ネットショップ担当者フォーラム

チケット購入+モバイルオーダーでの顧客体験向上、施設のDX化――シネコン市場で初めて「Amazon Pay」を導入したティ・ジョイが語る施策の効果

11ヶ月 4 週間 ago
デジタルシネマの推進や最新の音響・映像技術の導入などで、シネコン市場でイノベーションを創出し続けるティ・ジョイ。力を入れているデジタル施策の一環として、業界で初めて「Amazon Pay」を導入。施策の効果や今後の展望を、担当者が解説する
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フィルム上映からデジタルシネマへといち早く移行、最新鋭の音響や映像技術の導入による劇場の独自性を追求するなど、東映傘下のシネコンチェーン「T・ジョイ」を展開するティ・ジョイは、シネマコンプレックス(シネコン)市場で “新しい価値”を創出し続けている。オンラインチケット予約やフードのモバイルオーダー導入、ストレスのない買い物体験の実現のためにAmazonの ID決済サービス「Amazon Pay」導入などデジタル化も強力に推進する。

興行部施設管理室長兼東日本エリアマネージャーの原晋也氏、吉原幹貴氏(興行部劇場運営室運営管理チーム兼システム管理チーム)、島田貴行氏(興行部劇場マーケティング室劇場宣伝チーム長)に話を聞いた。

都市部の駅近から郊外まで、全国でシネコン「T・ジョイ」を展開

東映グループでシネマコンプレックス運営事業を手がけるティ・ジョイは、創業した2000年に第1号の劇場「T・ジョイ東広島」を開業。現在は、全国19劇場(他社との共同経営を含む)まで拡大している。シネコンの多くが郊外で展開するなか、ティ・ジョイは2007年に「新宿バルト9」を開業して以降、郊外だけでなく主要都市の駅前や駅ビルなどの都市型劇場も積極的に展開していることが特長と言える。

左から、オンラインチケット予約「KINEZO(キネゾー)」、スマートフォン専用アプリ「キネパス」、フード&ドリンク「KINEZOモバイルオーダー

今や当たり前のデジタルシネマ。自社でコンテンツを開発し、業界に先駆けて推進してきたのがティ・ジョイ

ティ・ジョイは、映画館のデジタル化を先駆けて推進し、業界に革新をもたらした企業だ。2000年の創業以来、独自のコンテンツ開発や最新技術の導入により、映画鑑賞の体験価値を高めてきた。最近ではT・ジョイ京都と横浜ブルク13に「ScreenX with Dolby Atmos」を導入し、270度の視界と360度の立体音響を実現している。

スマホで座席の予約ができても、フードを買うときや入場の際には列に並ばなければならず、特に小さなお子さま連れのお客さまなどは疲れるだろうと懸念していた。不便やストレスなく、純粋に映画を楽しんでいただきたいと考えた結果、座席や売店の予約もお客さまの手元から自由にアクセスができ、時間になったら並ばずスムーズに入れる劇場へと進化した。(原氏)

興行部施設管理室長兼東日本エリアマネージャーの原晋也氏
興行部施設管理室長兼東日本エリアマネージャーの原晋也氏

最近は顧客体験の価値向上に注力し、映画鑑賞の一連の行動(予約、鑑賞、感想共有、次回検討)をデジタル化し、より高い価値を提供しようと取り組んでいるようだ。オンライン予約システム「KINEZO」でチケットレス入場を可能にし、スマートフォンアプリ「キネパス」で感想共有機能を提供している。最近では、飲食物の事前予約機能「KINEZOモバイルオーダー」も導入し、顧客の利便性を高めている。

映画館の取り扱う商品は文字通り「映画」。各劇場の特徴を表現し、店舗開発や作品とのコラボレーションなどで独自性を出すことが求められ、シネコン企業のなかでは後発だが、業界の先駆けとなる新しい取り組みをこれまで数多く着手してきた。その1つが映画館のデジタル化である。

T・ジョイ エミテラス所沢 T・ジョイ エミテラス所沢
2024年9月オープンの「T・ジョイ エミテラス所沢」には270度の視界で映画鑑賞できる3面マルチプロジェクション上映システム「ScreenX」を導入している

チケットの予約販売はフローが煩雑。ストレス軽減に向け業界で初めて「Amazon Pay」を導入

ティ・ジョイはデジタル施策の一環として2019年10月、「KINEZO」にAmazonが提供する決済サービス「Amazon Pay」を導入した。導入を決めた理由の1つが、映画のチケット購入ならではの煩雑なフローをできるだけスムーズにすることだった。

「KINEZO」のスマホ専用アプリ「キネパス」。オンライン予約、映画の感想共有機能、モバイルオーダー機能などがある

通常のECサイトと異なり、映画のチケット購入は作品、劇場、時間帯、座席など、選択する項目が多い。その先の支払い方法のフローでクレジットカード情報の入力が必要となると、煩雑さにストレスを感じるユーザーは少なくないだろう。スマホなどデバイスの操作を極力減らし、ストレスをなくしてコンバージョンを高めようと考え、Amazonアカウントの情報で簡単に決済できる「Amazon Pay」を導入した。

「Amazon Pay」からの素早い対応と丁寧なサポートも高く評価

ティ・ジョイはオンラインチケット予約からチケットレスで映画を鑑賞できるという仕組みを採用しているため、「Amazon Pay」の住所情報連携は実施していない。ただ、AmazonアカウントでのIDログイン機能を実装。Amazonアカウントを持つ利用者であれば、簡単にログインや会員登録ができる環境を実現している。

Amazonアカウントでログイン・会員登録できるのは「Amazon Pay」の機能の1つ

こうした「Amazon Pay」導入・実装までのスケジュールについては、想像よりスムーズに進んだ印象で、「Amazon Pay」からの素早い対応と丁寧なサポートも高く評価できると話す。

システムやサービスを提供する事業者自身がここまで手厚くサポートしてくれる体制は、結構まれなパターンだと思った。ほとんどの場合は、APIの仕様書を開示してもらうところまでで終わってしまうが、「Amazon Pay」はシステム担当者と当社の開発メンバーとが、プロジェクト管理ツールを使って直接やり取りできるようにしてくださった。実装までの手厚いサポートにより、導入を決めてから短い期間でローンチできたと思っている。(吉原氏)

興行部劇場運営室運営管理チーム兼システム管理チームの吉原幹貴氏
興行部劇場運営室運営管理チーム兼システム管理チームの吉原幹貴氏

「Amazon Pay」導入後にCVRが向上。チケットの争奪戦でも重宝される決済手段

インターネット上の映画チケット予約サービスは、消費者が観たい作品の初日の良い座席や、舞台挨拶のある回などで特にアクセスが集中する。そうした時も、クレジットカード情報などの入力が必要なく、圧倒的な早さでチケット購入が完了できる「Amazon Pay」はユーザーから重宝される決済手段である。

実際、人気作品の予約が始まった際にSNS上でユーザーの声をチェックすると、「『KINEZO・キネパス』が一番スムーズに取れた」という投稿があり、「Amazon Pay」が体験価値の向上に寄与していることを実感したという。

また、導入前の狙い通り、コンバージョン率も向上。従前は、購入フローで作品、劇場、時間帯、座席など多くの選択項目を進めた後、完了まであと一歩の決済で離脱してしまっていた。導入後、その課題が大きく改善したという。

また一旦座席だけを確保しておき、予約した回に行けると確定したタイミングでオンライン決済ができるようにもしている。このときに「Amazon Pay」で手軽に支払える利便性も、コンバージョン率向上に寄与したと考えている。

「KINEZO」の決済画面。通常の購入「このまま購入」と、席を一旦予約し、後から支払いができる「あとから決済」をユーザーが選べる

「Amazon Pay」経由で新規会員が増加

「Amazon Pay」を導入した翌春に、Amazonアカウントとティ・ジョイ会員のID連携を実現。実装後、ティ・ジョイの新規会員の約半数がID連携によって会員登録し、想定を大きく上回る結果を得たという。

オンライン決済による売上高のうち、2020年には「Amazon Pay」のシェアが15%ほどを占め、2023年には20%に到達。2024年には25%に迫る利用率推移しており、全体の会員数も増加し続けている

「Amazon Pay」導入を機に、オンライン決済の利用比率も各段に向上。2019年時点での全社的なオンライン決済比率は約50%だったが、2020年にはコロナ禍の影響で非接触ニーズが高まり、特に都市部では80%を超える劇場がほとんどという。「Amazon Pay」を使った簡単で便利な決済方法がその流れを加速している。

映画館の券売機などは、システムを自社開発するためイニシャルコストが高く、保守も必要となる。昨今は、そういった機械への設備投資をいかに少なくしていくかを考えなければならず、加えて、お客さまの持つデバイスにレジスターの機能を寄せていく考え方が主流となっている。そのため、オンライン決済は時流にあった手段だ。「Amazon Pay」は、そういったお客さまとティ・ジョイの双方のニーズに合致した決済手段と言える。(吉原氏)

スマホで売店のフードが注文できる「KINEZOモバイルオーダー」にも「Amazon Pay」を導入

「KINEZO」を通じてスマホからフードの注文・決済ができる「KINEZOモバイルオーダー」の機能は、2024年4月に「T・ジョイ長岡」で運用をスタート。最新の劇場「T・ジョイ エミテラス所沢」でも開業時から導入しており、順次全国に展開していく計画を掲げる。

フード&ドリンクのモバイルオーダーの注文・決済画面

モバイルオーダーを導入した劇場のモバイルオーダー利用率はまだ10%弱ではあるものの、モバイルオーダーによって観客動員数に対する購買率が高まることがわかってきた。モバイルオーダーを導入した劇場はこれまでのフードの平均客単価より約30%ほど上がっているという結果も出ているようだ。

モバイルオーダーはゆっくり商品が選べるため、「売店に人が並んでいるから諦めよう」といった買い控えが軽減できるほか、対面接客では忙しい時間帯にお薦め商品が十分に案内できなくなりがちなところ、画面上でおすすめのタブを用意して訴求できることから、フードの売り上げに大きく貢献しているようだ。小さな子どもを連れたファミリー層なども長い列に並ぶことなく購入できる利便性もフードの平均客単価を上げる一因となっている。

