BOOK REVIEW ウェブ担当者なら読んでおきたいこの1冊
『会社じゃ言えない SEのホンネ話』
斉藤 彰男(編集者、システム・エンジニア)
企業ウェブサイトの構築には欠かせないSEさんとは?
筆者自らの体験をリアルかつユーモラスに綴る
- きたみ りゅうじ 著
- ISBN:978-4-344-01294-3
- 定価:1,400円+税
- 幻冬社
SEとは、システムエンジニア、ウェブサイトを構築したりするときなどに、システム会社の営業さんと一緒に打ち合わせにやってくる技術屋さんのことである。
世の中、さまざまな仕事のスタイルがあるが、SEさんのそれは、およそサラリーマンとは思えないほどユニークなものだ。まるで会社が自宅であるかのように住み着いている輩がいたり、ディスプレイと会話をしているように独り言をしゃべりながらプログラミングする人がいたり、風呂に入っていない日数の記録を更新することに燃える者がいたりで、その仕事ぶりはきわめてユニークだ。
そんなSEさんの生態や仕事の中で起きるさまざまな事件などを、筆者自らの体験を素材にして綴ったのが、本書である。2年以上雑誌に連載した32の話を加筆訂正してまとめたものだが、それぞれのストーリーがリアルかつユーモラスに描写されていて、思わず引き込まれてしまう。まるでポテトチップスのように、読み始めると止まらなくなってしまうのだ。
中には、モラルハザードなシステム管理者の恐怖とか、SE日記がいつのまにか闘病日記に変わったといったちょっと背筋が寒くなる話もあって、そりゃ「会社じゃ言えない」よなと納得したりする。 何はともあれ、評者にとっては久しぶりに出会った「面白い本」ということで、お勧めすることにした。Web担当者にとっても、SEさんを理解するための、またとない書籍である。
- この記事のキーワード :
バックナンバー
この記事の筆者
筆者の人気記事
『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』
2008年2月7日 8:00
『Webアナリスト養成講座』/1日1時間でアナリストを養成。Webマーケター必読の赤本【書評】
2009年11月4日 8:00
『More Joel on Software』/プログラマでなくとも読んでおきたい開発者注目のブログ選集【書評】
2009年7月3日 9:00
goo、Web APIとして利用可能なブログ検索エンジン「BLOGRANGER 2.0」の実験を開始
2006年10月3日 2:02
NRI、「Eclipse 3.2」の日本語による利用ガイドや手順書などをホームページで公開
2006年9月1日 1:34
『運は数学にまかせなさい―確率・統計に学ぶ処世術』
2007年11月26日 8:00

