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ミームマーケティングを成功させるには――その利点と危険性

イメージ画像:遺伝子

「ミームマーケティング」とは何かってこと、長々と説明する必要もないでしょうから、本来の定義はここを見てちょうだいWikipediaの解説とかね。

1つのミームが生まれると、その流行を商業的な利益に結び付けようとする誰かさん(流行の発信者とは限らない)が現われる。これがミームマーケティング。ミームは度が過ぎるとかなり目障りだし、どんなミームであれ、拒絶反応を示す人はいるのよね。

でも、すぐれたミーム・マーケターはそういった流行を否定する意見なんて気にしないわ。「icanhascheezburger.com」は、シンプルなアイデアで成功を収めたサイトのいい例ね。こういうサイトは高額で売れるのよ。ネコが喋ったようなおバカなセリフをネコの写真に付けているこのサイトが2億円で投資家に買われたのは、あきれた話だけど本当の話。

この「ネコの写真+ネコっぽい言葉」のミームは、こういったサイト運営者たちが発明したわけじゃない。この手のミームが最初に登場した場所として最も有名なのは、堂々とおバカをやってのけるフォーラム「Something Awful」や、画像掲示板サイトの「4chan」。もっとも、おバカな言葉遊びは、それよりも以前に、オンラインゲームの世界から始まったんだと主張する人もいるけど。

まあ、どこで始まったにせよ、icanhazcheezeburger.comでエリック・ナカガワ氏とカリ・ウネバサミ氏は大儲けし、それ以来、みんなが2人の成功にならおうと後に続いたの。もちろん成功した人もいる。「FAIL Blog」を作って儲けようとした人たちなんかはその好例だけど、ミームで大当たりを取るのはそれほど簡単なことじゃないわ。

◇◇◇

実は、私たちも試してみたことがあるの。2006年から2007年頃にSEOmozのコンテンツを読んでいなかった人はDrivlを知らないかもしれないけど、SEOmozもこの仰天ブログに協力していたことがあったのよ。あれは私がSEOmozに入ってまだ駆け出しだった頃の話。ついでに言うと、実は今日、私がここのスタッフになって2周年の記念日なの!

Drivlで私たちは、「toile」(「トワール」と発音)という言葉を、「吐く」っていう意味の新語として流行させようとしたの。Drivlはどんどん支持者を増やしていたから、もう少し時間があればもっと成功していたかもしれないわね。「トワール」って発音自体も食べ物を吐くときの音に似てていいと思ったんだけど、実のところ「toile:吐く」はまったく流行らなかったわ。すでに同じ意味の表現がいくつもあるのに、人に新語を使わせるのは簡単じゃないのよ。

つまり、すべてのミームが商業的にある程度の成功を収めるような大ヒットになるわけではないということ(それに、ヒットしなきゃいけないわけでもない)。ニッチな分野の中では、ミームがそれなりに強固な支持層を得て、インターネットマーケティングである程度の成功を収められる。ミームの創造および伝播によって追求するのは、「通常の」バイラルマーケティングで求めているのとほぼ同じような目標なの。ただし、このミームマーケティングという形態の方がもっと繊細で、はるかに多くの忍耐と感性を要するわ。

ミームは鼻につきやすいって傾向があるから、少々危険性もあるわ。人から鬱陶しがられるようになるのなんて、あっという間よ。FAIL Blogみたいなものが大好きだってことで自分が笑われてるっていうのはわかってるけど、それって他人の不幸は蜜の味だってことを忘れてるんじゃない? もちろん、そんな風に思うのと同じくらい、ポップカルチャーのキャッチフレーズやトレンドのすべてが万人向けとは限らないってことも理解してるわ。だから、ミームをマーケティングツールとして利用するときは慎重を要するの。ミーム・マーケターはできるかぎり、そのニッチに受け入れられそうな水準を守りつつ浸透させなくちゃいけないってわけ。

◇◇◇

これから、うまくいった例として、私の大好きなSEOmoz会員の1人を取り上げるわね。マーティン・ボウリング氏は、炭酸アルコール飲料の「Zima」が大好きだと思われて、どちらかといえば悪名高くなった。私も以前はZimaって何なのか知らなかったし、いまだに飲んだことはないんだけどね。でも、どういうわけか話に尾鰭がついて、マーティンと言えばZimaってことになっちゃったのね。それで、最初はTwitterでのくだらない冗談だったらしいんだけど(実を言うと、私も本当の発端を目にしてなかったの)、それが膨らんで、URL短縮サービスを開発しようじゃないかって話になったの。そして実際アイデアは形になり、zi.maというURL短縮サービスが生まれたわ。私たちの業界でそのミームが広がりつつあるわ。

私は心をくすぐられちゃったの。マーティンの人気と、「zi.ma」というドメイン名が最高のURL短縮サービスサイトに必要な特徴を備えているという事実を併せて考えると、なおのことね。このアイデアがうまくいったのは、ほぼ望ましい形で展開したからでもあるわ。つまり、押しつけがましくなかったのよ。ほんの冗談として始まって、その冗談が、利用者になりうる人たちの間でウケたから実際に形になったわけ。成功例の大半はこんな風に始まってるの。

◇◇◇

改めて考えてみると、人がミームを無理やり流行させようとして状況は比較的簡単に思いつく。同じ言葉を何度も何度も繰り返したり、ビジネスを不自然な形でブランド化しようとしたりするだけじゃうまくいかないのよ。新語「toile」を流行らせようとする私たちの試みがあまり成功しなかったのは、まさにそうした失敗例で、それを支えてくれるものが何もなかったからなのよね。私たちは単純に、これがおもしろいだろうと思っただけだった。

icanhascheezburger.comにしたって、「おバカなセリフのついた猫の写真を使えばウェブサイトが200万ドルで売れるぞ」なんてことを、誰かが突然思いついて作ったというわけじゃないのよ。もし最初からそんなことを考えていたら、LOLcatのミームも決して広まらなかったはず。

製品やアイデアやテーマを、無理やり自分や会社の利益に結び付けようとする人たち(最も顕著なのがソーシャルメディアを通じて)を見てきて、それがどれほど無意味なことかわからないのかしらって思うわ。正直言って鬱陶しいのよ。マーケティングの観点から見ると、これはもう自殺行為ね。だって、文化的な意義に言及したところで、見込んでいた肯定的な反応を得られるどころか、嘲笑を誘うだけなんだから。

もちろん、優秀なマーケターはミームを念頭に置いてキャンペーンを開始することができるし、それを自然な感じに見せられるわ。私たちがもう少し賢かったら、例の「toile」を普段の記事で少しずつ使っていって、やがて読者(Drivlの人気絶頂時には、すごくたくさんいたのよ)がそれを自然に使うようにもっていったでしょうね。ミームが自然に発生するのを待つ必要はないけど、少なくともそういう風には見えなくちゃいけないわ。

これを純粋にSEOと関連する問題に当てはめてみると、キーワード最適化のやり過ぎが思い浮かぶわ。ソーシャルネットワーキングの世界では、人が検索エンジンのような役割を果たしていて、行き過ぎたキーワードやキーフレーズの最適化には敏感だし、あるキーワードの押しつけがわざとらしいと思ったら、その人やブランドを低く評価するの。人為的にミームを広めようとする場合でも、ありとあらゆるマーケティング手段を講じて、それが人為的であると思われないようにすること。でも、一番いいのは、どのアイデアがバイラルな現象を巻き起こすかを見極めるすぐれた選択眼を持って、自然発生的なミームマーケティングを手がけることね。

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