このモバイルオーダーの決済手段にも「Amazon Pay」を採用しており、利便性とコンバージョン率のさらなる向上につながっている。

モバイルオーダー導入前の「T・ジョイ長岡」
モバイルオーダー導入前の「T・ジョイ長岡」(左)とモバイルオーダー導入後の「T・ジョイ長岡」(右)

Amazonとのキャンペーンは集客効果大。「Prime Video」をきっかけに劇場に来る観客も

「Amazon Pay」の大きな導入メリットの1つに、導入企業は「Amazon Pay」が主導するキャンペーン(たとえば、Amazonギフトカード還元キャンペーンなど)に参加できることがあげられる。

ティ・ジョイは2024年8~9月にかけて、「Amazon Pay」決済でアニメ映画「KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-」を鑑賞した観客から抽選で100人に、オリジナルデザインのAmazonギフトカード5000円分が当たるキャンペーンを実施。

「KING OF PRISM」は作品自体に既存のファンが多かったが、「Prime Video」上での告知や外部メディアに取り上げられたことで告知の場が充実し、新規のファンも獲得できたと思うし、ティ・ジョイのアクティブユーザー数も増加傾向だ。

こうしたOMO的な相乗効果が見いだせるため、映画館と配信は競合関係にあるとは考えていない。むしろ、「Prime Video」をきっかけに多くのお客さまが映画館を訪れたので、日頃から「Prime Video」を観る視聴者の来場が期待できる取り組みを実現できるのはAmazonならではだと感じている。(島田氏)

興行部劇場マーケティング室劇場宣伝チームの島田貴行氏
興行部劇場マーケティング室劇場宣伝チームの島田貴行氏

オフラインの施策も模索。Amazonと共同で行動全体の新たな価値観を提供したい

劇場やスポーツなどのチケッティングビジネスにおいて、ティ・ジョイは先駆けて「Amazon Pay」を導入。チケット購入やモバイルオーダーでの顧客体験向上、施設のDX化を実現した。チケット販売や劇場・スポーツといった施設内での飲食販売のDX化の“お手本”となるような取り組みを進めていると言える。

さまざまなID決済があるなか、「Amazon Pay」を選んだ決め手の1つとして将来的にAmazonと共同で「何か画期的な取り組みがしたい」という期待を持ったというティ・ジョイ。「Amazonとの良いコラボレーションの形」を模索し、日常生活に溶け込んでいるAmazonが抱える消費者を、映画館へ呼び込むための施策をさらに発展させたいと考えている。

「KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-」のキャンペーンが奏功したように、「お客さまは映画コンテンツを『観て、帰る』で終わる消費体験とするだけでなく、記念品などのリアルなものも求めていると強く感じる」と原氏。「Amazon Pay」と共同で入場者特典などの企画にも力を入れていきたいと言う。

現在はオンライン上でのみ「Amazon Pay」が使える段階だが、私たちはリアルの施設を運営しているので、今後はオフラインでの施策にも取り組んでみたい。映画館に来場したときに、「『Amazon Pay』で決済してよかった」と楽しんでいただけるような、リアルのプレゼントやサービス、プライム会員限定特典など、面白い企画ができる可能性はまだまだ広がっていると思う。

また、普段は映画を観ない人や、映画館の利用は少ないものの自宅で映画を観ている人に対しても、Amazonとともに新たな価値観を提供していきたいと考えている。(吉原氏)

アニメ映画「KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-」を鑑賞した観客から抽選で100人に、オリジナルデザインの「Amazonギフトカード」5000円分が当たるキャンペーン
アニメ映画「KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-」を鑑賞した観客から抽選で100人に、オリジナルデザインの「Amazonギフトカード」5000円分が当たるキャンペーン

※Amazon、Amazon Payおよび関連するすべてのロゴは、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です

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朝比美帆
吉田 浩章

越境ECに着手している事業者は約7割、課題は「言語」「物流」。初期の年間予算は「100万~500万円」がボリュームゾーン

11ヶ月 4 週間 ago

EC物流代行サービス「ウルロジ」などのディーエムソリューションズは12月10日、EC事業を運営している20歳~70歳代の担当者や責任者1000人を対象に実施した「越境EC事業化にあたっての意識・実態調査」の結果を発表した。

「現在の越境ECの状況」について、「すでに複数の国で実施」が25.1%、「すでに一国で実施」が23.6%、「直近での実施に向けて進行中」が17.4%と回答。約7割のEC事業者が越境ECに着手していることがわかった。

越境ECの事業化にあたり、事業者が考える期待値の高い商材カテゴリや進出先国、初期投資予算、継続・徹底の判断を下すマイルストーン、運用体制、実際の課題などを調査した。
越境ECに着手している事業者の割合(ウルロジ調べ)

「越境ECを事業化する上での課題となりそうな点」を複数回答で聞いたところ、「進出先国の言語対応」が42.4%、「海外発送用の物流体制の構築」が38.0%、「進出先国の法令対応」が37.5%。

越境ECの事業化にあたり、事業者が考える期待値の高い商材カテゴリや進出先国、初期投資予算、継続・徹底の判断を下すマイルストーン、運用体制、実際の課題などを調査した。
越境ECにおける課題(ウルロジ調べ)

越境ECを経験している487人に絞って分析したところ、「進出先国の言語対応」が50.3%、「海外発送用の物流体制の構築」が46.8%、「進出先国の法令対応」が39.6%だった。

越境ECの事業化にあたり、事業者が考える期待値の高い商材カテゴリや進出先国、初期投資予算、継続・徹底の判断を下すマイルストーン、運用体制、実際の課題などを調査した。
越境EC経験者が回答した越境ECにおける課題(ウルロジ調べ)

「越境ECの物流における課題」を複数回答で聞いた。「通関手続きなどの書類発行業務」が47.3%、「海外配送コストの削減」が43.2%。これに続いたのが「海外配送に対応した梱包作業」の34.6%で、配送コストよりもむしろ煩雑な業務や手続きに課題を感じていることが推察される。

越境ECの事業化にあたり、事業者が考える期待値の高い商材カテゴリや進出先国、初期投資予算、継続・徹底の判断を下すマイルストーン、運用体制、実際の課題などを調査した。
越境ECにおける物流課題の特異性(ウルロジ調べ)

「越境EC事業を事業化する前提で、初期のおおよその年間予算」について聞いたところ、「101万~200万円」が16.5%、「201万~300万円」が17.2%、「301万~500万円」が14.9%。初期の年間予算は、100~500万円がボリュームゾーンとなっている。一方、年間2000万円以上の予算を投じる企業が7.3%あり、越境EC事業への投資規模は企業によって大きく異なっている。

越境ECの事業化にあたり、事業者が考える期待値の高い商材カテゴリや進出先国、初期投資予算、継続・徹底の判断を下すマイルストーン、運用体制、実際の課題などを調査した。
越境EC事業の初期年間予算のボリュームゾーン(ウルロジ調べ)

「越境EC事業を開始した場合、撤退・継続の判断を下すマイルストーンを事業開始からどれくらいに設定するか」という質問に対しては、「開始から半年経過時点」が12.2%、「開始から1年経過時点」が23.5%、「開始から1年半経過時点」が23.2%、「開始から2年経過時点」が17.8%。全体の76.7%が開始から2年以内で越境EC事業の撤退・継続を判断している。

越境ECの事業化にあたり、事業者が考える期待値の高い商材カテゴリや進出先国、初期投資予算、継続・徹底の判断を下すマイルストーン、運用体制、実際の課題などを調査した。
越境EC事業の撤退・継続判断のタイミング(ウルロジ調べ)

調査概要

調査対象:20~70歳代の男女1000人
調査条件:EC事業を運営している担当者・責任者
調査対象エリア:全国
調査期間:2024年11月25日~11月28日
調査方法:インターネット調査

松原 沙甫

Shopifyイベント「Editions.dev」に学ぶAIのEコマースへの活用(商品レコメンデーション、カスタマーサポートなど)と課題 | 「Shopify Editions.dev 2024」で見たAI活用の未来

11ヶ月 4 週間 ago
2024年6月にカナダ・トロントで行われたShopifyイベント「Editions.dev」。イベント参加者からのレポートから、AI活用の未来について解説します

カナダ・トロントで開かれたShopifyのイベント「Editions.dev」(2024年6月25日実施)の会場「Enercare Centre(エネケアセンター)」には、世界中から数千人のShopify関係者・開発者が集まり、最新のeコマース技術やトレンドについて議論を交わしました。

「Editions.dev」にはフラッグシップの社員が参加。そこから得られたShopifyのAI活用戦略、Shopifyアプリ開発者がAIをどのようにEC事業へ活用しようとしているかを解説します。

「Shopify Editions Summer 2024」で発表されたAI機能とは

Editions.dev」前日に実施されたShopifyの新機能発表イベント「Shopify Editions Summer 2024」で、次のAI機能を公表しました。

2024年に行われた「Shopify Editions Summer‘24」で発表された、コマース特化型AI「Shopify Magic」
2024年に行われた「Shopify Editions Summer 2024」で発表された、コマース特化型AI「Shopify Magic」
(画像はShopifyのサイトからキャプチャし、編集部が追加)
「ShopifyQLコード」で記載した内容をシンプルな説明文に変換した例
「ShopifyQLコード」で記載した内容をシンプルな説明文に変換した例
(画像は「Shopify Editions Summer 2024」のサイトからキャプチャし、編集部が追加)
AIを活用した「メディアエディタ」の例
(画像は「Shopify Editions Summer 2024」のサイトからキャプチャし、編集部が追加)

こうして見ると、Shopifyではコンテンツを生成したり、難易度の高い工程を簡素化したりする方向で、すでに生成AI活用が始まっていることがわかります。一方で、ストアフロント側の活用はまだそれほど進んでいない状況です。

AI活用が期待される3つの領域

「Editions.dev」では、アプリ開発者を中心としたラウンドテーブルセッションが行われ、AIを活用している事例やAI活用を検討しているアプリ開発者が意見交換をしました。

セッションでは、特に商品レコメンデーション、カスタマーサポート、バックオフィス業務の効率化におけるAI活用が話題の中心となりました。

AIによる商品レコメンデーションの進化

話題になったのは、AIの活用によるパーソナライズされたレコメンデーション機能です。AIレコメンデーションアプリ「Wiser」(「Shopify」ストアの売上向上を支援するAIレコメンデーションツール。日本でも利用可能だがサポートは日本語未対応)を提供する企業のCEOが、平均注文額と顧客エンゲージメントの向上に貢献した実体験を紹介しました。

