マーケター2千人が思い描く「5年後の世界」、日本のマーケターに足りない“革新性”が重要に【インテージ調べ】

インテージは、「マーケター自身が描く、2025年のありたい姿」の調査結果を発表した。2019年8月時点に、日本および世界のマーケター2,000人にアンケートを行ったものだ。

調査対象の内訳は、ミレニアルマーケター（20～35歳でマーケティング業務経験13年未満のマーケター）日本500人＋世界500人の計1,000人、シニアマーケター（40～55歳でマーケティング業務経験10年以上）日本500人＋世界500人の計1,000人、合計2,000人となっている。

2025年のミレニアルマーケターは、“真摯なビジョンに立脚した戦略立案を重視”

この調査では、インテージ独自のリサーチ＆創発プログラム「デ・サインリサーチ」を使い、まず世界のミレニアムマーケターの思う“近未来のありたい姿”（マーケティング業界への期待構造）を「マインドディスカバリーマップ」として可視化した。“2025年時点のマーケティング活動のキーワード”という設問への回答となる。

中心部に着目すると「strategy」が位置し、その近隣に「serious」「hardworking」「hardwork」「vision」が現れている。なお単語の出現頻度を見ると、企業名や「success」「global」といった単語がある。8位「innovation」、12位「innovative」があるが、この2つのワードは、日本マーケターの上位20位にはランクインしていなかったという。

一方、ミレニアルマーケターとシニアマーケターについて中心部分を比較すると、シニアマーケターには「strategy」「serious」「hardworking」「hardwork」「vision」といった単語はない。文章にすればミレニアルマーケターは、“真摯なビジョンに立脚した戦略立案を重視”していると言えるかもしれない。

シニアマーケターは「proven」「visibility」「change」「growth」「success」が出現しており、“変革や成長は見える形で示したい、成功を可視化したい”という期待が見てとれる。

「innovative」「innovation」には遊び心が不可欠

マップ全体像を細分して見ると、北西方向（10時半の位置）に「innovative」、北方向（12時の位置）に「innovation」が存在している。「innovative」「innovation」は似た意味合いの単語であるが、隣接する単語を見ると、「innovative」周辺は「quality」「different」「unique」が、「innovation」周辺は「product」「marketing」が存在する。この点から同調査では、「商品の品質の良さを測る新たな指標として、その商品がinnovativeかどうかが問われている」「社会、地球環境への影響を考慮したソーシャルグッドな商品を、innovationと定義している」といった可能性を指摘している。

「innovative」「innovation」を含む領域全体を見ると、「humorous」「funny」「sense」、あるいは「humour」「fantastic」「enthusiastic」といった単語が存在する。「innovative」「innovation」は、ユーモア、センス、楽しさ、遊び心と表裏一体だと、マーケターが考えていることが分かる。

調査概要

• 【調査対象】日本および世界20カ国でマーケティング業務に従事している男女（ミレニアルマーケター：20～35歳・マーケティング業務経験13年未満、シニアマーケター：40～55歳・マーケティング業務経験10年以上）
• 【調査方法】商品・サービス開発支援プログラムである「デ・サインリサーチ」を活用した調査と、ワークショップの複合手法
• 【調査期間】2019年8月
• 【標本サイズ】各n=500（日本は「マイティモニター（キューモニター＋提携モニター）」、世界20カ国はMAppsモニターより抽出しアンケート配信）