デメリット・トラブル回避方法を知ろう | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/9542

利用するモール、配送会社によって微妙に異なるので注意。

今週の名言

僕が楽しいと思うことをやって、その結果、見てくれる人が面白いと思ってくれたら僕はそれで満足なんです

バッドボーイズ・佐田正樹【やりたいことしかやらない】なるべく遊ぶ生き方 | break-time
https://new.akind.center/202108/badboys-sata/

自分が美味いしと思っているものを提供して、その結果として「美味しい」と言ってもらえたら良いですよね。

森野 誠之
森野 誠之

DearOneが大幅改善した公式アプリ開発サービス「ModuleApps2.0」の提供を開始。前バージョンとの違いとは?

4 years 3ヶ月 ago

NTTドコモのマーケティング分野における新規事業型子会社DearOne(旧ロケーションバリュー)は、公式アプリ開発サービス「ModuleApps(モジュールアップス)」を大幅に改善した「ModuleApps2.0(モジュールアップス ニーテンゼロ)」の提供を開始した。

「ModuleApps2.0」の特徴

「ModuleApps2.0」は、企業や自治体を対象とした公式のアプリ開発サービス。機能モジュール(テンプレート)から必要なものを選択してアプリに組み込むだけで、自社の公式アプリを短期間・低価格で開発できる。

DearOne ModuleApps2.0 公式アプリ開発サービス
公式アプリ開発サービス「ModuleApps2.0」

今回、次の4つの改善を行った。

①標準機能モジュールを一新

「ModuleApps」は、アプリに必要な各機能を部品(モジュール化)し、そのモジュールを組み合わせることで低価格、短納期でアプリを開発できるサービスだった。

「ModuleApps2.0」は基本設計思想を受け継ぎ、標準機能モジュールをベースにアプリの開発が可能で、大規模な開発を行わずに必要な機能をすぐにアプリへ実装可能。また、現在の市場ニーズに合わせて標準機能モジュールを一新し、新規モジュールも追加した。

主な新規モジュール

  1. アプリ内メッセンジャー:ユーザーの属性や行動に基づいて、アプリ内でメッセージを発信できる。予約配信、セグメント配信が可能
  2. ARメジャー:スマートフォンのAR機能を活用して家具や家電の大きさを計測し、メモや画像をスマートフォンに保存する

②他のマーケティングソリューションとの連携

「ModuleApps2.0」は標準機能モジュールをベースとしたアプリ開発を行うが、より柔軟なデザイン・機能のカスタマイズが可能になった。特に、他のマーケティングソリューションが提供するソフトウェア開発キットを実装することが容易になった。

また、ユーザーの管理単位をアプリIDではなく個人ID単位に変更したことで、会員システムなどと連動させた場合に、個人単位で管理できる。すでに企業で利用している会員システムやWeb接客などのデジタルマーケティングソリューションとアプリを連携させた統合的なマーケティングが実現可能になるという。

③ユーザー行動分析ツール「Amplitude」を標準搭載

アプリ上でのユーザー行動を精緻に把握するため、米国の行動分析ツール「Amplitude」を標準搭載した。

これにより、アプリに新しく実装した機能の利用状況、クーポンの利用状況などアプリ上でのユーザーの行動をダッシュボードで簡単に分析できるようになった。また、ユーザーセグメントごとに分析できるため、施策結果を次のアプリ改修に生かすことも可能。

④伴走型サービス

DearOneはこれまで多くの有名企業のアプリ運用を支援している。その知見を結集し、アプリ経験豊富なカスタマーサクセスによるアプリ伴走コンサルティングをサービスメニュー化した。

ユーザーの利用状況のレポーティング、コンテンツの内容を含めたアプリ運用改善の提案、アプリ業界の最新情報の提供、今後の機能追加方針についてコンサルティングを行い、企業とともにアプリの成長をめざすという。

「ModuleApps2.0」提供の背景とは

DearOneは「ModuleApps」の提供を通じて、数多くの企業・組織の公式アプリ開発・運用を支援している。公式アプリの普及率が高まり、DearOne調べでは、飲食・小売・消費者サービス分野の売り上げ上位100社のうち、83%の企業が公式アプリを所持しているという。

また、「ModuleApps」を通じて寄せられるアプリに対する要望が「アプリのダウンロード数をどうやって増加させれば良いか」「アプリで配信するクーポンの活用率を上げたい」「アプリから店舗・ECへの送客状況を把握したい」など運用に関する内容が増えていたという。

こうした状況を受け、さらにサービスを進化させた「ModuleApps2.0」を提供を決定した。

藤田遥
藤田遥

売上高150億円、経常利益率9.5%、ウェルネス&ライフサポート企業をめざすティーライフの中期経営計画とは

4 years 3ヶ月 ago

健康茶などの通販事業を手がけるティーライフは、2024年7月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(中計)を策定した。中計最終年度の数値目標は、連結売上高150億円、売上高経常利益率は9.5%。

中計のビジョンは「進化するウェルネス&ライフサポート企業」。経営目標として、「コロナ過で大きく変化した消費者のライフスタイルに対応するとともにデジタル変革の推進により、レジリエントな企業体質に生まれ変わる」ことをあげている。

ティーライフの中期経営計画
中期経営計画について(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

中期経営方針には「差別化戦略の推進」「将来の成長に向けた挑戦」「強固な経営基盤の構築」の3点を掲げた。

ティーライフの中期経営計画
中期経営方針について(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

小売事業

通信販売の再構築と将来に向けた積極投資に取り組む。国内ではウィッグ販売のブランド力強化、医療用ウィッグの拡大、リモートフィッティングなど、新たな購買体験を提供する。

海外では、中国で健康食品や健康茶のECを手がける特菜芙(上海)有限公司を本格稼働。BtoBの強化やライブコマースの拡大に取り組む。新たな柱となる新商品の開発や、DX革新による新たな販売手法を確立する。さらに、オリジナル商品の拡充やグループ共同開発、オムニチャネル化により、認知度向上を図る。

ティーライフの中期経営計画 小売事業の方針
小売事業の方針(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

卸売事業

収益性の改善に向けたグループのシナジーを強化する。重点施策としてテレビショッピングビジネスの収益性を改善する。その一環として、グループリソースの活用により、商品企画から製造までを実現、利益率の高い商材を開発。海外ブランド商品の販売も強化する。有名アスリートとの共同開発などにより、認知度の向上を図っていく。

ティーライフの中期経営計画 卸売事業の方針
卸売事業の方針(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

プロパティ事業

静岡・袋井にある自社の物流センターを活用した、他社の出荷業務を積極的に手がけていく。国内の中心に位置する物流拠点のメリットを生かし、配送コストの削減や翌日配達の実現、3PL事業を強化していく。

3PL事業を新たな収益の柱として育成するため、マテハンや倉庫管理システムの導入といった庫内業務を自動化。さらに、既存センターにおける賃貸エリアの拡大や、新たな物流センターの開拓などキャパシティの拡大を図るほか、自社のノウハウやセンターの立地を生かして、営業力・提案力を強化する。

ティーライフの中期経営計画 プロパティ事業の方針
プロパティ事業の方針(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

ティーライフの2021年3月期連結業績は、売上高が前期比10.8%増の117億1900万円、営業利益は同81.7%増の9億100万円、経常利益は同75.8%増の9億2400万円、当期純利益は同67.4%増となる7億400万円だった。セグメント別の売上高は、小売事業が同3.0%増の64億100万円、卸売事業が同20.1%増の48億300万円、プロパティ事業が同41.4%増の5億1400万円となっている。

今期(2022年7月期)の連結業績予想は、売上高が119億600万円、営業利益は9億7100万円、経常利益は9億6800万円、当期純利益は7億700万円、自己資本当期純利益率(ROE)は11.8%を見込む。

売上高は毎期13%台の増収、各利益は前期比20%前後の増益を計画しており、中計最終年度の数値目標は売上高が153億200万円、営業利益は14億4600万円、経常利益は14億5500万円、当期純利益は10億1600万円、ROEは14.5%。

ティーライフの中期経営計画 中計の収益計画
中計の収益計画(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)
石居 岳
石居 岳

「ECには興味がない」が出発点。Eコマース先生・川添氏が振り返るネット通販スキルの学びと経験値の積み方 | Eコマース先生・川添隆が先人に聞く「私のeコマースキャリア」

4 years 3ヶ月 ago
EC業界の第一線で活躍する人々がどのようにノウハウや実績を積んできたかを解き明かす連載第1回は、今後の連載インタビューアーとなるEコマース先生「川添隆」氏です【前編】

「Eコマース先生」として個人の活動を行い、ビジョナリーホールディングス(メガネスーパーのグループを運営する親会社)取締役CDO兼CIOを務める川添隆氏。自身がどのようにECについての知見を積んでいったのか、その軌跡を語る。Eコマースが徐々に拡大を遂げ、私たちの生活に浸透していく中で、川添氏自身も学生から新社会人、そしていくつかの転職を経て、徐々にEC業界にのめり込んでいくようになる──。

「Yahoo!オークション」でスニーカーを買ったのが原体験

今でこそ、上場企業のデジタル・IT管掌役員、Eコマース先生としてECの普及・イベント開催や他社のアドバイザーなどを手がけている川添氏ですが、もちろんECに対して“素人”の時期もありました。そもそも川添氏がオンラインを介しての取引に興味を持ち始めたのは、どういったいきさつだったのでしょうか。きっかけは大学生の頃にさかのぼります。

──川添さんがネットでモノを買い始めたのはいつ頃からですか。

川添隆氏(以下川添):大学生の頃にスニーカーブームにあわせて中学時代の物欲を発散しようとしてNIKEの「ジョーダンシリーズ」を集めたくなったんです。しかし定価で買うと数を集められないので、「Yahoo!オークション(現ヤフオク!)」で買い始めたんです。そういう意味では、大学生の頃に「Yahoo!オークション」でスニーカーを買っていたのがEコマースの原体験と言えます。

そこからスニーカーブームの後押しもあって、ジョーダンシリーズ以外のNIKEスニーカーを集めるようになり……。増えてくると家に置けなくなってきて、今度は「Yahoo!オークション」で売るようになっていきましたね。在庫処分みたいな感じで最初は売っていたんですが、徐々に安いスニーカーを買って、ちょっと履いて高く売るといったことをするようになりました。