「Wiser」はAIによる「よく一緒に購入される商品」の分析とパーソナライゼーションでアップセルにつなげます。事例として、ある男性用化粧品サイトでは、AIが購買履歴や閲覧パターンを分析し、トリマーを閲覧した顧客にオイルなどの補完製品をおすすめすることで売り上げを伸ばしたといいます。購買履歴や閲覧パターンを分析することで、個々の顧客に最適な商品を提案しているそうです。

AIチャットボットによる24時間顧客サポート

カスタマーサポートの分野では、AIチャットボットの活用が話題になりました。AIがよくある質問への回答や注文状況の確認といった定型的な問い合わせに24時間対応することで、人的リソースを複雑な問題解決に集中させられるようになります。これにより、効率向上とコスト削減につながっているのです。

バックオフィス業務におけるAI活用の可能性

バックオフィス業務においては、WMSとの連携における初期セットアップ、運用において外部システムと連携する必要があるという前提から、複雑な工程が発生しがちです。現地では「このように複雑な工程こそAIによる効率化の効果が大きく、多くのアプリベンダーが積極的に取り組んでいる」という話を聞くことができました。

一方で「現在の生成AIにはハルシネーション(誤った情報を生成してしまう現象)の問題があるため、失敗できないバックオフィス業務の効率化には、未だ課題が残っている」というディスカッションが行われました。

AIの進化と可能性に期待が高まる一方で、業務への深い理解が不可欠です。未経験のパイロットに旅客機を任せるような危うさを避けるため、段階的な導入と適切な検証が推奨されています。

AI活用の課題は「AIに全作業を担わせない」「アルゴリズムの透明性と公平性」

ラウンドテーブルでは、「AIそのものが“バズワード”であり、実力以上に注目を集めすぎないよう注意が必要」という意見も多くあがりました。

AIの得意分野として、複雑なロジスティックシステムとのつなぎこみ、初期設定を行うことなどがあり、すでに企業内の実験として成功している事例もあります。しかし「間違いが許されないECサイトの設定において、すべての作業をAIに自動的に実施させることは、まだまだ実用的ではない」という議論が行われ、限られた範囲から段階的に導入することが推奨されました

また、AIの倫理的側面、特にアルゴリズムの透明性と公平性も重要な課題としてあげられました。

「Editions.dev」の締めくくりに行われたファイヤーサイドチャットで、Shopify CEOのTobias Lütke(トビアス・リュトケ)氏は「私たちの使命は20年前から変わっていません。コマースをすべての人にとってより良いものにすることです」と語りました。AI活用においても、コマースをより良いものにするという姿勢は一貫しています。

「Editions.dev」を通じて、安易にAIを導入するのではなく、企業の特性や顧客ニーズを十分に理解した上で、小さな範囲から検証しながら導入する必要があることの重要性を学びました。

「Editions.dev」の内容の一部は、ShopifyのYouTubeチャンネル「ShopifyDevs」で公開していますので、ぜひチェックしてみてください。

◇◇◇

次回は「『Shopify』のチェックアウト機能の進化」をテーマにお届けします。最新のチェックアウト拡張機能(Checkout Extensibility)や、開発者が注目すべきポイントについて、さらに詳しく探ります。

フラッグシップは、“Develop Maps” をパーパスに、エンタープライズ企業の EC リニューアル開発を主軸に事業を展開しています。

国内外の大規模ECサイトのリニューアルやグローバルEC構築を得意とし、ERP・WMSとの高度な連携や、Shopify標準を逸脱したカスタム機能の開発を提供し、2018年に国内初の「Shopify Plus Partner」に認定されました。

今後も戦略および技術の専門パートナーとして、クライアントのビジネス成長を技術と戦略の両面から支援していきます。

フラッグシップ:https://flagship.cc

フラッグシップ

ファッションECのyutori、コスメ事業の拡大を加速へ。協業メーカーから「minum(ミニュム)」事業を譲受

11ヶ月 4 週間 ago

ファッションECのyutori(ユトリ)は12月13日、コスメ事業の協業先で化粧品メーカーのi.Dが展開している化粧品ブランド「minum(ミニュム)」事業を譲り受けると発表した。事業譲受により、コスメ事業の拡大を加速する。同日付で事業譲渡契約を締結した。

事業譲受日は12月14日。譲受価額は在庫状況によるものの、1億1000万円を想定しているという。

「minum」はこれまで、i.Dが発売元となり生産、卸の流通、物流を担当。yutoriは商品の共同開発のほか、広告宣伝業務を受託し、レベニューシェアでロイヤルティー収入を得ていた。

「minum」の事業譲受は、yutori主体でブランドを運営していくことにより、ブランドへの投資、化粧品事業の拡大を加速させるのが目的。

事業譲受後は、yutoriが生産の発注から物流管理までを担当。i.Dは引き続き商品の共同開発、卸営業や店舗開発を担当する。

「minum」は定番のメイクアップ商品(アイライナー、アイシャドウなど)を500~600円台のワンコイン価格で展開。リップ製品やチーク製品が女性誌の「LDK the Beauty コスメオブザイヤー2024」を受賞するなど評価を得ている。2024年11月末時点での取扱店舗数は3124店舗。

yuroriはプロモーションを強化をするほか、600~800円台の高付加価値商品を展開することでターゲット層を拡大。5年後には「minum」の流通総額100億円をめざす。なお事業譲受によるyutoriの2024年3月期業績への影響は精査中としている。

yutoriの2024年3月期決算は、売上高が前期比74.9%増の43億2000万円、営業利益は3億8300万円、経常利益は3億7800万円、当期純利益は2億2500万円。

松原 沙甫

楽天グループ、「楽天市場」でビジネス向けのBtoB-ECサービス「ビジネス割」をスタート

11ヶ月 4 週間 ago

楽天グループ(楽天)はこのほど、「楽天市場」内でBtoB-ECの「ビジネス割」サービスを開始した。

法人や個人事業主が対象で、ポイントキャンペーンや割引クーポンなど登録したメンバー限定の各種特典を提供していく。

「ビジネス割」は、コピー用紙やPCなどの事務用品から現場で使える工具や部品まで、業務用品の買い物特典や役立つ情報を届けるビジネス向けメンバープログラム。

楽天グループ(楽天)はこのほど、「楽天市場」内でBtoB-ECの「ビジネス割」サービスを開始した
「楽天市場」内に開設した「ビジネス割」(画像は編集部が「楽天市場」からキャプチャ)

「ビジネス割」の利用には職場情報の登録が必要。登録完了後、「ビジネス割」TOPページから特典や対象商品をチェックできる。

対象商品は、オフィス・サプライ商品や飲料・食品、事務機器、衛生日用品や清掃用品など。ビジネス割対象ショップは「オフィス用品・サプライ用品」「衛生・福祉用品」「オフィス家具」「工具・建設用品」にわかれており、それぞれ各ショップをクリックすると対象商品が表示される。

「ビジネス割」限定キャンペーンは期間を設けて展開する。エントリー後は2025年2月21日までポイント5倍を付与。クーポンキャンペーンは、掃除用品に使える6000円以上の商品を購入した場合、500円の割引クーポンを配布する。クーポン配布期間は2025年1月17日まで。

松原 沙甫

自己都合の返品料金を1商品120円の保険料で2000円まで補償する「Yahoo!ショッピング」の保険サービス「あんしん返品」とは

1 year ago

LINEヤフーのグループ会社であるPayPay保険サービス、Zフィナンシャルはこのほど、「Yahoo!ショッピング」でのファッションアイテム購入時に加入できる保険サービス「あんしん返品」の提供を開始した。

「Yahoo!ショッピング」でファッションアイテムを自己都合で返品する際、ユーザー自身が負担する返品送料の実費を1商品あたり120円の保険料で2000円まで補償する。自宅で「試着」するような感覚での商品購入を実現し、安心して利用できるEC体験を提供するとしている。

LINEヤフーのグループ会社であるPayPay保険サービス、Zフィナンシャルはこのほど、「Yahoo!ショッピング」でのファッションアイテム購入時に加入できる保険サービス「あんしん返品」の提供を開始した
「Yahoo!ショッピング」のカート内でシームレスに保険加入できる

ネット通販の利用実態調査(MSプラスワン少額短期保険調べ)によると、「実際の品物の色・見た目がイメージと違う、またはサイズが合わないかもしれないと思い、購入をとりやめた経験」を聞いたところ、56%のユーザーが「経験有り」と回答した。

ECサイトでファッションアイテムを購入した後、「思っていた色と少し違った」「サイズが合わなかった」などの理由で購入品を返品する場合、多くのストアでは「自己都合による返品」として返品送料を購入者が負担することが多い。

返品送料はアイテムの大きさや配送距離によっては1000円を超える場合もあり、返品送料が「ECサイトでの購入のためらいや不安」につながっていることが考えられる。

こうした背景からPayPay保険サービスは、返品送料を1商品あたり120円の保険料でカバーする「あんしん返品」を開発。まずはグループの「Yahoo!ショッピング」に導入し、「ZOZOTOWN Yahoo!店」など幅広いストアのファッションアイテム購入後の返品送料もサポートしていく。

「あんしん返品」の開始時期は12月11日から。補償期間は30日。購入から発送まで時間がかかり、商品が補償期間後に届いた場合、補償期間は最大150日まで延長する。保険料は1商品につき120円。

松原 沙甫

ecbeing、アプリプラットフォームのメグリ「MGRe」と資本業務提携

1 year ago

ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」を提供するecbeingは12月12日、アプリプラットフォーム「MGRe(メグリ)」を提供するメグリと資本業務提携を締結したと発表した。

メグリとの資本業務提携により、「MGRe」で構築するアプリを通じてECサイトと店舗の連携を強化。アプリがECサイトと店舗それぞれの機能や情報を集約する窓口となり、あらゆる顧客接点との統合をめざすしていくとする。

ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」を提供するecbeingは12月12日、アプリプラットフォーム「MGRe(メグリ)」を提供するメグリと資本業務提携を締結したと発表
アプリ強化イメージ

コロナ禍の収束に伴い、消費者はオフラインでの購買を再開。オンラインとオフラインの購買体験をシームレスに統合するオムニチャネル戦略の重要性が増している。

一方で、消費者が両チャネルを利用する際、ポイント利用の制限、顧客情報の分断で一貫したサービスが受けられない、オンラインとオフラインの情報が分断されていて情報収集が手間になる――といった問題が生じるケースがある

こうした課題を解決するため、ecbeingはメグリと資本業務提携を締結。「ecbeing」で構築したECサイトのアプリ活用の推進をサポートしていく。

アプリプラットフォーム「MGRe」は、企業のアプリ開発から運用、分析までをワンストップで支援するアプリマーケティングプラットフォーム。契約企業が共通利用できるSaaS領域と個社別にコードを実装できるカスタマイズ領域を共存するハイブリッドSaaS型で、SaaSの安定性とカスタマイズによる拡張性を両立している。

オンラインとオフラインの窓口となるアプリを通じた顧客体験向上を実現するため、高度な機能開発が可能なメグリとの連携を強化する。

松原 沙甫

楽天グループが2025年の経済圏トレンドにあげた「寄せ活」とは?

