検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

検索連動型広告の予算と費用対効果の見積もり

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

Google「アドワーズ広告」オーバーチュア「スポンサードサーチ」
で利益を生み出すプロの秘策!

この記事は、第2章「費用対効果を最大化するキーワードの方程式」の記事です。

検索連動型広告のコストは予測しにくい

検索連動型広告も他の広告と同様に、出稿前に必ず予算を決めておく必要があります。広告出稿において、事前に予算を決めるのは当然のことです。

しかし、検索連動型広告はクリック課金という特徴があるため、事前に広告料金の総額を予測しづらくなっています。予算を考えずにスタートして失敗してしまう人が多いのはそのためです。

とはいえ、予算はどのキーワードに出稿するかを決めるための目安でもあります。出稿前にきちんと定め、把握しておかなければ、広告によって赤字を出すという悲惨な事態に陥りかねません。

広告費の目安となる2つの予算

予算決定のベースとなる一般的な指標は、現状の売上金額です。そして、広告予算に関しては大きく分けて次の2種類があります。

  1. 現状の売上金額のうち一定の割合(または金額)として算出した予算
  2. 目標とする売上金額から算出した投資的な予算
    (広告費ではなく販促費という場合もあります)

通常、大きなプロジェクトでなければ予算(1)は難しいでしょう。本書では予算(2)を例として説明します。

予算(2)の場合、「ビジネスモデルの中で何%を広告費に充てられるのか」、そして「そのうちの何%を検索連動型広告に使えるのか」という2点を考えることが重要です。

検索連動型広告の費用対効果

費用対効果

投下した費用(投資)に対し、どれだけの効果(利益)が生まれたかを計る指標。検索連動型広告の場合は運用効率を示す。「投資対効果」「ROI(Return On Investment)」とほぼ同義。

予算についてある程度のイメージが持てたら、その範囲で検索連動型広告を出稿した場合の費用対効果を見積もってみましょう。

まず「費用」は、「検索連動型広告のクリック数分の広告料金」と言い換えられ、以下の計算式で表わされます。

検索連動型広告の費用を求める式

=インプレッション数(回) × クリック率(%)× クリック単価(円)

= クリック数(回) × クリック単価(円)

一方の「効果」は、「検索連動型広告によって発生したコンバージョン数分の利益」と言い換えられます。コンバージョンによってどのような利益が上がるかは、何をコンバージョンとするかによって異なりますが、ここでは分かりやすく単価で表わせるものとして扱っています。

検索連動型広告の効果を求める式

= インプレッション数(回) × クリック率(%)× コンバージョン率(%)× コンバージョンによる利益(円)

= クリック数(回)× コンバージョン率(%)× コンバージョンによる利益(円)

これらを比較して効果が費用を上回っていれば、検索連動型広告を出稿する価値があると判断できます。

ただ、費用対効果の算出は、実際は非常に難しいものです。効果が金額などの数値で表せない場合だけでなく、商品の原価率や利益率との関係、人件費や労働時間などの間接原価も考えなければなりません。

また、検索連動型広告の運用を始める前の段階では、かなり大雑把な見積もりしかできません。複数のキーワード、複数の商品……と要素が増えれば、さらに困難になります。あくまで、基本的な考え方として受け止めてください。

費用対効果を上げるにはどうするか?

前述の計算式から、「どうすれば費用対効果が上がるのか」という法則は分かっています。まとめると、次の3点に絞られます。

費用対効果の基本法則
  1. 広告のクリック数を上げれば、費用も効果も上がる
  2. キーワードのクリック単価を下げれば、費用が下がる
  3. コンバージョン率を上げれば、効果が上がる

こうしてみると、実際に検索連動型広告を出稿した後に何をすべきか、どのように運用すべきかが、はっきりと分かるのではないでしょうか?

同時に、キーワード選びがどれだけ重要かも見えてくるはずです。「広告のクリック数」は「キーワードの検索数×クリック率」に帰しますし、「キーワードのクリック単価」は、キーワードを変えれば当然変わります。

「コンバージョン率」も、キーワードと無関係ではありません。キーワードとユーザーのニーズの合致度に左右されるからです。

次項では、ここまでの解説から損益分岐点を見極める例を紹介します。そしてChapter3から、キーワードの選び方について考えていきましょう。

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
  • 『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』
  • ISBN:978-4844325697
  • 1,680(税込)
  • 紺野俊介(著)
  • インプレスジャパン

この記事は、書籍『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

成長を続けるネット広告の中でも、もっとも注目なのが検索エンジンを使った「検索連動型広告」。その代表例であるGoogle「アドワーズ広告」、オーバーチュア「スポンサードサーチ」のキーワード選びやメンテナンスを通し、費用対効果を最大化していくSEMのセオリーとノウハウを、ネット専業代理店のSEMストラテジストが解き明かします。さらに、SEMのニュートレンドであるコンテンツ連動型広告、モバイルリスティング広告の新章を追加。検索エンジンを活用したプロモーションで成果を出したい人には必読の1冊。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

ペルソナ
ユーザー調査から得たデータをもとに作成した仮想のユーザー像。 年齢・性別と ...→用語集へ

連載/特集コーナーから探す

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]