ネットショップ担当者フォーラム

採用向けSNS投稿、「やりすぎ」と感じる若手求職者は約半数。演出感の強い投稿は逆効果の傾向

5ヶ月 3 週間 ago

シスコムが10〜30歳代の若手求職者を対象に実施した就職活動時のSNS活用に関するアンケートによると、就職活動中にチェックする企業のSNSは、10~20歳代で1位がInstagram、30歳代ではYouTubeだった。投稿に関して過半数が「やりすぎ」と感じた経験があり、特に歌やダンスは過半数が「面白いと思わない」と回答している。

チェックするSNSはInstagram、YouTube

就職活動において企業のSNSアカウントをチェックするか聞いたところ、「SNSをチェックする」が55%、「SNSをチェックしない」が45%だった。チェックするSNSアカウントは、全体の1位が「Instagram」、2位が「YouTube」、3位が「X(Twitter)」で、年代別による大きな差異はなかった。

就職活動において企業のSNSアカウントをチェックするか(左)、企業のどのようなSNSアカウントをチェックするか(右:複数回答可)
就職活動において企業のSNSアカウントをチェックするか(左)、企業のどのようなSNSアカウントをチェックするか(右:複数回答可)

半数以上が「やりすぎ」「無理してる」と感じたことがある

企業のSNS投稿で「やりすぎ」「無理してる」と感じたことがあるか聞いたところ、「感じたことはない」が44%だった一方、「たまにある」は37%、「よくある」は19%だった。合計56%がSNSの投稿に関して「やりすぎ」「無理してる」と感じたことがあることがわかった。

​  企業のSNS投稿で「やりすぎ」「無理してる」と感じたことがあるか  ​
企業のSNS投稿で「やりすぎ」「無理してる」と感じたことがあるか

「やりすぎ」と感じるのは不自然に高いテンションや演出感

どのような投稿が「やりすぎ」だと感じたかを聞いたところ、最も多かったのは「社員が不自然にテンション高く演出感が強い」で256人、続いて「若者言葉を無理に使っている」が146人、「社員のプライベートを切り売りしてる感じがする」が134人、「オフィスの『オシャレアピール』がしつこい」が132人、「採用目的が見えすぎて“下心”を感じる」が82人だった。

どのような投稿が「やりすぎ」だと感じたか(複数回答可)
どのような投稿が「やりすぎ」だと感じたか(複数回答可)

社員のダンス・歌の投稿は「面白いと思わない」が過半数

社員のダンスや歌などのSNSコンテンツは話題になりやすく、取り入れる企業も多い。実際の印象を聞いたところ、「面白いと思わない」が54%(383人)、「面白いが、入社したいとは思わない」が34%(242人)で、88%にネガティブな印象を与えていることがわかった。「面白いから入社したいと思う」と回答したのは12%(83人)だった。

ダンスや歌などの面白SNSコンテンツをどう思うか
ダンスや歌などの面白SNSコンテンツをどう思うか

「面白いと思わない」と答えた回答者の意見は、「普段の業務と関係ないから」「ダンスや歌などの業種じゃない限りは、企業PRには結びつかないと思うから」などがあがった。

「面白いが入社したいとは思わない」と答えた回答者からはは、「見るだけなら面白いが自分がその一員になるのは嫌」「現場のリアルな雰囲気が伝わらないから」などがあがった。

「面白いから入社したいと思う」の意見では、「親しみやすいから」「楽しそうで人間関係も良さそうだと思えるから」などがあった。

調査結果を踏まえ、シスコムは「若手求職者は、派手さよりも“リアルな職場像”に安心感を覚え、自分の価値観と照らし合わせている。無理に盛らず、普段の雰囲気が伝わる投稿の方が企業イメージとして良い印象が残るのではないか」と考察している。

調査概要

  • 調査時期:2025年5月20~23日
  • 調査機関:シスコム
  • 調査対象:全国の男女708人(10代:227人、20代:240人、30代:241人)
  • 調査方法:インターネット調査
大嶋 喜子

ECの決済手段、最多は「クレジットカード」68%、次点で「コード決済アプリ」が27%【決済サービス利用調査】

5ヶ月 3 週間 ago

インフキュリオンが実施した「決済動向2025年調査」によると、インターネット経由での購入時の決済方法は「クレジットカード」が68%で、「コード決済」は27%だった。店舗のレジなどの対面時では「コード決済アプリ」と「クレジットカード」が拮抗している。調査は全国の16〜69歳の男女2万人を対象に実施した。

コード決済の利用率は過去最高の72%

利用している決済手段を聞いたところ、最も多かったのは「クレジットカード」で81%、続いて「コード決済アプリ」が72%、非接触のICカード型決済「FeliCa型電子マネー」が55%だった。

「コード決済アプリ」の利用率は調査を開始した2015年以降で最高値を記録。全体的にサービス利用率が増加している。

Visa、JCBといったクレジットカードの国際ブランドがついたデビットカード「ブランドデビット」の利用率は29%で、2024年調査から11ポイント増加したという。

決済サービスカテゴリ利用率推移(複数回答可)
決済サービスカテゴリ利用率推移(複数回答可)

年代別で見ると「コード決済アプリ」の利用率は10歳代で83%と突出している他、「ブランドデビット」でも10歳代と20歳代の利用率が約4割となっており、若年層での利用が浸透している。

年齢別の決済サービスカテゴリ利用率(複数回答可)
年齢別の決済サービスカテゴリ利用率(複数回答可)

決済カードや決済アプリについて、利用している個別のサービスを聞いたところ、最も多かったのは「PayPay」で56%だった。これに「楽天カード」が49%、「交通系ICカード」が36%で続いた。

利用している決済カードや決済アプリの個別サービス(複数回答可)
利用している決済カードや決済アプリの個別サービス(複数回答可)

インターネット経由の決済手段はクレカが69%、コード決済が27%

店舗のレジ(対面)でよく利用しているサービスと、インターネット経由(非対面)での購入時によく利用しているサービスについてそれぞれ聞いたところ、対面では「コード決済アプリ」が最多で57%、続いて「クレジットカードが」が55%だった。

インターネット経由の決済では「クレジットカード」が最多で68%、「コード決済アプリ」が27%だった。

対面・非対面での購入時に利用する決済サービス(複数回答可)

調査概要

  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:日本国内16~69歳男女2万人
  • 詳細調査対象:勤労状況・世帯年収・生計上の立場(扶養者・被扶養者)の3観点を組み合わせた8カテゴリに属する(調査対象者から各カテゴリ103人ずつ無作為に抽出)
  • 対象人数:824人(8カテゴリごと103人)
  • 調査期間:2025年4月4日~9日
  • 調査主体:インフキュリオン
大嶋 喜子

「AIエージェントは小売業の事業発展の中心」と位置づけるWalmartのAI開発・活用の今とこれから | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

5ヶ月 3 週間 ago
米国の大手小売りチェーンWalmartは、AI活用を進める企業の1社です。Walmartが新たに提供を始めた消費者向けAIアシスタントについて紹介します

米国小売大手のWalmartは、AIアシスタントや、ユーザーに代わり人工知能(AI)が自律的に行動し購買行動をサポートする「エージェントコマース」を開発・運用する取り組みの一環で、新たに開発したAIアシスタント「Sparky(スパーキー)」の提供を始めました。「Sparky」はオンライン上で買い物する消費者をサポートするAIアシスタント。Walmartは今後さらに「Sparky」のAI機能を高度化し、利便性の向上、顧客1人ひとりに最適な提案を実現する計画です。

Walmart発のAIアシスタント「Sparky」が顧客の買い物をサポート

AIの活用がEC業界で注目を集めるなか、Walmart(米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』によると、2025年のWalmartのEC売上高は1538億8000万ドルに達すると予測)は、開発したAIアシスタント「Sparky」の展開を強化し、消費者に広く使ってもらおうとしています。

Walmartは先日、「Sparky」のサービス提供を始め、「エージェントコマース」を推進していることをアピールしました。新たなこのAI搭載ツール「Sparky」は、顧客がオンラインで買い物をする際に商品を検索したり、異なる選択肢を比較したり、レビューをふるいにかけたりするのをサポートします。

「Sparky」の活用イメージ。さまざまな顧客のニーズに対応し自律的に行動する(画像はWalmartのニュースリリースから追加)
「Sparky」の活用イメージ。さまざまな顧客のニーズに対応し自律的に行動する(画像はWalmartのニュースリリースから追加)