1 year ago

楽天グループ(楽天)が公表した「楽天グループ 経済圏トレンド&活用術」で、2025年の経済圏トレンドに「寄せ活」をあげた。

「寄せ活」とは、利用する経済圏を1つや2つに寄せて、ポイントを貯めたり、使ったり、増やしたりすることを指す。

自分に適した経済圏に寄せて、ポイントを「貯める」「使う」「増やす」というサイクルを効率化。お得な特典を受けやすくすることが、今後のトレンドになっていくと楽天グループは予想している。

楽天経済圏における「寄せ活」に欠かせない代表的なプログラムが「楽天市場」の「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」。「SPU」は、楽天グループが提供する対象サービスの条件を達成すると「楽天市場」での買い物のポイント進呈倍率がアップするプログラムだ。

楽天グループ(楽天)が公表した「楽天グループ 経済圏トレンド&活用術」で、2025年の経済圏トレンドに「寄せ活」をあげた 楽天経済圏の「寄せ活」について
楽天経済圏の「寄せ活」について

楽天グループが実施した「『経済圏の利用状況』に関する調査」によると、日常生活においてメインで利用している経済圏の数が「1つ」または「2つ」と回答したユーザーは過半数(51.5%)を超えた。

楽天グループ(楽天)が公表した「楽天グループ 経済圏トレンド&活用術」で、2025年の経済圏トレンドに「寄せ活」をあげた 日常生活でメイン利用している経済圏
日常生活でメイン利用している経済圏

また、メインで利用している経済圏の数が「1つ」または「2つ」と回答したユーザーに、経済圏を絞る決め手となった理由を聞いたところ、「ポイントを貯めやすい」と答えたユーザーが最も多く(89.9%)、次いで「ポイントを使いやすい」(64.3%)だった。

回答の上位6つがポイントに関する内容で、利用する経済圏の重要な決め手が「ポイント」となっていることがわかる。

楽天グループ(楽天)が公表した「楽天グループ 経済圏トレンド&活用術」で、2025年の経済圏トレンドに「寄せ活」をあげた 利用する経済圏を「1つ」または「2つ」に絞る決め手
利用する経済圏を「1つ」または「2つ」に絞る決め手

 

松原 沙甫

イトーヨーカ堂が新ネットスーパーを立ち上げへ/Z世代の「消費意向」「購買行動」ではSNSや口コミ・評価を重視【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

1 year ago
2024年12月6日~2024年12月12日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. イトーヨーカ堂が新ネットスーパーを立ち上げへ。自前の事業は撤退、ONIGOとの資本提携で新宅配サービスを共同で展開

    「ONIGO」が持つクイックコマースの最新システムやシステム・事業開発力、イトーヨーカドーのネットスーパーサービスのノウハウを組み合わせたサービスを展開する。

    2024/12/10
  2. Z世代の「消費意向」「購買行動」とは? SNSや口コミ・評価を重視、今後消費を増やすのは男性「デジタルコンテンツ」、女性「推し活」

    Z世代、ミレニアル世代、X世代、ベビーブーマー世代の「消費意向・ライフスタイル」「購買行動」「サステナビリティ」を調べた。

    2024/12/10
  3. 女性向け下着ECに不正アクセス、カード情報約7万件が漏洩した可能性

    三恵の旧ECサイト(閉鎖済み)において、第三者による不正アクセスを受け、顧客のクレジットカード情報など(7万1943件)を含む個人情報(29万2707件)が漏えいした恐れがあることが判明した

    2024/12/11
  4. テレビ通販大手のショップチャンネルとQVCが2025年4月から「BS4K右旋」での4K放送をスタート

    4K放送は、従来放送に比べて4倍の画素数で、きめ細やかでリアルな映像表現ができるのが特長。

    2024/12/6
     
  5. 東証グロース市場に上場した半導体工場向け越境ECプラットフォーム運営などのTMHとは

    TMHが運営するのは半導体装置・部品の越境BtoB-ECプラットフォーム「LAYLA-EC」。31.5万点超(2024年9月30日現在)のアイテムを取り扱い、国内半導体工場の5割超が登録している。

    2024/12/10
     
  6. LINEヤフーが「Yahoo!ショッピング」内で手続きを完結できる「Yahoo!ふるさと納税」をリリース

    「Yahoo!ふるさと納税」は、ソフトバンクグループで「ふるさと納税」事業などを手がける、さとふるのOEM連携で実現した。

    2024/12/6
     
  7. 60万超の事業者が使うECプラットフォーム「SHOPLINE」、生成AIやインスタコマース、多言語SEOなど新機能などを公開

    ECプラットフォーム「SHOPLINE」全世界累計60万以上の事業者が利用している。

    2024/12/9
     
  8. 「サブスクリプション大賞」受賞サイトに学ぶ、ユーザーに支持される+時代のニーズを捉えたサービスの特徴とは?

    「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」を受賞したサイトはどういった点が評価されたのか?【サブスク大賞2024】

    2024/12/9
     
  9. リテールメディア広告の一形態「ノンエンデミック広告」の2024年市場規模は541億円、2028年は1693億円に

    Rokt(ロクト)がデジタルインファクトと共同で実施したノンエンデミック広告市場に関する調査によると、独立系EC事業者によるノンエンデミック広告市場規模の成長率は年平均約285%

    2024/12/6
     
  10. 「買うのはWeb、体験は店舗」。コメ兵グループのK-ブランドオフ「BRAND OFF」がめざす顧客体験とは?

    「BRAND OFF」ではEC掲載商品を実店舗に取り寄せて実物を確認してから購入できるようにするなど、ECと実店舗をつなぐ顧客体験向上に取り組んでいる。「買うのはウェブ、体験は店舗」をめざし、さらなる体験強化を進めている

    2024/12/11
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

店舗のデジタル化に「賛成」は73.0%。デジタル化が進んでも約6割が「店員との会話が減ってほしくない」

1 year ago

MMDLaboが運営するMMD研究所とSquareが共同で実施した「実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査」によると、73.0%のユーザーが「店舗のデジタル化に賛成」と回答した。調査対象は18歳~69歳の男女1万人、期間は2024年11月1日~11月5日。

73.0%が店舗のデジタル化に賛成、60.9%が「デジタル化に取り組む店舗を利用したい」

調査対象者に店舗のデジタル化への賛否を聞いたところ、「賛成」(23.3%)と「やや賛成」(49.7%)を合わせて73.0%が「賛成」と回答した。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 店舗のデジタル化への賛否
店舗のデジタル化への賛否(n=1万人、出典:MMD研究所)

デジタル化が進んでいない店舗よりも、デジタル化に取り組む店舗を利用したいか聞いたところ、「利用したいと思う」(17.6%)「やや利用したいと思う」(43.3%)を合わせて60.9%が「利用したい」と回答した。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 デジタル化が進んでいない店舗よりも、デジタル化に取り組み店舗を利用したいか
デジタル化が進んでいない店舗よりも、デジタル化に取り組み店舗を利用したいか
(n=1万人、出典:MMD研究所)

店舗で利用したいデジタルツール上位は「キャッシュレス決済」「セルフレジ」「セルフオーダー」

店舗で利用したいデジタルツールを聞いたところ、最多は「キャッシュレス決済」(52.6%)、次いで「セルフレジ」(40.8%)「セルフオーダー」(21.5%)だった。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 店舗で利用したいデジタルツール
店舗で利用したいデジタルツール(n=1万人/複数回答可、出典:MMD研究所)

利用したい理由、「キャッシュレス決済」は「支払い方法の幅が広がる」がトップ

利用したいデジタルツールがあるユーザーに、利用したい理由をデジタルツールごとに聞いたところ、「キャッシュレス決済」は「支払い方法の幅が広がる」、「セルフレジ」と「店舗専用のモバイルアプリ」は「待ち時間が少なくなる」、「セルフオーダー」「無人受付」「配膳ロボット」「デジタルサイネージ」「チャットボット・AIカスタマーサポート」は「店員を呼ぶ必要がない」がそれぞれトップだった。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 デジタルツールを利用したい理由
デジタルツールを利用したい理由(デジタルツール別、上位3項目抜粋/複数回答可、出典:MMD研究所)

店舗がデジタル化しても6割が店員との会話を好む傾向あり

店舗のデジタル化による店員との会話について聞いたところ、「減ってほしくないと思う」が13.5%、「やや減ってほしくないと思う」が46.8%で、合わせて60.3%が「減ってほしくないと思う」と回答した。

年代別で見ると、「減ってほしくないと思う」の回答が多いのは、60代が70.1%で最多、次いで50代が65.4%、40代が58.7%となった。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 店舗のデジタル化による店員との会話について
店舗のデジタル化による店員との会話について(出典:MMD研究所)

デジタル化が進むことで不安なことトップは「システム障害による不便さ」

店舗のデジタル化が進むことで不安に感じることを聞いたところ、最多は「システム障害による不便さ」(36.1%)で、次いで「デジタルデバイスに不慣れな人への配慮不足」(33.4%)「セキュリティ面での不安」(29.4%)だった。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 店舗のデジタル化が進むことで不安なこと
店舗のデジタル化が進むことで不安なことについて(n=1万人/複数回答可、出典:MMD研究所)

アナログ式で不便に感じること上位は「現金払い」「スタンプカードや会員カード」「有人レジ」

デジタルツールを利用していない店舗に対して不便だと感じるか聞いたところ、「不便に感じるものがある」は34.8%だった。

デジタルツールを利用していない店舗で不便に感じた内容を聞いたところ、「現金払い」(63.4%)が最も多く、次いで「スタンプカードや会員カード」(27.8%)「有人レジ」(19.2%)だった。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 デジタルツールを利用していない店舗で不便だと感じたこと
デジタルツールを利用していない店舗で不便だと感じたこと(n=3483/複数回答可、出典:MMD研究所)

