Xの変化で「Z世代の災害時の情報取得」が困難に? 今後は多様な手段の用意を【ミドリ安全調べ】

将来の懸念はAIを駆使したディープフェイクか、Z世代の45.6%が偽災害情報にだまされた経験あり。

通販サイトのミドリ安全.comは、9月1日の「防災の日」にちなんで、災害時の情報取得やフェイクニュースへの認識に関する調査結果を発表した。全国の18~77歳までの男女1,000人が回答している。なおこの調査では回答者を、「Z世代(18歳~28歳)」「ミレニアル世代(29歳~43歳)」「ジェネレーションX(44歳~58歳)」「新人類・ベビーブーマー(59歳~77歳)」と、大きく4つの世代に分類している(各世代250人ずつ、男女均等)。

災害情報、若年層は「テレビ」より「X(旧Twitter)」に依存

「地震や火事などの緊急災害発生時に、どのメディアで情報を得ることが多いか」を聞くと、「テレビ」57.5%が最多で、「ヤフーニュースなどのポータルサイト」41.2%、「X(旧Twitter)」33.8%がそれに続く。世代別だと、Z世代は「X(旧Twitter)」51.6%が最多で既存メディアより活用されている。また新SNSである「Threads」をあげたユーザーが3.1%存在した。

ただしX(旧Twitter)においては、APIの仕様変更・有料化などにより公的機関からの情報発信が難しくなっている。8月15日に「公的機関からの重要な防災・災害情報については無料利用が可能」という発表もされたが、不透明な運用状況になっている。

「もっとも情報が速いと思うメディア」では、「テレビ」29.8%、「X(旧Twitter)」24.7%、「ヤフーニュースなどのポータルサイト」15.5%が上位。ここでもZ世代では「X(旧Twitter)」が45.0%、ミレニアル世代でも30.0%で最多だった。それだけにX(旧Twitter)の振る舞いが気になるところだ。

一方「災害時にもっともつながりやすい(接続が安定している)と思うSNS」を聞くと、全体では「X(旧Twitter)」20.0%より「LINE」28.5%が多かった。「家族と連絡が取れるSNS」についても「LINE」66.1%が多い。若年層はInstagram、年配層はFacebookをあげる人も多かった。

なお災害時には、“声の伝言板”として利用できる「災害用伝言ダイアル(171)」が提供されるが、利用率は全世代で15.5%にとどまる。ただし世代別で見ると、意外にもZ世代の利用率25.2%が最も多かった。

災害時には、さまざまなフェイクニュースが流行ることも多い。「フェイクニュースを信じてしまった経験」を聞くと、「頻繁にある」2.9%、「ときどきある」15.3%、「1回~数回程度ある」16.0%で、ほぼ3人に1人が信じてしまった経験を持っていた。世代別では若年層ほどフェイクニュースを信じてしまった割合が高く、Z世代では「1度以上信じてしまった」が45.6%ともっとも高かった。

調査概要

  • 【調査対象】全国の18~77歳までの男女。「Z世代(18歳~28歳)」「ミレニアル世代(29歳~43歳)」「ジェネレーションX(44歳~58歳)」「新人類・ベビーブーマー(59歳~77歳)」の4世代。
  • 【調査方法】インターネットリサーチ
  • 【調査時期】2023年8月1日~7日
  • 【有効回答数】1,000人(4世代各250人ずつ、男女均等)
  • 【メディアに関しての選択肢】X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、Threads、YouTube、TikTok、mixi、LINE、WhatsApp、上記以外のSNS、ヤフーニュースなどのポータルサイト、2chなどの掲示板、テレビ、新聞、ラジオ、防災系アプリ、防災無線、その他、当てはまるものはないから複数選択で回答
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