Walmartが6月6日に公開したニュースリリースによると、「Sparky」は現在、全ての商品カテゴリーで利用可能。消費者はWalmartのモバイルアプリや、笑顔のアイコンのついた「Ask Sparky」ボタンからアクセスできます

WalmartのAIアシスタント「Sparky」による顧客とのチャット例。AIアシスタントにはECサイト内の「Ask Sparky」ボタンやモバイルアプリからアクセスできる (画像提供: Walmart)
WalmartのAIアシスタント「Sparky」による顧客とのチャット例。AIアシスタントにはECサイト内の「Ask Sparky」ボタンやモバイルアプリからアクセスできる (画像提供: Walmart)

「Sparky」の特長

Walmartの技術戦略および新興技術担当シニアバイスプレジデントであるデジレー・ゴスビー氏は、「多くの人が常にオンラインにつながっている現代の世界において、『Sparky』は単に質問に答えるだけでなく、信頼できるパートナーとして設計されています」と説明しています。

Walmartは、この新たな顧客向けアシスタントのAI機能について、時間をかけて、より高度なAI機能にアップグレードしていく予定です。このアップグレードには、自動再注文機能や、消費者がテキストだけでなく、画像、音声、動画でも顧客とやり取りできるマルチモーダル入力機能などが含まれます。

レビュー要約、商品比較、購入シナリオ設計まで実現

一般的なチャットボットとは異なり、「Sparky」は小売業のユースケースに特化して調整された大規模言語モデルで学習しています。Walmartによると、「Sparky」は、詳細な商品の問い合わせに対応したり、顧客レビューを要約したり、モバイルアプリ内でユーザーが商品を比較するのをサポートしたりできます。

ゴスビー氏は、「Sparky」が消費者をサポートする一例として、どのスポーツチームが試合をしているかを確認し、適切なユニフォームを見つけたり、ビーチの天気を調べて服装の提案をするといった、購入につながりやすいシナリオの設計をサポートできる――と説明しています。

「Sparky」はまた、イベントの計画やギフト選びもサポート可能で、おもちゃ、装飾品、そのほかさまざまな行事に特化したアイテムを提案することもできます。

「Sparky」は、商品に関する質問に答えたり、購入を提案するアイテムを比較したりすることで、オンラインショッピングの際に不明な点があるときの漠然としたイメージを不要にし、お客さまが自信を持ってカートに追加できるような提案をします。「Sparky」は、商品に関連する質問に即座に包括的な回答を提供し、お客さまが特定の機能を素早く理解し、商品を比較し、確かな情報に基づいた買い物の選択をするのに役立ちます。(ゴスビー氏)

「Sparky」は、Walmartが持つ既存のAIを活用したショッピングツール群に基づいて構築されています。「これには現在、商品レビューの要約、商品の説明と比較、ナビゲーションバー内のAI対応検索が含まれています」(ゴスビー氏)

WalmartのAI活用施策の変遷とめざす「AIエージェント」の高度化

販売事業者向けサポートツールの活用

Walmartは販売事業者向けにも、業務をサポートするAIツールを開発し、導入しています。2025年3月にAIツール「Wally」を発表しました。これは、Walmartの店舗やECサイトに卸売りする販売事業者に向け、商品の効率的な調達をサポートするために設計された生成AIアシスタントです。

Walmart独自のデータに基づいて構築された「Wally」がマーチャンダイジングをサポートする
Walmart独自のデータに基づいて構築された「Wally」がマーチャンダイジングをサポートする

顧客向けAIエージェントの高度化

「Sparky」の機能には、Walmartが昨今強化している、ユーザーに代わり自律的にAIが行動する「AIエージェント」への投資拡大も反映しています。「Sparky」は、コンテンツの生成にとどまらず、ユーザーに代わって商品の選定や決済取引の完了といったタスクを実行します。

Walmartの最高技術責任者であるハリ・ヴァスデフ氏によると、AIエージェント領域におけるWalmartの従前の取り組みは、社内向けのツールと顧客向けのモバイルアプリを主な焦点としていました。

しかし、「Sparky」の登場により、Walmartが手がけるAIエージェントはより高度な顧客向けのコミュニケーション機能に進化しています。Walmartは、「Sparky」をマルチモーダルエージェントへと進化させ、日用品の自動再注文、サービスの予約、消費者の好みに基づいてパーソナライズした提案など、より複雑なタスクを処理できるようにする計画です。

ゴスビー氏は「最終的に、『Sparky』は利用者の日ごろの煩雑なタスクを解決し、もっと時間を割きたい大切なことのための時間を確保してくれるでしょう」と予測しています。

たとえば、「Sparky」への「夕食のメニューはどうしよう?」という漠然とした問いが、家族全員が満足する1週間分の献立の提案につながり、その材料は自動で買い物カートに追加されるようになります。「この水漏れしている蛇口をどう直したらいい?」という問いには、「Sparky」により、必要な工具を当日配送で注文できる旨の段階的なガイダンスがされるようになるでしょう。

「Sparky」は単なる機能ではありません。AIエージェントを深化する次のステップへの基盤となるものです。Walmartが描くショッピングの未来への道筋を加速させる「Sparky」は、小売業に革命をもたらすだけでなく、お客さまに提供する新たなカスタマーエクスペリエンスへの道を開いています。(ゴスビー氏)

消費者によるAI活用の拡大と、AIへの「信頼」の壁

Walmartはいまや、AIエージェントの活用を探るリテール企業やテクノロジー企業に仲間入りしています。たとえば、2025年4月にはAmazonが「Buy for Me」という機能を試作し始めました。これは、消費者がAmazonアプリから直接、他のブランドの商品を買えるようにするものです。

Amazonが手がける「Buy for Me」の活用イメージ(画像はAmazonのニュースリリースから追加)
Amazonが手がける「Buy for Me」の活用イメージ(画像はAmazonのニュースリリースから追加)

Walmartは、6月初旬に発行したレポート「Retail Rewired 2025」(エージェント型AIが小売業界に与えている変化を分析し、今後の方向性を示す内容のレポート)で、AIのなかで特に「AIエージェント」を小売業の「次の事業発展の中心」と位置づけ、「目には見えないが、上質な購入体験に不可欠なもの」と表現しています。

このレポートによると、現在、消費者の27%がインフルエンサーによる商品の提案よりもAIによるレコメンデーションを信頼しており、多くの人が価格の比較、価格下落の通知、過去の自身の好みに基づく選択肢の絞り込みにすでにAIを利用しています。

しかし、AIへの依存度が高まっているにもかかわらず、消費者はAIを活用するタイミングや利用方法に関しては、まだ慎重です。検索の仕方は依然として従来のスタイルが主流となっており、調査回答者の46%は、デジタルアシスタントやAIエージェントに買い物の全てを任せることについて「やや抵抗がある、または非常に抵抗がある」と答えています。

Walmartの調査結果によると、消費者は日用品のようなリスクが低いアイテムの購入にはデジタルアシスタントを使うことに抵抗がないようです。しかし、家具のような高額な商品や、食品のように個人的なこだわりが強い商品となると、AIに任せることへの信頼には壁があり、抵抗感があるようです。(「Retail Rewired 2025」より)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

Aiロボティクスの新ヘアケアブランド「Straine」にタレントの山下智久さんが就任

5ヶ月 3 週間 ago

生ビタミンC配合美容液などの化粧品D2Cブランド「Yunth(ユンス)」などを展開するAiロボティクスは、新ヘアケアブランド「Straine(ストレイン)」のブランドアンバサダーにタレントの山下智久さんを起用したと発表した。6月18日に新CM動画を公開、テレビCMとして7月から放送する。

「Straine」はストレートシルクケア成分を独自配合したヘアケアブランド。髪の内部構造に着目した「トリプルストレート処方」を採用した。縮毛補修発想で髪の内側の構造に着目し、ストレートシルクケア成分を独自配合した。まっすぐまとまる髪のために科学的に研究し導きだした3つの処方を採用。髪の構造を深く理解したアプローチで髪質を再整し、潤いを保ちながら、滑らかな指通りを実現する。9種の必須アミノ酸と7種のケラチンを配合し、髪内部を補修しながら、理想の“シルクストレート質感”へと導くという。

