「キャッシュレス支持派」はすでに50%近くに。「現金支持派」19.5%を大きく上回る【楽天インサイト調べ】
楽天インサイトは、「キャッシュレス決済に関する調査」の結果を発表した。全国20代~60代の男女1,000人が回答している。なお「キャッシュレス決済」は、「クレジットカードや電子マネー、口座振替を利用して、紙幣・硬貨といった現金を使わずに支払い・受け取りを行う決済方法」全般を指す。
“○○Pay”系のスマホ決済が、若年層中心に急滲透
まず、日常の買い物や飲食など(EC除く)で利用する決済手段を複数選択で聞いたところ、「現金」91.7%がやはり最多。以下「クレジットカード」85.0%、「商業系カード型電子マネー(nanaco、WAON、楽天Edyなど)」48.8%が続く。最も利用している手段の単一選択でも、「現金」42.6%、「クレジットカード」40.0%、「商業系カード型電子マネー」8.3%の順は変わらない。
性別年代別で見ると、「スマートフォンを利用した決済サービス(PayPay、LINE Pay、楽天ペイなど)」が、男性20代・30代でとくに高く、全体平均28.5%に対し、それぞれ46.9%、48.4%まで上昇している。女性20代においても39.5%と4割に迫る。“○○Pay”系のスマホ決済が、若年層に急滲透していることが伺える。
「現金」を利用する理由は「使いすぎの抑止」、他決済の利用は「ポイントが貯まるから」
最も利用する決済手段として「現金」を選択した426人に「現金」を利用する理由、「現金以外の決済手段」(クレジットカード、デビットカード、交通系カード型電子マネー、商業系カード型電子マネー、スマートフォンアプリを利用した決済サービス)を選択した574人に「現金以外の決済手段」を利用する理由をそれぞれ聞いた。
「現金」を選択した人では、「現金以外の決済手段だとお金を使いすぎてしまうから」43.0%が最多。以下「現金以外の決済手段はセキュリティに不安があるから」18.8%、「現金以外の決済手段を使える場所が少ないから」15.5%が続く。前年の同調査と比べると、セキュリティ不安を訴える人が上昇している。
「現金」以外を選択した人では、「ポイントが貯まるから」87.6%が最多。以下「スムーズに支払いできるから」68.1%、「財布がかさばらないから」30.5%が続く。前年の同調査と比べると、「現金を引き出す度に手数料がかかるから」と回答した人が上昇している。
電子系キャッシュレス決済を使えたらいいと思うサービス、「医療機関」と「各種税金」
「カード型電子マネー」または「スマートフォンを活用した決済サービス」という、いわゆる“電子系キャッシュレス決済”を利用している人に、現在利用している場所・サービス、今後使用できたらいいと思う場所・サービスを聞いた。
現在使用している場所・サービスでは、「飲食店」44.9%、「ディスカウントストア・ホームセンター」26.7%、「自動販売機」26.4%が上位。今後使用したい場所・サービスでは、「飲食店」33.3%、「医療機関(病院・薬局など)」31.1%、「ディスカウントストア・ホームセンター」「自動販売機」それぞれ25.7%が上位だった。両者を比べると、最もギャップが生じたのは、「医療機関(病院・薬局など)」20.4ポイント差、「各種税金」17.4ポイント差だった。
キャッシュレス決済に抵抗があるのは「子どもへの小遣い」「祝儀・不祝儀」「募金」など
「キャッシュレス決済で支払ったことがある費用」では、「飲食費」74.1%、「被服費」60.0%、「携帯料金」56.2%が上位になった。そこで、「キャッシュレス決済で支払ったことがない費用」について、「キャッシュレス決済で支払うことに抵抗があるか」を聞いた。
「抵抗がある」(抵抗がある+やや抵抗があるの合計)が最も高かったのは「不祝儀」80.9%で、「お賽銭」80.2%、「ご祝儀(お年玉を含む)」79.5%、「子供へのお小遣い」72.3%が続いた。やはり冠婚葬祭に伴う費用に対してキャッシュレス決済を使うのには、強い抵抗感がある模様だ。「子供へのお小遣い」が高いのは、「キャッシュレス=つい使い過ぎてしまう」という発想があるからと推察される。
「キャッシュレス支持派」が4割半超えで「現金支持派」を上回る
さらに全体に「キャッシュレス支持派か現金支持派か」を聞くと、「キャッシュレス支持派」だとした人は46.6%。「現金支持派」19.5%、「どちらでもない」33.9%を大きく上回る結果となった。性年代別で見ると、「キャッシュレス支持派」は男性20代(59.3%)と男性30代(62.1%)が高かったが、女性20代(34.2%)は低い。また女性50代(33.7%)も低く傾向が分かれた。
なお、消費増税に伴う「キャッシュレス決済でのポイント還元制度」に対しては、「現在利用していて、さらに利用が増えると思う」52.2%が最多で、「現在利用していないが、利用したいと思う」12.4%と合わせて、前向きに捉える人が6割を上回る結果となった。
調査概要
- 【調査対象】全国の20歳~69歳男女
- 【調査期間】2019年5月22日~23日
- 【回収サンプル数】1,000サンプル(楽天インサイトに登録しているモニター約220万人のうち)
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