バーチャレクス・コンサルティング株式会社
~バーチャレクスが毎年実施する「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」2025年版の第二弾結果公開~
バーチャレクスグループのバーチャレクス・コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:丸山勇人、以下、バーチャレクス)はこの度、
「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」 を実施し、前回の
第一弾 に引き続き第二弾の結果を取りまとめました。
■今回の分析テーマ
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カスタマーサクセスの必要性に対する意識の変化 -
カスタマーサクセス効果の感じ方 -
カスタマーサクセス取り組み有無別直近一年間の業況変化 -
カスタマーサクセス取り組み前後での業況変化
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カスタマーサクセスの必要性に対する意識の変化
今回の調査で
「カスタマーサクセスについて知っている」 と回答した中の
1,031人 に対して、
直近一年間におけるカスタマーサクセスの必要性に対する意識の変化 を聞いたところ、
66.9% が
「必要性を感じるようになった」 と答え、全体的にその意識が高まっていることが分かりました
。 特に、実際に
自社でカスタマーサクセスに取り組んでいる企業 では
75.7% と、実施企業においてはより強くその効果が実感されている状況です。
図1:[2025年] カスタマーサクセスの必要性に対する直近1年間の意識の変化(カスタマーサクセスについて知っている人)
図2:[2025年] カスタマーサクセスの必要性に対する直近1年間の意識の変化(自社でカスタマーサクセスにつ取り組んでいる人)
一方、
経営層/役員以上 においては、
70.3% が
必要性を感じる と回答するものの、慎重な視点から
「どちらとも言えない」 や
「必要性を感じなくなった」 と答える割合も一定見られ、ROIや全社戦略との整合性が求められることが示唆されます。
図3:[2025年] カスタマーサクセスの必要性に対する直近1年間の意識の変化(自社でカスタマーサクセスに取り組んでいる経営層/役員職以上)
また、
サブスクリプション型(サブスク)商材を取り扱っている 層では、
約8割 が
「必要性を感じるようになった」 と回答しており、サブスクビジネスの収益構造と密接に関連していることが明らかになりました。サブスク商材の
取り扱いがない層 でも
約半数近く は
必要性を感じ ており、
サブスクビジネス以外 でもリピート購入や顧客満足度向上などの目的で、
カスタマーサクセス的アプローチの有用性を感じる 企業が一定数存在していることを示唆しています。同時に
「どちらとも言えない」 と答えた人も
4割以上 を占め、カスタマーサクセスの必要性について明確に判断できていないケースもあるようですが、継続課金が前提でないビジネス形態では、解約防止やLTV向上といったカスタマーサクセスの価値がまだ顕在化しにくい可能性があります。しかしいずれの層においても、
「必要性を感じなくなった」 と回答した人は1割以下にとどまっており、カスタマーサクセス自体をまったく不要と考える人は少ないことがわかります。
図4:[2025年] カスタマーサクセスの必要性に対する直近1年間の意識の変化(サブスクリプション型商材取り扱い有無別)
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その他の<カスタマーサクセスの必要性に対する意識の変化>データおよび分析は以下よりご覧いただけます
・ 業種別
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カスタマーサクセス効果の感じ方
以下のグラフは、
2021年から2025年 にかけて、
カスタマーサクセスに取り組んでいる 企業がその
効果をどの程度感じているか を年ごとに比較したものです。全体としては
「効果を感じている」 と答える割合が2021年から
やや上昇傾向 にあり、
過半数を超える水準で推移 している一方、年によって上下が見られます。2021年から2022年は「効果を感じている」が大きく伸び、カスタマーサクセス導入・推進の初期効果を実感した企業が増えた可能性があります。2022年から2023年は一度やや減少した後、2024年には再び伸長し、DX推進やサブスクビジネス拡大など外部環境の後押しもあったことが推察されます。今年は2024年よりやや減少しているものの、依然として2021年より高い水準を維持しています。