──高く売るために何か工夫はしていたんですか。

川添:たとえばスニーカーをの汚れを落として傷の補修をして、なかに新聞紙を入れて立体的に映るようにする。そして、撮影の角度や状態がわかるように写真の枚数を多めにしたりして撮影していました。そういう風にコレクト兼在庫処分しているうちに、「Yahoo!オークション」に並んでいるスニーカーを見ていても、「これはもっと高く売れるぞ」というのがなんとなくわかるようになりました。その当時からすでに限定品の新品を購入して転売する転バイヤーもたくさんいましたけど、その目的とは違いました。私は転売目的ではなかったのものの、当時はまだ落札相場が確認しにくい状況で、積み重ねが経験となって素人の私でもが売っても高く売れましたね。

ただ、その時はネットでの取引を仕事にしようとは思ってなくて、単純に趣味の範囲でした。

川添隆(かわぞえ・たかし)氏
1982年生まれ、佐賀県唐津市出身。全国のEコマース担当者を応援し、Eコマースビジネスの可能性を伝えるEコマース業界の先生。企業再生を2社経験し、独自のメソッドと実践を通じてEコマース売上2倍以上に携わったのは6社。販売、営業アシスタントとしてサンエー・インターナショナルに就職。その後、当時サイバーエージェントグループだったクラウンジュエル(現サービス名はZOZOUSED)へ転職。ささげ業務から企画、PR、営業などに従事。2010年にクレッジに転職。EC事業の責任者として自社サイトの売り上げを2倍以上、EC全体を2年で2倍に拡大。LINE@を活用した事例でも成功をおさめる。2013年7月よりメガネスーパーに入社。8年でEコマース関与売上は8倍、自社Eコマースの月間受注は13倍に拡大。現在は親会社のビジョナリーホールディングス 取締役 CDO 兼 CIO(現任)として、Eコマース事業・オムニチャネル推進などの領域、IT・情報システム、新規事業を統括。2017年より代表を務めるエバンでは小売企業、大手メディア、B2Bスタートアップ、D2CブランドへEC・DXのアドバイザーに従事。

マガシーク、スタイライフと聞いてもピンとこなかった

大学時代にネットオークションでスニーカーの売買を手がけた川添氏。とはいえ、当時はあくまで趣味の範囲で、仕事としては考えていなかったようです。大学を卒業してまず就いたのはアパレルの仕事。ただ、その頃もまだECへの興味はなく、店舗での販売・営業アシスタントとして働いていました。

──大学卒業後はどういった仕事に就かれたんですか。

川添:アパレルのモノづくりに携わりたくて、サンエー・インターナショナルに入社しました。当時もECの仕事にはまったく興味はなかったですね。2005年に入社し、その翌年に「セレクソニック(現MIX.Tokyo)」という自社ECが立ち上がるんです。

──自社ECが立ち上がった当時、川添さんはどんな業務をしていたんですか。

川添:私は1年の店舗販売を終えて、本部で営業アシスタントをやっていました。セレクソニックの立ち上げには全く関与していませんし、私が在籍した時に立ち上がったのかは定かではないです。ただし当時の取引先(卸先)にマガシークやスタイライフがあったのは鮮明に覚えています。ただし、その頃はその名前を聞いてもあまりピンとこなくて、単なる卸先の1つくらいの認識でしたね。ECサイトと知ったのは後からです。そのくらい、ECというものへの関心がなかったんです。

──その後、リユースファッションのECを行うクラウンジュエル(ZOZOUSEDを経てZOZOに吸収合併)に転職します。

川添:それは本当にたまたま入ったという感じでした。その当時、ベンチャー企業に転職したいと思って転職活動をしていて、当時のベンチャーだとインターネット系が多かったんです。最初はEC企業に行きたいとかっていう気持ちはなかったですね。あちこち受けて、たまたま入れたのがクラウンジュエルでした。当時はサイバーエージェントの傘下で、ファッションリユースをオークション形式で販売するECサイトをやっていました。

──そこで学生時代のスニーカー売買につながりますね。

川添:そうですね(笑)。狙ってもいなく本当に結果的にです。ただし、クラウンジュエルに入ってからは、買い取りしたものをいかに高く売るかを考えて、高く売れると面白いと感じましたね。たとえばメンズのレザーは総じて値が上がりやすいとか、レディースの方が値はつきにくいけどシャネルは高くなりやすいとか、そうした傾向を発見しながらやっていましたね。

──具体的にどんなことをしていたのですか。

川添:最初は状態確認と商品コメントを担当していて、1日50~80品目くらいをひたすら書いていました。基本的にリユースは1商品1在庫なので、とにかく数を稼ぐ必要がありました。自身がコメントを欠いた商品の売れ行きや価格がどうなったかを気にしていましたね。ブランドコラボも勝手に企画して販売を進めました(笑)

そのうちメルマガも担当するようになるんですが、最初は2人から引継ぎとして文面の体裁を真似て進めていました。2人とも書き方も違って(笑)ただし、本質的な書き方や押さえるべきポイントが本当にわからなかったんですよね。そこで、当時同じサイバーエージェントグループだったネットプライス(ネット通販の草分け的企業)の人に教えてもらいに行ったりもしましたね。

──そこで得たものって大きかったですか。

川添:今でこそ基本なんですが、「件名は大事ですよ(特にガラケーは)」とか本文の構成とか、そういう基本を教えてもらいました。ただし、実際は基本を学んで後は実践でいろんなチューニングをしていきました。クリック数やコンテンツや掲載商品ごとの売れ行きを計測して、どんな商品やどんなコーナーがいいのか、件名が違うとどのくらい影響があるのかをやりながら覚えていきましたね。

その後、買い取りの部署が手薄になったことを機に異動したり、子会社のブランドで卸営業や外部への企画提案やったり、広報や経理をやったりと……。会社の業務全体の流れがわかりました。改めて振り返ると、クラウンジュエル時代にEコマース事業の全般に取り組んで、興味や面白さが少しずつわかっていったんだと思います

メルマガのリンク1つで40万円も売り上げている!

サンエー・インターナショナルを経て、クラウンジェルに入り、そこでささげ業務やメルマガ作成などを担当し、徐々にECの仕事に興味を覚えていった川添氏。その後の転職で入ったSHIBUYA109系のガールズアパレルを扱うクレッジで、本格的にEC担当者として活動をするようになります。その時の成功体験や多くの失敗を経験したことが現在の川添さんの礎(いしづえ)になっているようです。

──クラウンジュエルでECの仕事をした後、再び転職されますね。

川添:ベンチャーでは薄く何でもやる人でしたが、自身のキャリアとしてはどっぷり専門性を持ったほうがよいと考えました。環境としては、取り組みのレバレッジが効いて、1人の存在感もだせる事業規模の事業者側の企業。そして、どの業界でやりたいか? を考えたときに、ECを武器にすれば私として思入れのあるアパレル業界に対して貢献できるんじゃないかと考えました。それで、人材紹介会社経由で2010年にクレッジに入社し、店舗メインの企業におけるEC担当者というポジションになりました。

──ECの専門職として入社して、前職の経験が生きましたか。

川添:クラウンジュエルとクレッジでは事業環境として異なる部分が多くありました。ただし、それよりも改めてEC担当者になってみると、クラウンジュエルでは断片的なことしかやっていないことに気づき、最初は基本的なことも含めてわからないことが多かったですね。

たとえばクラウンジュエルは、ささげもシステムもすべて内製化していました。一方クレッジはSPA型でSHIBUYA109系ブランドを複数展開していたのですが、自社ECはすべてフルアウトソースかつ丸投げという状況。また、ファッションウォーカーやマガシークなどのモールEC展開は、同じ部門だけど卸のチームが担当していたんです。そうしたことは入社してから知って、やはり前職とは勝手が違いましたね。

面接時は「売上アップに向けてサイトのビジュアルはこうした方がいい」「モールECでの販売はこのサイトに注力した方がいい」と言っていましたが、いざ入った瞬間は「さあ、どこから手をつけようか?」となりました。周囲からは私が前職でECやっていたということから期待値が高めで、焦りもありましたね。

──その状況をどう打開したんですか。

川添まずは自分ができることからやりました。たとえばメルマガは確実に改善できると思ったので、その時のメルマガの運用方法を聞いたんです。すると、店舗向けとEC向けの2種類のメルマガにわかれていました。今でこそあるあるとして理解できますが、当時はなんで2種類のメルマガがあるんだろうって思い、「誰が書いてるんですか?」と聞くと「店舗向けのメルマガは各ブランドの販促担当者で、基幹ブランドのLIP SERVICEくらいしか定期配信をしていない。EC向けは、アウトソース先の運営代行業者に丸投げしてます」とのことでした。それで、これはまずいと。

──言い方を換えると、活躍できる場が見つかった感じですね。

川添:そうなんですよ。EC・デジタル部門として“最適化”がされていない。そこでECのメルマガを「私がやりまーす」と言って半ば勝手に担当するようにしました(笑)。店舗向けも配信設定するだけでは左から右に仕事をしているだけだと思ったので、そちらも「私がリライトするから原稿を送ってください」と販促担当者にはたらきかけました。店舗向けのメルマガは、原稿と画像を送ってもらい、メインチャネルであるガラケーに合うように私がリライトして配信。その後、画像を加工して背景をトリミングしたり、メルマガ用の商品撮影をしたりするようになり、販促担当者からは感謝されるようになってある程度信頼関係が築けたと思っています。朝まで飲みに行くのも顔を出していたので(笑)。そうなってくると、ECとしてここぞと告知したい時は店舗向けのメルマガに告知を差し込むのを許可してもらったりもしましたね

分析ツールの「Googleアナリティクス」も入社当時に初めて触れました。「Googleアナリティクス」というのがあって、サイトの分析ができること自体は知っていたものの、実際に触ったり活用法は知りませんでした。主要KPIは本を読んで学んだり、運営代行の会社からもらう数字などを見てある程度理解し、数字を理解するとさらに知りたくなることを探っていったりしていました。細かい使い方は、Google先生で調べて実践するの繰り返しでしたね。

