コミュニティマーケティングとは、企業が主導して自社製品やサービスの顧客によるコミュニティを構築し、これを通じて顧客エンゲージメントやロイヤルティを高め、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図るマーケティング手法である。ファンマーケティングと呼ばれることもある。
主なメリットとして、顧客同士の交流によるロイヤルティとLTVの向上、口コミの自然発生、さらにコミュニティを通じて直接顧客ニーズを把握できる点が挙げられる。2020年代に入り、新規顧客の獲得コストが上昇する中で既存顧客の価値が改めて注目され、継続的な収益基盤の構築を目的に多くの企業が戦略的に導入している。
コミュニティマーケティングの特長は、企業がコミュニティの主体ではあるものの、企業が前面に出て活動を主導しない点にある。中心的な役割を担うのは、熱量の高いコアユーザー(ファン)であり、彼らの自発的な行動によってライトユーザーを巻き込みながら、徐々にファン層を拡大していく。企業は、こうした自発的な循環を生む仕組みを設計し、それを促す施策を継続的に実行する。
コミュニティの活動は、SNSや専用ハッシュタグ、専用のコミュニティサイトのほか、リアルな場でのイベントやワークショップなどを通じて展開されることが多い。