「どちらとも言えない」 と答えた人は全期間を通じて
3割前後で推移 しており、成果を十分に把握しきれていない、あるいは評価が定まらない企業も一定数存在することが考えられます。一方、
「効果を感じていない」 層は
1割強 ほどで大きな変動はなく、成果を実感できていない企業は少数ながら一定割合で存在していると言えます。総じて、
長期的にはカスタマーサクセスの導入・推進による効果を感じる 企業が緩やかに
増えている 一方、導入後の運用や評価体制、あるいは事業との親和性によっては
成果が頭打ち になるケースもあると推察されます。
図5:[2021年-2025年] カスタマーサクセス効果の感じ方(経年比較)
次にカスタマ―サクセス
取り組み期間別 で経年比較してみると、取り組み期間
1年未満 の層で
「効果を感じている」 人の割合が昨年より4.8ポイント増の
59.6% 、また
1年以上2年未満 の層では3.2ポイント増の
70.1% とすべての層において近年で最も高い数値となりました。これにより、
取り組み期間が短くても効果を感じている層が増えている 結果が浮き彫りになっています。この背景としては、導入初期から効果測定に取り組む企業が増えてきたことや、ツールやノウハウの整備が進み、早期に成果を実感しやすい環境が整ってきたことが考えられます。加えて、サブスクビジネスの拡大やDX推進などの外部要因も相まって、導入初年度から顧客継続率や満足度向上などの形でカスタマーサクセスの価値が可視化されやすくなっている可能性があります。一方で、取り組み期間にかかわらず、
「どちらとも言えない」 と回答する層が全体の一定割合を占めていることが見受けられます。短期間での導入の場合、まだ具体的な成果が定量的に把握しにくく、評価が固まらないためこの傾向が現れる一方、長期間取り組んでいる企業でも、カスタマーサクセスの効果は多面的かつ時間をかけて現れるため、明確な評価に至らない部分が残ると考えられます。
図6:[2021年 - 2025年] カスタマ―サクセス効果の感じ方(取り組み期間別、経年比較)
同じく効果の感じ方を
カスタマ―サクセス担当者人数別 で見てみると、
1~2人 の少人数体制では
半数強 が
「効果を感じている」 と回答しているのに対し、
3~5人 、
6~10人 と人数が増えるにつれ、その割合は
徐々に上昇 し、
16人以上 では
8割 を超える企業が
効果を実感 しているという結果になりました。担当人数が多いほど、顧客データの分析や施策実行、フォローアップなどをより専門的・継続的に行いやすく、成果が顕在化しやすいと推測されます。また、
1~2人 の体制では
32.6% が
「どちらとも言えない」 、
15.8% が
「感じていない」 と答えており、リソース不足や担当者への負荷集中、評価指標の整備不足などが原因で、明確な成果を把握できずにいる企業が少人数体制ほど多いことが推察されます。しかし担当者が1~2人であっても、半数が効果を感じている点に注目すると、リソースが限られていても、正しいKPI設定や優先度を絞った施策を行えば、
一定の成果を得られる可能性がある とも言えるでしょう。
外部パートナーの活用 や
他部署との連携 などを通じてサポート体制を整えることが重要かもしれません。
図7:[2025年] カスタマーサクセス効果の感じ方(担当人数別)
さらに、
サブスクリプション型商材取り扱い有無別 で見てみると、サブスク商材を
取り扱っている企業 でカスタマーサクセスの
効果を感じている 人は
64.2% 、
効果を感じていない 人は
10.9% という結果となりました。一方で
取り扱いがない企業 では効果を体感している層が
39.8% にとどまり、
「どちらとも言えない」 層が
42.0% と、最も大きなボリュームを占めています。また
「効果を感じていない」 と答えた人も
18.2% と、サブスク企業よりも多くなる結果となりました。これはカスタマーサクセスの価値がはっきり可視化されていない企業が多いことを示しているのかもしれません。
サブスク企業 の方が圧倒的に
カスタマーサクセスの効果を実感 しやすく、ビジネスモデル上の親和性が高いことがうかがえます。一方、
非サブスク 企業でも
約4割 が効果を感じていることから、顧客との継続的な関係構築を重視すれば、
カスタマーサクセスの導入価値は十分に見込める と考えられます。
