導入してわかったレスポンシブECサイトの課題とメリット
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レスポンシブ導入28社のアンケートから見えてきたもの
レスポンシブWEBデザインでのECサイトプラットフォーム提供を開始して1年が過ぎ、約100社の導入を行ってきました。2014年春頃から市場でECサイトのリプレースやリニューアルにあたりレスポンシブWEBデザインを導入する動きが加速してきているように思います。
直近でも日本を代表するような企業様からの引き合いも増加し、年内にも数サイトはレスポンシブWEBデザインにてリニューアルオープンに至ることになります。これらの傾向は今後も加速することが日経BP・D2C調査からも見受けられます。しかし導入検討でやはり気になるのが、実際にレスポンシブWEBデザインをECサイトに導入した際のメリットや課題です。
そこで今回は弊社が2014年6月に実施した、「2014年6月aishipRユーザリサーチ:レスポンシブWEBデザインでECサイトを既にオープンしているEC事業者様向けアンケート集計」を基に、実際に導入し運用を始めたECサイト事業者のご担当者様が感じている課題やメリットを考察します。
ECサイトをレスポンシブWEBデザインにしてよかった点(メリット)
ECサイトをレスポンシブWEBデザインにしてよかった点の回答結果を見る
レスポンシブにして更新作業が楽になった
まず、導入メリットとして多くの事業者様が上げられているのは「ページ更新作業が楽になった」という点です。これは、レスポンシブWEBデザイン自体がデバイス毎にページや画像を作るという考え方ではなく、1つのページ(HTML)制作であらゆるスクリーンサイズのデバイスに対応させることが前提ですので当然のことかも知れません。
キャンペーンページや特集ページなどの更新頻度やページ数が多いECサイトでは特に大きなメリットです。レスポンシブECサイトで運営を始めたご担当者様の中には「スマホ・タブレット・PC対応を個別対応する従来型の方法は煩雑すぎて、レスポンシブECサイトでなければ運用が崩壊する」とまで言っておられるEC事業者様もいらっしゃいます。
またレスポンシブにして運用が楽になった分、「これまでできなかった、他の業務(商品ページの充実、コンテンツページ構築、プロモーションなど)にリソースが割けるようになった」という声が多いことは、マルチスクリーン対応が必要なECサイト運営においては、このメリットのインパクトは大きく、計り知れないメリットであることは間違いないでしょう。
全デバイスへの対応でCVRの向上
2番目、3番目に多い回答の「スマホ・タブレットに対応できた」「スマホ・タブレットのCVRが上がった」という点はほぼ同じ内容と読み取れます。
従来型のPC・スマホを個別対応している方法では手間がかかり細部までスマホ・タブレット対応ができておりませんでした。
スマホやタブレットのCVRを高めることに限界を感じていたEC事業者様が、レスポンシブWEBデザインを導入することで、スマホ・タブレット両デバイスにしっかりと対応できたという意味合いです。“しっかりと”が結果CVR向上につながったということでしょう。
自然検索数の増加
4番目に多い「SEO効果向上」についてはGoogleがレスポンシブを推奨しているだけあって、本来はもっと上位回答にあってもおかしくないのかもしれません。上位3位のメリットのインパクトが大きいのでこの位置にきたのではないかと思います。
SEO効果については、昨年秋の検証では自然検索増加は146%という数値が得られています。これまでのPC・スマホを別構成するECサイトでは限界があるGoogle検索エンジン対応ですので、レスポンシブWEBデザイン導入は十分な効果をもたらすことを感じておられるようです。
ECサイトをレスポンシブWEBデザインにする3つのメリット
この「ECサイトをレスポンシブWEBデザインにしてよかった点(メリット)」のアンケート結果をまとめると、従来型のPC・スマホを別で制作するECサイトと比べてのメリットは、
- ページ更新等の作業がずいぶん楽になる
- 各デバイスに細部までユーザ満足度高いUI・UXが提供でき、結果CVRが向上
- SEO効果が向上し、自然検索流入数が増加
ということになります。スマートフォン向けECに力をいれていくECサイトやタブレットにも対応させていきたいECサイトを運営する事業者様には、今後のリニューアルやリプレースの際にはレスポンシブWEBデザインが必須であるともいえる結果です。
ECサイトをレスポンシブWEBデザインにした際の課題
未経験による導入ハードルの高さ
課題で最も多い回答は「レスポンシブWEBデザインの知識が必要」ということです。このことについては“新しいこと”ですので当然なのかもしれません。ですからレスポンシブECサイトを導入する際には、その“ノウハウを得る必要がある”ことも合わせて認識すべきです。
弊社ではこの1年でレスポンシブECサイトを約100社導入し、そのノウハウを整理してきました。実際にはこれまでのECサイト運営知識さえあれば、おさえるべきポイントや追加で必要な知識はそれほど多くありません。