──Web広告はどうしていたんですか。

川添:当時はリスティング広告をやっていて、運営代行会社に全部丸投げしていたんですよ。営業に来る方やセミナーなどで情報収集する中で、「Web広告は有効性がある」ということを知り、自社ECではどうなっているのか確認をしたところ、積極的に運用されておらず、定期的なレポーティングももらっていない状況でした。ようやくレポートを見ても、明らかに売上や利益に貢献していない感じはわかったので、、「こっちでやります」と引き取りました。そうは言ってもまったくやったことがなかったので、まずは広告代理店の5-6社連絡し、2-3社話しを聞いた段階で「まずはリスティング広告からやってみたほうが良い」「自社のROASは低すぎる」「キーワードやキャンペーンの運用がされていない」ということを理解できました。最終的に1社に決めて、部長経由で何とか月額20~30万円(月商は約2,000万前後)の経費申請をねじ込んでもらい、リスティング広告の運用担当もやることになりました。

まずはリスティング広告の仕組みを理解しながら、代理店と一緒にチューニングしていった結果、ROASが300-400%だったのが、1,000%前後まで効率を高め、経由売上自体も増やすことができました。その次に、よりモバイル広告(ガラケー)を精緻に効果測定する方法として、有料測定ツールがあることをを教えてもらい導入をしました。そこで「これでメルマガとかの測定していいですか?」って聞いたら、「測定リンク数の上限内であればOK」だと。そこからガラケーのメルマガやECサイト内のバナー経由売上の測定を始めました。するとメルマガ経由の売り上げがサイト全体の10数%のシェアを占めていることがわかって驚きました。さらに、「メルマガのテキストリンク1個で40万円も売れている!」とかがわかって、楽しくなって研究と実験をしたくなっちゃったんですよ(笑)

それでどんどんデータを取り、メルマガ・ECサイト・ブログなどどこに情報を載せ、どんな内容だと売り上げが伸びるか結果を蓄積していくうちにわかるようになったんです。なので、施策に対しても、事前に「売上を上げるためにここを改良できないか?」と打診もできるようになり……限られた範囲ですが新しいツール入れて、また試す。その繰り返しで、さまざまなことを学んでいった気がします。ちなみに、この時の広告代理店はソウルドアウト社で、当時の担当者も含めて、今でも別の会社でお取引しております。

──クレッジ時代の楽しくなる感じというか、ある種の「成功体験」というのは大きかったですね。

川添運用代行の人も社内の人も含めて、人が動かないとECというデジタル上の店舗って動かないだっていうのは、その時にわかったことですね。あとは、単に指示をしてもなかなか伝わらないというのも感じました。たとえば、クリエイティブの指示は文面だけでは齟齬が生まれるので、設置場所や模範にするデザインを指定するような指示書が必要だとか、代理店や運用代行の方々と打ち合わせする際も「こうしましょう」とフワッと決めずに、誰がいつまでにどの作業を担当するかを明確にするとか、そういった業務の基本はクレッジ時代に学んだことですね。

ただ、その頃はひたすら改善ポイントをつぶしたり、Webで新たにチャレンジできる範囲をちょっとずつ広げていっていましたが、ブランドを巻き込んだデジタル上の企画等はことごとく却下されました(笑)。当時は、今自分の中で持っている「チームづくり×販売手法(売り方)×在庫・MD×集客の掛け算だ」みたいなメソッドは、その時にはまだなかったですね。

──クレッジの後にメガネスーパーに転職しますね。

川添:クレッジがイグジットのタイミングでいろいろとあったのですが、「事業成長のためにあらゆる手を打てる環境」を志向して、星﨑社長が移られたメガネスーパーにいきました。極論すると、w私のECの事業の組み立て・仕事に対する考え方・やり方は、クレッジ時代にほぼ構築されているんですよ。メガネスーパーに行った後は、そのノウハウを体系化したり、より応用したというか。なので、失敗をしまくったのはクレッジ時代です。

【後編】では、EC部門の責任者に就任し、川添氏はさらにギアを上げてEC業務に邁進していくクレッジ時代、そしてビジョナリーホールディングス(当時はメガネスーパー)への転職などの経験をお伝えします。

キヨハラサトル
キヨハラサトル

「共感」から購買意欲を喚起しよう!歴史や人物が付加価値になるストーリー消費とは | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

4 years 3ヶ月 ago
ストーリー消費は、商品に付随する歴史やエピソードがモノの価値を高め、それに対する対価を払うようになる消費行動を意味します
"ストーリー"が消費行動を引き起こす ブランドよりも「共感」に価値が生まれる理由 商品やサービスそのものの品質や機能よりも、企業の商品開発までのプロセスや、商品の歴史などを消費者に伝えることに重点を置くことで購買意欲を喚起します。

ストーリー消費とは、商品が生み出された歴史やかかわった人物が付加価値となり、購入意欲が高まった結果起こる消費行動です。

商品に関連する情報を消費者に伝え購買意欲を高める手法は、マーケティングの現場でも取り入れられています。

この記事では、ストーリー消費について紹介します。

なぜいま、ストーリー消費が存在感を高めているか

ストーリー消費は2010年代前半からマーケティングの現場で指摘されてきた現象ですが、コロナ禍において注目を集めています。

コト消費の隆盛といった消費者の意識の変化や、SNS利用の日常化といった生活の変化も関係しています。

まずはストーリー消費の存在感が増している理由を説明します。

モノがあふれ、市場がコモディティ化

現代の日本では、一定水準の生活環境を整えることは難しくありません。日用品や生活家電、電子機器、消耗品にいたるまで、消費者のこだわりを満たす商品が購入可能な価格で販売されています。

このような社会のなかで、消費者にとって物理的に満たされたいという欲求はあまり生まれません。たとえば100円均一のマグカップであっても、容易に壊れてしまったり取っ手のない不良品であったりということはほとんどありません。生活用品以外の分野でも、安価で高性能な商品があふれています。

こうした中で消費者には「今しかできない体験をしたい」「他人とのつながりを感じたい」という欲求が高まっていきます。

コロナ禍により、コト消費に制限

「今しかできない体験」を求める消費者の行動は「コト消費」と関係しています。

コト消費は商品を入手するまでの過程や、体験、あるいは特定の空間での滞在そのものに価値を見出し、対価を支払う消費行動です。

商品の機能に意味を見出したり、所有することに意味を見出す消費とは異なる消費として定義されています。

2020年からの感染症の流行拡大により、旅行といった非日常から、買い物といった日常まで、多くの活動が制限されています。

こうした中、外出や店頭での体験を経てモノを購入するといったコト消費を行うことが難しくなりました。オンラインショッピングでは、多くの場合商品をスペックから判断し購入するしかありません。

モノ消費「付加価値」に意味を見出す消費者

こうした中、消費者はモノを差別化できる「個性」を求めています。商品に付帯する「ストーリー」は、まさに消費者の求める個性となります。

歴史や作り手の思いは、同類の製品との差別化ポイントであり、商品に付加価値を与えます。また、消費者自身が製品に手を加えることもストーリーの一つとなります。

たとえば「数年の試行錯誤を経て商品化された缶コーヒー」「母親が付けていたアクセサリーをリメイクした指輪」「自分でアレンジした衣服」はストーリー消費の一つの形態といえるでしょう。

ストーリー消費を成立させる2つのトレンド

続いて、このようなストーリー消費を成立させる2つのトレンドについて解説します

SNSの普及:ユーザーの発信が「共感」の波を拡大

SNSの普及は、商品にまつわる「ストーリー」を拡散しやすくしました。SNSでの発信には複雑な手続きは必要なく、一般消費者は自分の言葉で自分の感想を発信します。

情報を発信する側のユーザーはなぜ発信するのでしょうか。自分の体験を誰かに共有して役に立ちたかったり、感動を誰かに伝えたかったり、あるいは自慢をして心理的に満たされたかったりということが考えられます。こうした心の動きを生むのが、商品を他と差別化する「ストーリー」です。

SNSのコンテンツや情報は、似た価値観をもった消費者に届きやすく、情報を受け取ったユーザーには共感が生まれます。ユーザーは共感を元に購買を検討し行動します。商品にまつわるストーリーが、消費を引き起こす可能性を持っているといえるでしょう。

また忘れてはいけないのが、消費者はSNSに限らず、メディアを通じて常に膨大な量の情報に触れているという点です。こうした中で、ある情報を強く印象づけることはどんどん難しくなっています。ストーリーは、情報の波の中で消費者に情報を印象づける有効なファクターとなります。

みさまる@着物さんのTwitter投稿
▲みさまる@着物さんの投稿:Twitter

「世間が支持するか」ではなく「自分にとって魅力的か」が重要

ストーリー消費を支える消費者の価値観には、「自分にとって魅力があるかどうか」があります。世間の多数が良いと思うかどうかではなく、自分がかっこいいと思えるかどうかを大切にする考え方です。

株式会社テスティーの2019年の調査では、20代男性60.7%、20代女性78.6%が「ブランド価値より、自分に合ったものが欲しい」と回答しました。

モノに対する価値観、株式会社テスティーの2019年3月調査結果
▲モノに対する価値観調査結果円グラフ:株式会社テスティー(2019年3月調査)

 

高級ブランドという社会的な価値よりも、「パーソナリティ」を大切にしていることがわかります。

商品にまつわるストーリーがこうしたパーソナリティと合致しているものであったり、肯定するものであったりする場合には、ストーリー消費を引き起こすと考えられるでしょう。

ストーリーマーケティングのポイント

ストーリー消費は、商品に付随する歴史やエピソードがモノの価値を高め、それに対する対価を払うようになる消費行動です。

商品やサービスそのものの品質や機能よりも、企業の商品開発までのプロセスや、商品の歴史などを消費者に伝えることに重点を置くことで購買意欲を喚起します。

こうした消費行動を喚起させることを目的としたマーケティング手法は、ストーリーマーケティングと呼ばれます。

続いて、ストーリーマーケティングの3つのポイントを整理します。商品にまつわるストーリーを展開する場合には、これら3つのポイントを意識するべきでしょう。

1. 「真実」を伝える

ストーリーマーケティングを実施する上で重要なのは背景やストーリーですが、これらは事実であることが大切です。

感動を呼ぶ話や、消費者に共感されるような理念であっても、作り話では意味がありません。虚偽の話を宣伝に活用した場合、消費者からの信用を失ってしまう可能性があります。

