データ分析は、マーケッター視点で:第11回 施策効果③

「施策効果」の最終回は「予算最適配分のシミュレーション」についてです。
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

(3)予算最適配分のシミュレーション

 今回は予算最適配分シミュレーションについてです。

 この予算最適配分シミュレーションは、特に経営にとって重要なポイントになります。
又、施策ごとの各担当にとっては、自分の仕事の予算に影響する事になるので、非常に気になるものになるでしょう。

このケースの場合は、テレビとネットの最適配分をシミュレーションしたものです。

 既に「テレビは効果がないのでは?」と言う意見も出ている時の事でしたが、実際にはテレビは必要で、「テレビ0%:ネット100%」(折れ線グラフの一番右)にすると、途端に売上が激減するのがグラフから明らかです。

 つまり「テレビかネットか」という事ではなく、「テレビとネットで、どう予算を配分するべきか」という観点が重要になります。

 このシミュレーションにより、次回の予算配分を、従来の「昨年までの配分をベースに考える」といった慣習的なものから「施策の効果ベースに考える」という根拠あるものにシフトする事が出来ます。

 ただし注意してほしいのは、“これは一つのキャンペーン結果でしかない”という事です。
業界によってノーム値があるというわけでもなく、あくまで各企業がこういった解析やシミュレーションを積み重ねる事で、その企業なりの“係数や解の精度“が上がっていくのだと思います。
あくまで解析結果は参考数値。絶対視はせず、当然マーケッターや経営者のこれまの経験による考察要素も含めて、総合的な判断をしていく事が重要と考えます。

 更には分析以前に、「企業のマーケティングコミュニケーション活動が、世の中の動向とマッチしているか?」という視点も重要です。
最近のある調査によると、「生活者のメディア接触時間におけるデジタルのシェアが、初の過半数を超えた」ようですね。
貴社のマーケティングコミュニケーション活動は、生活者の変化にきちんとついていけていますか?

 

さて、次回は、基本編の最終章「データ分析における企業の目指すべき方向とは?」です。

どのレベルにどんなステップを進めばよいのか?といいたお話をしたいと思います。お楽しみに。

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連載記事一覧
データ分析は、マーケッター視点で
 第1回 デジタル&データの潮流① - ビジネス変革:デジタル・イノベーターの台頭

 第2回 デジタル&データの潮流②
  - データの多様化:接点の実績が全てデータ化されていく

 第3回 顧客分析のポイント① - 属性からインサイトへ

   第4回 顧客分析のポイント② - データの多様化

 第5回 顧客分析のポイント③ - 商品ファンから企業ファンへ

 第6回 コミュニケーション設計① - コミュニケーションの全体設計

 第7回 コミュニケーション設計② - コミュニケーション分析

 第8回 コミュニケーション設計③ - マーケッターとサイエンティストの連携

 第9回 施策効果① - MMM(マーケティング・ミックス・モデル)

 第10回 施策効果② - 施策の効果測定

 第11回 施策効果③ - 予算最適配分のシミュレーション

 第12回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性①

 第13回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性②

【筆者紹介】

山崎 浩人

広告会社でマス広告、コールセンターでCRMを手がけ、携帯事業者でキャリアレップCEO、電通・CCI出資のクロスメディア事業CEOを勤めた。

その後、外資広告社で企業のブランド戦略やグローバル戦略を支援。現在も戦略系コンサルを担う。

 

・2012年 日本広告主協会Web広告研究会「Web人 of the year」受賞
・講演例:「反グローバリズム時代の企業成長とブランド理念」
 https://www.is-assoc.co.jp/seminar20160120/

 

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