8割近い企業がコロナ禍で、マーケティング指標の成功や優先順位を見直し【セールスフォース調べ】
セールスフォース・ドットコムは、年次調査レポート「マーケティング最新事情」第7版の日本語翻訳版を公開した。世界32カ国の8,200人以上のマーケティングリーダー(日本のマーケター300名を含む)が、優先事項と重要課題、企業の施策、過去1年間に刺激を受けたこと、これからの時代に期待することなどについて回答している。
「イノベーション」と「リアルタイムエンゲージメント」が引き続き課題に
まず現時点での「マーケターの最優先項目」を聞くと、「イノベーションの推進」が1位に、「リアルタイムの顧客エンゲージメント」が2位となった。同時に「マーケターの最優先課題」を聞くと、こちらは「リアルタイムの顧客エンゲージメント」が1位に、「イノベーションの推進」が2位と、順位は入れ替わったが同項目が並んだ。さらに3位はいずれでも「チャネルやデバイス全体を通して、一貫性のあるカスタマージャーニーの創出」がランクインしている。
また新型コロナ禍により顧客チャンネルが変化したことが示唆されており、デジタルおよびミックスチャンネルが急拡大しているという。「この1年間でもっとも価値が高まったチャンネル」については、「動画」「ソーシャルメディア」「デジタル広告」が上位となっている。「動画」は前年の調査では、「高いROIを生み出したチャンネル」としては最下位の評価を受けており、この1年で大きな変化が生じたことを象徴している。
また78%の企業がパンデミックの影響で成功指標の変更または優先順位の見直しを行っていた。そこで各企業が「もっとも価値の高いマーケティング指標/KPI」と考えているものを聞くと、ここでは「顧客満足度指数」「収益」「マーケティング/セールスファネル」が上位となった。良くも悪くも顧客至上の姿勢が強化されている模様だ。
さらに、「企業が実施しているトレーニング」について聞くと、役立っていると評価したマーケターは、わずか36%に留まっており、マーケターが求めるトレーニングと、企業が実施しているトレーニングに、大きな隔たりがあることが判明した。マーケターが向上させたいと答えたスキルの第1位は「クリエイティビティ」だが、日本の場合、このトレーニングを提供している企業は40%だった。需要の高い「データ分析」も30%と少数だった。
調査概要
- 【調査対象】北米、中南米およびメキシコ、日本を含むアジア太平洋、ヨーロッパ、中東、アフリカのB2B、B2C、B2B2C企業(世界32カ国)のマーケティングリーダー。マネージャー以上の指導的役割を担う常勤社員。
- 【調査方法】Salesforce Researchによる調査(二重盲検調査を実施)
- 【調査時期】2021年5月4日~6月3日
- 【有効回答数】8,227人(日本のマーケター300人を含む)
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