あの超有名ECサイトも使う“おもてなし”ツール、活用状況から理解するWeb接客の今
この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。
2015年は「Web接客元年」と業界では言われ、さまざまなツールが登場。中小企業から大企業まで幅広く利用するECサイトが増えてきた。
2014年にECサイト向けのWeb接客ツール「Flipdesk(フリップデスク)」をリリースしたSocket(ソケット)、2015年リリースの「KARTE(カルテ)」を開発・販売するプレイドは、Web接客ツールを提供する有力企業。両社はそれぞれサービス開始から1周年を迎えたのを記念し、2015年と2016年にインフォグラフィックを公表した。
「Web接客」はECサイトの売り上げUPに貢献するのか――。「Flipdesk」と「KARTE」のインフォグラフィックから、「Web接客」の現状を探ってみる。
Web接客とは?
「Web接客」は、ECサイトなどの訪問者に対して、コンバージョンを高める、ファン化を促進させるといったことを目的に最適な接客を行うこと。従来はこうした接客を実現するにはカスタマーサポートが必要だったが、近年は一連の分析やアクションなどを自動化するツールとして「Web接客ツール」が登場。サイトに訪問したユーザーに合わせ、最適な接客を実現している。
「Web接客ツール」を導入すると、導入サイトの顧客属性・購入履歴・閲覧履歴・利用デバイスなどのデータを可視化し、来訪者に合わせてクーポン配信などが行えるようになる。
まずは、「Flipdesk」と「KARTE」の説明から。
「Flipdesk」の特徴
訪問者の行動を自動で解析し、状況に応じてクーポン発行やキャンペーン告知、チャットサポートなど最適な接客を行うことが可能です。
お客さまと二人三脚で改善をしていく運用サービスも提供し、大手から中小まで幅広い運用ノウハウがあるのが特長です高機能ながらシンプルでわかりやすい管理画面も好評。KDDIグループの傘下に入ったことで、同じグループ会社であるSupershipとのデータ連携が可能となり、精度の高いターゲティングが可能となりました。(Socket)
「KARTE」の特徴
「KARTE」は、適切な接客をする上で重要な「個客の可視化」を徹底的に追求しています。アクセス情報だけでなく、購買情報や会員情報などと紐付けたデータを人単位に蓄積、リアルタイムに分析しており、それらを元にした接客が可能です。
接客に関しては、あらかじめ設定した特定の条件に合致したユーザーにメッセージを自動配信可能なほか、特定のユーザーに手動でメッセージを送信することもできます。接客手段としては、サイト内のポップアップやチャット、LINE、SMS、メールなどを用意しており、今後もどんどん拡張していく予定です。(プレイド)
導入社数は2社合わせて1000社以上
- Socket ⇒ 243社(2014年9月~2015年8月)
- KARTE ⇒ 845社(2015年3月~2016年2月)
2社の「Web接客」ツールを導入している企業を見てみると、
- 総合通販 ⇒ ディノス・セシールのディノス部門、ベルーナ
- 通販会社 ⇒ ドクターシーラボ、アイム(ライスフォースを展開)
- メーカー系 ⇒ エドウィン、タビオ、ミズノ、アダストリア(.st)
- 小売系 ⇒ 東急ハンズ、メガネスーパー、ユナイテッドアローズ、東急モールズデベロップメント
- EC系 ⇒ ゴルフダイジェスト・オンライン、マガシーク、ケンコーコム、オーマイグラス
これは「Flipdesk」「KARTE」のどちらかを導入している企業の一部だが、2014年から間もない期間で大手企業にも導入が進んでいる。
導入サイトのジャンルは?
「Flipdesk」「KARTE」に共通するのはECサイトの利用が大きく、なかでもアパレル系のEC企業の利用が高いこと。美容系・健康食品といったジャンルのサイトが使っている率も2番目に多い。
アパレルや専門店などは、実店舗やブランドに愛着を持つロイヤルユーザーを多数抱えているため、「Web接客ツール」との相性が高い。
人材系や不動産といったサービス系のECサイトの利用が多いのも共通点。物販に限らず何かしらのやり取りが発生するサイトと「Web接客ツール」の親和性は高いと言えそうだ。
売り上げに関する数値
- Flipdesk ⇒ ツール経由の購買額は80億円以上
※Flipdeskで表示されたメッセージなどを閲覧した利用者による購買金額の累計 - KARTE ⇒ 月間の解析売上金額は150億円
※KARTEで計測した解析売り上げ金額
それぞれ算出方法・指標が異なるのでご注意を。
まとめ
「Flipdesk」「KARTE」は共にリリースから1年以上、2年未満の「Web接客」を実現するためのツール。リリースから短期間で2社は大手企業のECサイトにもツールを導入し、中小企業も含めてすでに1000社以上のECサイトへ提供している。
「Web接客」はアマゾンにはない“おもてなし”を提供することで、ECサイトの顧客満足度や購入率を高めることなどが実現できる。2016年は「接客」によって顧客満足度などを高めていくことにも注目していきたい。
オリジナル記事はこちら:あの超有名ECサイトも使う“おもてなし”ツール、活用状況から理解するWeb接客の今(2016/03/22)
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