高校1年生が遭遇したネットトラブル、最多は? 授業で扱うことが多いのは「ネットいじめ」【総務省調べ】

フィルタリングを認知している高校生1年生は約8割だが、半数は利用せず。

総務省は、「2020年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」を発表した。

総務省では、インターネット上の危険・脅威に対応する能力を測る指標「ILAS」(Internet Literacy Assessment indicator for Students)を策定し、3つの能力を測るテストを、2012年度より実施している。高等学校1年生が対象で、2020年度は74校・12,499名に、テストとアンケートを実施した。

【ILASで計測できる3つの能力】

  • 違法有害情報リスク:違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力
  • 不適正利用リスク:適切にコミュニケーションができる能力
  • プライバシー・セキュリティリスク:プライバシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力

ネット・リテラシー能力テスト、正答率が大きく上昇

まず、能力テストにおいて、2020年度ILASの全体正答率は72.0%(前年度68.7%)。ここ数年大きな変動がなかったが、2020年度はかなりの上昇を見せ、ここ5年間でも最高を記録した。項目別に見てもすべての項目で正答率が上昇している。

2020年度ILASの結果

細目で見ると、最も正答率が高かったのが、過大消費や歩きスマホなどの「不適切利用リスク」81.5%だったが、最も正答率が低いのも、同じ項目に属するネット売買などの「不適正取引リスク」61.9%だった。ただし「不適正取引リスク」は前年の57.1%から大きく正答率が上昇しており、注目度は高いと思われる。「セキュリティリスク」も同様に上昇が大きい。

ILASのここ数年の結果動向

なお男女別では、男性70.1%、女性74.0%と、例年通り女性のほうが高い。学校所在地別では、政令市(特別区を含む)が、中核市・その他と比較して高かった。

SNS利用についてルールを設けている学校は6割超

「インターネットの接続機器」としては「スマートフォン」を保有する高校生が98.8%にまで達している。その他危機では、「タブレットPC」が2019年度の21.6%から31.7%と今回急増していた。「パソコン」や「ゲーム機」はここ数年低調だ。また「インターネットの接続機器のうち、実際に利用する機器」は、ほぼスマホ一択となる。

「インターネットリスクに関する学校での学習」については、74.8%が「通常授業」を、52.3%が「外部の講師等による特別授業」を受けており、内容では「ネットいじめ」87.6%、「個人情報・プライバシー」86.1%、「ネット依存」83.2%が上位だった。SNS利用についてルールを設けている学校は60.3%と半数を超えた。

「遭遇したことがあるトラブル」については、「トラブルに遭ったことはない」が60.1%を占めるも、「迷惑メールを受け取った」30.7%、「ウイルスに感染した・不正アクセスを受けた」4.7%がそれに続いた。男女別では、男性ほど「違法・有害情報に遭遇した」、女性ほど「迷惑メールを受け取った」が多い。

8割が「フィルタリングで安全になる」と認識しつつも、半数が利用していない

「フィルタリング」については、「よく知っている」29.6%、「多少知っている」49.9%で、計79.5%が認知していた(スマホを利用している高校生のみが回答)。この数値は2019年度(74.7%)から増加している。また、フィルタリングを認知している高校生のうち、48.6%が「フィルタリングを利用している」、15.6%が「以前利用していたが、今は利用していない」と回答している。

なおフィルタリングそのものに対しては80.5%が「有害なサイトやアプリの閲覧を制限し、安心にインターネットを使うことを可能にしてくれるもの」と認識していたが、フィルタリングを利用していない高校生にその理由を聞くと、「特に必要を感じない」36.6%、「閲覧したいサイトまたはアプリが使用できなかった」29.8%、「使用したところ使い勝手が悪かった」23.2%が上位だった。

調査概要

  • 【調査対象】全国74の高等学校等の1年生
  • 【調査方法】IDを割り付けた上で無記名形式でテストを実施。併せて、利用している機器やトラブル経験の有無等についてアンケートを行い、クロス集計を実施。
  • 【調査期間】2020年10月~2021年1月
  • 【有効回収数】12,499名
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