事実を伝え、本当に共感してくれる消費者に購入してもらうからこそ、ストーリーマーケティングは成功します。

2. 「共感」を得る

2つ目のポイントは共感を得ることです。共感は、消費者の行動を呼び起こすもっとも重要な要素です。

たとえば、企業や従業員が目標達成に向けて困難を乗り越える姿を伝えることは、消費者の共感を得ることができます。

商品の性能について伝えるだけでなく、どんな経緯でその商品の開発に至ったのか、販売開始までのどのような歴史があったのかに焦点をあわせます。

成功した部分だけでなく、過去の失敗や、試行錯誤のプロセスなどを盛り込むことで、より大きな共感につながります。消費者が自分自身を投影できるような身近な話を用いて伝えることで、より記憶に残り、共感のポイントが多いストーリーとなります。

3. 「繋がり」から広がる

ストーリーが消費者に与えた共感は、その消費者がつながる人物に共有され、そこでも共感を生み出す可能性があります。

共感はこのように消費者による宣伝行動につながり、またSNSを通じて拡散していきます。

ストーリーマーケティングと類似した概念

最後に、ストーリーマーケティングに類似した概念を紹介します。

類似1. コミュニティマーケティング

コミュニティマーケティングとは、ある特定のコミュニティに対して商品の宣伝を行うアプローチです。人間の帰属意識を大切にする価値観をベースに、購買行動につなげます。

たとえばSNSを活用したオンライン上のコミュニティや、イベントなどを通じたオフラインのコミュニティに対する情報発信や、限定ノベルティの配布などはコミュニティマーケティングの一手法といえるでしょう。

ブランドの商品所有者だけが参加できるクローズドなイベントは、コミュニティへの帰属意識を高めます。こうしたつながりのなかで、商品やブランドへの愛着が増強されます。

コミュニティマーケティングは宣伝の主体である企業や組織と、消費者との間に双方向のやりとりが可能な点にあります。消費者の反応を引き出すような施策により、消費者からの商品やブランドに対する評価を引き出し、改善に活かすということもできます。

個人のライフスタイルが多様化し、以前のようなマスマーケティングよりも、ターゲットを絞った広告宣伝の重要性が高まっています。このような市場の変化に合致した施策といえるでしょう。

類似2. 共感マーケティング

共感マーケティングは、消費者の共感を呼ぶ仕組みをつくることに焦点を当てるマーケティング手法です。

インフルエンサーによる発信や口コミの集積により、消費者の共感を呼び起こし、それを消費者行動に結びつけます。インフルエンサーや口コミの内容は、必ずしも商品にまつわるストーリーとは限りません。

共感マーケティングでは、共感を広めることに専心してしまい、肝心の商品や情報に魅力がなければ拡散されない点に注意が必要です。

消費者がストーリーに付加価値を見出すことで起こる購買行動

SNSなどを通じた情報発信が日常化していることや、消費機会の変化、消費意識の変化にともないストーリー消費やストーリーマーケティングの存在感が強まっています。

商品のスペックや価格が市場における差別化につながらない現代で、商品の持つストーリーは消費者にとって大きな付加価値となります。今後も消費者に選んでもらうための重要なファクターであり続けるでしょう。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ
口コミラボ

コロナ禍の消費者と密な関係性を維持するには? ランクアップが明かすリピート増のオンラインイベントを生む3つのポイント

4 years 3ヶ月 ago

コロナ禍において、消費者向けオンラインイベントはリアル開催の時よりも幅広いタッチポイントを持つことができたと評価する化粧品通販のランクアップ。

2020年3月からオンラインイベントを積極的に行い、これまでの総参加者数は2765人(2021年7月時点)。そのランクアップが、オンラインイベントへのリピーターを増やし成功に導くための3ポイントを明かした。

化粧品通販のランクアップのオンラインイベント
ランクアップのオンラインイベント

オリジナル化粧品ブランド「マナラ」の通販事業を手がけるランクアップは、「会える通販」を目指して積極的に顧客と関りを持てるイベントを実施。毎回のアンケートでは高い満足度が示され、リピートする参加者も多くいるという。

ランクアップが掲げる、成功するオンラインイベント3つの心得は以下の通り。

ポイント①
企画の心得 人気の秘訣は企画にあり 社長自ら立案するイベント 部署「ファンが一番大事チーム」

ランクアップの販売促進部には「ファンが一番大事チーム」という部署がある。主な業務は、顧客の信頼を深め、熱狂的なファンになるきっかけを作ること。

新規顧客や「マナラ」愛用客に向けたさまざまなイベント実施、「MANARA with」というファンサイトの更新などを通じ、顧客とのタッチポイントを増やし、深くしていくことに注力している。

オンラインイベントも、「ファンが一番大事チーム」が運営のメイン。2020年4月以降、2021年8月末時点で計12回のオンラインイベントを実施している。

岩崎裕美子社長が自ら、毎回オンラインイベントの企画を立案。オンラインイベントは製品の良さや会社の姿勢・雰囲気を、温度感を持って伝えられる貴重な機会という。イベント内で社長として声を届ける機会を持つことで、親近感や信頼感を持ってもらうようにしている。

化粧品通販のランクアップのオンラインイベント 岩崎裕美社長
岩崎裕美社長

ポイント②
イベント当日の心得 社員自らすっぴんで登壇 チャット欄も大盛り上がり

イベントでは毎回、ランクアップの社員自らが登壇し、イチからスキンケアや時短メイクなどを教授する。メイクイベントの時などは、社員は最初、すっぴんで登壇。すっぴんからメイクのコツなどを実践して見せる内容にリアル感があり、好評の理由となっている。

化粧品通販のランクアップのオンラインイベント
社員がすっぴんで登壇

オンラインイベントでは、常に参加者からの質問チャットが飛び交う。イベントについての質問、普段のスキンケアやメイクをするなかでの悩みが寄せられる。スタッフはそれらに的確、迅速に回答できるようイベント登壇者が口頭で対応するほか、美容知識や製品知識のある社員がチャット欄で回答するなど、臨機応変に対応している。

化粧品通販のランクアップのオンラインイベント
リアル感が人気という

ポイント③
イベント後の心得 イベントは開催して終わりではない 次のイベントをより良くするための工夫

イベント終了後には必ずアンケートを取る。アンケートへの回答で製品をプレゼントする回もあるが、目的は次回のイベントに反映し、より面白いと感じてもらえるコンテンツを提供するため。

毎回改善につなげることで、似たようなテーマであっても同じイベントはなく、同じ参加者がまた次のイベントにも参加、高いリピート率を維持する理由となっている。

化粧品通販のランクアップのオンラインイベント
参加者から寄せられた声
石居 岳
石居 岳

ストライプインターナショナルのECサイト「STRIPE CLUB」、「STAFF START」を通じブログ記事が作成・投稿できる機能を導入

4 years 3ヶ月 ago

ストライプインターナショナルは、ECサイト「STRIPE CLUB」に導入しているDXアプリケーションサービス「STAFF START」を通じてブログ記事を作成・投稿できるようにした。

「STAFF START」からブログ更新も可能に

ストライプインターナショナルは2019年10月に「STAFF START」を導入し、「スタッフコーディネート機能」を利用している。ブログ記事を作成・投稿できるようになったのは、「STAFF START」の「まとめ機能」を導入したため。ブログ記事投稿も「STAFF START」から行えるようになった。

また、コンテンツのさらなる充実化だけでなく、ブログ経由売り上げを店舗スタッフの評価として新たに組み込むことができるようになる。

本部スタッフから活用を開始してノウハウを蓄積し、10月以降順次店舗スタッフの利用を進めていくという。

バニッシュ・スタンダード STAFF START まとめ機能 ストライプインターナショナル STRIPE CLUB
ストライプインターナショナルが運営する公式ECサイト「STRIPE CLUB」
(画像は「STRIPE CLUB」よりキャプチャ)

ブログ記事が増えにくい課題を解決

ストライプインターナショナルは、これまで一般的なブログサービスを利用し、ECサイト上でブログ記事を掲載していた。しかし、店舗スタッフが忙しい通常業務の合間にブログ投稿を行うことは難しく、ブログ更新を頻繁に行えないという課題があった。

「STAFF START」の「コーディネート投稿機能」は以前から利用しており、店舗スタッフにとっては使い慣れたモバイルアプリになっている。そのアプリからブログ記事投稿を行えることで、ブログ記事作成の負荷軽減につながり、投稿数が増えると考えているという。

「まとめ機能」とは

「まとめ機能」は特集記事を簡単に作成・投稿できる「STAFF START」の一機能。店舗スタッフが特集テーマを創作してコンテンツ化できる。

コンテンツごとの経由売り上げを可視化できるため、店舗スタッフの自発的な更新につながり、結果的にECサイトにおける読み物コンテンツが充実していくという。

バニッシュ・スタンダード STAFF START まとめ機能 ストライプインターナショナル STRIPE CLUB
「STAFF START」の一機能「まとめ機能」
藤田遥
藤田遥

北の達人に学ぶ利益重視型マーケティング/イオンのトータルアプリ「iAEON」とは?【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

4 years 3ヶ月 ago
2021年8月27日~9月2日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 高収益の経営体質を作るには?営業利益率29%の北の達人に学ぶ「利益重視型マーケティング」の実践法

    北の達人コーポレーションの木下勝寿代表取締役社長、イルグルムの岩田進代表取締役と笹井俊宏企画課長の鼎談(ていだん)から学ぶ、「高収益企業」を作るマーケティング手法

    2021/8/30
  2. イオンが配信を始めたコード決済「AEON Pay」など搭載のトータルアプリ「iAEON」とは?

