どうなる?日産、経営統合の協議打ち切り。グループ向け1次中小サプライヤーの4割は減益状態【東京商工リサーチ調べ】

売上高別では、10億円未満が半数近く。

東京商工リサーチは、日産自動車と主要グループ企業(日産グループ)と取引する国内企業の決算について、調査結果を発表した。現在日産グループと取引する国内企業は1万3,283社と算出されている。

日産自動車を巡っては、建て直しのためにホンダとの経営統合が模索されていたが、交渉が難航。2025年2月13日には、経営統合に関する協議を正式に打ち切ることが両社から発表された。

最新期決算は中小1次サプライヤーの40.8%が減益、15.2%が赤字と苦戦

1万3,283社のうち、部品メーカーを中心とした中小1次サプライヤー(資本金1億円未満)で、3期連続して業績(売上高・最終利益)を比較できる1,060社を分析した。まずサプライヤーの業績を見ると、最新期(2023年度)の売上高合計は3兆6,034億8,400万円で、前期から7.3%増、2期前の前々期から16.9%増と増収が続いているが、利益は最新期が1,133億7,400万円で、前期から25.0%増ながら、前々期と比べると8.3%減少していた。

なお同条件で、ホンダグループ1次中小サプライヤー1,529社を分析すると、利益は前々期から11.2%増の1,321億4,300万円と回復しているとのこと。また1次中小サプライヤーに対し大企業のサプライヤーの売上高は前々期から21.4%増、利益は同69.0%増となっている。

日産グループ向け中小1次サプライヤーの業績

1次中小サプライヤーを売上高別でみると、最多は「10億円以上50億円未満」368社(構成比34.7%)。以下「1億円以上5億円未満」248社(同23.4%)、「5億円以上10億円未満」145社(同13.6%)が続く。「売上高10億円未満」で集計すると49.4%で半数を占める。

日産グループ向け中小1次サプライヤー売上高別

最終利益を見ると、最新期が黒字だったのは898社(構成比84.7%)、赤字は162社(同15.2%)だった。前々期の赤字企業率は20.4%だったため、そこから5.2ポイント改善しているが、15%が赤字と経営は苦しい。さらに対前年増減益でみると、増益企業率51.7%・減益企業率40.8%とほぼ半々にわかれ、減収減益だった企業は19.8%に達していた。

日産グループ向け中小1次サプライヤー損益別
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