弊社のサポートで導入レクチャーを行う等で問題無く導入運用可能というところまで至っています。そして私どもで既にこれらの必要な知識は形式化しておりますので大きな心配は不要なのかもしれません。
(参考に)
aishipRでは、これらのノウハウ(レスポンシブECサイト構築運用する際のポイント)を網羅した「レスポンシブECサイトを成功に導く虎の巻」としてサイト構築前の準備、ワイヤーフレーム作成前、ワイヤーフレーム、デザイン、コーディング、SEO、オープン準備、オープン後、集客準備、集客後について約100の項目をまとめた資料を準備していますので、構築の際には必ず参考にしていただきたいです。(必要な場合はaishipRサポートやセールスにお問合せください。)
読込速度の問題
次に多いのが「読込速度が遅い」という問題です。これは以前よりある“レスポンシブECサイト導入の最も大きな課題”でしたが既に解決済みです。
実際これらのアンケートは2014年6月上旬に実施し、「読込速度が遅い」という回答はこれまでの状況含め回答をいただいていましたが、2014年6月末でのaishipRレスポンシブECサイトプラットフォームの速度改善により、これらの「読込速度が遅い」と回答いただいた全てのクライアント様から「もう遅く感じない」と回答を得ているからです。
2014年6月末時点で、その具体的な検証を行っています。
参照:速いレスポンシブECサイト。もう遅いと言わせない、レスポンシブWEBデザインのECサイト表示速度
他社ASPでの非レスポンシブECサイトTOPページ平均ロード時間4.02sに対してaishipRでのレスポンシブECサイトTOPページ平均ロード時間2.85sと、遅いどころかレスポンシブECサイトの方が従来のECサイトの平均値よりも早いまでに至っています。ですので、
“aishipRのようなレスポンシブ専用のECサイトASP上で構築運用すれば、十分なページ表示速度が実現する“
ことになり、これらの問題は既に解決しています。ただ、aishipRでの表示速度については、他社ASPと比較するのではなく、ECサイトのCVRを高めるために絶対的な追求を続けていく必要があると考えていますので飽くなき改善を行います。
デバイス毎の独自コンテンツの問題
3、4番目に多い回答「デバイス毎にデザインをこだわると手間がかかる」、「デバイス間でコンテンツ共通すると訴求性が低くなる」については表裏一体の内容です。
そもそもレスポンシブWEBデザインでは同じコンテンツをどのデバイスにも利用することでデバイス対応を行うのが基本です。
そうすると単にデバイス毎に同コンテンツの配置変更になってしまい、あるデバイスでは訴求力が低くなるというものです。そこでデバイス毎にデザイン性や訴求性をこだわりだすと結局別々の画像やテキストになってしまい手間もかかりレスポンシブWEBデザインの意味が無くなります。
レスポンシブWEBデザインのメリットであるコンテンツを共通化させて運営を合理化する“楽”と、売るためのデバイス毎の“訴求性”を高める両面を考慮した“ちょうど良いデザイン”を、それぞれの商材やサービスに合わせて見出すことがレスポンシブECサイト運営で「売るノウハウ」ということではないでしょうか。
ですからいち早くレスポンシブECサイトを導入し、このノウハウを追求し「自社商材ならではの、運用合理性かつ訴求性が高い表現手法」を確立したEC事業者様がマルチスクリーン時代に対し効率的にユーザ満足度高いECサイトを提供することができ、結果的に勝ち残ることになるのでしょう。
アンケート結果をまとめると、
- レスポンシブWEBデザインの知識が必要
- 読込速度が遅い
- 訴求性・運用性の両立したデザインノウハウを得る
→事前に要点をおさえることで十分解決可能。
→レスポンシブ専用のECサイトASP上で構築運用すれば解決可能。
→運用しながらPDCAを回しノウハウを得ていく必要がある。
レスポンシブECサイトを導入した結果
これらのアンケート対象の28社のなかで回答を得た18社の平均の売上前年比は2014年5月の時点で149%と、軒並み売上前年比を大きく伸びています。ECサイトにレスポンシブWEBデザインを導入したことの売上向上効果が全てではないものの、間接要因含めその効果は十分みられる結果です。
これらのアンケート結果を考察しても、以下のようなECサイトはよほどの理由が無い限り「レスポンシブWEBデザイン」で今後ECサイト運用すべきでしょう。
- スマホやタブレットのマルチスクリーン対応が必要
- ページ数が多い(特に特集ページなどの静的ページ)
- 商品点数が比較的多い
- ページ更新頻度が高い
- Google検索エンジンへの対応を絶対視する
到来するマルチスクリーン時代で勝ち残るためにも、PC・スマホ別で構築するような従来型のECサイト運用から脱却して、先駆者を参考にレスポンシブECサイト導入にアクセルを踏んで欲しいと思います。
岩波
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