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「ウェブマスターセントラルはGoogleとウェブマスターのコミュニケーション場所」

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GoogleサーチエバンジェリストAdam Lasnik氏インタビュー

「ウェブマスターセントラルは
Googleとウェブマスターのコミュニケーション場所」

取材・文:編集部

Adam Lasnik氏
Google, Inc.サーチエバンジェリスト

編集部 Google Webmaster Centralは何のためのもの? ウェブマスターが使うメリットは?

Adam Lasnik Google Webmaster Central(以下「GWC」)の中心となる考えは、Googleとウェブマスターの間のコミュニケーションセンターです。GWCにはさまざまな情報やツールがあります。これらをうまく使えば、ウェブマスターが運営するサイトと検索エンジンとの関係に関してトラブルシューティングをしたり、Google上でのランキングを改善したりできます。もちろん、ウェブマスターからGoogleに質問などの形でフィードバックをすることも可能です。単なるサービスではなく、双方向のコミュニケーション場所と考えています。

編集部 Google SitemapsとGWCの関係は?

Adam Lasnik GWCは、最初はGoogle Sitemaps(以下「GSM」)というツールとしてスタートしました。しかし、現在GSMは、GWCのいちツールという位置づけです。GSMを「Google Webmaster Tools」のように改名することも可能だったのですが、GSMは、コミュニケーション場所であるGWCのあくまでも一部分だと我々は考えました。

編集部 GSMでSitemapsを利用すると、通常のGoogleのクロールにどんな影響がある?

Adam Lasnik Sitemapsを利用することは、Googleが2つのことを理解する意味を持ちます。1つは「Googleがまだ知らないページがどこにあるか」、もう1つは「各ページはどれぐらいの頻度で更新されるのか」です。

たとえば、自転車に関するサイトをあなたが持っているとします。多くのページはほとんど更新されないが、ニュースや商品情報を扱う一部のページは毎日更新される。Sitemapsを使えば、このページは毎日更新、このページは月に1回程度の更新、これらのページはほとんど更新されないとGoogleに伝えられます。Googleは、これらの情報を元にクロールの優先度を決めます。Googleのクロールをウェブマスターがコントロールできるのです。

編集部 Sitemapsを利用していても、通常のリンクをたどるクロールは続けられる?

Adam Lasnik そのとおり。「Sitemapsを使わなくてもクロールされるなら、なぜGSMを使わなきゃいけないのか」と思うかもしれませんが、たとえば地域名を入力したら店舗の情報が表示されるようなデータベース内のデータを元に作られたサイトがあったとします。Googleのロボットは地域名を「入力」できません。この場合、データベース内にある8000件の店舗情報をGoogleで検索されるようにしたいウェブマスターは、サイト内に8000件のリンクを並べるしかありませんが、そのページはサイトを訪れるユーザーには意味はありません。GSMを使えば、すべての店舗情報をGoogleに伝えることができますし、サイト上にリンクを置く必要もありません。

編集部 Sitemapsを更新し忘れた場合は?

Adam Lasnik それでも新しいページは問題なくクロールされます。間違ったSitemapsを提出してしまったとしても、その情報からはGoogleはページを見つけられませんが、それでも通常のリンクをたどったクロールから新しいページを見つけます。GSMは通常のクロールをコントロールできるようにする機能を追加するもので、通常のクロールには何らマイナスの影響はありません。

編集部 Sitemapsの利用は検索結果の順位に何か影響を与える?

Adam Lasnik すでに検索結果に表示されているページが検索ユーザーにとって重要かどうかの判断は変わりません。現在20位に表示されているページは、Sitemapsを使っても20位のままです。しかし、もし何らかの理由で検索結果に表示されていなかった、つまりインデックスされていなかったページがあれば、Sitemapsを使うことで検索対象に含まれます。

編集部 スクリプトを使ってSitemapsを作るのはエンジニア向けで敷居が高いが。

Adam Lasnik 確かに。でもXML Sitemapsを使えなくても、GWCは多くの情報をウェブマスターに提供できます。ページランクの高いページや外部リンクを得ているページの情報だけでなく、クロール時に出た問題の情報も得られます。GWC上の95%もの情報は無料で得られますし、理解に技術力は必要ありません。それが「Google Sitemaps」から「Google Webmaster Central」に名前を変えた理由でもあります。

実は、私自身はプログラミングができません。でも、Sitemapsは作れます。1行に1つのURLを書いただけのテキストファイルでもSitemapsとして利用できますから、メモ帳でもWordでも、URLを書き連ねていけば、だれでもSitemapsを作れるのです。また、さまざまなサードパーティのツールがあるので、それを利用すればXML形式のSitemapsを作るのは簡単です。もちろん、長期的にはエンジニアでなくても簡単にXML Sitemapsを作れるようにしていくのがGoogleの使命だとは思っています。

編集部 たとえば、Google Analyticsからボタンを押せば簡単にSitemapsが作られてGWCに登録されるような仕組みは?

Adam Lasnik いいね。Googleの中でもさまざまな仕組みを連携させる方向では動いているが、そのアイデアは今まで聞いたことがなかった。ちょっとメモしておくよ(笑)。

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