企業ホームページ運営の心得

BigよりReply。新聞折込で触れられない不都合な事実

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百六

オリコミ必勝法が語られない理由

前回に引き続き折込(オリコミ)です。第2弾は「基本技」と新聞各社が触れないタブーに切り込みます。

「入っていない(折り込まれてない)」。広告主からのこのクレームに折込広告代理店はどう対処するでしょうか。

代理店はチラシを新聞販売店に届けますが、そこからは販売店の仕事です。配布用にチラシをひとまとめにする際の破損や忘れは代理店の責任ではないと彼らは考えます。

答え「何もしない」

前回、地域広告としての「オリコミ」を推奨しましたが、一般的な「広告主と代理店」の関係とは異なるのもオリコミの特徴です。すべての代理店がそうだとは言えませんが、広告主をなだめることはしても、販売店にクレームを出すことはほとんどありません。クレームを出した結果、販売店が「オタクのオリコミは断る」と言われれば死活問題だからです。そこから広告主に不利な情報でも告げないことがあります。

オリコミ3つの基本技

昨年、Web担当者Forum編集部の池田さんから「チラシっておもしろくないですか」と提案がありました。Webから離れても実際の商売に役立つならありではないかと。

実は都市と地方では、代理店や加盟する組合の数も違い、それぞれのローカルルールがあり、紙面も、同じ東京都の高円寺と足立区では「受けるチラシ」が違います。そして一般商取引ではあり得ない業界ルールもあります。すべてを紹介するには字数が足りず、本欄の主旨から逸脱してしまいます。そこで「ど素人」向けに超基本に絞りました。

1サイズはB4で

紙の規格には洋紙のA判と和紙を源流にもつB判があり、オリコミはB判が基準となります。これは新聞に準じ、宅配される状態(折りたたまれた新聞)がB4で半分がB5、テレビ欄を開いた大きさをB3と呼び、倍になる毎にB2、B1となります。A判はB判として計算し、A4(一般的なコピー紙)とB4は同じ価格です。チラシに使うなら、同じ価格で少しでも多くの情報を掲載できるB判がよいでしょう。

しかし過ぎたるは及ばざるがごとし。B4で十分です。弊社のクライアントがB3で配布していたチラシをB4にしても売上はまったく変わりませんでした。チラシが大きくなるのは内向きの事情によります。スーパーなら日販、鮮魚、惣菜、家電ならエアコン、パソコン、テレビなどそれぞれに課せられる売上目標を達成するための各部門のリクエストが紙面を肥大化します。メーカーの商品をチラシに掲載すると援助される「協賛金」も大型化を推進しています。しかし、巨大なチラシを隅々まで見るのは「同業者」くらいです。また、B2以上になると「厚い紙」でなければ破けてしまい、紙代の増加も見過ごせません。

大きくても小さくても効果は同じ。みんながやっていても正しくないことは多いものです。さらにいえば、B2以上(新聞の1面とテレビ欄を広げた大きさ)となると、一般家庭のリビングでは広げると邪魔で、じっくり見る気持ちが削がれ逆効果です。

2BigよりReply

折込料金は地域で異なるので参考資料として都内料金を別表で掲載します(印刷費は考慮しない)。

「B4」の折込料金は3.3円で、その8倍面積を使える「B1」が13.0円です。単純計算で、B4用紙でB1と同じ内容をすべて載せようとするとB4用紙が8枚必要です。B4のチラシを8枚配布すると3.3×8=26.4円で、B1は半額以下ですから、大きなチラシで配布をするほうが「情報宅配効率」は良いといえます。しかし、朝は忙しく必ずチラシに目を通すとは限りません(一部地域ではチラシは夕刊のみ)。大きなチラシを用意しても見られなければ効果はゼロです。そこで「情報宅配効率」を犠牲にしても、複数回に分けて配布し「接触確率」を上げるのが正解です。

同じ予算なら大きなチラシを作るより、回数を増やすほうがオリコミの成功確率は高くなります。

チラシ1枚当たりの折込料金(東京都内の参考価格)
サイズB4B3B2B1
料金(円)3.34.57.713.0

3定数から1割以上カット

新聞宅配ビジネスをシンプルに説明すれば、新聞社は契約数の「新聞紙」を販売店に卸し(売り)、仕入れた新聞を販売店が各家庭に売ります。オリコミは各販売店の契約世帯数を市区毎にまとめた「部数表」をもとに、どの販売店に依頼するかを選定するのですが……この数字が怪しいのです。

新聞社は契約数より多くの新聞を販売店に押し売りしていると「オーマイニュース」は指摘します。公表している契約数の2割増しで、5割増の裁判例を月刊誌「Will」から引用し、この数字が新聞広告や折込収入のベースになっており「広告料金をだまし取る」と迫ります。私が耳にした噂では1割は常識。一応の理由としては、破損や試読用の予備とのこと。しかし、普通の商売では「予備」を契約数とはカウントしませんが。

というわけで配布数は部数表から1割カットします。但し、部数を減らした配布を普通に拒否する「地域」もごくごく希にありますので……その場合は新聞を使わずにポストに投函する「ポスティング」がいいでしょう。

売上高が大切なビジネスモデル

最後に広告代理店の「都合」を紹介します。

冒頭で紹介した力学がこの業界の物理常識です。部数カットを嫌がる販売店は多く、リクエストがない限り「定数配布」を否定も肯定もしません。販売店へのチラシ配送は、複数回より一回に多く配布するほうが低コストで儲かります。おおよそですが、「業者価格」は定価の8割ほどで、B4チラシを定価で1万部受注しても利益は6,600円です。都市部などの激戦区ではこの半分で、儲けが薄いことが客への忠誠心を低くします。そして利益はチラシのサイズに完全比例します。つまり、できるだけ大きなサイズのチラシを販売したい販売店側が、自己申告する数字のままに配布したいのです。

商取引ですから善悪ではなく、各社各様の「都合」があるという話し。

さらにオリコミを成功させるには「紙面」や「企画」などがあるのですが「オリコミ担当者フォーラム」となってしまいますのでここらでやめておきます。

♪今回のポイント

大きくやるのはハイリスクローリターン。

広告主以外が連携している世界って……結構ある。

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