アビーム、マーケティング部門のデジタル化を推進する「マーケティングBPRソリューション」提供開始

アビームの業界知識やBPR支援実績と、本間氏が得てきた深いマーケティング知識を組みあわせて支援

コンサルティングファームのアビームコンサルティングは、企業のマーケティング部門のデジタル化を推進するコンサルティングサービス「マーケティングBPRソリューション」を1月27日に提供開始した。

同BPR(Business Process Reengineering)ソリューションは、昨年、花王からアビームにジョインした本間充氏が主導して開発された。アビームが培ってきた豊富な業界知識やBPR支援実績に、花王やWeb広告研究会代表幹事として本間氏が得てきた、深いマーケティング知識を組み合わせ、マーケティング部門のデジタル化や企業改革を支援する。

発表にあわせた本間氏の講演は、記事後半を参照

同ソリューションは、マーケティング部門のデジタル化推進状況を含む包括的な課題・改善点を可視化する「マーケティングオペレーションアセスメントサービス」をベースに提供する。自社経営計画に基づくマーケティング戦略の立案や、マーケティング部門がすべき投資計画、組織・人事計画の実現に向けたロードマップの策定支援など、8つの領域で支援する。

  1. マーケティングオペレーションアセスメントサービス
  2. 全社マーケティング戦略ロードマップ策定サービス
  3. マーケティング部門戦略ロードマップ策定サービス
  4. マーケティングテクノロジー導入ロードマップ策定サービス
  5. マーケティング部門業務・組織改善サービス
  6. マーケティングテクノロジー導入実行計画策定サービス
  7. マーケティングテクノロジー導入サービス
  8. モニタリング・リサーチサービスマーケティング効果
マーケティングBPRソリューションで提供するサービス

ベースになるアセスメントサービスでは、マーケティング部門の業務のあるべき姿と現状のギャップを測定し、成熟度を可視化する。「Mission/Vision」「戦略・計画」「活動プロセス」「振り返り・評価」「組織」「IT」という6つの観点と、約200種類の診断項目で形成される。アセスメントサービスで約40日、マーケティング部門の成熟度を評価したうえで、その後の戦略を議論していく。

デジタルマーケティングのコンサルティングというと、どのツールを導入するか、こんなクリエイティブをやりたい、といった手段から話が進むケースもあるが、BPRソリューションでは、まず現状を把握(as-is分析)したうえで、進む方向(to-beの理想)を示していく。

マーケティングのデジタル化には、部門間の壁を乗り越えることが必要だが、関係者のアサインや幹部との合意形成などについても、アビームが得意とするBPR、本間氏が有するベストプラクティスと業界の知見などを活かし、サポートする。ベンダーニュートラルの立場で提案できること、日本企業であるが故にカスタマイズしやすい点などもソリューションの特徴の1つ。

コンサルティングの予算は企業ごとに異なるが、テレビCMを打つような比較的大きな予算を持つ企業が対象になる。初年度、5社程度の導入を目指す。

デジタル化を指揮するデジタルマーケティング・マネージャーの役割

アビームコンサルティング
本間 充氏

27日の発表会では、サービスの開発を主導した本間氏がその背景を語り、マーケティングのデジタル化を推進するデジタルマーケティング・マネージャーの役割を提案した。

デジタルマーケティング・マネージャーは、Webマスターではない。新しいツール、カスタマージャーニー、データ分析などを、コンダクターとして指揮してください。マーケティングは、新しい市場をつくるクリエイティブな仕事であり、デジタルがなくては進化しない。そうでなければ、新しい世代のお客さまに対応できない。いま、僕たちがマーケティング領域でやるべきことは、大きなビジョンを作ること。インターネットの普及から20数年、この後の20年を考えるステップにある。逆にいえば、チャンスでもある。

従来から、日本企業においてもCMOの重要性が説かれていたが、まだまだ少ないのが現状だ。CMOの仕事は、財務や人材とは違う側面があり、ブランドを守るという重責もある。トップダウンですべてをゆだねるのは難しいため、現場を知り尽くしたミドルレイヤーから、ボトムアップでともに改革を進めようというのが、本間氏の考えだ。

デジタルマーケティング・マネージャーの役割は、ツール導入などの小手先の手段ではなく、なぜそれを使うのかという、企業のマーケティングビジョンを明確化することにある。そういった意味でも、まずマーケティングBPRソリューションによって、現状のマーケティング部門の成熟度を把握し、次のロードマップを描いていってほしいと本間氏は述べた。

いまのマーケティングには、中長期の視点が欠けていて、どんなマーケティングをするのかというビジョンがない。ソリューションには、僕がやりたかったサービスを盛り込んである。中長期の視点を確立して、改革を一緒に支援していきたい。部門間の壁を壊したり、社内を巻き込むための調整にも使ってもらいたい。

アビームコンサルティング
http://jp.abeam.com/

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