コグニティ- 思考を広げる質問数が一般企業平均と比較して”半減”、「ティーチング」傾向が明確に -
知識表現AIを用い、会話・文章情報から組織課題を可視化するコグニティ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:河野理愛、以下「コグニティ」)は、技術系企業における1on1ミーティングを対象に、上司が「コーチング」を意識した場合と「ティーチング」を意識した場合で、対話構造がどのように変化するかを比較分析しました。
本調査では、コグニティ独自の対話分析技術「CogStructure」を用いて、1on1の発話構造を定量化しました。上司・部下の話量比率、話すスピード(1分あたり文字量)、質問の種類(OPEN/CLOSED)、話題の掘り下げ割合、承認語などの指標から、対話が「探索」に向かうのか、それとも「収束」に向かうのかを可視化しています。
さらに本分析では、同一の上司であっても「目的を明確にする」だけで対話構造が変化し得ることが確認され、1on1の質が“設計と運用で改善できる”可能性が示されました。

技術系企業の1on1ミーティング分析で「問題解決型文化」の影響が判明
■ 調査の背景 技術系企業では、日常業務が「課題解決」「最適化」「効率化」に強く最適化される傾向があります。その結果、1on1も「問題の切り分け」や「解決」に寄りやすく、気づけばティーチング型の対話へ収束しているという悩みを聞くことがあり、コグニティによる調査結果からもその傾向が見て取れます。一方で近年は、創造性や探索的思考の重要性が高まり、1on1を通じて部下の内省や意思決定を促す「コーチング型」の対話が注目されています。
コグニティは、技術系企業の1on1が無意識にティーチング型へ偏っていないか、また同一人物でも目的を明確にすることでコーチング型の対話へ切り替えられるのかを検証しました。
■ 分析方法 本調査では、技術系企業の若手部長が実施した1on1を対象に、CogStructureによる対話構造分析を行いました。比較のために(1)プロコーチ・評判の良い上司の参照データ、(2)過去1600名の平均データ、(3)本調査の「コーチング意識時」「ティーチング意識時」を同一指標で並べ、横断比較しています。
なお、過去1600名の平均データにはコーチング訓練を受けた人のデータも含まれるため、コーチング未経験者のデータと比較した場合には差が現れやすい点に留意が必要です。
本調査の主な結果は、1.コーチング意識時は部下発話が増え傾聴に寄る、2.ティーチング意識時は対話が高速化し収束に寄る、3.技術系企業では質問が傾聴より問題解決を促進するための診断に寄りやすい、の3点です。
■ 主な結果1)コーチングを意識すると、部下主導・探索的な対話構造へ コーチングを意識した1on1では、上司と部下の話量比率が変化し、部下の発話が増える傾向が確認されました。また、対話のペースや話題の掘り下げ方にも変化が見られ、課題の「解決」だけでなく、背景の理解や選択肢の探索へ向かう兆しが確認されました。

【示唆】目的(コーチング/ティーチング)を明確にすると、同じ上司でも「話させる構造」に寄せることができ、探索的な対話に転じやすくなります。
【図の見方】上司/部下の話量比率を、「プロコーチ・評判の良い上司」「過去1600名の平均値」「本調査(コーチング意識時)」「本調査(ティーチング意識時)」で比較しています。
【読み取れること】コーチング意識時は上司56%・部下44%となり、過去1600名平均(上司63%・部下37%)より部下の発話が増えています。一方、ティーチング意識時は過去1600名平均と同水準です。
【示唆】目的(コーチング/ティーチング)を明確にすると、同じ上司でも「話させる構造」に寄せることができ、探索的な対話に転じやすくなります。
2)ティーチングを意識すると、収束・高速化し「解決型」へ傾く ティーチングを意識した1on1では、対話のスピードが上がり、上司主導で進みやすい傾向が確認されました。テンポが上がることで、対話は「理解を深める傾聴」よりも「結論を出す収束」に寄りやすくなり、解決型の構造になりやすいことが示唆されます。

