スマホの下取りや修理、日米で大きな意識差。日本は「保管」米国は「処分」?【MMD研調べ】
MMD研究所は、スマートフォンの中古端末市場について、日本とアメリカの差を調査した結果を発表した。日米の下取りサービス・補償サービス、故障内容や修理などにおける意識の違いに、焦点を当てている。
使っていた端末の処分、日本は「保管」アメリカは「処分」の傾向?
まずスマートフォン・携帯電話を所有している/していた人に「以前使っていた端末の処分方法」を聞くと、日本の利用者(973人)・アメリカの利用者(1,081人)ともに、「自宅に保管している」が1位、「機種変更の際に通信キャリアの下取りサービスを利用した」が2位だった。
しかしその比率を見ると、「自宅に保管している」が日本は60.8%だったのに対し、アメリカは46.5%と低くなる。「キャリアの下取りサービスを利用した」は日本19.1%に対し、アメリカは16.5%とこちらはあまり変わらない。そして日本の3位が「携帯電話買取店へ売却した」(日本7.4%、アメリカ3.9%)なのに対し、アメリカの3位は「家族友人に譲った」(日本1.8%、アメリカ14.1%)となっている。
そのほか「廃棄業者で処分した」(日本1.2%、アメリカ3.1%)、「捨てた」(日本1.8%、アメリカ5.5%)もアメリカは高く、比較的躊躇せず、端末を譲ったり捨てたりしている様子が見える。
そこで「その処分方法を選んだ理由」を聞くと、「処分が簡単だから」(あてはまる+ややあてはまるの合計、日本75.2%、アメリカ66.5%)は両国で高いが、日本は「得られる金額が高いから」(日本62.0%、アメリカ33.8%)をあげる人が多く、アメリカは「データが消去されて安心だから」(日本60.5%、アメリカ75.1%)をあげる人が多いといった差が出た。下取りの相場やシステムの違いに加え、日本では「持っている・業者に任せるのが安心」、アメリカでは「知り合いに譲る・捨ててしまうのが安心」といった感覚の違いがあるのかもしれない。
実際、「下取りや売却をせず、そのまま持っている理由」を聞くと、日本では「個人情報の流出が心配で手放せないから」が29.4%で1位(アメリカは17.7%)、一方アメリカでは「いつか使うかもしれないから(譲る予定なども含む)」が30.2%で1位(日本は11.3%)と、大きく違いが出ている。
日本では下取りサービスの利用意向は減少中
続いて、今後の意向として「次回携帯電話購入の際に、下取りサービス(下取りプログラム)を利用したいか」を聞くと、日本の利用者は「とても下取りサービスを利用したい」27.2%、「やや下取りサービスを利用したい」34.3%で、計61.6%が利用意向を示した。アメリカの利用者に聞いたところ、「とても下取りサービスを利用したい」31.1%、「やや下取りサービスを利用したい」38.9%、計70.0%でややアメリカが上回る。
日本における下取りサービスの利用意向は、2012年から減少傾向が続いているが、今回の調査ではやや回復し、60%超の水準を維持している。
下取りサービスに期待するのは「データ消去」と「簡単な手続き」
「下取りサービスに期待すること」を聞くと、日本の回答上位は「端末データが消去されること」57.6%、「下取り金額が高いこと」51.9%、「手続きが簡単であること」51.0%の順。一方アメリカの回答上位は「端末データが消去されること」61.1%、「手続きが簡単であること」49.3%、「下取り金額が高いこと」41.0%の順。単純な合計で見ると、両国1位はやはり「端末データが消去されること」、ついで「手続きが簡単であること」と考えられる。
一方で、売る側から買う側の立場になり「あなたの抱く中古端末のマイナスイメージ」を聞くと、それぞれの国内事情もあるが、日本は「使える通信キャリアが限られていそう」65.3%が1位、ついで「バッテリーが持たなそう」47.5%が2位だった。アメリカはキャリアへの不安は少なく「バッテリーが持たなそう」31.7%が1位となる。
故障や不具合が発生! ここでも日米の対処内容に大きな差
「携帯電話で故障や不具合が発生した経験」については、日本の56.3%、アメリカの49.2%が「ある」と回答。故障内容では、日本が「フリーズした」35.0%、「著しくバッテリーが持たなくなった」34.3%、「動作が遅くなった」30.8%が上位だった。アメリカは、「著しくバッテリーが持たなくなった」33.8%、「動作が遅くなった」31.0%、「画面が割れた」23.9%の順。背景には、普及している機種のメーカー、気象条件、電気・電波事情の差があると考えられる。
故障や不具合を経験したことがあると回答した人(日本548人、アメリカ532人)に「修理」について聞いたところ、日米ともに「どこにも相談もせず、修理にも出さなかった」という回答が最多。その理由を聞くと、日本は「修理に出すのが面倒だったから」35.6%、「修理しなくても使えそうだったから」34.6%、「修理費用が高額になりそうだったから」31.2%が上位だったが、アメリカは「修理しなくても使えそうだったから」50.4%、「修理費用が高額になりそうだったから」38.5%、「修理に出すのが面倒だったから」31.3%の順だった。
調査概要
- 【調査内容】日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場の調査(オークネット総合研究所との共同調査)
- 【調査対象】15歳~69歳の男女
- 【調査期間】2019年3月22日~4月9日
- 【調査方法】インターネット調査(オークネット総合研修所との共同調査)
- 【有効回答】日本:1,010人(うちスマートフォン・携帯電話の利用経験者は973人)アメリカ:1,111人(うちスマートフォン・携帯電話の利用経験者は1,081人)
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