    イオンはリアル店舗とデジタルの融合を進めており、店舗とデジタルを融合したシームレスな体験を提供するのが目的

    2021/9/1
  3. そごう・西武が新しい買い物体験を提供するために開業したメディア型MOMストア「CHOOSEBASE SHIBUYA」とは

    百貨店業態では珍しい店舗とECの完全在庫連携を実現。「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」は、店頭・ECのシステムやオペレーションを融合し、オンラインとオフラインを自由に行き来できるOMOストアの仕組みを導入している

    2021/9/2
  4. Googleマップで嫌がらせの口コミが発生、グーグルに報告しても削除されない。こんな場合の対処方を解説

    Googleマップの口コミにネガティブな情報が書き込まれた場合の対処法として、まず第一に取れる手段である「Googleへの報告」(削除依頼)、それ以外の2つの方法と、削除の対象となる口コミの条件について説明します

    2021/8/30
  5. 【EC調査】年商100億円以上の企業の課題は「売上拡大」。返品率は5-10%未満がボリュームゾーン

    エルテックスは、EC・通信販売事業関与者の実態調査「通販事業全般の課題」「EC/通販システム導入時の重視点」「年商規模別返品率」などを集計・分析した

    2021/8/30
  6. ノウハウしかない! 業務用馬刺しのBtoB-ECサイトを成功させた事例【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年8月23日〜29日のニュース

    2021/8/31
  7. コロナ禍で変わった消費行動。「実店舗とデジタルコマースの境界線」があいまいになり、統一した顧客体験が重要になった

    コロナ禍におけるBtoCコマースの現状、最新トレンド、消費者の期待、コロナ禍による変化などを解説します

    2021/9/1
  8. ヤマト運輸が始めたEC商品返品時の手続きや業務をデジタル化するEC事業者向け「デジタル返品・発送サービス」とは

    「デジタル返品・発送サービス」は返品手続きや業務をデジタル化、従来発生していたユーザーによる電話での返品依頼や伝票作成の手間といった返品手続きを簡便化するサービス

    2021/8/31
  9. 食品の通販・ECで表示に関する自主基準、「通信販売広告における食品の表示に関する方針」をJADMAが策定

    公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が策定したのは「通信販売広告における食品の表示に関する方針」。生鮮食品や加工食品などの食品を通販・ECサイトで販売する際の広告作成における基本的な考え方を示している

    2021/8/27
  10. 新型コロナによる小学校の臨時休業などで労働者を有休取得させた事業者への制度「両立支援等助成金(育児休業等支援コース(新型コロナウイルス感染症対応特例))」とは

    新型コロナウイルス感染症への対応として、臨時休業などをした小学校などに通う子どもの世話を行う労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年 次有給休暇を除く)を取得させた事業主は助成金の対象となる

    2021/8/31

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    「10兆円の国内EC流通総額を2030年までに」。楽天・三木谷社長が語ったコロナ禍の振り返り2021年「楽天EXPO」【講演要旨】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

    4 years 3ヶ月 ago
    三木谷浩史会長兼社長が国内EC流通総額の成長要因にあげたのは、モバイルとのシナジー、送料込みライン、配送の効率化、ポイント利用の一層拡大

    2030年ぐらいに国内EC流通総額10兆円を目標に進んでいる」。楽天グループが9月2日にオンラインで行った「楽天EXPO 2021」。楽天グループのトップが出店者と事業戦略を共有する講演に登壇した三木谷浩史会長兼社長は流通総額の目標をこう表明した。三木谷社長がオンラインで視聴した3万人近い出店者に語った2021年上半期の振り返りをまとめ。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
    三木谷浩史会長兼社長

    2021年通期は国内EC流通総額5兆円突破が目標

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年12月期の「楽天市場」は好調、「楽天市場」単体でEC流通総額は3兆円を突破した。その勢いは2021年1-6月期(中間期)も維持。国内EC流通総額は前年同期比17.0%増の2兆2777億円だった。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
    国内EC流通総額の推移と今後の目標数値

    「楽天市場」、1stパーティー(ファッション、ブックス、楽天24、楽天西友ネットスーパー)、オープンEC(Rebates、楽天ペイ オンライン決済)、ラクマが対象のショッピング流通総額は、2019年から2021年第2四半期におけるCAGR(年平均成長率)で23.6%増。

    「コロナ禍の期間だけ伸びたのではないか? こう思われるかもしれないがユーザーは定着している」。三木谷社長がこう話す通り、「楽天市場」などのユーザー利用率は定着している。

    「楽天市場」の利用ユーザーは2020年に大きく成長。2021年1-3月期に「楽天市場」「ファッション」などで購入したユーザーが、2021年4-6月期に再び買った割合は約76%で、ユーザーの定着率が安定して推移している

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
    リピートユーザーの推移(画像はIR資料からキャプチャ)

    楽天グループではまず、2021年通期国内EC流通総額について、5兆円の突破を目標を掲げる

    なお、国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、デリバリー、楽天24(ダイレクト)、オートビジネス、ラクマ、Rebates、楽天西友ネットスーパーなどの流通額を合算した数値。

    楽天市場拡大要因① モバイルとのシナジー

    ネット通販の流通総額は、モバイル経由がパソコン経由をはるかに上回った。今後、モバイルが成長の源泉になると思っている。これから、タブレット端末を使う高齢者も増えていくだろう。楽天グループは細かな改善をこれからも続け、出店者の皆さまと一緒に「楽天市場」のさらなる進化を遂げたい。(三木谷社長)

    現在、モバイル事業に注力している楽天グループ。楽天モバイルの端末を使うユーザーが増えれば、「楽天市場」などEC流通総額にも大きな相乗効果が生まれると三木谷社長は強調する。まず、モバイル事業の現状について見ていく。

    楽天モバイルの契約数(MNOとMVNOの合計)は500万回線を突破。「早晩、このユーザー数は2000万から3000万規模になっていくだろう」(三木谷社長)。8月には楽天モバイルの4G回線エリアの人口カバー率が90%に到達したことも明らかにしている。

    契約回線数の増加は「楽天市場」にどのような効果をもたらしているのか。三木谷社長はこう言う。

    EC流通総額の拡大に大きく貢献している。(三木谷社長)

    まずは新規ユーザー。2021年4-6月期に契約した楽天モバイルユーザーの新規ユーザーのうち、楽天のサービスを初めて使う新規ユーザーは19%楽天モバイル契約以前に「楽天市場」の利用経験がなかったユーザーの3人に1人が、契約後半年から1年以内に「楽天市場」で商品を購入しているという

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り エコシステム連携による楽天グループの新規ユーザー獲得
    エコシステム連携による楽天グループの新規ユーザー獲得

    ちなみに、楽天モバイルユーザーの62.9%が「楽天市場」で買い物をしてる

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天モバイルユーザーが「楽天市場」で買い物をする割合
    楽天モバイルユーザーが「楽天市場」で買い物をする割合

    そして、「次のスライドが衝撃的だ」と強調したのが契約者(1年以上利用している2020年3-7月の契約者)の年間流通総額の増加率。楽天モバイル契約の前と後で、「楽天市場」における年間流通総額が77%増加したという

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 契約者1人あたりの年間流通総額の増加率
    契約者(1年以上利用している2020年3-7月の契約者)の年間流通総額の増加率

    その数値の内訳を示した資料も公開した。たとえば、楽天および「楽天市場」の既存ユーザーでMNO契約前は1万3000円だった「楽天市場」利用における月次流通総額が、MNO契約後は2万1000円まで拡大しているのだ。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天モバイルユーザーの「楽天市場」月次流通総額の変化
    楽天モバイルユーザーの「楽天市場」月次流通総額の変化

    基本的には楽天モバイルの料金はポイントで支払うことができる。楽天ポイントが使える楽天モバイルと「楽天市場」のショッピングの相性が非常に良い。(三木谷社長)

    三木谷社長が示した「相性」、つまり顧客ロイヤリティについて、楽天グループが2020年7-12月に契約したユーザーを対象に調べたところ、契約月は26%だったダイヤモンド会員が、半年後には36%に拡大。「モバイルはロイヤリティを深めるサービスだと言える」(三木谷社長)

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天モバイル契約者の会員ランク推移
    楽天モバイル契約者の会員ランク推移

    楽天市場拡大要因② 送料込みライン

    店舗、ユーザー、楽天グループが三位一体となり、より便利で、より楽しく、より安全なショッピングプラットフォームを実現して行いきたい。そのためにさまざまな取り組みをしている。

    「楽天EXPO 2021」で流通総額の拡大に寄与した取り組みの1つにあげたのが「送料込みライン」。購入者の送料負担を0円とするラインを3980円以上に設定した「送料無料ライン」について、7月時点で導入店舗数は9割を突破流通総額に占める割合も9割を超えたとしている。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 共通の「送料込みライン」の導入状況
    共通の「送料込みライン」の導入状況

    「送料込みライン」導入店舗と未導入店舗の成長率を比較すると、導入店舗は未導入店舗と比べて成長率は約25ポイント高くなっているという(2020年12月における流通総額成長率を前年同期と比較した場合)。

    また、「送料込みライン」スタート時と2021年6月で「送料込みライン」ユーザー満足度は13.3ポイント増えている。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 共通の「送料込みライン」のユーザー満足度
    共通の「送料込みライン」のユーザー満足度

    楽天市場拡大要因③ 配送の効率化

    物流拠点とラストワンマイルを拡大することで、独自の配送ネットワークを構築する「ワンデリバリー」構想では2000億円超の投資を計画する進める楽天。

    楽天グループは日本郵便と物流拠点や配送システム、受取サービスの構築、楽天フルフィルメントセンター、ゆうパックなどの利用拡大に向けた取り組みを共同で進めている。

    新設した完全子会社「JP楽天ロジスティクス合同会社」に、物流事業に関する権利義務を簡易吸収分割の形式で承継。7月1日に楽天グループ、日本郵便が「JP楽天ロジスティクス合同会社」に出資し、翌日に商号変更した「JP楽天ロジスティクス株式会社」がスタートした。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天グループと日本郵便の協業
    楽天グループと日本郵便の協業(画像はIR資料からキャプチャ)

    日本郵便とは次世代物流プラットフォームを構築し、可能な限りオープンな形でさまざまな事業者に展開。協業を通じて出店者の負担を可能な限り増やすことなく、配送料をより安価に、クオリティが高いサービスを提供できる体制を整える。

    物流拠点は将来的に、たとえば北海道、沖縄も視野に入れていかなければならない。また、(複数店舗の商品を)まとめて配送する、ロッカーをさまざまなところに設置、週に一回まとめて配送してほしいというユーザーには週一まとめて配送を行う、といった多岐にわたる配送サービスをサポートしていこうと考えている。(三木谷社長)

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
    物流ネットワークを協業して構築する(画像はIR資料からキャプチャ)

    楽天市場拡大要因④ ポイント利用の一層拡大

    楽天グループでは2021年8月時点で累計発行ポイントが2.5兆ポイントを突破。MMD研究所の調査では、42.4%のスマホユーザーが「楽天ポイント」を利用しているという。三木谷社長はこう言う。「楽天ポイントはスマホユーザーに使われている圧倒的ナンバーワンのポイントサービス」。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 各ポイントサービスの利用状況など
    各ポイントサービスの利用状況など

