Web資産価値を向上させる「ハブ・スポークモデル」
Web資産価値を向上させる「ハブ・スポークモデル」
“成長期”におけるWeb事業をドライブさせるために私が推奨する戦略は、「ハブ・スポークモデル」である。
ハブ・スポークモデルとは、簡潔に言えば、クラウドを最大限利用したシステムと、自社ですべて構築・管理するシステムの中間だ。クラウドのなかにWebシステムが浮かぶクラウドモデルではなく、既存のものを活かしつつ、クラウドも有効に使うような中間モデルである。昨今の動きでいえば、Web資産価値を向上させるためのシステムといえばクラウド化になるが、現実の企業環境では、なかなか進められないのが現実だ。そこで、現実的な解として提案するのがこのハブ・スポークモデルなのだ(クラウドについてはこの記事の最後に解説する)。
「ハブ・スポークモデル」は、「Webのシステムの、Web以外のシステムとの連携・連動」と「お客様への情報発信の最適化」の両方を実現できる、現時点では最適な方法だと確信している。この2つが実現できれば、Web資産価値は間違いなく向上する。
では、「ハブ・スポークモデル」の取り組み方を解説する。
まずは「スポークモデル」を作る
まずは、最初から「すべて」をクラウドに乗せるのではなく、各事業部が持つシステムを「同じ方向に向かわせる」ことから始める。その方向とは、「部門間での情報共有」である。
クラウド化することを強調する必要はない。そこを強調すれば、クラウドについてイチから説明しなければならないし、時間もかかる。この段階では、Web担当者が理解していれば良い。
そもそもWebサイトはなんのためにあるのだろうか。Webサイトは、営業・受付・広報/宣伝・サポート・カタログ・販売・コミュニケーション・ブランディングと多岐にわたる役割を、24時間365日稼働するハイパー社員のようなものである。各部署へ、このハイパー社員を活用することを“布教”していくのだ。全部門に最初から合意をもらえなくても、次のようなメリットを伝え、協力してくれる部署を探し出すのだ。
スポークモデルのメリット【その1】
情報を無駄なく使える。重要性を見きわめて必要な部分だけクラウド化し、社内システムや既存ASPは適切なものを組み合わせて使う。今までの資源も無駄なく使える。
スポークモデルのメリット【その2】
業務効率の改善につながる。情報が一元化されるので無駄な業務を省くことができる。運用コストを下げることができる。
スポークモデルのメリット【その3】
情報の活用の幅が広がる。各部門間での方向性を統一することで情報を無駄なく使える。
この段階、つまり「スポークモデル」は、下図のようなイメージだ。
この「スポークモデル」作りを繰り返すことで、少しずつ情報共有する部署を広げていくのだ。そして、少しずつ成果を上げながら、Webサイトを組み込んでいくのが「ハブ・スポークモデル」の真骨頂だ。
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