新規顧客をみつけるための10の方法――リードジェネレーション入門

#09 オンラインリードジェネレーションサービスに注目 ~新規顧客をみつけるための10の方法

[特集]新規顧客をみつけるための10の方法 リードジェネレーション入門

新規顧客をみつけるための10の方法

ネットもネット以外も全部まとめてプランしよう

潜在顧客を見極めて顧客を発掘
モチベーションを高め優良リードを獲得する
専門サービス事業者を利用しよう

「オンラインリードジェネレーション」とは、オンライン上で見込み客獲得する、つまりウェブを使って見込み客を取得する手法の総称だ。

日本ではまだなじみのない言葉ではあるが、米国ではオンラインリードジェネレーションを専門としたサービス会社も登場しており、今後の成長が期待される手法だ。

潜在顧客を引き付ける専用ターゲットサイト

不動産、金融、教育、ヘルスケア、旅行・レジャーのような、付加価値型の商品やサービスは、通常の広告露出だけでは直接的な見込み客の獲得が難しい。そのため、

潜在顧客の見極め

興味を惹き付ける情報の提供

購入や申し込みに結びつける

といった流れによるターゲットマーケティングの要素が重要となる。

オンラインリードジェネレーションサービス」とは、特にそういった高付加価値商材のリード獲得に強いマーケティングサービスを提供するものだ。米国では近年、その費用対効果の高さが高く評価されており、日本でも専門にサービスを提供する会社も登場してきている。

ここでいうオンラインリードジェネレーションサービスが行うのは、広告主へのヒアリングや市場調査に基づいて、特定の商材に関する専門のターゲットサイト(リード獲得サイト)を広告主のために作って集客し、そこから獲得した見込み客の情報を広告主に引き渡すというものだ。たとえば、ホームセキュリティの商材に関する見込み客を獲得するのであれば、住居への侵入犯罪の事例や手口などをレポートするようなコンテンツを中心とした、ちょっとしたメディアサイトを作り、その解決策としてセキュリティサービスを提示したうえで、興味をもった人が資料請求をできるようにするというものだ。

どういった潜在顧客がいてどのような手法を使えば効果的にリーチできるのかは、その市場に精通していないと難しいもので、状況を把握しながら施策を改善していく必要がある。しかし、オンラインリードジェネレーションのサービス会社では、見込み客の定義・分析にはじまり、リード獲得に向けた媒体プランニングや広告クリエイティブの制作、ターゲットサイト自体への集客、さらには効果測定による各作業の最適化も任せることができ、リードの獲得に応じた成果報酬型の費用形態なのが特徴だ。

基本的には個人情報の登録フォームもターゲットサイトに設置し、フォームの最適化もサービス事業者に任せるのだが、最後の部分だけ自社の資料請求フォームに誘導することもできるので、個人情報はすべて自社で管理したいという場合にも対応可能だ。

既存の手法でリーチできる見込み客は独自で開拓しつつ、新たなリードの筋をオンラインリードジェネレーションのサービスを使って拾っていくという手法がいいだろう。日本では、レペリオがこういったサービスを提供している(図1)。

図1
図1 レペリオが制作するホームセキュリティの見込み客を獲得するためのサイト「Safe Home」 http://www.safehome.jp/

資料請求やホワイトペーパーダウンロード
メディアの集客力を利用しよう

図2 シーネットネットワークスジャパンのホワイトペーパーダウンロードサービス「ホワイトペーパーライブラリー」。製品情報や技術資料、導入事例などのダウンロードができる。

前述のオンラインリードジェネレーションサービスは、商材ごとにマイクロメディアを作るものだが、既存のオンラインメディアサイトがリードジェネレーションに関するサービスを提供していることもある。

典型的なのが、メディアサイト上でのカタログやホワイトペーパーのダウンロードサービスで、ダウンロード時にユーザーが入力したコンタクト情報や会員情報が広告主にも提供されるというものだ。資料請求やホワイトペーパーを利用したリードジェネレーションは自社サイトで行うのが基本だが、それとは別に、メディアの掲載サービスも併用する形となる。メディアが持つ強力な集客力を利用できるため、掲載しておけば手放しでもリード情報を得られるのが最大の利点だ。

また、前述のお任せカスタム型と既存メディア相乗り型の中間に位置するサービスもある。リードジェネレーション目的の情報サービスを構築している事業者によるサービスで、広告主ごとにカスタムでサイトを作るわけではないが、サイト自体はリードジェネレーションのために作られていて大量の登録会員を擁している。製品選びや業界動向の情報をメディア的に提供することで会員にサイトを訪れてもらい、広告主の製品やサービスに興味をもった会員の情報を提供する形のものだ。

図3 CNETおよびZDNETのユーザー登録画面。ホワイトペーパーをダウンロードするには、メールアドレスだけでなく、氏名、生年月日、会社名、職種など、リードとして必要な個人情報までを入力する必要がある。

現在こうしたメディアやリードジェネレーションサイトを使った見込み客獲得支援のサービスを行っているのは、IT関連を中心とした専門メディアが多い。つまり、専門性の高いこれらのメディアを訪れるのは情報収集に積極的な人であり、さらに、関連するニュース記事と一緒にホワイトペーパーのダウンロードリンクを提示したり、ジャンルやカテゴリ別のコンテンツからホワイトペーパーに誘導したりしてくれるので、より確度の高い見込み客情報が得られることになる。

日経BPITPro DataScope http://itpro.nikkeibp.co.jp/data/
IT製品・サービスを比較・選択・運用するための総合情報サイト。ジャンル分けされた導線によって、興味ある商品へと顧客を誘導。PDF掲載と資料請求を通じた見込み客獲得が可能。
アイティメディアテックターゲットジャパン http://techtarget.itmedia.co.jp/
IT製品、サービスの導入・購買に役立つ情報を提供する無料の会員制メディア。ホワイトペーパーダウンロード、事例・製品レポートなどを掲載して見込み客情報を獲得。
シーネットネットワークスジャパンZDNet企業情報センターhttp://japan.zdnet.com/company/
ITビジネスユーザー向けメディア、ZDNet Japanに企業専用ページを作成。CNET、ZDNetの関連記事から誘導して、潜在顧客へリーチする。無料のホワイトペーパー掲載プランも用意。
リクルートキーマンズネット http://www.keyman.or.jp/
ワンツーワン形式でIT関連製品・サービス情報の提供をネットで行う。IT関連製品・サービスに関心の高い会員に絞り込んで広告主様のサービス概要をメール、ネットを使って訴求。
インプレスR&DWeb担当者Forum http://web-tan.forum.impressrd.jp/
データセンター完全ガイド http://rs.impressrd.jp/
レンタルサーバー完全ガイド http://www.impressrd.jp/idc/
企業のWeb担当者、レンタルサーバー利用者、iDC事業者向けほか、ネットビジネスに関わる専門メディアを運営。レンタルサーバー、iDC、CMSなどの資料請求をした見込み客情報を提供。
表1 メディアによるリードジェネレーションサービスの例
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

eCPM
「eCPM」はeffective Cost Per Milleの略。「有効CPM ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]