世界の広告費、2018年は前年比3.6%増の5,895億ドルに【電通イージス・ネットワーク予測】
電通の海外本社である電通イージス・ネットワークは、世界59カ国・市場から収集したデータに基づき、世界の広告費成長率予測を取りまとめた。対象媒体には、テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、映画館(シネアド)、屋外/交通、デジタルが含まれる。以下に概要を紹介する。
世界の広告費、2018年は3.6%増に。デジタルと大型イベントが貢献
2017年の世界の広告費成長率は、中央および東ヨーロッパを除く世界各地で成長がやや鈍化したことに伴い3.1%となり、2016年(4.7%)との対比では低下する見込みとなった。しかし2018年は、世界の広告市場の3分の1を占める北米をはじめ、アジア太平洋地域やラテンアメリカでの成長が上向くことから、2017年を上回る3.6%の成長となり、総広告費は5,895億ドルになると予測している。
この成長率には、主にデジタル広告のさらなる拡大と、「2018年平昌冬季オリンピック・パラリンピック競技大会」「2018 FIFAワールドカップ・ロシア大会」「米国の中間選挙」など大型イベントによる貢献が反映されているとのこと。
国別の成長率予測: 米独印で加速、英露中は減速。日本は緩やかに成長
2018年の成長率を国別に見ると、傾向は国によってさまざまであることが見てとれる。例えば米国、ドイツ、インドでは2017年との比較で伸長する一方、英国、ロシア、中国では減速が予測されている。日本では、緩やかで安定的な経済成長に伴い2018年の成長率は1.6%となり、2017年(1.0%)からの伸長が見込まれている。
媒体別シェア予測: デジタル広告費がテレビ広告費を上回る
電通イージス・ネットワークでは広告費のデジタルシフトが今後も継続すると見ており、世界のデジタル広告費の成長率は2017年の15.0%に引き続き、2018年も12.6%と、2桁成長が続くと予測している。
そのけん引役は、オンライン動画広告やソーシャルメディア広告で、2018年の成長率はそれぞれ24.5%、23.5%となる見通し。なお、モバイルデバイス向けのデジタル広告は、2017年にデスクトップPC向けを追い抜き、2018年には1,211億ドルに達すると見込まれている。
この結果、2018年には世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は38.3%となり、初めてテレビ広告費(35.5%)を上回ると予測している。
電通イージス・ネットワークは、市場は変化の最中にあるとの認識のもと、「今後も多くの市場で既存のプレーヤーと新興のプレーヤーとの競争によって、さまざまな広告技術のイノベーションが生まれ、それが広告費の新しい成長源となっていく」と予想している。
なお同社では、世界の広告費成長率予測に関する英文レポート「DENTSU AEGIS NETWORK AD SPEND REPORT (January 2018)」を発行しており、今回の発表内容の詳細が確認できる。
http://build.falcon.io/-KuKl1hcdlh8O4tMhaRJ/
(PDF、10ページ。ダウンロードには氏名、メールアドレス、企業名の入力が必要)
調査概要
- 【調査対象】主要59カ国・市場
- 【調査方法】同社の世界ネットワークを通じて収集した情報に基づき、独自に分析・推計
- 【発表時期】2018年1月
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