この会社(製品やサービス)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?
このシンプルな質問(究極の質問)への回答をもとに算出されるのは、「NPS」(ネット・プロモーター・スコア、Net Promoter Score:推奨者の正味比率)と呼ばれる、顧客ロイヤルティを計る指標だ。米国の大手企業を中心に経営指標としての採用が進められているNPSは、企業経営にどのような変化をもたらすのか。企業インタビューや事例取材を通じて届けていく。
出典:フレッド・ライクヘルド『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』(2006年、ランダムハウス講談社)
NPS(Net Promoter Score:推奨者の正味比率)は、「この会社(製品やサービス)を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」という「究極の質問」に対する顧客の回答をもとに「推奨者」(10~9)、「中立者」(8~7)、「批判者」(6~0)に分類し、推奨者の割合(%)から批判者の割合(%)を引いた割合を指す。数値は理論上、100から-100までの値を取りうる。
0から10までの評価方法は、米国における学校の採点方法(6点以下は不可)になぞらえている。日本においては、真ん中の5を標準とみなす考え方や、あまり極端な評価をつけないという気質のためか、NPSが低めの数値をとりがちであることが指摘されている。
2005年にベイン・アンド・カンパニー名誉ディレクターのフレッド・ライクヘルド氏によって提唱され、平均してNPSが12ポイント上昇すると、企業の成長率が倍増するといわれている。
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