6月19日から全国のバラエティストア(ロフト、ハンズ、ショップインなど)で先行発売し、7月1日から全国のドラッグストアで販売。今後ECモール(楽天市場、Amazon)での展開する。本体・詰め替え用のほか、お試し1回分の発売も予定しているという。

山下智久さんを起用したCMは「ストレート星からの使者」篇、乱れ髪がストレートに変身する「ビフォーアフター」篇の2篇を「YouTube」で公開。そのほかCMのメイキング&インタビュー動画も公開している。

Aiロボティクスの新ヘアケアブランド「Straine」にタレントの山下智久さんが就任
「ストレート星からの使者」篇のカット
Aiロボティクスの新ヘアケアブランド「Straine」にタレントの山下智久さんが就任
「ビフォーアフター」篇のカット
鳥栖 剛

2029年に売上2200億円、営業利益400億円、時価総額1兆円をめざすAiロボティクスの戦略

5ヶ月 3 週間 ago

生ビタミンC配合美容液などの化粧品D2Cブランド「Yunth(ユンス)」などを展開するAiロボティクスは、2029年3月期に売上2200億円、営業利益400億円、当期純利益280億円、時価総額1兆円をめざす方針を掲げている。

2025年3月期の売上高は前期比101.2%増の142億600万円、営業利益は97.3%増の24億8000万円た。2029年3月期まで売上高・営業利益ともに毎期2倍の成長を目標とする。

2029年3月期まで売上高・営業利益ともに毎期2倍の成長をめざす(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

達成に向けた具体的な動きとして、「M&A戦略」「新規ブランドの創出」「既存ブランドの拡大」に取り組む。

「M&A戦略」「新規ブランドの創出」「既存ブランドの拡大」に取り組む(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

新規ブランドの創出

  • 複数ブランドをローンチ
  • D2Cブランド事業の展開を加速

既存ブランドの拡大

  • 新商品を連続的に投入し、新たな需要を換気
  • 海外(中国など)展開

M&A戦略

  • D2Cブランドの多角化
  • マーケティングの強化

新規ブランド創出・既存ブランド拡大

「新規ブランドの創出」「既存ブランドの拡大」では今後も、再現性高くヒット商品を市場へ連続的に投入し、新たな需要を喚起することをめざす。新規ブランドは1年に1つずつ創出。売り上げの層を厚くする。

新規ブランドは2025年6月にヘアケアブランドを投入したほか、今後はライフスタイルブランド、食品ブランドにも着手する予定。

毎年1ブランド新規ブランドを投入する考え(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

海外展開は中国、台湾、東南アジアなど海外地域での事業展開を通じて、既存ブランドのさらなる拡大を図る。2025年3月期の海外売上比率は2.7%、2029年3月期の海外売上比率を20.0%まで高める。

2029年に海外売上比率を20%まで高める(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

M&A

M&A戦略はブランド強化とマーケティング強化の2軸で進める。ブランド強化のためのM&Aとして、「売上高40億円以上」「今後EC販売での成長余地を残す」「ブランドとして特定分野で一定のシェア」がある企業をターゲットとする。 マーケティング強化のためのM&Aはコア技術であるマーケティングシステムの制度のさらなる強化を図る。ターゲットは「AIシステムの強化」「マーケティングチャネルの拡大」「優秀なエンジニア人材の確保」と設定した。

ブランド強化とマーケティング強化の2軸でM&A戦略を進める(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

「ネクストエンジン」のNEが株式上場へ。HameeがNEを切り離しスピンオフさせる理由とは?

5ヶ月 3 週間 ago

Hameeは6月13日、グループ会社で「ネクストエンジン」などを展開するNEをスピンオフ・上場すると発表した。Hamee株主に対して、NEの株式を現物配当で交付する。上場は11月を予定している。

「ネクストエンジン」のNEが株式上場へ。HameeがNEを切り離しスピンオフさせる理由とは?
「ネクストエンジン」などを展開するNEをスピンオフする(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

スピンオフ・上場の理由について、「経営スピードと事業効率の最大化」「プラットフォーム事業に対する適正な評価の確保」「成長戦略の自由度の拡大」の3点をあげている。

経営スピードと事業効率の最大化

Hameeによると、コマース事業とプラットフォーム事業という質の違う2つの事業成長を最大限に担保するため、意思決定プロセス単純化、労働環境、給与水準などをそれぞれの事業に合わせる必要があると判断したという。

現組織体制では全体最適が優先されるため、課題の根本的な解決が困難となっている。これが非効率化につながっているとし、スピンオフでHameeとNEが適正な制度と迅速な意思決定を採用することで、事業成長速度と資源効率の向上が期待できるとしている。

プラットフォーム事業に対する適正な評価の確保

Hameeに対する市場からの評価は、ECや卸販売の売上比率の高さからコマース企業の側面が強調されているという。

これにより、プラットフォーム事業に対してSaaS企業としての市場評価が適切に反映されず、株主価値を最大限に発揮できていないと考えている。スピンオフにより、HameeとNEが適切な評価を得ることを可能にするとしている。

成長戦略の自由度の拡大

成長戦略を描く際に全体最適を過度に意識した場合、取り得る選択肢の自由度が担保されず、成長戦略の実現に影響が生じる可能性があると指摘。スピンオフによってHameeとNEの事業特性に合った柔軟な戦略オプションを選択することが可能となると説明した。

NEは11月に上場予定

スピンオフまでのスケジュールは、7月28日のHameeの株主総会でスピンオフ議案の議案を決議。議案の承認が得られた場合、11月4日にNEをスピンオフを実行、株式を上場する予定だ。

上場した場合、NEは2026年4月期第3四半期からHameeの連結から外れる。

「ネクストエンジン」のNEが株式上場へ。HameeがNEを切り離しスピンオフさせる理由とは?
NEは11月に上場予定(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

えっ、厳しい環境下で売上・利益が2倍増のAiロボティクス、大きな成長を遂げた理由は?

5ヶ月 3 週間 ago

生ビタミンC配合美容液などの化粧品D2Cブランド「Yunth(ユンス)」などを展開するAiロボティクスの業績が好調だ。主力商品を中心に販売を伸ばしており、2025年3月期の売上・利益は前期比で約2倍と大躍進している。

厳しい環境下で売上・利益が2倍増のAiロボティクス、大きな成長を遂げた理由は?
2025年3月期の売上・利益は前期比約2倍の大躍進(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2025年3月期の売上高は前期比101.2%増の142億600万円、営業利益は97.3%増の24億8000万円、経常利益は同96.3%増の24億2200万円、当期純利益は同106.4%増の17億300万円。売上増加に伴う粗利の増加が大幅増益に寄与した。

厳しい環境下で売上・利益が2倍増のAiロボティクス、大きな成長を遂げた理由は?
売上増加に伴う粗利の増加が大幅増益に寄与した(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

主力ブランドである「Yunth」は7つの新商品を投入しラインナップを拡大。「Yunth」ブランドのの「生VC美白美容液」は、楽天ベストコスメ総合大賞第1位を獲得した。

「Yunth」ブランドのその他商品も各方面の賞を受賞するなど、堅調に推移。2024年2月から開始した美容家電ブランドの「Brighte」は、「ELEKI BRUSH」がAmazonや「楽天市場」のランキングで1位を獲得するなど、好調に販売数を伸ばした。2025年3月からは同ブランドに新たにヘアドライヤー「SHOWER DRYER」を追加し商品ラインナップを拡充している。

販路別の売上構成費は、自社ECとECモールで88.7%。店頭卸は11.3%。ブランド別売上構成比は「Yunth」が65.4%、「Brighte」が33.4%、「その他」が1.2%となっている。

厳しい環境下で売上・利益が2倍増のAiロボティクス、大きな成長を遂げた理由は?
EC販路が売上高の約9割を占める(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

「Yunth」の定期会員数は過去最高を更新し、前期末比33.6%増の13万7319人となった。利益コントロールのために新規獲得数は抑制したものの、継続率の向上で定期会員数は増加したという。

厳しい環境下で売上・利益が2倍増のAiロボティクス、大きな成長を遂げた理由は?
会員数は前期末比33.6%増の13万7319人(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