    「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天銀行」「楽天カード」など、さまざまなサービスを使うとポイント倍率があがるポイントグラム「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」がポイント利用の拡大を支えている。

    「SPU」は楽天ユーザーに年々浸透。クロスユースの堅調な推移、アクティブユーザーの増加などにつながっている。

    なお、「楽天市場」では発行したポイントの約1.6倍が商品購入時に楽天ポイントが利用されているという。

    「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」の浸透
    SPUの浸透について
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    eBayのECモール「Qoo10」がライブショッピングに参入、10月から毎週水曜日に配信

    4 years 3ヶ月 ago

    ECモール「Qoo10(キューテン)」を運営するeBay Japanはライブショッピングを9月から始める。

    ケンドーコバヤシさんやトレンディエンジェル、AKB48 の宮崎美穂さんといったゲストが登場。1日1販売店が参加する形式で販売する。

    ライブショッピングは、オンラインでの販売とライブ配信を組み合わせ、ユーザーがその場で質問など行いながら販売店と双方向性でコミュニケーションを取れる販売形態。

    「Qoo10」のライブショッピングには、「Like」をつけたり、「質問」の投稿、「アンケート」に応える機能を搭載。商品に対するユーザーの疑問や不安をその場で解消し、売り手と買い手のコミュニケーションによってライブならではの買い物の場を提供できるとしている。

    開催日時は9月2日(木)、9月5日(日)、9月8日(水)の3日間で、それぞれ20:00~21:00に約1時間、配信する。10月からレギュラーで毎週水曜日に配信する方針。

    9月2日は韓国の自然主義ビューティーブランド「Nature Republic(ネイチャーリパブリック)」のライブ限定シカ・ビタペアCセット、5日は大阪王将のライブ限定セット商品、8日はスキンケア・コスメの韓国ブランド「TIRTIR(ティルティル)」の商品を紹介する。

    ECモールのライブショッピングに関しては、ヤフーは「Yahoo!ショッピング」で展開していたショッピングLIVEとレビュー動画の機能を6月に終了。配信動画は閲覧できないようにした。

    楽天はライブ動画配信サービス「Rakuten LIVE(楽天ライブ)」の提供を4月に終了した。「Rakuten LIVE」はアーティストやタレント、一般のユーザーがライブ動画を配信し、視聴者とコミュニケーションを取ることができるサービスで、ライブコマース機能を搭載していた。

    一方、KDDIとauコマース&ライフは「au PAY マーケット」で展開しているライブコマースサービス「ライブTV」を強化中。海外の現地ブランド商品をできる番組、芸能事務所と組んだ番組などの配信を進めている。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    そごう・西武が新しい買い物体験を提供するために開業したメディア型MOMストア「CHOOSEBASE SHIBUYA」とは

    4 years 3ヶ月 ago

    そごう・西武は9月2日、「サステナビリティ」をテーマにしたメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」を西武渋谷店パーキング館1階にオープンした。

    メディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA」の特徴

    • Webカタログを活用した非接触でのウォークスルー決済
    • AIカメラによる店内データ解析(通行/来店/購買)
    • 店頭とECの完全リアルタイム在庫連動
    • BOPISおよび店頭配送などの受渡/配送システム
    • 店頭/EC/Webメディア一体のデータプラットフォーム

    店舗とECの完全在庫連携を実現。店頭で見た商品を帰宅後にECサイトで購入、あるいはオンラインで購入した商品を店舗で受け取るといった顧客目線での購買体験のあり方を追求したという。

    「CHOOSEBASE SHIBUYA」の主要機能 そごう・西武の「サステナビリティ」をテーマにしたメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」
    「CHOOSEBASE SHIBUYA」の主要機能

    デジタルトランスフォーメーションに関する戦略コンサルティング、プロダクト開発などを手がけるROUTE06とストア開発で協業。最先端のテクノロジーを活用したRaaS業態で展開し、デジタルネイティブ世代と新興ブランドの出会いを創出している。

     「CHOOSEBASE SHIBUYA」では、商品説明など販売員の役割の一部をスマホが担う。公式ECサイトとストアが連動した商品を展開。店頭で購入を迷った場合、自宅でゆっくり検討、購入することができる。ショールーミングストアとは違い、全商品が持ち帰りに対応していることが特徴だ。

    「CHOOSEBASE SHIBUYA」では、商品説明など販売員の役割の一部をスマホが担う そごう・西武の「サステナビリティ」をテーマにしたメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」
    次世代店舗の在り方も提供する

     

    会場は4つのエリアで構成、それぞれ異なる体験を提供する。2つある展示室エリアでは、D2Cブランドを中心に51ブランドの商品を展開。これらのブランドは、「CHOOSEBASE SHIBUYA」ストアのキーワードである「サステナビリティ」を切り口にキュレーションしている。

    展示室エリアのイメージ そごう・西武の「サステナビリティ」をテーマにしたメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」
    展示室エリアのイメージ

    3つ目のエリアには、ファッションD2CのFABRIC TOKYOが働く女性のためのオーダーウェアブランド「INCEIN」の1号店を開設。3Dスキャンボックスで身体を採寸し、サイズとデザインを自分好みにカスタムオーダーする。

    商品展示だけではなく、ラウンジエリアも用意する。完全キャッシュレスのパーソナライズドカフェ「TAILORED CAFE」を展開。専用モバイルオーダーアプリ「COFFEE App」を使い事前注文することで、待ち時間なくスムーズに商品が受け取れる。

    オープン時には、Googleが提供するさまざまなデバイスを通じ、Youtubeの音楽視聴に新しい楽しみ方を提案するプロジェクト「I DISPLAY music.」の特別ブースを設置。プロジェクトで制作したAdo「夜のピエロ(Teddy Loid Remix)」のMVの世界観を、Googleの最新ガジェット、非接触ディスプレイを搭載した装置で体感できる。

    「I DISPLAY music.」の特別ブース そごう・西武の「サステナビリティ」をテーマにしたメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」
    「I DISPLAY music.」の特別ブース
    石居 岳
    石居 岳

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略 | 通販新聞ダイジェスト

    4 years 3ヶ月 ago
    澤田宏太郎社長兼CEOに、コロナ禍のEC利用、2021年3月期の振り返り、今後の戦略などについて通販新聞社がインタビューした

    ZOZO(ゾゾ)は、2021年3月期の商品取扱高が前年比21.5%増の4194億円、営業利益が同58.3%増の441億円となり、どちらも過去最高を更新した。デジタル化の波をとらえてアクティブ会員数は前年比で約130万人の純増となるなど、今期の成長に向けても大きな土台を作った。「前期はさまざまな部分で“本質”が見えた1年だった」と語る澤田宏太郎社長兼CEOに、コロナ禍の成長戦略などを聞いた。

    澤田宏太郎社長兼CEO
    澤田宏太郎社長兼CEO

    コロナ禍での気づき「ファッションコンシャス度の高い客を増やすことの重要性」

    ――コロナ禍でEC利用が進んだ。

    「前期はデジタルシフトが一気に進み、3~4年くらいワープした感覚だ。当社は国内アパレルのEC化率が高まっていくことを想定して事業を展開しているが、3~4年後くらいと思っていた世界が一気に現実になったというのが正直な感想だ」

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略 取扱高の推移
    取扱高の推移(画像はネッ担編集部がZOZOのIR資料からキャプチャして追加)

    ――ロックダウンを経験した欧米はDX化が急速に進んだと言われているが、日本もEC利用という点ではかなり前進した。

    「実際の数値云々よりもマインドセットの変化が大きい。アパレルはサイズの問題があって実店舗で購入した方が安心という人がたくさんいたと思うが、外出自粛が求められる中で『ECで服を買ってみよう』と試す人が増えた。これは当社が獲得した新規ユーザー数にも表れている。初めて『ゾゾタウン』で服を買い、『ネットも便利だね』と思って頂けたお客様が増えた感触がある。実際に一見さんで終わらず、LTVの伸びにつながっていることからも分かる。その積み重ねが前期業績につながった」

    ――取引先ブランドの意識については。

    「ブランドさんの意識もかなり変わった。この数年は実店舗を頑張りながらECも伸ばしたいという考え方だったと思うが、『ECチャネルが欠かせない』というところまで意識が変化した。コロナ禍でブランドさんも生産数はかなり抑えているように思うが、当社が預かる在庫は増えているので、明らかにEC販路での売り方に意識が向いている」

    ――昨春の実店舗休業で在庫があふれた。

    「ブランドさんは自社ECだけで店頭在庫をさばくのは難しかったと思うし、当社としても在庫を預けてもらえるように早い段階から呼びかけていた。ブランドさんとしても在庫を売り切ってキャッシュ化したいという思いがあったと思う」

    ――店舗休業の影響はハイブランドやコスメの出店にも追い風になった。

    「ハイブランドさんはまさにその流れだ。ECの課題としてブランディング面があったが、とくに外資系のハイブランドさんは本国でもデジタルシフトに舵を切ったことが大きく追い風になった」

    「もちろん、当社としてもブランディングの部分は大事にしたいので、『ゾゾヴィラ』というラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを取り扱うゾーンの中で各ブランドさんの世界観を大事に展開している」

    ――コスメについてはどうか。

    「コスメは偶然というか、コロナ前にカテゴリーの新設を決めていた。その上でコスメの事業展開を考え始めていたがすぐにコロナの影響が出始め、結果的にコスメブランドさんのニーズもとり込むことができた」

    ――前期は数多くの新客を獲得し、リピート化できた。

    「一度でも『ゾゾタウン』を利用してもらえば気に入ってもらえるという自信が持てた」

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略 年間購入者数の推移
    年間購入者数について(画像はネッ担編集部がZOZOのIR資料からキャプチャして追加)

    ――PayPayモール(PPM)店も想定以上にユーザーが定着した。

    「PPM店は総合ECモールの中に出店しているので、昨年の春先くらいから消費財のEC購入が増え、モールでゾゾを知って新規顧客としてファッションも買ってもらえるようになった。そうしたお客様はゾゾ本店では取り切れない顧客層だ。サイトを分けてPPM店では違う層を狙うという戦略が当たった」

