ウェブサイトで何をしたいのか明確な目的を持つことが成功への道
ウェブサイトで何をしたいのか明確な目的を持つことが成功への道
デザインとシステムの両面から強力にウェブ構築をサポートするクーピーだが、やはり円滑に業務を進めるためには、クライアントの協力は不可欠である。集客に力を入れたいのか? 売上を伸ばしたいのか? このキャンペーンの面白い見せ方はないだろうか? といった目的の明確化がクライアント側には必要になる。
「依頼を受けるときに、漠然とサイトを作りたいというケースが50%ぐらいありますね。ただ、そこで何を目的としているのかを聞くことによって、はじめて明らかになってくることがあるので、こちらのヒアリングの技術っていうのはすごく必要だと感じています。たとえば、お客さんからこんなキャンペーンなんだけど面白い見せ方ないですか? という話があって、そこから入っていく場合がありますね」と語る阿部氏。「その中で、まずウェブサイトで何をしたいのか、目的を常に持っていただくと話が早いですね。お客さんを増やしたいとか、売り上げを増やしたいとか。リニューアルであれば使い勝手をよくしたいとか、このページを特に見せたいとかっていうところを出していただけると話が進みやすいですね」
目的が明確になったら、それを達成するために必要な情報をクライアント側からすべて出してもらう。その情報量からサイトのボリューム感を概算し、見積もりが出る。それを踏まえた上で予算を勘案し、クーピーが最初から最後までやるのか、設計フェーズだけなのかという作業領域を詰めていくという。
「お客さんに丸投げ意識があるとプロジェクトはうまく回りません。サイトは完成してそれで終わりというわけではなく、完成後も手をかけ続けなくてはいけません。サイトを一緒に作っていくんだ、というパートナーシップは業務を円滑にする以上に、よりよいサイトを作るためには必須ですし、私たちもパートナーシップを築くために最大限のお手伝いをします」(阿部氏)
また当然のことだが、スケジュールにもゆとりを持たせた方がクオリティの高いサイトができる。前出のBEYESも企画には相当時間をかけているということで、その丁寧さが成功要因のひとつとなっていることは想像に難くない。
システムを理解することもサイトの可能性を大きく伸ばす秘訣だ。クーピーが得意とするActionScriptはサーバーとの連携が要求される。加えて、アクセス解析や効果測定ツールもやはりサイトの裏側で動くものである。このようにサイト運営には不可欠なのが、サイトのバックグラウンドの仕組みなのだが、目に見えるものでもないため、理解と予算の了承を得られないケースもあるようだ。サイトはデザインを競うものではない。視認できるデザイン要素だけではなく、システムにも注意を払いたい。
Flashのエンターテインメント性ブログパーツと動画に注目
「たとえば、ECショップにしても単に情報のアレンジではなくて、Flashを使えばもっと面白い表現でエンターテインメント性のあるショップを作れるのではないかと思っています。そういった意味もあって、BYESEのリコメンドではFlashをどんどん使っています。デザインとインターフェイスの部分ではやっぱりFlashに一番注目していますね。あと動画とブログパーツに注目しています」(貝畑氏)
貝畑氏の言葉を裏付けるように、どちらもクーピーの開発力を存分に活かしたサービスを提供している。
2004年に設立されたFlash Action Script部隊(図2)によるブログパーツのラクガキボードは、約3万人のユーザーが利用している。ということは、そこにCMを流せば、最低でも3万PVを記録するということだ。「ポストイットのプロモーションでは、ポストイット風にしたスキンを配布しました(図3)。ブログパーツは単純にアニメーションを流すだけではなく、そのブログにどのような記事がアップされたか、どれくらい見られたのかをサーバーと連携して測定することができます。まさにマーケティングツールとしてのブログパーツが使えるのです」(阿部氏)
サイト構築後、そのようなマーケティングツールを使っての支援ができることもクーピーの強みと言える。今までは、ブログに取り上げられるためにキャンペーンページを立ち上げていたが、ブログパーツをブログに貼ってもらうことで、それぞれのブログをキャンペーンの窓口にすることができる。まさにバイラルマーケティングの醍醐味である。「パッケージ化しにくい媒体ではあるのですが、だからこそ可能性を感じています」と貝畑氏は期待を込める。
動画系サービスでは、携帯電話の動画がパーソナルな情報発信ツールとしての可能性を秘めているとして、動画関連のAPIを公開したり、広告モデルを模索したりしている(図5)。海外の事例では、YouTubeが圧倒的な支持を集めているが、日本ではまだ動画サービスの成功事例は少ない。「個人制作のショートムービーなどは、メディアになり得るのか興味があります」(貝畑氏)
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