店頭卸は取り扱い店舗数が増加。バラエティストアなどの国内総店舗数に対しての配荷率は30.9%、ドラッグストアは49.2%となった。

厳しい環境下で売上・利益が2倍増のAiロボティクス、大きな成長を遂げた理由は?
ドラッグストアの配荷率は約半数まで達成(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2026年3月期の業績予測は、売上高が前期比97.1%増の280億円、営業利益は同93.5%増の48億円、経常利益は同97.1%増の47億7500万円、当期純利益は同95.5%増の33億3000万円としている。そのほか指標として「Yunth」の定期会員数は同25.3%増の17万2000人とした。

鳥栖 剛

ECのネット決済代行サービス市場、2025年度は14.4%の7793億円の見込み。2029年度までに1.2兆円まで拡大する見通し

5ヶ月 3 週間 ago

デロイト トーマツ ミック経済研究所が発刊した「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望2025年版」によると、2024年度のネット決済代行サービス市場は前年度比14.2%増の6812億円だった。

「PayPay」などID決済の利用拡大、クレジットカード情報の保護を目的とした国際的なセキュリティ基準「PCI DSS」への対応・維持に関する業務負荷低減ニーズから決済業務のアウトソース化が促進され、2桁成長となったと分析している。

コロナ禍で停滞していた旅行や交通チケット、イベントチケットといった取り扱いの増加、コロナ禍でECを使い始めた新たな利用者層の定着、巣ごもり消費で急増したデジタルコンテンツの堅調な伸びなども寄与しているという。

2025年度も、安定して伸びている物販やデジタルコンテンツの他に、不動産や教育費用など非物販系のサービスにおけるオンライン決済シーンの拡大が続いているため、市場全体は高い伸びが続くと予想。上位の有力企業が牽引する形で2桁の伸びが予想され、2025年度の市場規模は前年度比14.4%増の7793億円になると予測した。

2025年度から2029年度まで平均成長率13.6%で推移し、2029年度には1兆2904億円の市場規模になると予測している。

ECのネット決済代行サービス市場、2025年度は14.4%の7793億円の見込み。2029年度までに1.2兆円まで拡大する見通し
2029年度までの年成長率は13.6%増と予測

決済手段別の構成比は、クレジットカードが約7割、コンビニ決済は約2割を占め、市場の伸びを牽引しているとした。また「後払い」決済市場は、購入者と事業者両者の認知度が高まり成長が続く。BtoBの掛け払いも注目度が高まるとしている。

鳥栖 剛

【TikTok Shop Japan責任者の登壇決定!】ファンケルのLTV向上策、アンドエスティのマケプレ戦略、楽天のAI最前線なども聞けるセミナーイベント【6/26-27<無料>】

5ヶ月 4 週間 ago

EC業界の専門紙「日本ネット経済新聞」を発行する日本流通産業新聞社は6月26日(木)tと27日(金)の2日間、媒体初の大型オンラインセミナーイベント「Commerce NEXT by 日本ネット経済新聞」を開催する。

キーノート(基調講演)にはファンケル、アンドエスティ、楽天、サントリーウエルネスのキーマンが登壇する。

さらにアーカイブ配信(7月2〜18日)にTikTok Shop Japan ゼネラルマネージャー 執行役員 邱開洲氏の登壇が決定。日本でスタートする「TikTok Shop」について、日本事業の責任者にサービスの魅力や展望、海外事例などを詳しく聞く。

TikTok Shop Japan ゼネラルマネージャーも登場

キーノート以外にも多彩なスペシャリストセッションを用意した。EC業界の最注目課題である「AI活用」「LTV改善」「CX向上」「セキュリティ」などの知恵やノウハウを紹介する。

セミナーは専用スタジオで収録した、番組風のリッチな動画を配信する。

▼詳細・申し込みはこちらから▼
→ https://commercenext.jp/

6月26日(木)のセッション

キーノート(基調講演)

  • 「コマース領域におけるAI活用の最前線と未来 〜楽天が描く顧客体験の進化〜」
    講師:楽天グループ 常務執行役員 小林悠輔氏
  • 「他社とつながり成長加速へ 「and ST」の描く”共創戦略”」
    講師:アンドエスティ 取締役CTO 櫻井裕也氏

スペシャリストセッション

  • 「AIが導くECビジネスの新時代 最新トレンドと事例から学ぶ成功戦略」
    講師:ecbeing 上席執行役員 斉藤淳氏
  • 「不安定な時代でもEC売上は伸ばせる〜売上120%増加したShopifyとKOMOJU導入企業『生活の木』の今とこれから〜」
    講師:DEGICA Account Executive 加藤洋平氏、生活の木 マーケティング本部 デピュティーゼネラルマネージャー 中村佳央氏
  • 「EC年商10億円を超えた20社の共通点とは?〜CVR・F2転換率など16指標の実データ公開〜」
    講師:W2 執行役員 セールス&マーケティング本部 本部長 鴨下文哉氏
  • 「大手企業が続々導入!マーケットプレイスの魅力と将来性を訊く」
    講師:Mirakl 代表取締役社長 佐藤恭平氏

▼詳細・申し込みはこちらから▼
→ https://commercenext.jp/

6月27日(金)のセッション

キーノート(基調講演)

  • 「LTVアップを実現!変動する市場環境における通販ビジネスの新常識」
    講師:ファンケル 上席執行役員 通販営業本部 本部長 村岡健吾氏
  • 「シニア世代こそデジタルでつながれる!健康行動習慣化アプリ『Comado』が1年半で想定以上のDLを実現した舞台裏とは?」
    講師:サントリーウエルネス サービス推進部長 磯田純氏

スペシャリストセッション

  • 「オルビス、ワークマン、LOWYA、KAMOなどの最新事例紹介!〜視聴体験をワンタグでSNSライクに〜」
    講師:visumo 代表取締役社長 井上純氏
  • 「3Dセキュア義務化とEC不正対策:ロクシタンジャポン、スプリング・ジャパンの成功事例に学ぶ」
    講師:Forter Ltd 日本担当カントリーマネージャー 野田陽介氏、ロクシタンジャポン 情報システム部 ディレクター 吉田諭史氏、スプリング・ジャパン セールス・マーケティング部 部長  徐智瀚氏
  • 「【ECサイトの不正対策完全ガイド】不正対策の最前線と新ガイドラインに沿った実務対策」
    講師:かっこ O-PLUX事業部 ディビジョンマネージャー 小野瀬まい氏
  • 「売れる企画を作るためには『1人のお客様』に着目せよ! CVR1.4倍を達成した定性分析の手法を徹底解説」
    講師:ビービット オムニセグメント事業部 部長 生田啓氏

▼詳細・申し込みはこちらから▼
→ https://commercenext.jp/

アーカイブ配信(7月2~18日)のセッション

  • 「スタート前から注目度急上昇!「TikTok Shop」の全貌に迫る」
    TikTok Shop Japan ゼネラルマネージャー 執行役員 邱開洲氏

聴講申込者に3大特典

  1. 「ネット通販売上ランキングTOP200」データ進呈
    ※スペシャリストセッションの聴講&アンケート回答が条件
  2. EC市場データブック「EC白書(抜粋版)」進呈
    ※全体アンケート回答者にデータ提供
  3. 期日までの登録でアーカイブ視聴可能
    ※アーカイブ視聴は7月18日(金)まで

▼詳細・申し込みはこちらから▼
→ https://commercenext.jp/

6/26+27開催の「Commerce NEXT by 日本ネット経済新聞」
6/26+27開催の「Commerce NEXT by 日本ネット経済新聞」

開催概要

  • イベント名:「Commerce NEXT by 日本ネット経済新聞」
  • 会期:2025年6月26日(木)11:00~15:00、27日(金)11:00~15:00
  • 視聴方法:オンライン配信(EventHubで配信)
  • 主催:株式会社日本ネット経済新聞「日本ネット経済新聞」
  • 参加費:無料(事前登録制)
  • 詳細・申込:https://commercenext.jp/
ネットショップ担当者フォーラム編集部

