富士通総研がネットショッピングの利用動向調査を発表。経験の差で多様化する利用状況
富士通総研は8月30日、個人のPCを使ったインターネットショッピングの利用動向を調査し、市場成長が鈍化し競争が本格化する時代のネットショップの競争要素を分析した調査レポート『インターネットショッピング2007~経験の差で多様化するネットショッパー~』を発表した。
『インターネットショッピング2007』は、PCのインターネットを使ったショッピング(消費者向け電子商取引)の現状を利用者側の視点から切り取ることを目的とした調査であり、2001年9月、2004年2月、2006年3月に続き、今回が4回目の実施となる。
- 調査期間:2007年4月13日~4月30日
- 調査対象者:10~69歳で、この1年間にネットショッピングを利用した人
- 調査形態:電子メールでの告知によるWebアンケート(調査パネル:iMiネット)
- サンプル数:2,000件発信 有効回答1,545件(有効回答率77.3%)
今回の調査のポイントとして、富士通総研は過去1年のPCでのネットショッピングの平均回数は11.6回、平均合計金額は10万6,174円となり、合計金額を回数で割った1回あたりの平均利用金額は9,133円であり、前回調査まで増加傾向だった平均回数と平均合計金額が微増にとどまっていることを挙げている。
また、初めてパソコンでネットショッピングをした時期で回答者を3分割した構成比は、2001年以前(25.4%)、2002~2004年(43.6%)、2005年以降(31.0%)となっている。この3グループのネットショッピング行動にはかなりの違いがあり、とくにPCネットショッピング歴実質5年以上(2001年以前開始)のベテランと、実質2年以内(2005年以降開始)のビギナーの差は大きい結果が出ている。
30代、40代の男性を中心とした「実質5年以上」のベテランのこの1年のPCネットショッピング平均回数は15.2回、平均合計利用金額は159,438円だったのに対し、10代、20代前半と50歳以上が多い「実質2年以内」のビギナーは、平均回数8.3回、平均合計利用金額72,482円と、どちらの数値もベテランの半分程度にとどまっていることが調査結果から明らかになっている。
こうした状況を踏まえた上で富士通総研は、PCネットショッピング市場への新規利用者の流入は、ペースを落としながらも年配層の利用率が上がりきるまでもうしばらく続くと予想。しかし、個々のネットショップの成長は、新規顧客をリピーターにし、一人あたりの利用金額を上げることで達成しなければならない。これからの新規顧客対策は、今までよりネットショッピング経験が少ない人を想定して、対策を考えるとよいだろうとしている。
たとえば、ネットショッピング歴2年以内のビギナーが新規利用のネットショップを探す方法は、経験の長いベテランとは異なる。主な手段であるサーチエンジンやモールでの検索に頼る率はベテランより低く、代わりにバナー広告やテキスト広告をクリックしたり、ニッセンや楽天のような有名店や口コミでネットショップを選んだりする。ビギナーを獲得するためには、こうしたビギナーの行動傾向を理解する必要がある。
『インターネットショッピング2007~経験の差で多様化するネットショッパー~』概要
- 著者:富士通総研
- 価格:29,400円(本体価格:28,000円,別途消費税1,400円)
- 報告書+PDF版(追加クロス,自由記述付)も用意。詳細は問い合わせ。
- 詳細:http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/cyber/report/shopping2007.html
- 購入申し込み:富士通総研 流通コンサルティング事業部 担当:田中秀樹、熊谷栄美
- 電話:03-5401-8389
- E-mail:fri-cyber@ml.jp.fujitsu.com
ウェブサイトでは、調査レポートのダイジェスト版(PDF)のダウンロードが可能。
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