図8:[2025年] カスタマーサクセス効果の感じ方(サブスクリプション型商材取り扱い有無別)
続いて、
AI導入・活用状況別 で
カスタマーサクセス効果の感じ方 を見ていきます。
「大部分でAIを活用している」 層では、実に
74.5% が
「カスタマーサクセスの効果を感じている」 と回答し、
「感じていない」 は
1割弱 にとどまっています。また、
「一部の顧客対応でAIを活用している」 層でも
59.4% が
「効果を感じている」 と回答し、一定の成果が得られている様子がうかがえます。AI活用が進んでいる企業では、データ分析や顧客対応の自動化による効率化がダイレクトに成果へ結びつきやすいと考えられます。一方、
AI未活用 の企業では、
「効果を感じていない」「どちらとも言えない」 層が多く、カスタマーサクセス×AIの具体的メリットが十分に伝わっていない可能性が考えられます。
図9:[2025年] カスタマーサクセス効果の感じ方(AI導入・活用状況別)
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その他の<カスタマーサクセス効果の感じ方>データおよび分析は以下よりご覧いただけます
・ サブスクリプション型商材取り扱い有無別、経年比較
・ 業種別
・ 提供オンラインサービス種類別
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カスタマーサクセス取り組み有無別直近一年間の業況変化
カスタマーサクセスに取り組んでいる、取り組んでいないそれぞれの層に対し、直近一年の
新規顧客数 および
新規売上 の
推移 について尋ねてみると、
カスタマーサクセスに取り組んでいる層 はいずれも
「増加した/上がった」 と回答した人が
6割 を上回り、カスタマーサクセス
がビジネス成長に寄与 している可能性が高いと考えられる結果となりました。一方で、
取り組んでいない層 の
約半数 は、新規顧客数も新規売上数も
「変わらない」 という結果になり、安定はしているものの、
大きな成長を実感できていない ことが推察されます。
図10:[2025年] 直近一年間の新規顧客数推移(カスタマーサクセス取り組み有無別)
図11:[2025年] 直近一年間の新規売上推移(カスタマーサクセス取り組み有無別)
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その他の<カスタマーサクセス取り組み有無別直近一年間の業況変化>データおよび分析は以下よりご覧いただけます
・ 継続売上推移(カスタマーサクセス取り組み有無別)
・
新規顧客数推移(カスタマーサクセス取り組み有無×サブスクリプション型取り扱い有無別)
・
新規売上推移(カスタマーサクセス取り組み有無×サブスクリプション型取り扱い有無別)
・
継続売上推移(カスタマーサクセス取り組み有無×サブスクリプション型取り扱い有無別)
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カスタマーサクセス取り組み前後での業況変化
カスタマーサクセスに取り組んでいる 層に対して
「カスタマーサクセスに取り組む前と後」 での
売上高 および
利益率 の変化を聞いたところ、
売上高 については
58.4% 、
利益率 については
52.3% の人が
「向上した」 と回答しました。一方で、
3割前後 の企業が
「変化を感じない」 、
約1割弱 が
「低下した」 と答えており、カスタマーサクセスの導入が必ずしも短期的な成果につながるわけではないことも示唆されます。導入初期コストや施策の定着不足などにより、思うような効果を得られない企業が一定数あるのかもしれません。
図12:[2025年] カスタマーサクセスに取り組む前と後での売上高変化(カスタマ―サクセス取り組み企業)
図13:[2025年] カスタマーサクセスに取り組む前と後での利益率変化(カスタマ―サクセス取り組み企業)
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その他の<カスタマーサクセス取り組み前後での業況変化>データおよび分析は以下よりご覧いただけます
・ カスタマーサクセスに取り組む前と後での継続率変化(カスタマーサクセス取り組み企業)
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カスタマーサクセス×サブスクリプション戦略が企業成長を実現
今回の分析の結果、
カスタマーサクセスに取り組んでいる 企業では、