店舗利用時に感じたストレスは、「混雑やレジ列の待ち時間」が最多

店舗を利用した際にストレスを感じたことがあるか聞いたところ、61.7%が「ストレスを感じたことがある」と回答した。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 店舗を利用した際にストレスを感じたことがあるか
店舗を利用した際にストレスを感じたことがあるか(n=1万人、出典:MMD研究所)

店舗を利用した際にストレスを感じたことがあるユーザーに、感じたストレスを聞いたところ、最多は「混雑やレジ列の待ち時間」(56.5%)で、「店員を呼んでもこない」(38.4%)「接客の態度が悪い」(34.6%)と続いた。

MMD研究所 Square 実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査 店舗を利用した際にストレスに感じたこと
店舗を利用した際にストレスに感じたこと(n=6172/複数回答可、出典:MMD研究所)
調査実施概要
藤田遥

越境EC2024のキーワードは「趣味大国無双消費」。人気のジャンルや伸長したジャンルは?【越境EC世界ヒットランキング2024】

1 year ago

BEENOSが発表した「越境EC×ヒットランキング2024」によると、最も購入件数が多かったカテゴリは「トレーディングカード」で、2023年の4位からランクアップした。伸長率のトップは「アニメ・コミックグッズ」。ランキングは2024年1月1日~9月30日の期間で、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」を通じて購入された商品データの購入件数を基準に算出した。

2024年のキーワードは「趣味大国無双消費」

2024年は一時的に為替相場が1ドル160円を突破し、海外消費者による越境EC利用を後押し。また、1月~10月までの訪日インバウンド数の累計総数が過去最速で3000万人を突破。2024年7-9月期の訪日外国人消費額は1兆9580億円(2023年同期比41.1%増、2019年同期比64.8%)と推計されるリアル消費も、越境EC利用にプラスの影響をもたらしている。

「Buyee(バイイー)」の流通総額も継続成長を続けており、2024年9月期で過去最高の774億円(前期比12.5%増)を突破。成長要因には、海外消費者による「趣味大国無双消費」をあげる。

日本はアニメなどのコンテンツ、釣り、ゴルフなどのスポーツ・レジャー用品、日用品に至るまでさまざまな領域で趣向を凝らしており、高品質で独自性のある商品が購入できる「趣味大国」という。

2024年はドラマやアニメといった日本発の作品、観光を通じた日本への興味・関心の高まり、円安による購買意欲の後押しもあり、さまざまな趣味を持った世界中のユーザーが、“趣味大国”日本から独自性の高い商品を購入しているという。

購入件数トップは「トレーディングカード」、伸長率は「アニメ・コミックグッズ」

2024年に最も購入件数が多かった商品カテゴリは「トレーディングカード」。国内外で商品人気が高まることで増刷や多様化が進み、市場の流通数が増加。海外ユーザーも購入しやすい環境が進む好循環が生まれたことで流通数が拡大し、2023年のランキング4位からジャンプアップした。

BEENOS 越境ECランキング2024 越境ECカテゴリ別ランキング2024
越境ECカテゴリ別ランキング2024

「トレーディングカード」は北米エリア、東南アジアエリアで最も購入されているカテゴリ。他の4エリアにおいても「トレーディングカード」は人気商品カテゴリランキングトップ5にランクインしており、世界中で支持されている。

BEENOS 越境ECランキング2024 エリア別人気ランキング2024
エリア別人気ランキング2024

ヨーロッパ、東アジア、東南アジア、北米エリアでも1位の「アニメ・コミックグッズ」

伸長率トップのカテゴリは「アニメ・コミックグッズ」で、2023年は圏外だったところから一気にランクアップした。さまざまな日本のアニメ作品が動画配信サービスなどで世界に配信されたことで各地にファンを生み、ファンが自国では購入できないグッズなどを購入するために越境ECを利用したことが伸長の理由だ。

BEENOS 越境ECランキング2024 越境EC伸長率ランキング2024
越境EC伸長率ランキング2024

「アニメ・コミックグッズ」は、ヨーロッパ、東アジア、東南アジア、北米の4エリアでも伸長率1位に。中東、中年米でもトップ3にランクインしており、世界的に高い人気であることがうかがえる。また、購入数が伸長したユーザー層は全エリアで10代の男女となっており、2023年の傾向に続いて若い世代の利用が進んでいることがわかった。

BEENOS 越境ECランキング2024 エリア別伸長率ランキング2024
エリア別伸長率ランキング2024

「飲食料品」「ビューティ・ヘルスケア」など他カテゴリのランキングは?

「おもちゃ・ホビー」は「プラモデル・模型」、「飲食料品」は日清が人気

「おもちゃ・ホビーカテゴリ」では、1位に「ガンプラ」「ゾイド」などのシリーズが人気の「プラモデル・模型」がランクイン。2位は「リカちゃん人形」「ドルフィードリーム」などが人気の「人形、キャラクタードール」、3位は「仮面ライダーシリーズ」「スーパー戦隊シリーズ」が人気の「ヒーローごっこ、格闘」だった。7位の「カプセルトイ・ガチャガチャ」はキャラクター商品の人気が高く、10位の「こま」は「ベイブレード」がけん引した。

BEENOS 越境ECランキング2024 「おもちゃ・ホビー」カテゴリの人気商品ジャンルランキング
「おもちゃ・ホビー」カテゴリの人気商品ジャンルランキング

「飲食料品」では、酒、調味料、お茶が上位にランクインした。訪日インバウンドでも人気が高いラーメン分野における越境ECでの人気ランキングは、トップが日清食品、次いでサンヨー食品、マルタイ、一蘭、ヤマダイがトップ5にランクインした。

BEENOS 越境ECランキング2024 「飲食料品」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)とラーメンメーカー人気ランキング(右)
「飲食料品」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)とラーメンメーカー人気ランキング(右)

「トレーディングカード」カテゴリの1位は「ポケモンカードゲーム」だった。まとめ買いやパック購入よりも1枚の指名買いが多く、欲しいカードを購入している傾向がうかがえる。「K-POP」では、Stray Kids、aespa、enhypenなどさまざまなK-POPアーティストのトレーディングカードが購入されているという。

BEENOS 越境ECランキング2024 「トレーディングカード」カテゴリの人気商品ジャンルランキング
「トレーディングカード」カテゴリの人気商品ジャンルランキング

「ビューティ・ヘルスケア」ではDHCが、「カメラ・光学機器」ではCANONが人気

「ビューティ・ヘルスケア」カテゴリの人気ブランドを見ると、サプリメントを扱う「DHC」が1位、「FANCL」が2位にランクインしており、日本に対して「健康」「安全」「安心」といったイメージを持っていることがうかがえる。日本ブランドとしては「資生堂」「CANMAKE(キャンメイク)」「SUQQU(スック)」「ルベル」「オリヒロ」もランクインし、トップ10のなかで7ブランドを占めた。美容家電では、ドライヤーやヘアアイロンなどヘアケア家電の人気が高い。

BEENOS 越境ECランキング2024 「ビューティ・ヘルスケア」カテゴリの人気ブランドランキング(左)と美容家電の人気商品ジャンルランキング(右)
「ビューティ・ヘルスケア」カテゴリの人気ブランドランキング(左)と
美容家電の人気商品ジャンルランキング(右)

「カメラ・光学機器」カテゴリでは、「フィルムカメラ」がトップで、次いで「コンパクトデジタルカメラ」「レンズ」だった。メーカーとしてはCANON、Nikon、OLYMPUSなどの人気が高く、人気メーカーランキング上位10社のうち、ライカを除く9社が日本メーカーだった。

BEENOS 越境ECランキング2024 「カメラ・光学機器」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)と人気メーカーランキング(右)
「カメラ・光学機器」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)と人気メーカーランキング(右)

「自動車・オートバイ」では、「カーパーツ」がトップで、外装品、内装品、エンジン部品などが購入されているという。人気メーカーランキングでは「ホンダ」「トヨタ」「日産」など自動車メーカーに続き、4位にカーナビゲーションを販売する「パイオニア」がランクインした。

BEENOS 越境ECランキング2024 「自動車・オートバイ」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)と人気メーカーランキング(右)
「自動車・オートバイ」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)と人気メーカーランキング(右)

「ファッション」は「トップス」が人気。J-POPではAdoさんが人気トップに

「ファッション」カテゴリでは、レディス・メンズともに「トップス」が人気。国・年代・性別ごとに購入者をセグメントし、セグメントの購入金額をもとにしたコアユーザーランキングでは、米国の20~40代の男女が上位を独占した。

BEENOS 越境ECランキング2024 「ファッション」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)とコアユーザーランキング
「ファッション」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)とコアユーザーランキング

「音楽」のJ-POPアーティストランキングでは、Adoさんがトップ。2024年8月に発表した上半期のランキングからの変化として、YMOやシンガーソングライターの美波さんが新たにランクインした。「音楽」カテゴリのCD、レコード、カセットの購入割合では、レコードの購入件数が21.5%だった。

BEENOS 越境ECランキング2024 J-POPアーティストランキング(左)とCD、レコード、カセットの購入割合(右)
J-POPアーティストランキング(左)とCD、レコード、カセットの購入割合(右)

「本・雑誌」カテゴリで人気の商品ジャンルは「漫画、コミック」が1位。漫画の上位3作品の購入国は、「ドラゴンボール・鳥山明氏」がスペイン、「ハイキュー!!」が台湾、「ワンピース・尾田栄一郎氏」は米国から最も購入されており、国ごとに人気の作品が異なる結果となった。

BEENOS 越境ECランキング2024 「本・雑誌」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)とマンガ作品TOP10(右)
「本・雑誌」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)と漫画作品TOP10(右)

「スポーツ・レジャー・アウトドア」では釣りが人気

「スポーツ・レジャー・アウトドア」カテゴリでは、釣り分野の商品が人気。釣り具の人気ブランドランキングでは、「シマノ」「ダイワ」「メガバス」など日本ブランドが、4位の「アブガルシア」を除きトップ10中9つを占めた。

