2020年の都市の「総合力」で東京は3位、ロンドンとニューヨークに引き離される【森記念財団調べ】
森記念財団(都市戦略研究所)は、「世界の都市総合力ランキングGlobal Power City Index 2020」を発表した。「Global Power City Index」(GPCI)は、世界の主要48都市の総合力を「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野(全70項目)について、複眼的に評価する調査で、2008年より毎年実施されている。
東京の順位は変わらないが、ロンドンとニューヨークにスコアで引き離される
2020年の調査によると、総合ランキング1位は「ロンドン」で、2位「ニューヨーク」、3位「東京」、4位「パリ」、5位「シンガポール」がそれに続いた。この順位は前年と変わっていない。
「ロンドン」は9年連続で1位を維持しており、EU離脱後も大きく総合力が上昇。特に「文化・交流」の数字が強い。「ニューヨーク」は「経済」「研究・開発」で強みを発揮し、「研究・開発」 は12年連続で1位を維持しているという。一方「東京」は、ほぼ横ばいの結果で、ロンドンとニューヨークとの差が開いた。「経済」の「優秀な人材確保の容易性」でスコアを落としたという。ただし「環境」の「都市空間の清潔さ」、「交通・アクセス」の「国際貨物流通規模」では、スコアが上昇している。
ポストコロナで、都市ランキングはどう変化するか?
なお、GPCIでは、上位5つの都市の居住者約1,000名に対して、新型コロナウイルス流行後の生活変容・居住地移動に関するアンケートも行っている。
その結果、「ライフスタイルに一定の影響を受けた」としたのは約7割。働く場所については「自宅勤務」「オフィス勤務」がそれぞれ4割程度を占めて拮抗したという。居住地の移動については、最も多い「ニューヨーク」で約4割、最も少ない「東京」でも約2割が、移動の可能性を示した。コロナ禍により郊外などへの移住が加速した場合、都市の総合力も大きな影響を受けると考えられるだろう。同調査では、将来的な評価軸の変化を示唆している。
調査概要
- 【調査対象】世界の主要都市
- 【調査方法】都市の持つ力を、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野(全70項目)で評価。総合ランキングはそれらを合計して2,600点満点で作成。
- 【調査数】48都市
- 【居住者向けアンケート実施期間】2020年10月~11月
- 【居住者向けアンケート回答者数】約1,000名
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