IT部門の魅力は、「CIO」の設置の有無に現れる? 有なら5割・無なら2割以下【JUAS調べ】

「デジタル専門部門の要員数」が圧倒的に増加中ながら、企業の課題はやはり人材不足

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は、「企業IT動向調査2020」の調査結果から、IT人材に関する速報値(2020年3月時点)を発表した。ITユーザー企業の投資動向やIT戦略動向などを定点観測するもので、1994年度から実施。2019年度分(2020)の最終集計・分析結果は2020年4月下旬に発表の予定。

「デジタル専門部門の要員数」が圧倒的に増加中

まず「IT部門の要員数」は増加傾向が続いており、2019年度のDI(ディフュージョン・インデックス:増加の回答割合から、減少の回答割合を差し引いた数値)は、過去5年で最高の17.0ポイント。「事業部門のIT要員数」も増加しており、DI値は2018年度の約2倍の14.1ポイントとなった。なお、「デジタル専門部門の要員数」の数値が抜きん出て高いが、これは増加が減少を大幅に上回っていることを示す。

 

 

続いて、「商品・サービスのデジタル化」と「プロセスのデジタル化」について、人材タイプ別にIT部門要員の人数の充足状況を調べた。さらに人材タイプごとに、デジタル化の実施レベルを「単純自動化」「既存の高度化」「創造・革新」の3つに分けている。

 

 

 

 

その結果、どの人材タイプのIT部門においても、6割~8割の企業が、人材不足を訴えている。また「単純自動化」「創造・革新」よりも、中間層とも言える「既存の高度化」でより不足を感じていることが判明した。

「CIO」の有無がIT部門の魅力を左右

人材獲得のための採用だが、2018年度のIT人材・デジタル人材の採用数を見ると、「IT人材」は新規採用・中途採用ともに約8割が採用できている一方、「デジタル人材」については、新規採用では52.7%、中途採用では42.9%がゼロ採用に留まっていた。

 

 

なおIT部門について、「役職として定義されたCIOが設置されている(専任)」の企業においては、50.0%が「魅力ある部門と思う」と回答。一方、「CIOはいない、あるいはCIOに対す実質的な認識はない」とする企業だとこの数値が19.3%にまで下がっていた。

 

 

調査概要

  • 【調査対象】東証上場企業とそれに準じる企業
  • 【調査方法】経済産業省商務情報政策局の監修を受け、日本情報システム・ユーザー協会が実施
  • 【調査期間】2019年9月13日~10月11日
  • 【有効回答数】952社(4000社のIT部門長に調査票を送付し、Webアンケートで721社、調査票郵送で249社が回答。そのうち952社がIT人材に関する調査対象)
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