災害・コロナ禍・サイバー攻撃・法令違反……中小企業の約9割が何らかのリスクに恐怖【日本損保協調べ】
一般社団法人 日本損害保険協会は、「企業を取り巻くリスクに対する意識・対策実態調査2022」の結果を発表した。中小企業の経営者・従業員1,031人が回答している。
リスクを深刻に受け止めている企業は約8割
まず「事業活動を行っていく上で考えられるリスク」について選択式で聞くと、最も多かったのは「自然災害」51.8%で、「取引先の廃業や倒産による売上減少」41.8%、「感染症」38.4%がそれに続く。いずれか1つでも当てはまるとした企業は86.6%に及んでいる。
またリスクを感じている企業893社に「深刻な問題として捉えているか」を聞くと、「深刻に受け止めている」と回答したのは79.1%。「経済環境リスク」88.7%が特に高いが「その他」は100%に及んでおり、一般的な要因に留まらないリスク要素を各企業が抱えていることがわかる。
「リスクに対して何かしら対策/対処をしているか」を聞くと、過半数の54.3%が「損害保険への加入」をあげている。一方で「勤め先の企業で、何らかのリスクにより被害を受けたことがあるか」を聞くと、全体の27.8%が「ある」と回答。さらにそのうちの53.0%が「被害がこんなにも大きくなるとは思っていなかった」と回答するなど、認識の甘さが目立つ。
そこでリスクを感じている企業893社に「現在の対策状況」を聞くと、「特に対策/対処をしていない」は27.5%を占める。2021年度の回答からは9.1ポイント減少しているが、これまたいまどきと思えない無防備な状況だ。対策をしていない理由では「対策をする費用に余裕がないため」36.2%が最多で、「具体的な対策方法が分からないため(相談先がわからない)」31.4%、「リスクによって生じる影響・損失が分からないため」24.6%といった意見が上位だった。
最後に「サイバーリスク」に絞って質問すると、経営課題としての関心度は、2021年度の調査結果から3.9ポイント増加し84.1%、「サイバー保険」の認知度も5.3ポイント増加し41.9%となった。「懸念するサイバーリスク」では、「データ漏洩」18.5%、「ランサムウェア攻撃(の増加)」8.8%、「なりすまし攻撃(の増加)」7.6%が上位だった。
調査概要
- 【調査対象】中小企業の経営者および従業員(損害保険契約の関係者)
- 【調査方法】インターネット調査
- 【調査時期】2022年9月8日~12日
- 【サンプル数】1,031サンプル
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