佐川急便、スマホで海外発送に必要なインボイス対応の送り状を購入店舗で作成できるサービスを開始

5ヶ月 4 週間 ago

佐川急便は6月16日、商品を購入した店舗から直接海外に発送する際に使用する送り状発行で新たな運用サービスを開始したと発表した。

運用開始の第1号として、5月からアルペンが運営するスポーツ用品店「AlpenTOKYO」への提供を開始している。

佐川急便、スマホで海外発送に必要なインボイス対応の送り状を購入店舗で作成できるサービスを開始

新しい送り状発行の運用は、訪日観光客のスマートフォンで専用の二次元コードを読み取ると、所定のフォームが表示される。そこに荷物の送り先となる住所を入力し、送り先情報を含んだ二次元コードを発行。そのコードと商品を店舗カウンターへ持参、店舗スタッフに提示し、スタッフが処理することで、インボイス対応済みの送料が表示され、発送に必要な送り状が発行される。

訪日観光客はスマートフォンを使用して、言語や文字に制限されることなく海外発送に必要なインボイス対応の送り状を作成できるようになる。

また、購入品を持ち歩く必要がなくなるため、手荷物預かり所を捜す行為やコインロッカーの不足、観光地や公共交通機関での混雑などにストレスを感じる必要もなくなると見ている。加えて、販売店舗スタッフの送り状発行作業も軽減され、店舗運営の効率化にもつながると見込む。

宮本和弥

クレカ決済承認率の改善、約7割のEC事業者が「重要な課題」と認識。年商が高い事業者ほど重視する傾向

5ヶ月 4 週間 ago

YTGATEがEC事業者を対象に実施したクレジットカードの決済承認率(オーソリ承認率)の認知度に関する調査によると、年商100億円以上の大手企業を中心に、約76%のEC事業者が決済承認率の改善に意欲があると回答し、7割以上が改善について「重要な課題」と認識していることなどがわかった。

6割以上が「詳しく知らなかった」

クレジットカード決済承認率という言葉の認知について聞いたところ、「言葉を知っており、意味も理解していた」が37.5%で、6割以上が「言葉を知らなかった」または「意味を理解していない」と答えた。

クレジットカード決済承認率の認知
クレジットカード決済承認率の認知

EC事業者の年商規模別に決済承認率の認知度について見ると、年商100億円以上の企業では「内容までよく知っている」が約30%と高く、年商10億円未満では 「知らない」割合が高くなっている。

決済承認率の認知度(年商規模別)
決済承認率の認知度(年商規模別)

全体の約76.5%が改善ニーズを察知

クレジットカード決済承認率(オーソリ承認率)の把握・ニーズについての考えを聞いたところ、最も多かったのは「ある程度ニーズがある」で51.5%、続いて「非常にニーズがある」が25.0%で、合計すると約76.5%が承認率改善のニーズを感じていることがわかった。

クレジットカード決済承認率のニーズに対する考え
クレジットカード決済承認率のニーズに対する考え

年商規模別に決済承認率向上のニーズを見ると、年商100億円以上の企業では、約75%が承認率改善の必要性を感じており、大手企業を中心に課題意識が高い傾向がある。

クレジットカード決済承認率のニーズに対する考え(年商規模別)
クレジットカード決済承認率のニーズに対する考え(年商規模別)

7割が決済承認率の改善を「重要な課題」と認識

クレジットカード決済承認率を把握・改善することはどの程度重要な課題だと考えているかを聞いたところ、「非常に重要な課題」が24.6%、「やや重要な課題」が45.9%で、合計すると全体の約7割が決済承認率を把握・改善することを「重要な課題」と認識していることがわかった。

クレジットカード決済承認率の改善はどの程度重要か
クレジットカード決済承認率の改善はどの程度重要か

EC決済の課題は「不正利用の増加」「エラーや認証遅延」など

勤務先の自社ECサイトの決済に関して課題に感じていることを聞いたところ、次のような回答があがった。

  • 不正利用の増加、クレジットカードの利用限度額の超過、カード情報の誤入力。本来の顧客決済が拒否され、売上機会の損失につながることを強く懸念している
  • 多様な事案によるエラーや、認証遅延などの問題が生じ、クライアントの感情が爆発する局面が増加する傾向
  • 決済手段が多様化しており、特にキャッシュレス化の波は避けられない。主要取引先に対して提案などを進めている

調査概要

  • 調査期間:2025年5月26日~27日
  • 調査機関:マクロミル
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の20~70代のオンライン事業者309人
大嶋 喜子

アイリスオーヤマ、初の赤ちゃん用紙おむつを自社ECで販売。ヘルスケア売上高400億円に向けてベビー用品を拡充

5ヶ月 4 週間 ago

アイリスオーヤマは、赤ちゃん用の紙おむつの本格生産に着手し、6月16日から自社ECサイト「アイリスプラザ」で予約販売を始めた。赤ちゃん用の紙おむつを起点に、今後はベビー用品など衛生用品のラインアップを拡充。子育て家庭との接点を広げ、製品・サービスの提供機会を創出する。

アイリスオーヤマは新製品の赤ちゃん用紙おむつ「あんしんGenki!パンツ」の本格生産を開始

新製品のおむつの名称は「あんしんGenki!パンツ」。開発には、アイリスオーヤマがこれまでにマスク、ウェットティッシュ、ペットシーツなどで培ってきた不織布の知見を活用している。

シルキーエンボス製法によって不織布の表面の盛り上がりを大きくすることで柔らかい肌触りにし、肌への負担を軽減する。ムレを防ぎ、肌を快適に保つために全面通気シートを採用している。

「あんしんGenki!パンツ」製品イメージ

アイリスオーヤマが実施した子育て家庭向けの調査結果によると、毎月の子育て費用は平均で約2万円、そのうちおむつ代が約2割を占めているという。良質な紙おむつを手頃な価格で提供することで、子育て家庭の経済的負担軽減をめざす。

「あんしんGenki!パンツ」の製品仕様

アイリスオーヤマは、2030年にヘルスケア事業全体で売上高約400億円をめざしている。今後も生活者の暮らしに密着した商品開発に取り組む。

衛生用品のラインアップ拡充を図り、2030年までにヘルスケア事業の売上高400億円をめざす(アイリスグループの発表資料から追加)
衛生用品のラインアップ拡充を図り、2030年までにヘルスケア事業の売上高400億円をめざす(アイリスグループの発表資料から追加)
大嶋 喜子

「楽天市場」でのLINE活用は"穴場"。クーポンを活用して公式アカウントの友だち増加+見込み客にリーチしていく | 『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』ダイジェスト

5ヶ月 4 週間 ago
『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(竹内謙礼/清水将平 著 技術評論社 刊)ダイジェスト(第5回)

『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』の一部を抜粋して紹介する連載5回目は、「LINEやクーポンの活用法」についてのお話です。

「楽天市場」を攻略するポイントをまとめた過去記事は、以下をクリックしてください。

楽天市場とLINEの組み合わせが「最強」の理由

LINEの開封率はメルマガの6倍、クリック率で20倍

時流に乗って登場したLINEは、明らかにメルマガよりも分があるといえる。2024年6月に総務省情報通信政策研究所が公表した「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、スマホ/携帯の所有者のうち、LINEの利用率は全年代で94.9%と、多くの人がコミュニケーションツールとして活用していることが伺える。年代別でも、LINEの利用率はほかのSNSよりも高く、10~50代では9割以上の人が利用している状況である。一方、メルマガを読んでいるユーザーがLINEの利用者よりも圧倒的に少ないのは明らかである。

楽天市場 最強攻略ガイド LINEの利用率はほかのSNSより高い
LINEの利用率はほかのSNSより高い
【令和5年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率
(総務省「令和 5 年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より)

また、楽天市場のネットショップがメルマガを利用する場合、スパムメール扱いを防ぐためにさまざまな利用制限がかけられているのも、メルマガを販促ツールとして利用する際の懸念材料の1つといえる。たとえば、店舗が無料で配信きるメルマガは週に1回のみで、それ以上の回数を配信する場合は1通1円のコストが発生する。

さらに、無料でメルマガを送付できるお客は、6ヶ月以内にメールに対して反応した人や、3ヶ月以内にメルマガの購読を希望した人などの制限がかけられている。このように、見込み客への十分なアプローチができない状態での利用が余儀なくされているのだ。

対して、楽天市場でのLINE(R-SNS)は、月額3,000円の利用料に加えて、LINEの固定費やメッセージ配信料がかかるものの、メルマガよりも多くのお客にリーチすることができる