BEENOS 越境ECランキング2024 「スポーツ・レジャー・アウトドア」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)と人気釣り具ブランドTOP10(右)
「スポーツ・レジャー・アウトドア」カテゴリの人気商品ジャンルランキング(左)と
人気釣り具ブランドTOP10(右)

ゴルフブランドの人気ランキングでは、日本の「ミズノ」が2位にランクインした。「本間ゴルフ」「プロギア」「ダンロップ」「三浦技研」もトップ10にランクインしており、トップ10中5つを日本ブランドが占めた。

日本から越境ECで世界の商品を購入できるサービス「セカイモン」のデータから、海外で活躍する日本人野球選手の人気ランキングを作成したところ、1位は大谷翔平選手だった。

BEENOS 越境ECランキング2024 人気ゴルフブランドランキング(左)と野球の人気選手ランキング(右)
人気ゴルフブランドランキング(左)と野球の人気選手ランキング(右)

「アニメ」カテゴリでは、2023年に第1期が放送されたアニメ作品のうち、2023年と2024年の購入件数を比較した伸長率ランキングでは、「マッシュル」が2023年比950%で1位だった。1位~4位の作品は2024年まで放送期間があるなかで、「新しい上司はど天然」は2023年に放送を終了している。放送終了後も海外ユーザーには作品の人気が継続していることがわかる。

BEENOS 越境ECランキング2024 2023年1期放送作品の伸長率ランキング
2023年1期放送作品の伸長率ランキング
藤田遥

クリスマスのプレゼント予算、値上げの影響が「ある」は66%。AIからのギフト提案に興味が「ある」は約27%【楽天グループ調査】

1 year ago

楽天グループ(楽天)のインターネットリサーチ会社である楽天インサイトは12月10日、「クリスマスに関する調査」の結果を発表した。

「クリスマスプレゼントを贈る予定がある」という回答者に、プレゼントの予算金額について2023年比で変化があるかを聞いたところ、「昨年と同じくらいだと思う」が50.9%で最多。「決まっていない・わからない」が23.8%、「昨年よりも予算ダウンすると思う」が9.5%で続いた。

楽天グループ(楽天)のインターネットリサーチ会社である楽天インサイトは12月10日、「クリスマスに関する調査」の結果を発表
プレゼントの予算金額に関する値上げの影響​​​​​​について

年代別で見ると、「昨年よりも予算アップすると思う」(15.6%)と回答したユーザーが最も多かったのは20歳代だった。

プレゼントの予算金額について「昨年と比べて変化がある」と回答したユーザーに、2024年にモノやサービスが値上げしたことによる影響がありそうかを聞いたところ、「影響あり」(「とても影響がある」(39.5%)と「やや影響がある」(27.2%)の合計)は66.7%で、2023年(60.5%)よりも約6ポイント高かった。

クリスマスプレゼントの予算について、パートナーからもらうプレゼントの期待金額とパートナーへ贈りたいプレゼントの予算金額は「10,000~20,000円未満」が最多。もらいたいプレゼントの期待金額・あげたいプレゼントの予算金額ともに同程度の結果となった。

プレゼントをあげる側として、AIにクリスマスギフトを提案してもらうことに興味はあるかを聞いたところ、「興味がある」(「興味がある」(9.6%)と「やや興味がある」(17.3%)の合計)は26.9%。「興味がない」(「興味がない」(35.9%)と「あまり興味がない」(16.0%)の合計)は51.9%。

クリスマスギフトのAI提案について
クリスマスギフトのAI提案について

クリスマスに「パートナー(配偶者・恋人など)からプレゼントをもらう予定がある」と答えたユーザーに「もらいたいプレゼント」を聞いたところ、「アクセサリー」(14.6%)が2023年と同様にトップ。「衣類」(10.2%)、「食品(お菓子・お酒など)」(8.3%)が続いている。贈りたいプレゼントは2023年と同様に、「衣類」(12.0%)がトップとなり、「アクセサリー」(10.7%)、「食事(レストランなどの外食)」(9.0%)が続いた。

調査概要

  • 調査エリア:全国
  • 調査対象者:20歳~69歳の男女
  • 回収サンプルサイズ:1000サンプルサイズ
  • 調査期間:2024年11月1日~6日
  • 調査実施機関: 楽天インサイト
松原 沙甫

フラッグシップが「ネクストエンジン」ユーザー向けアプリ「Connector for Mirakl」提供開始

1 year ago

フラッグシップは、NEが提供するSaaS型EC一元管理システム「ネクストエンジン」ユーザー向けに、Miraklのマーケットプレイスと連動するアプリ「Connector for Mirakl」の提供を開始した。

アプリを利用して情報連携を自動化、ECサイトのデータを統一

「Connector for Mirakl」を利用して「ネクストエンジン」と「Miraklマーケットプレイス」を連携することで、Miraklを利用しているECサイトのセラー(出展企業)アカウントへ商品情報を連携・出品し、受注データを「ネクストエンジン」上で一元管理できる。主な機能は次の通り。

  • 商品マスタ・在庫連携:「ネクストエンジン」で管理している商品マスタと在庫数を、「Miraklマーケットプレイス」に自動反映する
  • 受注連携:「Miraklマーケットプレイス」での受注情報を「ネクストエンジン」に自動で取り込み、在庫数を更新。受注情報の変更も自動で反映する
フラッグシップ NE ネクストエンジン Mirakl 「Connector for Mirakl」利用前後の流れについて
「Connector for Mirakl」利用前後の流れについて

初期費用は0円で、月額費用は5万5000円(税込)。アプリ利用に際しては、「Miraklマーケットプレイス」へのセラー登録が必要となる。

Miraklとは

Miraklは、世界40か国・450社以上で導入されているマーケットプレイス構築プラットフォーム。国内ではアイリスオーヤマ、ニトリ、JR西日本などの企業で導入が進んでいる。マーケットプレイス機能を通じて、大手企業のECサイトへの出品が可能となり、販路拡大の機会創出につなげるという。

フラッグシップ NE ネクストエンジン Mirakl
(画像はMiraklのサイトからキャプチャ)
藤田遥

実店舗の拡大と削減、戦略の違いは売上にどう影響する? 全社+ECの売上増、総売上減もEC化率上昇の米大手小売企業の実例 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

1 year ago
ホームセンター市場を支配している米国大手小売ome DepotとLowe’sの戦略はそれぞれ異なっています。 その違いを分析してみます。

米国のホームセンター市場は大手のHome Depot(ホームデポ)とLowe's(ロウズ)の2社がシェアを席巻しています。著しい成長を遂げていますが、近年の戦略はそれぞれ異なっています。Lowe'sがオムニチャネル戦略と店舗の最適化で成果を上げている一方、Home Depotは店舗網の拡大、ブランド認知の向上、効率的な運営により市場での優位性を保っています。Home DepotとLowe'sの戦略の違いを解説します。

ホームセンターカテゴリーで圧倒的なシェアを誇るHome Depot、Lowe's

米国の小売業界で知名度の高いHome DepotとLowe'sは、北米小売事業者の年間EC売上高を調べた「北米EC事業 トップ1000社」(『Digital Commerce 360』発行)で、Home Depotは4位、Lowe'sは11位にランクインしています。大きな成長を続けている2社ですが、ECの拡大やデジタル施策などでは戦略の違いがあります

ホームセンターのカテゴリーは、オンライン通販で大きな市場であり、『Digital Commerce 360』のデータベース「北米EC事業トップ 2000社」にランクインした企業は、全世界で年間500億ドル以上のオンライン売上を計上しています。

Home Depot、Lowe's、Menards、Ace Hardwareといった大手企業など135社がこの成長分野で活躍、ホームセンターカテゴリーは大幅な成長を遂げています。EC売上高はコロナ禍前(2019年)の240億ドルから、2024年末には543億ドルに急増すると予測されています。

Home DepotとLowe'sは過去5年間、ハードウェア&ホームセンターカテゴリーのオンライン売上高の60%以上のシェアを獲得。Home Depotは約43%の安定した市場シェアを維持し、Lowe'sのシェアは2019年の17%から2024年には21%に拡大しています。

実店舗の拡大と削減、戦略の違いは売上にどう影響する? 総売上もECも増加のHomeDepot、総売上減もEC化率上昇のLowe’s
米国のハードウェア&ホームセンターのEコマース市場シェア。ハードウェア&ホームセンターテゴリーにおける北米小売企業上位 2000 社の EC界売上に占めるHome DepotとLowe'sの比率(出典: Digital Commerce 360、トップ2000社データベース)

このカテゴリーをさらに掘り下げていくと、「一般家庭用品」のサブカテゴリーでトップ2000社にランクインしているオンライン通販事業者は14社。Home DepotとLowe'sの2社は、2024年末までにこのサブカテゴリーで90.8%の市場シェアを獲得すると予測されており、2社合計で市場の85.3%を占めていた2019年から5.5ポイント上昇する見通しです。

過去5年間におけるEC売上の成長率はHome Depotが21.5%増、Lowe'sは23.1%増

EC売上と全社売上を比較すると、Home Depotは両カテゴリーでLowe'sを大きく上回っています。

実店舗の拡大と削減、戦略の違いは売上にどう影響する? 総売上もECも増加のHomeDepot、総売上減もEC化率上昇のLowe’s
Home DepotとLowe'sの比較(EC売上高、単位:10億ドル)
実店舗の拡大と削減、戦略の違いは売上にどう影響する? 総売上もECも増加のHomeDepot、総売上減もEC化率上昇のLowe’s
Home DepotとLowe'sの比較(実店舗売上高、単位:10億ドル)
実店舗の拡大と削減、戦略の違いは売上にどう影響する? 総売上もECも増加のHomeDepot、総売上減もEC化率上昇のLowe’s
Home DepotとLowe'sの比較(総売上高、単位:10億ドル)

2020年から2023年にかけて、Home Depotは大幅な成長を遂げ、全社売上高は1321億ドルから1527億ドルに拡大。一方、Lowe'sの全社売上高は896億ドルから864億ドルに減少しています。その結果、Home Depotの市場シェアは2023年には60%から64%に増加。この成長により、業界におけるHome Depotの地位はさらに大きくなりました。

Home Depotは2024年末までにEC売上236億ドルを突破する勢いで、11位のLowe'sは113億ドルに達すると予測されています。

2社はEC売上を大きく伸ばしており、過去5年間(2024年を含まない)のCAGR (年平均成長率)はHome Depotが21.5%、Lowe'sはそれを上回る23.1%を記録。Home Depotは市場シェアが大きいため、金額ベースではLowe'sを引き離してリードを維持している状況です。