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略 PayPayモール「ZOZO店」の取扱高の推移
    PayPayモール「ZOZO店」の取扱高の推移(画像はネッ担編集部がZOZOのIR資料からキャプチャして追加)

    ――コロナ禍でさまざまな経営判断を行うのは難しい。

    「前期はさまざまな部分で本質が見えた1年だった。コロナ禍では本当にユーザーが欲しいものしか売れない。経営判断においても、さまざまな要素がある中で、本当に大事なものは何かがデータから見えてきた」

    ――具体的には。

    「例えば、コロナ禍で『ゾゾタウン』を利用してくれるお客様を分析すると、ファッションにそこまでお金をかけないファッションコンシャス度が中くらいのお客様は動きがあまり活発ではなかった。一方で、外出機会が減っても服を買うことを楽しむファッション感度の高いお客様が売り上げを支えてくれたことがデータで明らかになった

    ――戦略にも影響しそうだ。

    「当社としてはファッションコンシャス度の高いお客様を増やしていくことが大事だということに改めて気づいた。一度でも利用してもらえばリピーターになってもらえるサイトを運営しているということもコロナ禍のような状況でないと分からなかった。そういう意味で、経営判断をする上ではノイズがなくなって分かりやすくなった」

    ――物流のオペレーションは大変だったのでは。

    「多くのブランドさんから商品が集まったことで大変だった。品質を維持しながら物流業務を効率化するにはさまざまな改善策があるが、結局のところ、在庫を適正水準にコントロールすることがすべて。昨年4~5月頃に倉庫がパンクしそうになったがうまくコントロールし、在庫の充填率をどれくらいに抑えておけば業務が膨らむことなく効率化に向かうかということも非常によく分かった」

    社内限定でラジオ番組、社長の考え方を浸透

    ――リモート中心の働き方で意思疎通やアイデア出しの部分で問題はなかったか。

    「そこも本質が見えた。普段から社員同士、上も下も横も含めて信頼関係のベースが築けていないとリモートワークはうまくいかないが、当社は社員同士の信頼関係には自信があって、リモートワークは非常に有効だ」

    ――社内での新しい取り組みなどは。

    「昨年11月から私がメインパーソナリティーを務める社内限定のラジオ番組『DJさわだのナナメウエラジオ!!』を毎週水曜日に放送している。私が今考えていることをゲストの社員と話したり、『澤田宏太郎に聞いタロー』というコーナーでは社員から寄せられた質問に答えたりと、さまざまなコンテンツを放送している」

    ――ラジオを始めた理由は。

    「コロナ禍でリモートワークが増え、私のキャラクターだったり、思いなどを伝えにくい環境になったので、デザイン部門とのアイデア出し会議の中で、『いっそうのことラジオでも始めようか』ということになった。自分の考えを知ってもらい、社内に浸透させる手段になっている」

    ――前期は売り場だけでなく商材拡張にも力を注いだ。

    「商材拡張では、現状で一番力点を置いているのはコスメになる。ファッション商材との相性を考えれば、ゾゾユーザーがアパレルと一緒にコスメも買ってくれるようになると思っている。今はコスメの取り扱いを知ってもらい、まずは1回買ってもらうことを目指す」

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略
    売場・商材拡張を着実に実施した(画像はネッ担編集部がZOZOのIR資料からキャプチャして追加)

    ――コスメカテゴリーの目標値は。

    「アパレル商材だけで前期の商品取扱高が4000億円を超えたので、コスメも取扱高で3桁億円を早期に目指す。ポテンシャルの高い市場だと思っていて、その次の段階では4桁億円が目標になる」

    ――アパレルとの商習慣の違いなどは。

    「とくに感じていない。デジタルシフトの波はコスメ業界にもあり、商品在庫もアパレルと同じように倉庫に預けてもらい、当社で管理している。商習慣の違いがあるとすれば追加在庫の補充の部分くらいだ。アパレルの場合はこれまでに築き上げた物流体制があり、商品が売れた分だけ毎日補充してもらっているブランドさんもあるが、そうした補充の仕方ができるコスメブランドさんは少ない」

    ――フェイスカラー計測の「ゾゾグラス」をフックにした展開など独自路線も打ち出している。

    「スタートはうまくいった。準備に時間をかけたし、『ゾゾグラス』というテクノロジーも世の中にうまく発信することができた。『ゾゾグラス』の予約注文件数は100万人を突破し、計測者数は80万人を超えるなど計測率も高い水準で推移していて、テレビCMを含めたプロモーションの効果はあった」

    ――先行するシューズカテゴリーは。

    「シューズは比較的順調に推移している。足型計測ツール『ゾゾマット』の計測者数が130万人を突破しているし、『ゾゾマット』対応アイテムは2500型以上で、シューズカテゴリーの30%以上の売上高を確保している。想定通りではあるが、『ゾゾマット」があるから『ゾゾタウン』でシューズを買おうという意識ではなく、『ゾゾタウン』でシューズを見ていたら『ゾゾマット』の存在に気づき、便利だと思ってオーダーしてくれるお客様が今も多い」

    ――スタート時にシューズの取扱高が約400億円と公表したが、その後の成長率は。

    「アパレル商材の成長率を若干上回る水準でシューズカテゴリーは成長している。トレンドが続いているスニーカーにはとくに力を注いでいて、『ゾゾマット』対応のスニーカーは約70%に上る」

    ――D2C事業も始めているが、どんな役割を担うのか。

    「個人が服を作って売るという世界が間違いなくあって、それがスタンダードになるかは分からないが、そういう個人がたくさん出てくることは間違いない。その市場に当社としてまずはトライしている。後で振り返ったときに、『あのとき先行して取り組んだことに価値があった』となるはずだ」

    ファッションECの勝負所は「エンタメ要素」になる

    ――今期からはファッションを「買う」ならだけでなく、ファッションの「こと」ならゾゾを打ち出した。

    「デジタルシフトが起点としては大きくて、ECで服を買った方が楽ということを多くの消費者が感じ始めている。恐らく次のステップで大事なのが、ちょっとしたエンタメ要素だ。実店舗と比べてECに足りないのはその部分だと思う。服はある種の高揚感を持って購入するところに良さがあるし、楽しみがある。その点、ECは汎用的になりつつある。もっとステップアップするには高揚感や楽しさを感じながら服を選んだり買ったりできるようにする必要がある。そうした要素は今後のファッションECの勝負所になるのではないか

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略
    「買う」以外のトラフィックも増やす狙い(画像はネッ担編集部がZOZOのIR資料からキャプチャして追加)

    ――次のフェーズで目指す姿は。

    「当社はいろいろなデータを持っているので、お客様の好みに応じたパーソナライゼーションができるし、ブランドさんとの関係性が強みでもあるので、店舗スタッフさんが発信するコンテンツを『ゾゾタウン』として提供することで、毎日来ても楽しい『ゾゾタウン』になっていかないといけない

    ――店舗スタッフがデジタル接客を行えるアプリ「FAANs(ファーンズ)」の投入を計画している。

    「ショップ店員さん単位で使ってもらうことを想定していて、スマホの中でデジタル接客が完結できるアプリとして開発中だ」

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略 デジタル接客が行えるアプリ「FAANs(ファーンズ)」
    販売スタッフがデジタル接客するためのプロダクト(画像はネッ担編集部がZOZOのIR資料からキャプチャして追加)

    ――接客後は「ゾゾタウン」で購入してもらうイメージか。

    「そこまで直接的なものでなくてもいい。今まで知らなかっただけで実は服についてすごく詳しいショップ店員さんが全国各地に埋もれているはずだ。当社としてはそういう店員さんが自分のファッションを表現したり、知識を披露することによってファンが増えるというような世界にしたい」

    ――ゾゾのメリットは。

    「『ゾゾタウン』に行けば服に詳しいショップ店員さんからアドバイスをもらえるとか、たとえ服を買わなくても訪問頻度が増える要素になればいい

    ――販売員向けのアプリでは「スタッフスタート」が先行している。

    「『スタッフスタート』さんは各ブランドさんの自社ECを盛り上げるという部分にフォーカスしていると思う。『ゾゾタウン』では年間948万人が買い物をしてるので、多くの消費者の目に触れるという部分で違いが出せる」

    ――アパレル業界の課題をどう見ている。

    「アパレル業界はずっとO2Oを考えてきたものの、明確な答えを出せない状況が続いている。コロナ禍の1年を過ごした中で、先ほどの本質の話に通じるが、見えてきた部分があると思う」

    「私の中では『実店舗とECの関係はこうなる』という確信めいたものがあって、恐らくブランドさんも気づいているし、百貨店やショッピングセンターなどのデベロッパーさんも気づき始めていて、あとは踏ん切りをつけられるかどうかという時期に来ている。そこは当社がうまく先導できればいい」

    ――売るためのプラットフォームから作るためのプラットフォームとしてブランドの生産支援を強化する。

    「アパレルの生産は工場を中心にIT化が遅れていて、そこの改善に貢献したい。また、当社は売り場を持ち、たくさんのお客様がいるので需要を予測しやすいという強みを生かしながら、適正な生産量を割り出して販売できる

    「需要予測にもいろいろあって、商品を並べてこれが売れる、これは売れないということは正直分からない。ただ、初速でその後の売れ行きは判断できる。そこにクイックな生産をあてられれば、当社ならではの無駄のない生産が生きる」

    ZOZO澤田宏太郎社長が語るコロナ禍の成長戦略
    生産支援に踏み込んでいる(画像はネッ担編集部がZOZOのIR資料からキャプチャして追加)
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    2030年のECはどうなる? 「未来のEC」を支える6つのインフラとデバイス | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

    4 years 3ヶ月 ago
    『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(最終回)

    今から40年前、筆者が通販業界に身を投じた時のインフラとデバイスの状況といえば、パソコンもインターネットもなく、携帯電話は車載電話機が生まれたばかりだった。物流インフラもようやく宅配便が普及し出した頃で、それまでは郵便小包でしか商品を発送できなかった。

    通信販売そのものも小売市場ではマイナーなビジネスで、「背が高く見える靴」とか「ぶらさがり健康機」といった怪しげな商品が販売されていた。当時はまだ、今のEC全盛の時代など想像すらできなかった。

