「Adobe Creative Cloud」に「削除ツール」「生成拡張」「動画生成」など新機能追加

クリエイティブプロフェッショナルのための強力な新機能でワークフローをスピード化

Adobeは、クラウドサービス「Adobe Creative Cloud」の新機能を10月14日(米国時間)に開催したクリエイティブカンファレンスの「Adobe MAX 2024」で発表し、日本語訳を10月15日に公開した。新機能によってワークフローをスピード化し、パワーや精度、コントロールを高めることができる。

削除ツールを強化したPhotoshop

画像編集アプリ「Adobe Photoshop」は削除ツールで写真の不要な部分を削除する方法を大幅にアップデートした。「不要な物を検出」で旅行写真の背景に写り込んだ観光客や、美しい風景写真に邪魔な電線など写真から不要な要素を削除できる。電線や人物を自動的に検知して削除し、コンテンツを新規生成して背景を置き換える。

Adobe Photoshopの新機能で写真の不要な部分を削除できる

生成AI(人工知能)の「Adobe Firefly」は最新の「Adobe Firefly Image Model」による「生成塗りつぶし」と「生成拡張」をPhotoshopで利用できる。照明、構図、カラーのコントロールがこれまでより詳細にでき、よりリアルな結果が得られる。新しい「類似を生成」機能でより多くの生成画像のバリエーションから完璧な画像を選べる。

最新のAdobe Firefly Image Modelを搭載した「生成塗りつぶし」と「生成拡張」

Photoshop(ベータ版)で2つの新機能を導入。「生成ワークスペース」は、テキストプロンプト(指示文)で画像セットをすばやく生成し、テキストプロンプトや画像を検索して再利用できる。「Adobe Substance 3D Viewer(ベータ版)」は、3Dファイルの表示と編集ができ、Photoshopのデザイン上で3Dファイルを簡単に扱える。

Adobe Substance 3D Viewer(ベータ版)ではPhotoshopで3Dファイルの表示と編集が可能

Premiere Proに生成AIを統合

動画編集アプリ「Adobe Premiere Pro」は、Adobe Fireflyの生成AIを活用して「生成拡張」を導入。動画クリップの冒頭や末尾に動画フレームをシームレスに追加する。

Adobe Premiere Proでは動画編集において「生成拡張」が可能

Illustratorのグラフィックデザイン機能を強化

グラフィックデザインアプリ「Adobe Illustrator」は新機能「パス上オブジェクト」でオブジェクトをすばやく隣接させたり、並べ替えたりできる。強化した「画像トレース」機能で手書きの画像やピクセル画像をベクターに変換。オブジェクトの写真の上に配置してブランドやアパレルデザインを作成できる「モックアップ」機能が正式提供され、オブジェクトの曲線やエッジにフィットするようIllustratorが自動的に調整する。

Adobe Illustratorのグラフィックデザイン機能の強化

InDesignの新しい生成AI機能

DTPアプリ「Adobe InDesign」は「生成拡張」や「テキストから画像生成」の生成AI機能によってレイアウトデザイン内でAI画像編集ができ、学術やテクニカルな出版物を扱うデザイナー向けに高品質な数式を追加できる「MathML」が導入された。InDesignドキュメントをコンテンツ制作アプリ「Adobe Express」に書き出せるようになり、全体的なレイアウトデザインを維持しながらチームメンバーが細かい変更を加えることができる。

Adobe InDesignの新しい生成AI機能

Lightroomの機能強化

写真編集整理アプリ「Adobe Lightroom」は、選択機能の強化とオブジェクト検出機能の向上で、より簡単に正確な結果が得られる「生成AI削除」が正式提供される。「クイックアクション(早期アクセス)」は写真に合わせた編集を提案して細かい調整だけの状態にしてくれるのでワークフローがスピードアップする。

Adobe Lightroomで写真をより高速に

Project Neoで2Dデザイナーが3Dコンテンツ作成

3Dコンテンツ制作ツール「Adobe Project Neoベータ版」の提供を開始する。PhotoshopやIllustratorなど2Dデザインアプリを使うデザイナーは、ブラウザ上での3Dコンテンツを制作できる。使い慣れたインターフェイスとツールで3Dシェイプやアートワークの作成と編集をブラウザだけで完結できる。作成したアートワークはベクターとしてIllustratorで開けるので、アートワークの編集を継続してデザイン構成に追加できる。

Adobe Project Neo(ベータ版)による2Dデザイナーのための3Dコンテンツ作成

ビデオに生成AIを導入するFirefly Video Model

「Adobe Firefly Video Model」に新しい動画生成(ベータ)モジュールを導入する。テキストプロンプトを使用して関係者にクリエイティブな意図を共有する新規のビデオクリップを作成したり、タイムライン上のギャップを埋める「Bロール」映像を作成したり、既存のショットに新しい要素を追加したりできる。

ビデオに生成AIを導入するAdobe Firefly Video Model

Frame.ioでクリエイティブプロセスを管理

約3年前に買収したクリエイティブコラボレーションプラットフォームの「Frame.io」は、Creative Cloudアプリと統合して再構築した「Frame.ioバージョン4ベータ版」を正式提供する。ワークフローの構築と管理、ファイル転送と管理、効率的なレビューと承認サイクルの実行、関係者やクライアントとの安全な共有などクリエイティブプロセス全体をサポートする必要なすべてのツールにアクセスできる。

Frame.ioでクリエイティブプロセスを管理

手軽に作成できるExpressの新機能

手軽に何でも作成できるアプリのAdobe Expressは、「一括作成」や、サイズ変更と同時の「生成拡張」によって、1つのデザインから必要なすべての派生コンテンツを数回のクリックで作成できる。ワンクリックでデザイン内の文章を言い換えたり、短くしたり、語調を変更でる「書き換え」や、テキストや画像などデザイン内のすべての要素をワンクリックでアニメーション化する「すべてをアニメート」などの新機能もある。

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