10年後の自分に向けて書く/たつをさんのブログ論(第9回)
どう引用されるかを意識しながら書くといい
いしたに このインタビューは、おもに企業のWeb担当者が読むことを想定しています。今回は、前回の「Lifehacking.jp」堀さんからご指名をいただきました、「たつをのChangeLog」のたつをさんです。
たつを どうもこんにちは!
いしたに ということで、まずはお約束で自己紹介からお願いします。
たつを 「たつをの ChangeLog」というブログをやっている、たつをと申します。よろしくお願いします。
ブログ名 | たつをのChangeLog |
---|---|
一言で言うとどんなブログ? | 主にコンピュータ技術者向けの話題(プログラミング技術、ソフト紹介、サイト紹介、書籍紹介)を提供し続ける情報サイト |
運営者略歴 | 山下達雄。1972年、名古屋市生まれ。奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科博士後期課程卒業後、2000年にIT系メーカーへ入社。2002年に博士号取得。2005年にネット関連企業へ入社。共著書に『実録 SEの履歴書』(技術評論社)がある。 |
開始年 | 1995年 |
1日のアクセス数 | 平日およそ5000PV |
RSS登録数 | 3861フィード(livedoor Reader調べ) |
いしたに たつをさんがブログを始めたのはいつごろからですか?
たつを オンライン日記とかの時代ですね。1995年です。当時はWebで日記を公開するのが狭い世界ですがすごく流行っていました。私のブログの歴史をひもとくと、1995年から2000年までが手書きHTMLによるWeb日記時代で、2000年から自作のWeb日記システム(ブログシステム)である「chalow」を使った時代になります。2004年くらいにブログが話題になったので、そのころからブログと名乗っています。
いしたに 都合14年目に突入ですね。そのときに生まれた子供も今は中学2年生ですよ、すごいなあ。
たつを あっというまです。人生の三分の一くらいはブログとともに歩んでいるのです!
いしたに それでですね、前回の堀さんからのご指名理由があるんですよ。堀さんは読者やネタを「狭く」絞り込む、ということを意図的にやっているんだそうです。文章もわりとかっちりきっちりしている。そのどちらの意味でも対局にあると思われる(笑)たつをさんの話が聞きたいということなんだそうです。
たつを なるほど。
いしたに たつをさんは自作でシステム作っているようにエンジニアなわけですけど、ブログはかなり雑食ですよね、しかも14年目。ブログ界でも屈指のログホルダーだと思うんですよ、自分ログ。
たつを なんでもありですね。ほんと日記的ですし、過去があばかれやすいです(笑)。まあ、危険なことは書かないというスタンスで昔からやっているので、危険は最小限ですが。
いしたに で、今回はそのログの意味というか、その辺の話をお聞きしたいと思っています。ログマニアのたつをさんと、ログってどういうこと? ログって何よ?? ということです。この連載を読まれている企業担当者さんのなかには、なかなかログをため込んでいる人は多くないと思うんですよ。
たつを ためるまで続かない、ってのも多いかもしれませんね。
いしたに まさにそこです。ログってたまってみないと価値見えてこない部分もあるので、ため込んでいる人に話を聞いてみたい。
たつを 自分に役に立つからメモとして溜め込んでいるってのが基本なのですが、そういう情報が自分以外にも役に立つことが多いので公開している、というのがそもそもの出発点です。
いしたに なるほど。まだ牧歌的だった頃のネットってそういう感じでしたね。
たつを 昔の自分の日記を見てると、けっこうそっけない記述が多かったりするんですよね。「自分:他人」の割合で考えると、「4:1」くらいですね。自分以外には文脈を共有できる人向けに書いてる、って感じですね。最近は、結構文脈の説明も書いてたりしてるため、一記事の分量が多くなる傾向にあります。
いしたに その共有している人というのは知り合いってことですか?
たつを はい。昔だと、大学の同じ研究室の人とか、高校の同窓生とかですね。丁寧に書くってのは、未来の自分にとってもやさしいので悪くない方針だと思います。10年前のログを見ても、自分が書いたものなのに意味がわからなかったりしますからね(笑)
いしたに それはわかります。未来で読むことを想定していないとログって貯められないんですよね。
たつを 未来の自分が想定読者、ってのがベストプラクティスですよね。
いしたに 企業担当だと未来の担当者かな。
たつを たとえば、リンクだけ貼って終わりにせず、そのリンク先のページの内容を要約して自分の記事で説明する、というのがあります。10年後にはそのURL先のページが存在していなくて、リンク先の説明がないとほんと訳がわからなかったりします。
いしたに なるほど、ブログで引用という文化はけっこう普及した気がしますけど、要約はひと手間かかりますものね。でも、やった方がいいですね。
たつを 要約っぽく引用できるといいんですよね。逆に、この部分を引用してもらいたい、って考えながら文を書くことも多いです。
いしたに うーん、さすがだ、14年分のノウハウですね。
たつを 「引用するとしたら、こう書いてあると楽だよな」と想像して自分で狙って書いた文が、はてブのコメントとしてコピペされてると嬉しいですね(笑)
いしたに してやったり、ですね(笑)
ソーシャルもやってます!