デジタルの変化に対応できないマーケターは淘汰される――今後のマーケ担当者に欠かせない能力とは

2016年WAB宣言発表。新しいデジタルマーケ人材の継続的育成を

「デジタルの変化に対応できないマーケターは淘汰される」――Web広告研究会が、2016年Web広告研究会宣言を発表した。

デジタルの変化に対応できないマーケターは淘汰される

2016年Web広告研究会宣言

この宣言とともに、Web広告研究会は、変化に対応できるマーケターの人材育成の重要性を啓発し、取り組んでいくとしている。

WAB宣言を発表する、田中滋子氏(Web広告研究会 代表幹事)

「Web広告研究会宣言(WAB宣言)」は、インターネット広告、Webマーケティング、生活者との情報コミュニケーションにかかわるすべての人に向けて、最も取り組むべき課題を明示するもの。

Web広告研究会の会員社で共有する意識をWeb広告研究会という組織で閉じたものとせず、同じような課題を抱える会員以外の企業・個人・研究者にもディスカッションを通じて広げていきたいという趣旨のもと、2002年より毎年発表しているもので、今回が17回目の宣言。

激変する環境と消費者

「デジタルの変化に対応できないマーケターは淘汰される」というWAB宣言の背景には、激変した企業のデジタルマーケティング環境がある。

現在では、だれもがインターネットを利用し、スマートフォン普及率が5割を超えるようになっており、デジタル環境の進化とそれに伴う消費者の変化は非常にめまぐるしい。

大きな変化としては、次のようなものがある。

  • 過剰な情報量により、顧客の知識が拡大し、企業よりも顧客のほうがものを知っている状態になってきている。
  • 顧客接点(コンタクトポイント)が、10年前と比べて非常に多くなっている。
  • デジタルマーケティング関連サービスが多くのセグメントで多数うまれてきて、容易には把握できない状態になっている。

企業でマーケティングに携わる人に欠かせない能力とは

そうした状況で、企業のマーケティングにおけるデジタルの役割は重要性を増し続けている。また、時代とともに、

  • テクノロジー
  • フレーム-ワーク
  • 役割
  • 必要なスキル

といったものが変化・拡大し続けている。そうした状況で、企業のマーケターには、次のような能力が、欠かせないものとして強く求められるようになっている:

  • 日々新しく出現するテクノロジーやサービスに踊らされるのではなく、本質を把握したうえで、自社のマーケティング活動にそれぞれを取り入れるべきかどうかを判断できる知見
  • テクノロジーやサービスによって変化する消費者との距離感を読み取るリテラシー

Web広告研究会では、すべての広告主のマーケター、さらにマーケティングに携わる人は、こうしたことを自覚し、時代に合うように変わり続ける必要があるとして、変化に対応できるマーケターの人材育成の重要性を啓発し、取り組んでいくとしている。

過去のWAB宣言

脱媒体別戦略 ~媒体別戦略から、生活者別戦略へ~2015年3月
Big Data 2.0 ~オンラインデータがビジネスを変える~2014年3月
デジタル・マーケティングでビジネスを成功させるのは宣伝部長です2013年2月
Cooking Big Data~マーケティングの新しい時代へ~2012年2月
ポスト検索~変わる生活者、Digitalコミュニケーション時代に向けて~2011年2月
トリプルメディア、トリプルスクリーン戦略を考える時代2010年2月
Webならできる2009年2月
ネット活用多様化新時代2008年2月
Core of Communications2007年2月
「マス・メディア」から「メガ・メディア」へ2006年2月
Webマーケティング Second Stage2005年2月
ネット・ブランディング時代2004年9月
ネット・プロモーション新時代2004年2月
マス5媒体時代2003年9月
デジタル開化宣言2003年2月
メディア構造改革宣言2002年9月
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