東京商工リサーチ(TSR)は、2025年の「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査を実施した。
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2025年の個人情報漏えい・紛失事故は180件、3,063万人分が流出
調査によると、2025年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、180件(前年比4.7%減)で、漏えいした個人情報は3,063万6,910人分(同93.1%増)だった。100万人以上に及ぶ大型事故が6件発生したことが影響し、漏えい・紛失人数は前年の約2倍と大幅に増え、歴代3番目の多さとなった。また、社数は158社(同4.6%増)と前年から7社増加し、最多を更新した。

情報漏えい・紛失事故を原因別で見ると、「ウイルス感染・不正アクセス」の116件(構成比64.4%)が最多で、6割以上を占めた。ついで、「誤表示・誤送信」が37件(同20.5%)、「紛失・誤廃棄」が18件(同10.0%)と、人為的なミスに起因したケースが続いた。また、悪意を持った従業員による「不正持ち出し・盗難」も7件(同3.8%)発生した。
「ウイルス感染・不正アクセス」について詳しく見ると、発生件数は116件で、前年を2件上回り、2年連続の100件台で過去最多を記録した。特に2025年は、ランサムウェアによる不正アクセス被害が多発している。
なお、これまでの「ウイルス感染・不正アクセス」による事故のうち、漏えい・紛失人数が最も多かったのは、2013年5月に不正アクセスでIDが外部流出した可能性を公表したヤフー(現:LINEヤフー)の最大2,200万件だった。

情報漏えい・紛失事故の原因となった媒体を見ると、最多は「社内システム・サーバー」の140件(構成比77.7%)で、全体の約8割を占めた。ついで「パソコン・携帯端末」が23件(同12.7%)、「書類・紙媒体」が12件(同6.6%)と続いている。1件あたりの情報漏えい・紛失人数の平均としては、「社内システム・サーバー」が40万5,099人分と圧倒的だった。
2025年に起こった主な情報漏えい・紛失事故を見ると、最も被害が大きかったのは複合型ネットカフェ「快活CLUB」で外部からの不正アクセスを受けた「AOKIホールディングス」の729万87人分で、歴代6番目の規模となった。ついで、「SOMPOホールディングス(損害保険ジャパン)」の727万1,004人分と続き、上位事例はいずれも社内サーバーなどへの不正アクセスによるものが目立った。
また、10月にはオフィス用品通販の「アスクル」がランサムウェア攻撃を受け、約73万9,700件の個人情報が漏えいした可能性を公表。サービス停止による売上減少や、52億1,600万円の特別損失計上など、業績面への影響も深刻化している。
調査概要
- 【調査対象】2025年に明らかになった上場企業およびその子会社における情報漏えい・紛失事故
- 【調査方法】企業が自主的に開示したプレスリリース・お知らせ・お詫び文などを基に独自集計
- 【備考】個人情報は氏名・住所・電話番号・年齢・性別・メールアドレス・ログインID等を対象とし、「漏えいの可能性がある」事例や不適切取扱いによる事故も含む。「対象人数不明・調査中・非公開」も事故件数としてカウント。本調査は2012年より開始。
