2007年3月6日の午後、僕は同僚のRebeccaと一緒に、オレゴン州ポートランドの検索エンジンマーケティング(SEM)コミュニティSEMpdxによるカンファレンスSearchFest 2007に初参加するため、車で3時間かけてシアトルからポートランドへと向かった。
ホテルには午後6時ごろに着き、主催者ら大勢とお酒を酌み交わした。また、翌朝の基調講演を行うiCrossingのJeffrey Pruitt氏(SEMPOではバイスプレジデントを務める)と会って話す機会にも恵まれた。ディナーはOba!というすばらしいスペイン料理店で、Matt McGee氏、Darcy Hill氏、Scott Orth氏、Scott Fish氏らと一緒だったが、Rebeccaがプレゼンテーションの準備をできるように早めに切り上げた。
翌日、僕たちは朝早くロビーで落ち合い、午前8時の基調講演に間に合うように出発した。Rebeccaによく眠れたかと訊くと、「目覚ましに気つかずに寝過ごしたのではと気になって、1時間ごとに目を覚ました」みたいな返事だった。ああ、初パネリストの喜びというやつだろう(笑)。
じつは、カンファレンスが開催されるWorld Forestry Center(豪華な施設だ)へ行く途中、僕たちは完全に道に迷ってしまった。運転していたRebeccaのせいにしたいのはやまやまだが、100%僕の責任だ。前日に携帯電話にダウンロードした、モバイル端末向けのGoogle Mapsアプリケーションを頼りにしていたが、途中Terwilliger Parkの中で電波を受信できなくなることは計算に入っていなかったんだ(ザ・シンプソンズのいろいろなものが、ポートランドの場所の名前にちなんで名付けられているのはうれしい。道路標識を見ているだけで、うそみたいに楽しい)。カンファレンス会場になんとか到着すると、参加者の多さに驚かされてしまった。
参加者は100~150人になるだろうと主催者側から言われていたのだが、会場には人が押し寄せていた。300人近くが集まり、なかには到着してからイベントへの支払いが可能か尋ねる人もいた。イベントの配布資料は底をついたが、食料はみんなを満足させるのに十分な量があった(仕出し屋さんによろしく伝えてほしい。SESやPubconの朝食や昼食を楽々と打ち負かすものだった)。この北西部でこんなにもたくさんの人が検索に興味をもっていることに興奮している。インターネットマーケティングの世界が私たちの地域で急速に発展していることを示す、すばらしい兆候だ。
僕のプレゼンテーション「検索マーケティングの世界からおいしい6つのご馳走」では、多岐にわたる話題を取り上げた。
- パーソナライズの衝撃。
- Wikipediaがここまで成功している理由(およびその成果を再現する方法)。
- ソーシャルメディア界でSEOへ向けられる怒り。
- ウィジェットの威力。
- リンクベイティングにおける最大の過ち。
- 「フリーミアム」(Freemium)の収益モデル。
少なくとも僕にとっては、今までで最も楽しめたプレゼンテーションの1つになったし、聴衆は驚くほど関心をもってくれた。SESやPubconとの大きな違いがもう1つ――僕のプレゼンテーションで、ただの1人も出て行かなかったんだ。僕だからこそと考えたいところだが、結局、今回は全体にどの講演者でも退場率がかなり低かったことがわかった。
そしていよいよ、お待ちかねのRebeccaのプレゼンテーションだ。
Rebeccaはマイクを持つなり最初に「この演壇のうしろに立ちます。漏らしても誰からも見えないように」と話した。そしてすぐさま「プレゼンテーションの最後に大きな拍手がもらえれば、シアトルへの帰り道は車のトランクに乗らなくてよいと、Randが話しています」と続けた。誰でも彼女が好きになってしまうはずだ。
「リンクの鏡を抜けて」(Through the Linking Glass)という洒落たタイトルがつけられたRebeccaのプレゼンテーションでは、リンク構築の基本的な戦術、価値、落とし穴などが取り上げられた。とくに小規模な会社に向けた内容で、Rebeccaは緊張気味だったけど、初めてであることを考えればよくできたと思う。回数を重ねればさらによくなると確信している。
これは僕の希望だが、SEMpdxはSEMpsdxにはならないだろうか(追加の「s」はシアトルだ)。そんな組織が、ここシアトル都市圏で秋にカンファレンスを開催するのを見てみたい。この地域で検索に携わる人の中にも、そうした集まりの重要性が確かにわかっている人がわずかながらいるし、検索マーケティングの支援を切望している企業はたくさんある。それに、ここシアトルに競合組織を立ち上げるよりは、むしろポートランドのSEMpdxの組織と力を活用し、それを大きくしたい。それが自然だし、そういう組織を支援するのなら光栄だ。SearchFestの主催者と講演者の皆さん、おめでとう。あなた方はすばらしいことを成し遂げた。
追伸:リンクベイティングを扱ったプレゼンテーション「リンクベイティングを成功させるための7ステップ」を視聴できるようにすると約束していた。カンファレンスのパンフレットでは、僕の演題として間違って掲載されている(ウェブサイトでは訂正されている)。セッションの冒頭で決を採ったところ、「ご馳走」を聴きたいという人が明らかに多かったため、そちらをプレゼンテーションした。
さらに追伸:数日のうちに、プレゼンテーションのDVDがSEMpdxから入手可能になるらしい。そのときはリンクしよう。
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