メッセージの開封率も桁違いだ。ネット上で公開されている調査結果によると、メルマガに比べてLINEは6倍の開封率があり、クリック率は20倍に達するという。2024年からは、RMS内でもLINEの運用、分析ができるようになり、同年12月から友だちではないユーザーにも商品購入時・商品発送時にメッセージを1通4円で自動配信できる「LINE通知メッセージ」の申し込みも開始された。今後、楽天市場がLINEの運用に力を入れていくのは明らかである。

楽天市場 最強攻略ガイド LINE通知メッセージ
LINE通知メッセージ

まだまだネットショップのLINE活用は“穴場”

販促ツールとして優れているLINEだが、楽天市場のネットショップでもこの魅力に気づいているのはごく一部に限られる。

EC マスターズクラブのホームページで公開している「楽天ショップ LINE公式アカウント友だち数ランキング」によると、楽天市場の約55,000店舗のうち、LINEを利用しているのは8,500店舗、全体の約15%しかいない(2025年2月現在)。広告の運用に依存している楽天市場の店舗にとって、LINEはまだまだ未知のものであり、十分に伸びしろがある販促ツールといえる。

楽天市場 最強攻略ガイド 楽天ショップLINE公式アカウント友だち数ランキング
楽天ショップLINE公式アカウント友だち数ランキング(https://ranking.ec-masters.net/line/rakuten/)

クーポンを使ってLINE公式アカウントの友だちを増やす

楽天市場のLINEの運用ノウハウは2種類ある。

1つは「友だちの増やし方」である。LINEの友だちを増やすことができなければ、メッセージを読んでくれる人を増やすことができないので、売上につなげることができない。だからといって、LINEの友だちが自然に増えてくれるのを待っているだけでは、いつまで経っても売上を伸ばすことはできない。

もう1つのノウハウは「メッセージの作り方と送り方」である。お客に訴求するメッセージと配信方法をマスターしなければ、お客に効率よく商品を購入してもらうことは難しい。メッセージが同じでも、メルマガとLINEでは見せ方も送付方法も異なることは理解しておいたほうがいいだろう。

この2つのLINEの使い方の“キモ”を押さえることができれば、楽天市場でリピート客を一気に増やすことができる。重要な施策になるので、1つ1つ解説していきたい。

1つ目の「友だちの増やし方」で最も有効なのは、商品ページのファーストビューに

LINEの友だちになってくれたら〇〇円クーポンをプレゼント

というバナーを貼り、アクセスしてきたお客にLINEに登録してもらう手法である。クーポンとLINEを組み合わせた手法が友だちを増やす最も有効な手段であり、メッセージの開封率の高いお客を増やす戦略といえる。

PCの場合でも、パソコンの画面にクーポンを配布することを告知して、QRコードからスマホに誘導してLINEに登録させるのも、友だちを増やす効果的な一手といえる。

楽天市場 最強攻略ガイド クーポンのプレゼントでLINEの友だちを増やす
クーポンのプレゼントでLINEの友だちを増やす

LINEでクーポンを配布するには

LINEによるクーポンの配布方法はシンプルである。LINEに登録した際にあいさつメッセージでクーポンを付与するだけなので、特に手間がかかるものではない。LINEの運用に慣れていない人でも、ネット上に詳細のノウハウが公開されているので、LINEの基本的な運用方法はすぐにマスターすることができる。

「友だちになってもらうだけでクーポンを発行するのはもったいない」

そう思うかもしれないが、そもそも「商品を買う」というのは、意識が固まるまで時間がかかるものである。よほど必要に迫られている商品や、低価格の商品であれば、ページにたどりついたとたんすぐに購入するかもしれない。しかし、ほとんどの商品は、商品ページにたどりつくものの、買うか買わないか悩んだ末に、「買わない」という選択をして、しばらくの期間は、たまに商品ページを見に来たり、お気に入りに入れて何度も商品を確認したりして、時間をかけながら購入に至るのが、多くの人の消費行動といえる。

そのような背景を考えると、仮に見込み客が商品ページにやってきて、「この商品が欲しい」と思ってもらったとしても、何もアクションを起こさずにページから離脱されることが、最も大きな機会損失になることがわかる。そのような事態を防ぐためにも、LINEの友だち登録でクーポンがもらえることをフックにして、「とりあえず、クーポンだけでももらっておこう」と見込み客として囲い込むことができれば、その後はLINEでメッセージを通じて購入のタイミングを売り手側から作ることが可能になる。

この手法のほうが、無駄な広告費を使うよりも圧倒的に見込み客にリーチしやすく、クーポンとLINEの組み合わせでお客の囲い込みも確実にできる。

この記事は『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(技術評論社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

【3名さまにプレゼント】『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』

『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』を3名さまにプレゼントします
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楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~

楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~

竹内謙礼 /清水将平 著
技術評論社 刊
価格 2,400円+税

「楽天市場に出店したいけど、売れるかどうか不安だ」「楽天市場にお店を出したけど、思うように売れない」「何年も楽天市場に出店しているけど、売上が少しずつ落ちている」といった悩み・課題を解消するプロの知識・ノウハウを解説。EC運営初心者、ベテラン運営者も新たな発見につながる一冊となっている。

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竹内 謙礼
清水将平

ニッスイ、「健康・美容」「持続可能性」「顧客体験の変革」をテーマに事業共創パートナー企業を募集

5ヶ月 4 週間 ago

ニッスイは6月16日、中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」(2025~27年度)で掲げる「新規事業・事業境界領域の開拓」に向け、食の可能性を引き出し新しい価値を共創することを目的に、パートナー企業および事業アイデアを募集するプログラム「Nissui Open Innovation 2025」を開始した。「健康・美容」「持続可能性」「顧客体験の変革」の3つをテーマに、6月16日から7月31日の期間に募集する。

「Nissui Open Innovation 2025」の募集テーマは次の通り。

  • 健康:新たなウェルネスソリューションの開発
  • 美容:食の可能性を引き出し、内側から輝く美しさを
  • 持続可能性:地球や海の持続可能性のための循環型フードイノベーション
  • 顧客体験の変革:手にする前から食べた後まで価値が続く体験の共創

各テーマの例の一部にはパーソナライズやサブスク定期便サービスといったD2C・ECのノウハウを求めるものも含まれている。

健康:新たなウェルネスソリューションの開発

  • 食を楽しみながら健康作りができるアプリ・サービス開発
  • パーソナライズされた目的別ヘルスケア製品・サービス開発
  • 水産物の栄養を子ども・高齢者の健康に生かすための新たな製品開発
  • 魚由来の機能性成分を生かした健康サポートの提案

美容:食の可能性を引き出し、内側から輝く美しさを

  • 美容・ウェルネス関心層向けのブランド構築とデジタルマーケティング支援
  • 美容特化型商品・サービスの開発
  • “食べて整える美容体験”のデザインサービスの開発
  • ヘルスケア・フィットネスと連動した定期配送型プログラムの設計・開発

持続可能性:地球や海の持続可能性のための循環型フードイノベーション

  • 農業や水産業で発生する副産物や未利用資源を活用した収益性のあるビジネスの創出
  • 植物性素材による代替たんぱくなどを応用した新たな食材の開発
  • 環境負荷を低減するサステナブルな包装素材の開発
  • 水産資源の持続的利用や、付加価値向上のための技術開発

顧客体験の変革:手にする前から食べた後まで価値が続く体験の共創

  • 顧客体験を向上させる、手にした瞬間から開封して食べた後の余韻までの体験を共有したくなるサービス・アイデア
  • 温度管理が不要になる革新的保存技術・アイデア
  • データ連動型のパーソナライズ機能性食品をサブスク定期便で届けるサービス
  • 高齢者施設や保育施設への定期配達と健康支援や食育連動サービス
◇◇◇

募集スケジュールは6月16日にエントリー開始、7月31日に最終応募締切。採択企業の決定は10月10日とし、12月末から概念実証計画の確定・実施開始を予定している。

応募資格は「法人登記されていること(企業規模は問わない)「プロダクトや技術を保有していること」の2つ。

募集はeiicon(エイコン)が運営するオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」を活用する。

鳥栖 剛

【日本郵便の運送許可取り消し処分】EC・通販物流への影響は? 近距離輸送の約2500台、5年間停止の波紋 | 通販新聞ダイジェスト

5ヶ月 4 週間 ago
日本郵便の点呼問題により、国土交通省は事業許可取消しの処分案を通知。これによる通販物流のひっ迫が懸念される。具体的な処分内容と、その影響とは