2017年以降、Home DepotとLowe'sのEC売上高の差額は37億ドルから拡大し、2024年末までに123億ドルになると予測されています。過去7年間のうち5年の間を見るとLowe'sは成長率が大きく、2020年にはHome Depotの86%に対し、Lowe's は111%と顕著な伸びを示しました。

異なる戦略で生じた売り上げなどの差

過去7年間で、Home DepotとLowe'sはEC化率を大幅に向上させています。Home Depotは2020年までにEC化率は14.4%に拡大。Lowe'sはまだその数値に達していませんが、EC化率はHome Depotに迫っています。

実店舗の拡大と削減、戦略の違いは売上にどう影響する? 総売上もECも増加のHomeDepot、総売上減もEC化率上昇のLowe’s
Home DepotとLowe'sのEC化率推移(出典: Digital Commerce 360、トップ2000社データベース)

2017年時点では、Home DepotとLowe'sの合計店舗数の差はわずか132店舗。しかし、現在ではHome Depotの方が594店舗多く営業しており、大きな差が生じています。この過去7年間、2社は店舗運営に関して異なる戦略を採用。この違いが実店舗数の差異に影響しています。Home Depotが56店舗を新設して実店舗を拡大したのに対し、Lowe'sは406店舗を閉店したのです。

実店舗の拡大と削減、戦略の違いは売上にどう影響する? 総売上もECも増加のHomeDepot、総売上減もEC化率上昇のLowe’s
Home DepotとLowe'sの実店舗数の推移(出典: Digital Commerce 360、トップ2000社データベース、企業公開資料)

意外なことに、Home Depotの店舗拡大はオンライン事業にプラスの影響を与えています。Home Depotの実店舗である1店舗あたりのEC売上は約1010万ドル。Lowe'sの同約650万ドルを大きく上回っています。

一方、Lowe'sは店舗数を減らしたにもかかわらず、ECでは大幅に成長。EC売上高は2017年の31億ドルから2024年には113億ドル、全社売上高は2017年の686億ドルから2024年には830億ドルに増加すると予測されています。とはいえ、Home Depotの2017年から2024にかけての総売上高の増収額は563億ドルで、Lowe'sの同144億ドルを大きく上回っています。

さらに深く掘り下げてみると、別のストーリーが見えてきます。1店舗あたりのEC売上高を5年間のCAGRベースで比較するとLowe'sは26.5%、Home Depotの21.0%を上回ります。これはLowe'sのマービン・エリソン最高経営責任者(CEO)が強調しているように、Lowe'sがオムニチャネル戦略と店舗の最適化に注力していることが、店舗数の削減にもかかわらずEC売上をアップさせている理由です。

Home Depotは店舗ネットワークとブランド認知、Lowe'sはEコマースとオムニチャネルを強化

Home Depotの広範な店舗網と強力なブランド認知は、市場をけん引する企業としての地位を確固たるものにしています。盤石なEC事業と相まって、Home DepotはいまだLowe'sに対して大きな優位性を保っています。

一方、Lowe'sはより効率的な経営戦略を採用し、不採算店舗を次々と閉鎖。ECとオムニチャネル戦略に多額の投資を実施してきました。この戦略は目覚ましい成果を上げており、Lowe'sはEC売上高で力強い伸びを示し、全体的な業績も改善しています。

しかし、Home Depotは、規模の大きさ、高いブランド評価、効率的な運営により、引き続き競争力と競争優位性を保っています。業界の進化に伴い、Home DepotとLowe'sは、市場での揺るぎない地位を維持するために、消費者の好みの変化や技術の進歩にさらに適応していく必要があるでしょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

楽天ラクマ、台湾の「ファミリーマート」アプリ内でリユース商品を出品

1 year ago

楽天グループ(楽天)のフリマアプリ「楽天ラクマ」が12月10日、台湾企業が運営する「台湾ファミリーマート」のアプリを通じて、リユース事業者が出店する「ラクマ公式ショップ」のリユースブランド品・ファッションアイテムの出品連携を開始した。

台湾の全家便利商店股份有限公司が運営する「全家便利商店」(台湾ファミリーマート)のアプリ内で、PChome Onlineグループの比比昂(Bibian)が提供しているユーザー向け購入代行サービス「比比昂日貨二手精品」を通じて、「ラクマ公式ショップ」が連携した。

「Bibian」は、台湾EC最大手のPChomeグループ企業で台湾最大級の越境ECサイト。日本に国際物流倉庫を置き、業界最安水準の国際送料運賃、多様な決済方法やショッピング補償など、高品質なサービスを提供している。台湾在住のユーザー向けに世界中のECプラットフォームなどから商品の購入代行も手がける。

6月には「台湾ファミリーマート」アプリにおいて日本の商品が購入できる「比比昂日貨」をスタートした。「比比昂日貨」のサービスとして日本のリユース品を取り扱う「比比昂日貨二手精品」が同アプリ内で新たに開始されたため、「楽天ラクマ」は「ラクマ公式ショップ」のリユース商品と連携を開始した。

楽天グループ(楽天)のフリマアプリ「楽天ラクマ」が12月10日、台湾企業が運営する「台湾ファミリーマート」のアプリを通じて、リユース事業者が出店する「ラクマ公式ショップ」のリユースブランド品・ファッションアイテムの出品連携を開始した
出品連携での販売イメージ

「比比昂日貨」のユーザーは30~40歳代の女性が多く、ブランド品などファッションへの人気が高いことから、「ラクマ公式ショップ」のファッションカテゴリ(レディース、メンズ)の商品を出品連携する。「台湾ファミリーマート」のアプリ会員数は、2024年11月時点で1800万人。

「楽天ラクマ」は2022年から、リユース事業者が「楽天ラクマ」に出店できる「ラクマ公式ショップ」を提供。プロによる検品や顧客対応で安心して購入できるため、ユーザーから好評を得ているという。

近年は、日本のリユース品における状態の良さや品ぞろえの豊富さが海外でも価値を高め「Used in Japan」というキーワードで需要が向上しているという。「ラクマ公式ショップ」の海外購入代行においても、特にファッションカテゴリが成長している。「ラクマ公式ショップ」のファッションカテゴリ(レディース、メンズ)における海外購入代行の取引金額実績を、2023年1~11月と2024年1~11月で比較すると約1.9倍の伸びを示しているという。

松原 沙甫

宅配便の再配達率は約10.2%(2024年10月)、前回比0.2ポイント減、前年同月比0.9ポイント減【国交省調査】

1 year ago

国土交通省が12月6日に公表した宅配便の再配達実態調査によると、10月の再配達率は10.2%で、2023年10月の調査結果と比べて0.9ポイント改善した。前回調査(2024年4月)の再配達率(10.4%)と比較すると0.2ポイント改善している。

国交省の調査によると、10月の大手宅配便事業者3社による宅配便総個数の合計は256万1405個。そのうち再配達戸数は26万990個で、再配達率は10.2%だった。都市部の再配達率は11.6%、都市近郊部で9.6%、地方で8.1%。

国土交通省が12月6日に公表した宅配便の再配達実態調査によると、10月の再配達率は10.2%で、2023年10月の調査結果と比べて0.9ポイント改善
再配達率の調査結果

2023年度のEC市場規模は24.8兆円、物販系分野で14.6兆円。ECの拡大に伴い、宅配便の取扱個数は2023年度で約50億個の規模に達している。

政府が2023年6月に関係閣僚会議で取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」には、2024年度に再配達6%をめざすことが盛り込まれている。

「宅配便再配達実態調査」は毎年4月と10月の2回、3エリア(都市部、都市近郊部、地方)が含まれる営業所単位ごとに、佐川急便(飛脚宅配便)、日本郵便(ゆうパック、ゆうパケット)、ヤマト運輸(宅急便)の各事業者が取り扱う貨物を調査している。2024年10月の調査は10月1~31日に実施した。

国土交通省が12月6日に公表した宅配便の再配達実態調査によると、10月の再配達率は10.2%で、2023年10月の調査結果と比べて0.9ポイント改善
再配達率の推移

 

松原 沙甫

越境ECのビィ・フォアードが6金融機関から119億円を調達、成長戦略に向けた戦略的投資に充当

1 year ago

中古車などの越境ECサイトを運営するビィ・フォアードは12月10日、三井住友銀行をアレンジャー兼エージェントとし6金融機関が参加するシンジケートローンを通じて、119億円の資金調達を実施したと発表した。

シンジケートローンは、①資金調達の多様化、柔軟性の確保②財務基盤・資金収支の安定化③金利負担の軽減――が目的。調達資金は運転資金や今後の成長戦略に向けた戦略的投資に充当する。

シンジケートローンの契約日は11月15日。コミット期間は11月29日~2025年11月28日。参加金融機関は三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行、商工組合中央金庫、伊予銀行。

ビィ・フォアードは2024年3月に実施した「会社創立20周年」の記念パーティーで、2027年の株式上場をめざしていることを公表。2024年6月期の売上高は1180億円に達している。主な事業は次の通り。

海外への中古車販売事業

自社開発の越境ECサイト「beforward.jp」を通じて、世界207の国と世界に年間15万6237台(2024年6月期実績)を販売している。ECサイトでの掲載台数は46万6000台(2024年12月時点)。

オートパーツ事業

海外へ自動車パーツを販売、パーツの掲載点数は339万点(2024年12月時点)。顧客のニーズに合わせて海上輸送、航空輸送も実施。大口顧客には専用のコンテナをチャーターしての輸送も手がける。

ポチロジ(海外輸送サービス)

中古車輸出で築いた物流力を活用、日本国内から海外へ荷物を配送する海外輸送支援サービスを手がける。一般消費者、事業者からの依頼を受け付けている。

BE FORWARD Real Estate

海外向け不動産仲介サービスサイト。現在、アフリカのタンザニアとザンビアでサービスを展開している。

松原 沙甫

MAU450万人突破のフランス発SNS「BeReal.」とは? eBay Japanの「Qoo10」が公式アカウントを開設

1 year ago

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは12月6日、フランス発のSNS「BeReal.」に「Qoo10」公式アカウントを公開した。オンラインマーケットプレイスを運営する日本企業として国内初という。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは12月6日、フランス発のSNS「BeReal.」に「Qoo10」公式アカウントを公開
「BeReal.」公式アカウントイメージ