新規顧客数 、
新規売上 、
継続売上 の各指標で、導入前後の
効果が明確 に現れていることが分かりました。特に、
サブスクリプション型 商材を取り扱う企業においては、企業の成長に直結する
成果をもたらしている ことが際立っています。カスタマーサクセス取り組み企業全体では、
売上 や
利益率 、
継続率の向上 が実感され、既存顧客との関係強化やアップセル施策が、業績の拡大に大きく寄与していると推察されます。一方で、
カスタマーサクセスの取り組みを行っていない 企業では、各指標ともに
「変わらない」 との回答が多く、
成長の実感が限定的 であることが示唆されます。さらに、サブスク商材を取り扱う企業は、カスタマーサクセスの必要性が収益に直結するため、積極的な導入が求められる一方、非サブスク企業では継続課金モデルが存在しないことから、カスタマーサクセス施策の具体的効果が把握しにくく、必要性の認識が分かれやすい傾向があることも明らかとなりました。
なお、今回の調査で得られたデータは膨大であるため、本調査の分析結果は複数回にわたって公開していきます。各回では、カスタマーサクセスの導入状況や成果、成功要因、今後の展望などをテーマごとに掘り下げ、日本企業におけるカスタマーサクセスの実態と動向を詳しく分析します。
バーチャレクスではカスタマーサクセスに取り組むにあたってのお悩み・課題をお持ちの企業様向けに、
カスタマーサクセス導入や運用をサポートする様々なサービス を提供しています。
- ワークショップ(経営者様向け/社員様向け等、カスタマーサクセスについての理解促進をサポート)
- コンサルティングサービス(ショット/スポット型でのレビューや戦略立案等)
- テクノロジーサービス(ツールやデータプラットフォームの導入/構築や利活用支援)
- オペレーションサービス(カスタマーサクセスプロセス伴走支援)
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カスタマ―サクセスビギナー向け無料入門ガイド
第二弾調査結果詳細 本調査結果の詳細な分析結果全文はこちら
【調査実施概要】
「2025年カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」
・調査方法 :インターネットアンケート
・調査実施期間:2025年2月21日~2025年2月26日
・対象地域 :全国
・対象者 :20歳から 65歳の有職者(契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、個人事業主・フリーランス、専業主婦・主夫、家事手伝い、学生を除く)64,138人
過去の調査結果はこちら 2019年~2024年の調査結果をご覧いただけます
<参考>
バーチャレクス社翻訳カスタマーサクセス担当者のためのバイブル
『カスタマーサクセス ―サブスクリプション時代に 求められる「顧客の成功」10の原則―』
カスタマーサクセスの法則や用語を紹介
カスタマーサクセスのいろはがわかるサイト
カスタマーサクセスで顧客接点の未来を創る by Virtualex Consulting
(すべて生成AIで制作したコンセプトムービー)
VIDEO
■ バーチャレクス・コンサルティング株式会社 について
バーチャレクス・コンサルティングは創業来「企業と顧客の接点領域」にフォーカスしたビジネスを展開しており、「顧客の成功こそが自社成長の鍵である」というカスタマーサクセスの考え方にもとづき、"Succession with You" ― 一度きりの成功の「Success」ではなく、連続する成功という意味の「Succession」を、「for You」ではなく、伴走するという意味で「with You」していくことを企業として掲げています。現在では顧客企業のCRM領域のDX・デジタルシフトを、コンサルティング、テクノロジー、オペレーションのコアスキルを融合させ、ワンストップ伴走型でサービスを展開しています。
■ バーチャレクスグループ について
バーチャレクスグループは、各社約1,000名の従業員が一体となり、金融・保険、IT・情報通信、通販・インターネットサービス、教育、官公庁・自治体など、幅広い業界のクライアント様に対して、それぞれの専門知識を活かしたサービスを提供しております。2016年6月には東京証券取引所マザーズ市場(現:グロース市場)に上場しています。
■ 本リリースに関するお問い合わせについて
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