国土交通省は6月5日までに、日本郵便が郵便局において配達員の点呼業務を実施しないまま配達業務を行った事案を受けて、一般貨物自動車運送事業の許可を取り消す方針を固め、処分案を通知した。対象となるのは日本郵便が保有する約2500台のトラックやワンボックスカーで、これらの車両についてはゆうパックや一部ダイレクトメール(DM)などの集荷・運送業務を行っており、今後、通販を含めた物流インフラが大きく低下することが懸念されている。

原因と処分の見通し

現状、日本郵便では自動二輪をメインに、軽トラックを約3万2000台、トラック(1t車、2t車など)やワンボックスカー約2500台で運送業務を行っている。今回、事業許可の取り消しの範囲に該当するのは一般貨物運送を行うトラック・ワンボックスカー約2500台で、ゆうパックや一部DMなどの運送を行っている。事業取り消しが行われた場合、今後5年間は許可を再取得することができなくなる

国交省によると、各郵便局での不正点呼問題を受けて、関東運輸局で支局ごとに所管地域にある複数の郵便局への監査を実施。そこでは配達員の点呼が適切に行われていなかった事実や、未実施にもかかわらず点呼を行ったとする虚偽の申請などが多数確認された。

その後、同省で処分基準に照らし合わせたところ、事業許可の取り消し処分に該当することとなった。今後はこれを受けて、6月18日に日本郵便に対する聴聞会を開催し、その上で処分内容が最終決定されるという。

郵便局ごとに車両使用停止

また、軽貨物事業を行う軽トラックに関しても点呼の不備の疑いがあることを日本郵便から報告を受けているため、今後の監査の対象になるが、軽貨物事業に関しては許可制ではなく届け出制となっており、処分内容としては車両使用停止になることが予想される。一般貨物運送のような全国一律の事業停止処分ではなく、郵便局ごとの処分となり、違反行為の認定、その数の積み上げで使用停止が決まる。

同省の物流・自動車局安全政策課によると「記憶にある限りこれだけの規模の処分はなかった。本来であればしっかりとやるべき大企業が全国的に違反行為を行っているということは今までなかっただろう」とした。

日本郵便の対応

今回の処分について日本郵便は6月5日、「郵便・物流事業という社会的インフラを担っている運送事業者として、その存立にも関わる重大な事案であると受け止めております。本日、国土交通省より日本郵便あてに、点呼未実施事案を受けた行政処分が課されることに関する聴聞の告知がありました。事業許可取消という厳しい行政処分であり、日本郵便としては、極めて深刻な事態だと受け止めております」とコメント。その上で、今後予定されている行政処分の内容や顧客への影響などを精査し、物流の代替手段も含めた今後の具体的な対応について検討していくとした。

その翌日は改めて、ゆうパックなどの配送サービスを継続することを表明。「一部報道やSNS上において、『郵便物が配送できない』、『弊社がゆうパック廃止を検討している』などの情報がございますが、そのようなことは一切ございません。郵便物および荷物(ゆうパックなど)のサービスは、引き続き提供してまいります。そして、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることのないようあらゆる手段を講じ、お預かりした大切な郵便物や荷物をしっかりとお届けしてまいります」とした。

なお、今回の事業許可取り消しで、通販も含めた国内の物流への影響が懸念されているが、同省では「我々としては(日本郵便が)事業をする上では当然安全を守ってくださいということ。今回、違反行為があった部分に関してはこれまでの処分基準に基づいて処分する。一方で物流サービスを維持していくことが重要であることは我々も考えている。一時的にはまず日本郵便にしっかりと体制を考えてもらうが、我々として協力できるところは最大限協力する」(物流・自動車局安全政策課)とした。

各配送協会の反応

許可取り消しに配送事業者が加盟する全日本トラック協会は、「飲酒も点呼もせず、記録の偽装もしていた。組織的に常態化していたのは悪質で、運べなくなるから困るという問題ではない」とコメントした。

軽バンを利用した配送事業者を主な加盟社とする全国軽貨物協会は、「日本郵便社内の調査により多くの深刻な問題があった。国交省の指導が発端となったことは事実だが、短期間での調査実施、情報を隠蔽せず行政判断に委ねた姿勢は、同社の監査が機能し始めていることの表れ。業界全体、社会にとって意義がある」としている。

車両許可取消しによる通販物流への影響

外部委託増加による配送遅延、コスト増、品質に懸念

日本郵便は、「ゆうパック」について、「運べなくなることはない。サービス品質も変わらない」とする。だが、近距離輸送を担う車両が許可取消しになれば、少なくとも5年間は使えない。配送遅延、コスト増、品質低下の懸念がある。外部委託の増加に伴う競争環境など業界の構図も変わる

近距離輸送を担う約2500台車両の許可取消しが危ぶまれる日本郵便
近距離輸送を担う約2500台車両の許可取消しが危ぶまれる日本郵便

企業が発送する「ゆうパック」は、集荷依頼と持ち込みに分かれる。拠点間の近距離輸送は、日本郵便の許可車両約2500台が担う。「集荷依頼の企業は影響が避けられない」(通販企業)

子会社の日本郵便輸送は日本郵便とは別に許可車両約2600台を持つ。主に幹線輸送を担っていた。日本郵便は対応策として、①子会社に配送・集荷を委託、②子会社から外部の物流事業者への委託先増加――などの選択肢を検討する。

拠点間の近距離輸送を担う約2500台が事業許可取り消しとなった場合の配達の影響
拠点間の近距離輸送を担う約2500台が事業許可取り消しとなった場合の配達の影響

外部への委託は、1車両に効率よく積載できれば効率化が進む。一方で車両数の増加など委託先の対応能力により、「物流ひっ迫の加速が懸念される」、「運送のコストが高まる懸念がある」、「適切な管理下で代替車両の確保は困難だろう。とくに物量が増える中元シーズンと重なるため、深刻な配送遅延の可能性もある」との見方がある。業務体制の再編成、教育など、現状のサービス品質を維持できるかは微妙だ。

物流効率化法による効率アップに期待

通販企業にも影響するのが、昨年、改正された物流効率化法だ。荷主・物流事業者すべてを対象に、効率のよい積載、待機時間の低減など物流効率化の取り組みを行うことを努力義務で規定。貨物重量が9トンを超える荷主・物流事業者は、責任者の配置、定期報告が義務づけられ、努力義務の実施が不十分な場合、社名公表を伴う勧告・命令を受ける。日本郵便問題を受けて、「この義務がじわじわと効いて効率化するのでは」(物流関連団体関係者)との見方もある。

車両停止は段階的な措置となるか

顧客への配送面の大きな懸念は、これを担う約3万2000台の届出車両、原付バイクへの対応だ。

届出車両の監査は、端緒を得て各運輸局が行う。ここ数年、郵便局が処分を受けたことはない。順次、監査を行い、営業所単位で段階的に車両停止の措置がとられる可能性がある

処分基準(初違反、1車両あたりの停止日数)は、飲酒運転で「100日」、過積載は「10~30日」、点呼や業務の記録違反で「警告~60日」など。違反行為の積み重ねで停止日数が決まる。

ただ、各営業所単位の車両停止は、半分以下にとどめる決まり。完全に機能が止まることはない。監査も「運輸局の監査体制から、半年から1年前後要するのでは」(行政関係者)という。

「国交省も影響は考えている。処分にあたり予告的に準備を指示しているはずだ」(物流業界関係者)。短期的に物流のひっ迫、コスト増が懸念されるが、長期的には外部委託の増加で競争による価格変動が起こるかもしれない

原付バイクによる物流への影響は軽微

原付バイクは、許可・届出車両を規制する貨物自動車運送事業法の対象外だが、道路交通法の規制は受ける。道交法は、事業所の点呼、記録保存が義務化されており、義務違反は罰金。とはいえ、「現時点で郵便物やゆうメールに大きな影響はでないのでは」との声が複数のメーリングサービス事業者から聞かれた。

「クロネコゆうメール」、「クロネコゆうパケット」の配送を委託するヤマト運輸は、「こちらで集荷して、自社の車両で郵便局に届けている。配達は原付バイクで行っているため影響はでない」としている。日本郵便からの協力要請がある場合は、「物流の維持、混乱が生じないようできる限り対応したい」とする。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

