MM総研(MMRI)は、「携帯キャリア4社がそれぞれ自社グループで提供する、銀行および証券サービスの利用状況」の結果を発表した。携帯電話利用者が、契約先の携帯キャリアが提供する各種サービスを「もっとも利用している」と回答した比率(クロスユース率)を指標としており、15~79歳の携帯利用者男女3万6,949人が回答している。
なお2023年8月の調査のため、証券業に参入していなかったドコモはクロスユース率算出から除外されている。NTTドコモは10月4日にマネックス証券と資本業務提携を発表済み。
楽天経済圏へのユーザー取り込み強化が奏功
それによると、キャリア別の銀行・証券のクロスユース率は、「楽天モバイル×楽天銀行」50.8%と「楽天モバイル×楽天証券」29.5%が、他社に大きく差を付けて1位だった。楽天モバイルユーザーの約半数が楽天銀行の口座を所持、3割が楽天証券を利用していることとなる。
なお銀行のクロスユースの2位は「ソフトバンク×PayPay銀行」13.8%、証券のクロスユースの2位は「au×auカブコム証券」3.6%が続いた。
銀行サービスのクロスユース率(上位5銀行)をみると、キャリア傘下の銀行がランクインしているのは楽天モバイルユーザーの楽天銀行のみ。また楽天証券は全キャリアユーザーを含めた利用率でもトップを占めている。
ソフトバンク・ドコモ・au利用者ではクロスユースしている率は低く、楽天の強さが目立つ状況だ。
なお楽天モバイルユーザーの楽天銀行利用率が高い理由として、7月から「ワンクリック申し込み」に対応し、楽天銀行、楽天証券、楽天生命保険を契約していれば、楽天モバイル申込時に本人確認が不要になるなど、楽天経済圏へのユーザー取り込みを強化している点があげられている。
各キャリアのユーザーに「メインで使っている携帯電話会社と証券や銀行などのサービスをまとめたいか」と聞くと、携帯キャリアと銀行口座を「まとめたい+ややまとめたい」で、楽天モバイルユーザーは20%を超えた。一方auユーザーは14.9%にとどまる。
証券口座でも、楽天モバイルが一番高く計13.8%。一番低いのはauユーザーの9.9%で、auの金融系の弱さが浮き彫りとなっている。
調査概要
- 【調査対象】15歳~79歳の携帯キャリア4社を利用している男女
- 【調査方法】Webアンケート
- 【調査期間】2023年8月13~15日
- 【回答件数】3万6,949人(うち、現在4キャリアを個人利用かつメインで利用している回答者を対象に分析。
ドコモ:1万7720人、au :9543人、ソフトバンク:5805人、楽天モバイル:3881人)
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