【示唆】目的がティーチングに寄ると対話が高速化し、結論志向のやり取りになりやすい可能性があります。探索を促したい場面では、あえて速度を落とす設計が有効です。
【図の見方】1分あたり文字量(話速)を、「プロコーチ・評判の良い上司」「過去1600名の平均値」「本調査(コーチング意識時)」「本調査(ティーチング意識時)」で比較しています。
【読み取れること】本調査では、コーチング意識時の話速が低下し、ティーチング意識時は相対的に上昇しています。
【示唆】目的がティーチングに寄ると対話が高速化し、結論志向のやり取りになりやすい可能性があります。探索を促したい場面では、あえて速度を落とす設計が有効です。

【示唆】話題構成(掘り下げ/確認)の配分を意識することで、同じ参加者・同じテーマでも対話の質は改善し得ます。
【図の見方】円グラフは、どのような要素の話し合いがあったかをその構成と情報量に分けて、1回の1on1の中でどのくらいの割合を占めていたかを示しています。「プロコーチ・評判の良い上司」「過去1600名の平均値」「本調査(コーチング意識時)」「本調査(ティーチング意識時)」で比較しています。ここからは、話題の掘り下げや確認の割合を比較し、対話が「支援的」か「解決的」かの傾向を読み取れます。
【読み取れること】コーチング時の話題構成は、客観的事実確認が少なくプロコーチに近い一方で、掘り下げの割合はまだ十分ではありません。ティーチングの場合は、掘り下げがさらに少ない傾向が見られます。
【示唆】話題構成(掘り下げ/確認)の配分を意識することで、同じ参加者・同じテーマでも対話の質は改善し得ます。
3)技術系企業では「質問が傾聴ではなく診断になりやすい」可能性 過去に分析を行った技術系企業の事例では、上司からのOPEN質問(オープンクエスチョン:5W1Hで問う質問)が平均2回強、CLOSED質問(クローズドクエスチョン:相手が応えようと思えばYes/Noで答えられる確認質問)が平均7回強で、全ての企業を含む過去1600名の平均を大きく下回る水準でした。さらに、上司話量の平均は59%、話すスピードの平均は383と「上司主導・高速化」の傾向も見られます。
この背景として、技術系企業に見られる強い「問題解決文化」により、質問が“傾聴”ではなく“診断”になりやすい可能性が示唆されます。すなわち、問いが「広げる」ためではなく「確定する」ために使われると、1on1は傾聴ではなく収束へ傾きやすくなります。
その結果、部下の内省や選択肢の拡張が起こりにくくなり、1on1が「解決の場」に固定されやすくなると考えられます。