「セブンネットショッピング」とDNPグループの「honto」が連携、コンビニでの書籍受け取り

5ヶ月 4 週間 ago

大日本印刷株式会社(DNP)はセブンネットショッピングと協業し、9月1日からDNPグループが運営するハイブリッド型総合書店「honto」と「セブンネットショッピング」のサービス連携を開始する。

2025年度内に「honto」と「セブンネットショッピング」を連携、書籍通販サービスがシームレスに利用できるようにする。「honto」の各商品ページに「セブンネットショッピング」への遷移ボタンを設置、利用者はそこで本を注文し、全国の「セブン-イレブン」約2万2000店舗で受け取れるようにする。

これまで提供していた「書店受け取り」に加え、「コンビニ受け取り」も選択可能にすることで、書店のない地域も含め、多くの利用者の利便性を向上させるという。

「セブンネットショッピング」とDNPグループの「honto」が連携、コンビニでの書籍受け取り
honto.jp商品ページでの連携イメージ

一般社団法人日本動画協会と共同で「東京アニメセンター」を運営するなど、多様なコンテンツ事業を行うDNPグループと、限定のエンタメ商品やグッズ、特典施策などを展開し、全国の「セブン‐イレブン」で受け取れるセブンネットショッピングの双方の強みを掛け合わせて、エンターテインメント領域の各種企画の共同開発、両サービス限定販売の書籍の展開、コンビニエンスストアを生かした生活者と本の接点の創出などを進める。また、コンビニ向けの流通網を活用した効率的な出版物流も検討していくという。

鳥栖 剛

LINEヤフーの商品販売事業者向け「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」、成果報酬型→無料化へ

5ヶ月 4 週間 ago

LINEヤフーは6月13日、商品を販売する事業者向けにこれまで成果報酬型(CPA課金)で提供していた「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」を無料化したと発表した。

無料化は、事業者が「Yahoo!検索」を利用するユーザーに対して、商品を訴求できる機会をさらに拡大するためと説明。この変更で、掲載商品数を増加し、より多くの商品を検索結果上で比較できるようにし、ユーザーの検索体験向上をめざすとしている。

LINEヤフーの商品販売事業者向け「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」、成果報酬型→無料化へ
成果報酬型だった課金形態から無料提供へ変更

LINEヤフーはこれまで、ユーザーが「Yahoo!検索」で商品名や商品の型番などを検索した際、検索結果に表示されるコマース検索モジュール(「Yahoo!検索」の検索結果上で、「○○(商品名やカテゴリ名)のオススメランキング」などと表示されている商品情報が一覧化されている掲載枠)に商品情報を掲載できるサービスとして「商品情報掲載」を2023年12月から提供してきた。

「商品情報掲載」により、ユーザーは検索結果上で、ブランド公式ECサイトやECモールを横断して商品を比較できるようになっている。また、検索結果から直接商品詳細ページや購入ページに遷移できるため、事業者は商品購入導線を強化できる。

なお、「検索連動型ショッピング広告(SSA)」を利用するには「商品情報掲載」への掲載が必要。「検索連動型ショッピング広告(SSA)」には、引き続き広告料金が発生する。

鳥栖 剛

「楽天市場」に日本各地の人気グルメを販売する「楽天マート 楽天市場店」が出店

5ヶ月 4 週間 ago

倉庫型ネットスーパーを展開する楽天マートは6月16日、「楽天市場」に日本各地の人気グルメを販売する店舗「楽天マート 楽天市場店」を出店したと発表した。

楽天マートは「楽天市場」に出店
楽天マートは「楽天市場」に出店

楽天マートが運営する倉庫型ネットスーパー「楽天マート」は、全国のテレビ局が厳選した人気のご当地グルメを販売する売場「産直ふるさと食品街」を展開している。「楽天マート 楽天市場店」では、この「産直ふるさと食品街」で展開している商品を取り扱う。「楽天マート」の配達対象エリアだけではなく、全国の「楽天市場」ユーザーに提供する機会を創出するという。

具体的には、「産直ふるさと食品街」で人気のご当地グルメのセットに加えて、各地域で人気の肉類、魚介類、スイーツなど40商品を販売する。取扱商品は今後も拡充を予定している。

鳥栖 剛

日本郵便、ネット上の“郵便受け”デジタルメッセージサービス「MyPost」を2026年3月に終了へ

5ヶ月 4 週間 ago

日本郵便は、デジタルメッセージサービス「MyPost(マイポスト)」を2026年3月で終了する。

日本郵便、ネット上の“郵便受け”デジタルメッセージサービス「MyPost」を2026年3月に終了へ
「MyPost」では企業や官公庁からのレターを受け取ることができる

「MyPost」は日本郵便が2016年から展開している「インターネット上の郵便受け」で、エンドユーザーが会員登録し、官公庁や企業の差出人が会員本人とメッセージをやり取りすることができるクラウドサービス。

会員は自身が選択した差出人からのメッセージのみを受け取り、クラウド上で長期保管できた。サービス開始時には会津若松市や関西電力、ビックカメラ、三井住友信託銀行などが差出人として名を連ねていた。

鳥栖 剛

LINEヤフー、法人向け「LINE通知メッセージ」を大幅刷新。発送関連、注文完了のお知らせなど拡充+新API提供+新料金まとめ

5ヶ月 4 週間 ago

LINEヤフーは6月16日に「LINE通知メッセージ」をリニューアル、法人向けに新たな機能や料金プランなどの提供を開始した。

「LINE通知メッセージ」は、荷物の配送予定や公共料金の案内などを企業の「LINE公式アカウント」から送信できるサービス。企業が保有する電話番号とLINEに登録されているユーザーの電話番号をマッチングすることで、友だち追加されていないユーザーにもメッセージを配信できる。LINEヤフーの審査を通過している「LINE公式アカウント」(認証済アカウント)に限定するなど、一定の条件を満たした企業のみが利用可能。

「LINE通知メッセージ」のリニューアルの詳細は次の通り。

1. 利用用途の拡大

「LINE通知メッセージ」経由で配信できるメッセージはこれまで22種類に規定していたが、約70種類へ拡大。新たに発送関連や会員登録完了、注文完了のお知らせなどの通知ができるようになった。今後もユーザー・企業双方のニーズを踏まえながら、随時拡大予定としている。

LINEヤフー、法人向け「LINE通知メッセージ」を大幅刷新。発送関連、注文完了のお知らせなど拡充+新API提供+新料金まとめ
送信できるメッセージの種類を大幅拡充

2. 新APIの提供

審査やフォーマット作成の工数削減を実現し、スピーディーに導入が可能になったという。

現行APIの場合、メッセージのフォーマット(テキストやレイアウト)を各企業で作成し、個々にUXの審査が必要だった。新APIではLINEヤフー規定のテンプレートを用途別に用意し、UX審査なしで簡単にメッセージを作成できるようにした。

LINEヤフー、法人向け「LINE通知メッセージ」を大幅刷新。発送関連、注文完了のお知らせなど拡充+新API提供+新料金まとめ
テンプレートを用意し導入時のUX審査が不要に

用途に適したテンプレートを選択した上で、項目に沿って情報を登録するだけでメッセージを作成できる。サービス導入までの時間が最大15営業日短縮されるとしている。

LINEヤフー、法人向け「LINE通知メッセージ」を大幅刷新。発送関連、注文完了のお知らせなど拡充+新API提供+新料金まとめ
新APIでは利用開始までの時間を短縮した

3. 料金プランの変更

予算の変動が少なく、導入を検討しやすい料金プランに変更した。企業の予算や目的に応じた3種類の新しいプランの提供を開始。予算変動が少ない月額固定の料金プランにリニューアルした。料金プランは次の3種。

  • エッセンシャルプラン(月10万通まで):月額50万円
  • パフォーマンスプラン(月100万通まで):月額200万円
  • アンリミテッドプラン(月1000万通まで):月額1000万円

規定の通数を超えた場合、追加メッセージとして、各プランごとに設定された従量課金が適用される。現在「LINE通知メッセージ」を利用している企業には、新プランの検討・移行期間(約1年)を設ける。

LINEヤフー、法人向け「LINE通知メッセージ」を大幅刷新。発送関連、注文完了のお知らせなど拡充+新API提供+新料金まとめ
新料金プランは月額50万円から
鳥栖 剛
確認済み
8 分 27 秒 ago
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