社内の顧客データとGoogleアナリティクスを連携できませんか?
当クリニックの代表。
イケメンの研修医。
優しい天然ボケの研修医。
ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る)
今回のお悩み
社内の顧客データとGoogleアナリティクスを連携できませんか?
顧客データベースとGoogleアナリティクスを連携する2つの方法
BtoBのサイトで、お問い合わせから成約まで数か月がかかる案件があってね。効果測定で少し困っているんだ。
あーわかった。“実際に申し込んだお客さん”がどこからアクセスしてきたのか、これをGoogleアナリティクスで確認したいんでしょ?
そう。社長が「広告費を使ったら、問い合わせは増えたけど、最終成約しない人も多い。本当に効果があるのか!?
」って詰め寄ってきていて(汗)。
なるほど。社長は経営者だから、そういう観点で見るよね。
でも、Googleアナリティクスって、サイト問い合わせ以降にどうなったかはわからないですよね?
うん。残念だけど、今のところ標準機能ではわからない。グーグルが現在ベータテスト中の「ユニバーサル・アナリティクス」を待ちたいところだね。
できれば、今すぐやりたいのですが……。
現時点で、顧客データとGoogleアナリティクスを連携させたいなら、大きく分けて2つの方法がある。
2つもやり方があるのですか?
裏ワザみたいだけど、まず1つは「Googleアナリティクスを使わない」という方法だ。自作プログラムで別途対応したり、広告の効果測定に特化したアクセス解析ツールなんかを出しているところがあるから、そういうものを使ったりする方法だ。
なんだぁ。それらツールはきっと有料ですよね?
有料なことが多いけど、計測することで、それ以上の費用削減の効果があると思うのであれば、導入を検討する価値はあると思うよ。
もう1つのやり方はなんですか?
Googleアナリティクスで「カスタム変数を使う」という方法だ。
カスタム変数とはなにか
「カスタム変数」というのは、Googleアナリティクスの機能の1つで、文字どおり、カスタム、つまり任意の変数を使用し、Googleアナリティクスのレポートに応用することだよ。
任意の変数? よくわかりません。
たとえば、WEBアンケートで「男性」と答えた人だけのデータを知りたいとする。その場合、男性と答えてくれた人にマークを付けておき、あとからGoogleアナリティクスで「男性」マークが付いた人だけを分析できたら便利だよね?
便利だと思いますが、それがカスタム変数なのですか?
その用途だけではないけど、そういった任意のマークをつけることにより、自社独自の切り口で分析できるような仕組みが、カスタム変数なんだ。
カスタム変数は、どういう仕組みで動くのですか?
ユーザーのブラウザのCookieに「男性」のような任意の値を残しておいて、その人がアクセスしたらGoogleアナリティクスにその情報も併せて記録しているんだ。カスタム変数について、詳しくは公式Googleアナリティクスのヘルプなどを読んでみよう。
カスタム変数を介して顧客データベースと連携する
カスタム変数は、文字通り任意の値を残せるから、たとえば、自社で使用している「顧客ID」などを、カスタム変数に保存し、Googleアナリティクスに記録させることができる。
ということは、顧客IDを使って、自社の顧客データベースも確認できるし、Googleアナリティクスも確認できるということですね。
ただし、カスタム変数を使う場合は、Googleアナリティクスの利用規約に注意しよう。重要なのは、その顧客IDから、Googleがその個人を絶対に特定できないこと。もし簡単に特定できるようなものだと、利用規約違反だし、最悪アカウント削除になる可能性もある。
アカウント削除というのは困りますね。
そう。さらに、カスタム変数を使った場合、エクセルにダウンロードして加工したり、アドバンスセグメントを使ってデータを確認したり、データ処理の手作業が必ず必要だから、少し面倒だ。まあ、標準にはない機能だから仕方ないね。
なんだか、いろいろ面倒くさそうですね。
だからこそ、有料のツールが出ているともいえる。なので、今回はいちおう無料のGoogleアナリティクスでもできる方法をお伝えしたけど、この方法がお勧めだという訳ではないよ。
じゃぁ、クライアントの社長にどう説明したらいいでしょうか?
無料でも頑張れるかもしれないけど、そこまで厳密に測定したいサイトであれば、「有料ツールを導入してでも計測した方がいいのでは?」と進言するべきだ。実際、PPC広告経由で申し込んだ人と、メルマガ経由で申し込んだ人の、その後の反応は違うことがあるからね。
じゃあ有料ツール導入を提案してみます!
ただ、媒体の費用対効果っていうのは、厳密に計測すれば必ずうまくいくっていうものでもない。あくまで、広告予算のなかで目標値を達成しているならば、今のまま計測せずに行く手もあるよ。
まとめ
自社の顧客データベースとGoogleアナリティクス。できれば連携させて分析したいところだけど、この連携を解決するには、有料ツールにしろ、プログラマへの依頼にしろ“投資”が必要なことが多い。であれば、投資対効果を考えなくてはならない。
あまり予算がなかったり、プログラムに詳しくない場合、個人的にお勧めなのは、欲張らずに、まず自社の顧客データベースとGoogleアナリティクスは完全に分けて考えることだ。なぜなら、慌てて自社データベースと連携できる分析のツールを入れてみても、それをしっかり分析するだけの時間がもてないことも多いからだ。特に、現時点でまだ分析できていないと感じるデータがあったり、課題に感じているようなことがあるならば、そもそも新しい分析する“時間”の投資ができない可能性が高い。
そうであれば、まずは既存のGoogleアナリティクスを分析したり、顧客データベースを分析したりするだけの時間を持とう。別々に分析したとしても、十分な成果をあげれる可能性が高い。
また、本文中でも説明したが、Google社は今年2013年に「ユニバーサル・アナリティクス」という、まさに今回のような要望に対応するための機能の正式リリースを予定している。そのツールがうまく使えるかもしれないし、今は“待ち”でもよいだろう。
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■新版SEM:リスティング広告
http://goo.gl/uAJLZ
■「GAAC - Googleアナリティクス認定コンサルタント」を日本で初めて取得(アユダンテ株式会社)
http://www.ayudante.jp/release091008.htm
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日時:2013年5月24日(金)19:00~21:00
会場:ちよだプラットフォームスクエア(本館)501+502
定員:30名
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参加費:18,000円 ※もしくは特別3か月会員価格8940円でも参加可
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詳しくはこちらをご覧ください。
■いまさら聞けないAnalytics&AdWords「新しいエンハンストキャンペーンを使いこなす」5/24
http://webtan-tsushin.com/seminar/20130524ls.html
※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作
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