    EC全盛の下地ができた2000年代

    2000年代に入ったあたりから急激な変化が起きた。2008年にはFacebookとTwitterが日本に上陸、同じ年にiPhoneも日本で発売された。2010年、インターネット普及率は78.2%に達した。

    ただし、通信システムはまだ3Gであり、通話やメールはできるがホームページの閲覧にはかなりの時間がかかった。動画をサクサク見るためには2015年の4G登場まで待たねばならない。

    ECもパソコン中心で楽天が急拡大していった時期だ。2000年に上陸したアマゾンも着実に売上を伸ばし、2009年には当日配送サービスを開始した。

    通信と物流のインフラが充実し、スマホというデバイスも登場し、現在のEC全盛の下地ができたのが2010年代ということになる。

    2020年代の変化の鍵を握るインフラとデバイス

    次の2020年代、EC市場の変化を予測する上で、インフラとデバイスのうち大きな鍵となりそうなものを6つ指摘しておきたい。

    ① 5G(第5世代移動通信システム)

    2020年から実用化が始まった次世代の移動体通信システムである。これまでの4Gと比べ「高速・大容量」「低遅延」「多数端末との接続」という特徴を持っている。「高速・大容量」という点では、4Gで2時間の映画をダウンロードするのに30秒かかったとすると、5Gではわずか3秒で完了する。

    「低遅延」では、データが送信されてから受信するまでの速度が1ミリ秒(1/1000秒)まで短縮される。4Gでは10ミリ秒だったので、10倍の速さだ。これにより自動運転や遠隔治療といった遅延の許されない現場での活用が可能となる。

    「多数端末との接続」では1km四方で100万台の機器と同時接続できるようになる。パソコン、スマホだけでなく家電や車といったものがインターネットとつながるようになる。IoT時代の本格的な始まりとなっていく。

    ② IoT(Internet of Things)

    様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され情報交換することで相互に制御する仕組み。これまでインターネットには接続されなかったテレビや冷蔵庫、エアコン、自動車などがインターネットの接続によりデータ連携が可能となる。

    インターネットと接続など考えられなかった時計は、アップル社のApple Watchとなり、iPhoneと連携し、歩数や血圧等のデータを記録・共有できるようになっている。

    ③ みちびき(準天頂衛星システム)

    GPSで地図を見ていると、道の東側にいるのにスマホの地図では西側にいるといった誤差を感じた経験をお持ちの読者は多いと思う。現在のGPS衛星では都市部や山間部、障害物により、電波が遮断されてサービスの精度が落ちてしまうことがあるからだ。それに対して「みちびき」は、常に衛星の電波が受け取れるように、日本の上空を8の字を描いて動く軌道を持たせている。現在は4機体制だが、2023年には7機体制で運用されることが閣議決定されている。

    これにより、これまでのGPSで数メートルだった位置測定の精度を数センチにできるという。田植え機の自動運転も可能となる精度だ。ドローン配達や自動運転車への応用が期待される。

    ④ RFID(Radio Frequency Identifier)タグ

    ユニクロのセルフレジを使って驚いた読者も多いと思う。箱に入れた瞬間に商品の点数と価格が表示されるところに、このRFIDタグが使われている。電波を発するタグが商品1点1点に付いていて、この電波をリーダーが読み取り、一瞬で点数と金額を表示するのだ。現在は1枚あたりのコストが高く、一部のアパレル企業以外には普及していないが、印刷技術で低単価のRFIDを増産できるという報道もあり、普及が期待されている。

    また、水と金属を通過しては読み取れないという弱点があるが、技術革新で克服されれば、スーパーの買い物のレジ通過が一瞬で終わるようになるだろう。

    ⑤ 顔認証技術

    2019年10月、NECは米国国立標準技術研究所が実施した最新の顔認証技術のベンチマークテストにおいて、1,200万人分の静止画の認証エラー率 0.5%という、他社を大きく引き離す第1位の性能評価を獲得したと発表した。

    この技術は郵便物の自動仕分けのために開発された画像認識技術の進化により獲得された技術で、なんと1961年から郵便物の住所を読み取ることにチャレンジしてきたものだ。現在は1時間あたり4万〜5万通の郵便物を読み取り、配達局別に仕分ける能力を持っている。集荷局では手書き住所を読み取る際、読み取った住所情報を透明なバーコード(ステルス・バーコード)として印刷しており、配達局で担当者別や配達順に仕分ける時には、この透明なバーコードで仕分けているのだ。

    世界一のNECの顔認証技術とキャッシュレス決済システムを組み合せば、レジ通過のみで決済完了も可能となる。

    ⑥ AI(Artificial Intelligence)

    AIは人口知能のことであり、音声を認識して答えたり、打ち込んだ文字から推測して言葉を表示するようなところで活用されている。

    Amazon EchoやGoogle HomeといったスマートスピーカーでもAIが活用されており、「今日の天気は?」とか「Jポップを流して」と話しかければ適切に答えてくれる。

    2030年のEC通販と生活風景

    このようなインフラとデバイスで、EC通販のあり方は今後さらに大きな変化を遂げるだろう。その一部はすでに、すでに米国や中国で現実のものになっている。

    ここでは10年後のEC通販のあり方と日常の生活風景を、20代の女性会社員である“未来(ミク)”と一緒に歩いてみよう。

    2030年7月10日(土)

    いまやほとんどの店舗に並ぶ商品にはRFIDタグが付いている。そのため、スーパーではマイバッグに買いたいものを入れてレジ(ゲート)を通過するれば自動的に計算され、代金は顔認証から決済が終了している。事前に指定の決済方法を選ぶことができる。ミクはポイントが貯まるPayPayを指定している。

    帰って家の冷蔵庫に買ってきたものを入れると、冷蔵庫がRFIDタグを読み取り、冷蔵庫に入っているもののリストがドアのモニターに表示される。賞味期限の近いものは赤信号が点滅している。食品宅配ECサイトに登録すれば、自動的に在庫計算され、食品がなくなる直前に配達される。来月からミクはこのサイトに登録しようと思っている。

    未来のECイメージ1

    運んでくるのはドローンだ。ベランダに設置してある冷蔵ボックスはドローンから発信される電波キーを受け取ると、自動的にドアが開き、ドローンは冷蔵ボックスに商品を置き、帰っていく。「みちびき」のGPSを使っているため、正確に配達してくれる。

    配達が終わるとミクのスマホに配達完了のメッセージが流れてくる。

    2030年8月30日(日)

    今日は彼とデートの日だ。街へ行くのはデートとお食事くらいで、買い物はほとんどECで済ませている。

    街を歩くと顔を認証したデジタルサイネージが、自分の好みのファッションや映画をレコメンドしてくる。気に入ったものにApple Watchをかざすと購入サイトが表示される。途中で好みのワンピースがあったので注文をしておいた。「これ注文しておいて」と頼めばAIが注文完了するようになっている。

    予約していたレストランに着くと、ウェイトレス型ロボットが事前に指定したとおり、窓側の席に案内してくれた。オーダーはすでに済んでいる。このレストランのシェフの食材に対するこだわりや、調理方法を学習したチャットボット・シェフと音声で会話し、彼が喜ぶ料理を提案してもらった。

    2030年9月8日(月)

    Apple Watchから注文したワンピースは、事前に登録してあるミクの体型からパターンが起こされ、ベトナムで生産される仕組みになっている。究極のD2Cだ。受発注なので在庫は残らない。中間の小売が省略されているため、オーダーメイドなのだが、価格はリーズナブルだ。数十万人の愛用者がいて、毎日、飛行機便で完成した商品が日本に届く。

    届いた商品は一旦、物流センターに納品される。配送センターは無人で、仕分け用のレールにハンガーがつるされる仕組みになっている。入荷検収ゾーンでRFIDタグを読み取り、仕分け機で方面別に仕分けられる。無人の倉庫の中を吊るされた服が揺れながら動いていくのはゴースト・ハウスのようだ。

    レールの終点は配送トラックの中の移動用レールだ。積み込みが終わると、無人トラックは各地の配送センターに向かって走っていく。配送センターからはドローン配送か無人トラック配送からのコンビニ受取を選べる。

    コンビニに宅配ボックスゾーンが併設されており、そこで受け取るのが一般的だ。無人トラック配送ではコンビニに到着するとBOXが開き、コンビニの店員が宅配ボックスに1つ1つの商品を入れていく。縦長のハンガー専用ボックスもあり、ミクのワンピースはそこにつるされた。

    RFIDを読み込んだボックスから到着メールが配信される。ミクにも到着メールが届き、コンビニのボックスにスマートウォッチをかざすと、商品の入ったボックスのドアが開き、取り出して家に帰る。

    2030年10月21日(木)

    ミクのクローゼットはRFIDタグを読み取るリーダーが付いている。新たに読み取られたワンピースの画像データは、WWebサイトからダウンロードされ、手持ち在庫一覧表に加えられた。クローゼットに設置されたモニターには服の種別に手持ち商品の画像データが分類、保管されている。

    AIが搭載されたモニターは毎朝、ミクにコーディネイトを2〜3通り提案してくれる。その日の天気や気温だけでなく、ミクのスケジュールからラフなスタイリングで良い日とキチンとしなければいけない日を判断して提案してくれる。コーディネイトを決定すると、その服にスポットライトが当たるので、あちこち探す時間と手間がかからない。

    未来のECイメージ2

    会社は出勤が週2日、残りはテレワークとなっている。以前はオール・テレワークだったが、コミュニケーションとモチベーションのために出社は必要ということになった。テレワークの会議は3D会議に進化していて、バーチャル会議室に全身画像で集合するようになっている。以前のようにボトムスだけパジャマは許されなくなった。

    着用した洋服は、専用のボックスに入れておきベランダに出しておけば、クリーニング屋のドローンが集荷し、洗ってもどしてくれる。

    手持ちの洋服の他には、サブスクリプリプションのファッションサイトから毎月、高級アイテムが送られてくる。それを送り返すと次のアイテムといったサービスだ。特に高価なブランドバッグは毎月、ミクの好みのものが送られてくるので、非常に重宝している。

    EC通販のインフラとデバイスは、こうした日常が絵空事ではないほど、急速な進化を続けている。プライバシーや法規制の問題も同時に解決していかなければならないが、快適で個性豊かな生活が送れる「ECの未来」を期待したい。

     

    この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

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