【示唆】質問がCLOSED中心になると、対話は「状況の確認」や「原因の切り分け」に寄りやすく、部下の内省や選択肢の拡張(探索)が起こりにくくなります。技術系企業の1on1で探索的対話を増やすには、OPEN質問を意図的に増やす(問いの型を設計する)ことが有効であり、加えて「問いを増やすほどに相手が話す」状態をつくることが、1on1を“診断の場”から“探索の場”へ戻すポイントになります。
【図の見方】上司が自分から投げかけた質問数を、OPEN質問とCLOSED質問に分けて、「プロコーチ・評判の良い上司」「過去1600名の平均値」「本調査(コーチング意識時)」「本調査(ティーチング意識時)」で比較しています。
【読み取れること】グラフでは、参照データ(プロコーチ/過去1600名平均)に比べて、本調査のコーチング意識時・ティーチング意識時はいずれも質問数が少ないことが分かります。加えて、本調査では OPEN質問が少なく、CLOSED質問が相対的に多い構造になっており、質問が「支援的」ではなく「解決的」方向に寄りやすい傾向が読み取れます。
【示唆】質問がCLOSED中心になると、対話は「状況の確認」や「原因の切り分け」に寄りやすく、部下の内省や選択肢の拡張(探索)が起こりにくくなります。技術系企業の1on1で探索的対話を増やすには、OPEN質問を意図的に増やす(問いの型を設計する)ことが有効であり、加えて「問いを増やすほどに相手が話す」状態をつくることが、1on1を“診断の場”から“探索の場”へ戻すポイントになります。
この結果は、技術系企業の1on1では、問いかけが「相手の思考を広げる」よりも「状況を確認し、原因を切り分ける」方向に寄りやすいことを示しています。結果として、部下が自分の言葉で選択肢を探索する前に対話が収束し、1on1が“診断の場”として固定されやすくなると考えられます。したがって、探索的対話を増やすには、OPEN質問を意図的に増やす(問いの型を設計する)ことが、最初の一手になります。
■ コグニティの考察/示唆 本調査から、技術系企業では「問題解決型文化」が強く、1on1がティーチング型の収束傾向を生みやすい一方で、同一人物でも意図してコーチングとティーチングを使い分けられるケースが存在することが確認されました。これは、対話モードの切り替えが「可能である」だけでなく、コーチングの素養が組織内に存在している可能性を示します。
しかしながら、一部項目ではコーチングとティーチングのい使い分けができておらず、訓練の必要性が見て取れます。裏を返せば、素養があっても目的設計や訓練の仕組みがなければ、コーチングの素養が“埋もれる”状況が起き得るという事です。
技術系企業が「課題解決型文化」から「創造的・探索型文化」へ進化するには、マネジャーの対話様式が重要なレバーとなり得る、というのが本分析の示唆です。
実務上は、まず1on1の目的を「コーチング」と「ティーチング」に分け、場面ごとに使い分ける設計が有効です。その上で、OPEN質問の比率、話速、話題の掘り下げ割合などを定点観測し、「探索/収束」の偏りを可視化することで、現場での改善を実現しやすくなります。
コグニティでは、一人一人のコーチングの素養などを分析するBaseline Review機能(後段参照)を提供し、「創造的・探索型的文化」への進化をサポートします。
■ 分析レポートについて(限定公開) 本分析の詳細版(評価軸定義、比較構造図、抽出ルール、参考図表を含む)は限定公開です。コーチングに関係する皆様には、技術企業での有効活用に関する情報を共有します。取材・内容確認・レポート閲覧をご希望の方は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
*お問い合わせ先:
https://cognitee.com/contact*本分析は、「経営者/CxO」「技術広報・IR担当者」「人事担当者」「技術・開発部門」を主な読者として想定しています。
*本リリース中で言及している会社名・製品名は、各社の商標または登録商標です。
*文中の各種数字はコグニティの調査によるものです。
■ トライアルのご案内:Baseline Review機能 コグニティは、会話・文章などの定性データを、独自の構造化技術により「改善に使える指標」と「行動に落ちる示唆」に変換する分析サービスを提供しています。商談・会議・社内共有・研修・顧客対応・IRなど、目的に応じてコミュニケーションの“伝わり方”と“成果につながる要因”を可視化し、改善の優先順位と打ち手を提示します。
その入口として、短期間で現状の課題と改善の方向性を把握できる「Baseline Review(お試し)」を5万円(税別)で本年1月27日にリリースいたしました。個人・組織の力量を確かめるため、パフォーマンスが良いトーク/悪いトークの違い(構成・論点の置き方・説得の流れ等)や最終版の再レビュー(Before/After比較)として、録画・音声・書類等を2本ご提出いただくことで、分析結果とブリーフィング1時間でフィードバックします。(個人利用の場合は、ブリーフィングに代わりメールもしくはオンラインセミナーにて実施)

申込ページ:
https://cognitee.com/baseline-review-cog-evidence【コグニティ株式会社 会社概要】
◯ 社 名 :コグニティ株式会社
◯ パーパス :技術の力で、思考バイアスなき社会を。
◯ 事業内容 :定性情報の定量化技術を使った組織分析サービス
◯ 本 社 :〒140-0015 東京都品川区西大井一丁目1番2−208号
◯ 設 立 :2013年3月28日
◯ Web :
https://cognitee.com/◯ 資本金 :6億円(準備金含む)
◯ 従業員 :71名(リモートワーカー含む)
◯ 代表者 :代表取締役 河野 理愛
◯ 受賞歴他 :
■EY Innovative Startup エンタープライズ部門受賞(2019)
■第11回 HRアワード 人材開発・育成部門 最優秀賞(2022)
■第22回 一般社団法人日本テレワーク協会 テレワーク推進賞 優秀賞受賞(2022)
■第3回TOKYOテレワークアワード 推進賞(2023)
■一般社団法人生成AI活用普及協会協議員(2023~)
本件に関するお問合せ
コグニティ株式会社 広報担当:奥井
Email: okuinagisa@cognitee.com TEL: 03-4212-8445
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