「BeReal.」は、日常の「リアル」な瞬間を共有し、ユーザー同士がつながりを楽しむための写真共有アプリ。写真加工ができない、基本的に1日1回通知が来たタイミングで投稿といった特長があり、フォロワーや「いいね!」、フィルターにこだわらないユーザーを自発性と信憑性でつなぐアプリとしてユーザーの支持を集めているという。

日本国内の月間アクティブユーザー(MAU)は450万人を超え、Z世代を中心に多くのユーザーが「BeReal.」の持つ新しい価値に共感しているとしている。

2月6日に公式アカウント機能「RealPeople and RealBrands」をスタート。公式アカウント保持者は他のユーザーと同様に、不定期に通知が届くタイミングで投稿する必要があり、編集無し、台本無しのリアルな舞台裏を公開することで、普段見る機会のない公式アカウントの活動を垣間見ることができるようにしているという。

フランス発のSNS「BeReal.」 公式アカウント機能「RealPeople and RealBrands」
「RealPeople and RealBrands」のイメージ​​​​​

「BeReal.」ユーザーは公式アカウントをタグ付けすることが可能。公式アカウントは「BeReal.」ユーザーの投稿を見ることができ、ファンの交流、コミュニケーションを活性化させる機能になっているようだ。

「Qoo10」はこうした他のSNSにはない特長に着目。「Qoo10」の素顔やサイト運営の舞台裏をありのままに届ける場として、公式アカウントを開設した。

「BeReal.」公式アカウントで発信するのは、「Qoo10」スタッフやオフィスの様子、提携する倉庫の裏側、お薦めのアイテム、フォロワー限定のお得な情報を発進。クイズ企画やコーディネート投稿企画などフォロワー参加型の企画も用意する。

「BeReal.」は今後、日本オフィスを開設し、採用を強化する予定。GoogleやPinterestなどでビジネス開発に携わった笹川明人氏が日本市場広告責任者に就任。広告を通じたブランドエンゲージメントの強化、企業と若年層ユーザーとのつながりを深化させる取り組みを進めていくとしている。

なお、2025年には運用型広告をスタートする予定という。

「BeReal.」は今後、日本オフィスを開設し、採用を強化する予定。GoogleやPinterestなどでビジネス開発に携わった笹川明人氏が日本市場広告責任者に就任
笹川明人氏

 

松原 沙甫

C Channel森川代表が解説、インフルエンサーマーケティングのイロハ+成功のコツ | EC成長に効果的なインフルエンサーマーケティングの全ぼう

1 year ago
多種多様な手法が台頭しているデジタルマーケティングのなかでも、特に注目度が高いインフルエンサーマーケティング。EC成長のための具体的な方法や事例を解説します【連載1回目】

マスマーケティングからデジタルマーケティングへとマーケティングの主流が変化していますが、そのデジタルマーケティングの潮流やトレンドが目まぐるしく変わっている昨今、「なかなか変化についていけていない」と感じている人は多いのではないでしょうか。そのような担当者のために、最近のデジタルマーケティングのなかでも特に伸びている、インフルエンサーマーケティングについて解説します。

C Channel 代表取締役社長 森川 亮 氏
C Channel 代表取締役社長 森川 亮 氏

EC事業にインフルエンサーマーケティングは不可欠

「インフルエンサーマーケティング」というとどのようなものを想像しますか。人気のインフルエンサーが面白おかしく商品を紹介し、動画の再生数は多いけど、モノはそこまで売れないのでコスパが悪い――というイメージを持っている人もいると思います。

確かに従前は、一口に「インフルエンサー」といっても芸人やタレントに近い方々も多かったため、検索広告やターゲティング広告のように高い精度でPDCAをまわすようなことはでませんでした。むしろ、そのようなことをやろうとするとインフルエンサーに嫌われてモノを紹介してもらえないということまで起こっていました。

しかし、時代は変わっています。今では、EC事業を運用するうえでインフルエンサーマーケティングは不可欠といってもおかしくないくらいインフルエンサーの活用が重要になっています。

本場中国ではインフルエンサー経由の売り上げがECシェアの20%

インフルエンサーマーケティングの潮流は中国から起こっています。ご存じの通り、中国はSNS大国であり、インフルエンサー大国でもあります。

いわゆる人気インフルエンサーの「KOL」(Key Opinion Leader)から、SNSの口コミで影響力を持つ「KOC」(Key Opinion Consumer)、そして現在は商品を売ることに特化したインフルエンサー(ライブコマーサー)まで進化しているのです。

商品を売るインフルエンサーというと、アフィリエイターをイメージする人は思います。両者の立ち位置は似ていますが、インフルエンサーはどちらかというテレビショッピングに近いイメージです。ライブコマースをしてモノを売っています。

販売額が大きい中国のインフルエンサーは、1日で最大、数百億円売る人もいるほど市場が大きくなっています。今では、この売り上げが中国EC市場全体の約20%を占めています。この流れは中国から東南アジア、そして韓国、台湾まで来ています。ここ数年で日本にも流れが来ると言われています。

国内でインフルエンサーマーケティングを成功させるコツ

人気者よりも、専門性が高い人を起用

消費者が商品を買うプロセスは①新しく商品を知る ②興味を持つ ③店頭に行って購入する――という流れです。これをインフルエンサーマーケティングに当てはめると、「知る」段階でのアプローチでは、人気インフルエンサーを起用することも良いですが、より専門性の高いインフルエンサーがモノを紹介することが大事です。

消費者の目線に立つと、興味を持った商品について知識がない場合、調べたりして知ることはできますが、商品のことを本当に理解し「ほしい」という気持ちに行き着くことは難しいと言えます。

特に日本の消費者は「失敗したくない」と考える人が多いので、商品の良さがしっかり理解できないと行動に移らない場合が多いのです。

口コミの活用で購入をさらに後押し

消費者は、商品を知ってからいきなり店頭に行くのではなく、SNSの口コミを調べます。当然のことですが、良い口コミがあればあるほど安心して物を買う後押しになります。商品がいくらメディアで話題になっていても、SNS上に口コミが少ない、もしくは最近口コミが減ったという状況では、消費者は不安で買うことをためらうことになります。

SNSの口コミを生かすマーケティングは、マイクロインフルエンサーの活用が効果的です。マイクロインフルエンサーの選び方においても、専門性が大事です。たとえば、大ざっぱに「化粧品全般に詳しい」というより、「韓国コスメに詳しい」「スキンケアに詳しい」という粒度で日頃から投稿している方。このような方に、エンゲージメントが高い方数百人に対して投稿してもらうことをお薦めします。

ECの売上アップをめざすには、

  • 商品を訴求する投稿を依頼したインフルエンサーのうち、バズったインフルエンサーのアカウントから広告配信する
  • 投稿素材(UGC素材)を活用しLPやECの商品ページに配置する

というアクションをすることで、トラフィックやコンバージョンを効果的に上げることが可能になります。

インフルエンサーがSNSに投稿した素材をLPやECの商品ページに配置したところ、顧客の獲得に良い効果をもたらした例
インフルエンサーがSNSに投稿した素材をLPやECの商品ページに配置したところ、顧客の獲得に良い効果をもたらした例

EC売上を成長させるインフルエンサーを自社に集め、育てる

今後、モノを売ることに特化したインフルエンサーが増えてくると、彼らに商品を預けて売ってもらう――つまりは店員さんのような役割も担ってもらえるようになります。

EC事業者は、どのようにしてこういう人達を集め、育てるかも、事業を成功に導くための1つの鍵になります。

中国ではいまや「デジタル広告はインフルエンサーマーケティングかECサイト内広告だけ」と言われており、国内でも今後ますます、インフルエンサーマーケティングはEC売上アップにあたって不可欠になります。

ECサイト内で、インフルエンサーによるSNS投稿を表示する例
ECサイト内で、インフルエンサーによるSNS投稿を表示する例

本連載では、これから何回かに分けてインフルエンサー活用事例、中国の最新のECとインフルエンサーマーケティング事情などを紹介していきます。

◇◇◇

次回は、国内事業者がEC売上をアップさせるためのインフルエンサーマーケティングについて、事例を交えてさらに詳しく解説します。

森川 亮

女性向け下着ECに不正アクセス、カード情報約7万件が漏洩した可能性

1 year ago

インナーウェアのECを展開する三恵は12月9日、すでに閉鎖していた旧ECサイトが第三者による不正アクセスを受けており、買い物をした顧客のクレジットカード情報などを含む個人情報が漏えいしていた可能性ががあると発表した。

三恵 クレジットカードの不正利用 個人情報などの漏えいの恐れ
不正アクセスによる顧客情報漏えいに関するお知らせ(画像は三恵のサイトからキャプチャ)

旧サイトのシステムの一部の脆弱(ぜいじゃく)性を突かれた第三者の不正アクセスにより、ペイメントアプリケーションが改ざんされたことが原因という。

2019年12月27日~2024年5月15日の期間、旧ECサイトでクレジットカード決済を行った顧客7万1943人は、カード名義人名、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコード、メールアドレス、郵便番号、電話番号が漏えいした恐れがあるという。

個人情報のみ漏えいの可能性があるのは、2024年5月15日までに旧サイトを利用した顧客29万2707人。漏えいした恐れのある情報は、氏名、生年月日(任意入力項目)、性別(任意入力項目)、住所、電話番号、メールアドレス、旧サイトのログインパスワード(暗号化済み)、注文情報。

2024年6月26日に一部のクレジットカード会社から、旧ECサイトを利用した顧客のクレジットカード情報の漏えいの懸念があるとの連絡を受けた。

第三者調査機関による調査も開始。調査機関による調査が9月24日に完了し、2019年12月27日~2024年5月15日の期間に旧サイトで商品を購入した顧客のクレジットカード情報が漏えいし、一部の顧客のクレジットカード情報が不正利用された可能性があること、5月15日までに旧サイトで登録された顧客の個人情報が漏えいした恐れがあることを確認した。

現在運営している自社ECサイトは5月15日に新システムへ移行していたが、あらゆる可能性を考慮して7月16日にカード決済を停止。クレジットカード決済の再開日については、決定次第、改めてWebサイト上で告知するとしている。

松原 沙甫
確認済み
6 分 57 秒 ago
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