ユニファイドキャンペーンのねらいとマルチデバイス化の実態スポンサードサーチ責任者インタビュー
ユニファイドキャンペーンのねらいとマルチデバイス化の実態
スポンサードサーチ責任者インタビュー
ユニファイドキャンペーンによるさまざまな変更は、インターネットユーザー環境のマルチデバイス化が前提となっている。検索エンジンと巨大なメディアサイトを持つYahoo! JAPANは、特にこの変化を強く感じたからこそ、動き出したともいえる。
Yahoo! JAPANでは、どのような意図でユニファイドキャンペーンを進めようとしているのか。ヤフー株式会社のマーケティングソリューションカンパニー 検索連動型広告ユニット サービスマネージャーの山下孝之介氏に、そのねらいと広告主はどうすべきかを伺った。
マルチデバイス化でユーザーの利用実態に大きな変化
―― ユニファイドキャンペーンのねらいや意図について教えてください。
山下氏 ユニファイドキャンペーンの根本には、広告主様の負担を減らしたいという思いがあります。その答えが、配信先となるデバイスや地域などをいちいち考えてなくても、1つのキャンペーンで対応できるようにするというものです。
以前は、Yahoo! JAPANでもデバイスや地域ごとに配信指定することを推奨してきましたが、スマートフォンの急速な普及でその考えを変えざるを得なくなりました。すべてのお客様が自動的に移行することに対してはお叱りもいただきましたが、インターネットユーザーの利用実態が変わりつつあることを広告主様に強く意識していただきたいというYahoo! JAPANの意図があります。
インターネットユーザーの環境がマルチデバイス化へと進んでいることは確かなので、その対応は必須です。Yahoo! JAPANとしては、それを前提に「見込み顧客をすべてのデバイスでとらえる」と考えてユニファイドキャンペーンを推し進めています。
ターゲティングが自由に指定できなくなったというよりは、「インターネットユーザーの状況を踏まえて、広告システム側で適切に対応するように変えた」とご理解いただきたいです。
広告主様も、デバイスをまたがった購買行動を当然の前提として、デバイスの種類を問わずコンバージョンを得られる準備をしておく必要があります。
スマートフォンは右肩上がり
プライベートではPCに代わってタブレットが台頭
―― Webの運営でも広告でも「スマートフォン」は重要なキーワードですが、最近の状況はどのようになっていますか。
山下氏 スマートフォンからの利用は相変わらず右肩上がりで、タブレットも同様です。特にタブレットの特徴として、週末に利用される傾向があります。代わりにPCが下がっているので、家庭でのプライベートな用途が多いと考えられます。また、連休中にアクセスが増え、飲食関連の検索も多いことから、旅行先に持っていくデバイスという面もあります。
7月に、スマートフォン、タブレット、PCにテレビまで含めたマルチスクリーンの利用実態調査を行いました。ここでも、複数のデバイスをまたいだ行動が当然になりつつあるという結果が出ていました。
今年はついにNTTドコモさんもiPhoneを扱うことになりましたが、これもスマートフォンの利用者が増えるきっかけになると見ています。
Yahoo! JAPANが行った調査「日本市場におけるマルチスクリーンの利用実態」では次のような結果が示されており、マルチデバイス化が着実に進みつつあることが読み取れる。
- 2人に1人(57%)がデバイスをまたいで利用
- またいで利用しているユーザーの80%が3時間以内に別のデバイスに引き継いでいる
- ショッピングにおいて、2人に1人(53%)が複数のデバイスを利用して購入
- 毎日5人に4人(77%)がパソコン、スマートフォン、タブレットのいずれかでYahoo! JAPANを利用
- 62%がYahoo! JAPANを週1回以上複数のデバイスで利用している
- デバイスをまたいで継続して行っている行動の65%が検索(Web:81%、ショッピング:53%)
※2013年7月24日~25日に、スマートフォンやタブレットの利用者2067人に対して実施
コンバージョンの向上は広告だけでなく施策全体で考えることが必要
―― マルチデバイス時代に向けて、広告主としてはどのような準備をしておけばよいのでしょうか。
山下氏 PCにおけるSEOやコンバージョンを高めるノウハウというものは、これまで長い時間をかけて議論を重ねてきた結果です。スマートフォンやタブレットといった新しいデバイスでも、同じように時間をかけて議論し、最適な方法を見つける必要があります。
ところが、これらの新しいデバイスについては、広告だけに頼ろうとする広告主様が多くいます。もちろんYahoo! JAPANとしては、それに応えられる広告サービスを提供していきます。しかし、コンバージョンまで考えると、広告だけでなく施策全体で考える必要があります。
Yahoo! JAPANが、「Yahoo!タグマネージャー」「Yahoo!アクセス解析」「スマホサイトビルダー」といったサービスを提供しているのは、単に広告だけではなくWebサイトの運営やマーケティング全体で広告主様を支援していくためです。
ユニファイドキャンペーンで追加されたり変更されたりする機能についても、これから少しずつ広告主様にノウハウが蓄積されて、将来の成果につながっていくと考えています。
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